有価証券報告書-第224期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、当社グループの持続的成長及び中長期的な企業価値の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンスを次の基本的な考え方に基づき構築しております。
1) 当社は株主の権利を尊重し、少数株主・外国人株主を含む全株主に対して実質的な平等性を確保するため、迅速な情報開示と十分な権利行使の確保のための環境整備に努めます。
2) 当社は、株主、取引先、地域社会、従業員等、様々なステークホルダーからの有形無形のサポートが、当社の中長期的な企業価値を向上させ、持続的な成長を遂げるために重要であると認識しており、ステークホルダーの権利・価値観を尊重する企業風土を醸成し、良好で適切な協働関係の構築に努めます。
3) 当社はステークホルダーへの説明責任として情報開示を捉え、特に当社の企業価値向上に直接利害関係を有する株主・投資家が当社企業価値を適切に判断できるよう、財務情報をはじめ、経営戦略や経営課題、非財務情報等についても各種法令に定められた情報開示に留まることなく幅広い情報の開示に努めます。開示する情報については当社ホームページ、事業報告書、プレスリリース等の手段を用い、幅広い情報の提供に努めます。
4) 当社取締役会は、会社の持続的成長と中長期的に企業価値を向上させるべく、経営戦略を策定するとともに、取締役会の判断を要するリスクを明確化することで果断な業務執行の実現を促すものとします。また、業務執行に対して独立した客観的な視点により実効的な監督を行うことに努めます。
5) 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資する為、株主をはじめとするステークホルダーのそれぞれの立場や関心等に留意し、適切な利益衡量のもと株主との建設的な対話等に努めます。
② 企業統治体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社として、経営の重要な意思決定及び業務執行の監督機能としての取締役会を、職務執行状況の監査機能としての監査役会をそれぞれ設置しております。取締役会は提出日現在、社外取締役6名を含む取締役10名、社外監査役2名を含む監査役4名で構成され、毎月1回以上開催しております。
業務執行の機動性・効率性を高めるため、業務執行に係る重要事項の決定については当社経営陣である執行役員を中心構成員とする経営会議を設置し、執行役員が業務執行の責任者として行うものとしています。経営会議は、執行役員8名他が構成メンバー、監査役がオブザーバーとして出席し、毎月2回開催しております。
各機関の主要構成員は次の表のとおりです。
※ ◎は機関の長(議長又は委員長)、〇は構成員、△は構成員ではない出席者を示しております。
なお、当社の企業統治体制図は次のとおりです。

当社が本体制を採用する理由
当社では、取締役会の機能を経営全般の意思決定と重要業務の執行状況に対する監督機能に重点化するため、日常的な業務執行については執行役員制度を導入し、業務執行上の重要事項については執行役員を中心メンバーとする経営会議にて協議することとしております。
取締役会は毎月1回以上開催され、社外監査役を含む全監査役が出席し取締役とは独立した立場で自らの見解を示す機会が確保されていることで、より客観的な意見が反映されて会社の意思決定が図られております。
また、上述の経営会議においては監査役もオブザーバーとして参加しており、業務執行上の重要事項について監査役によるチェックが行われる体制を整備しております。その他、監査役は随時取締役、従業員に対し業務執行状況について説明を求めることができるとしているほか、内部監査の状況について内部監査室より報告を受けるなど、監査機会を確保することで経営監視体制を強化しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況、リスク管理体制、子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
1)取締役・使用人の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するための体制
a.当社及び子会社(以下「当社グループ」という。)の取締役及び使用人が法令・定款はもとより社会規範・企業倫理を遵守することにより、各社の業務執行の適正を確保するための指針として「東京製綱グループ企業行動指針」を制定しており、この周知徹底を図ります。
b.当社は、当社グループ各社の環境・安全面にかかる業務執行が関係法令を遵守して行われるよう統括的に管理します。
c.当社内部監査室は、当社グループ各社の取締役・使用人による職務執行が法令・定款及び社内規程に違反せず適切に行われているかをチェックするため、業務監査を実施します。
d.「コンプライアンス規程」に基づきコンプライアンス委員会を定期的に開催し、当社グループのコンプライアンス体制の運用状況を把握するとともに、必要に応じて見直しを図ります。
e.法令違反の未然防止又は最小限に食い止めるために内部通報制度を創設し、運用規程として「東京製綱グループ内部通報規程」(以下「内部通報規程」という。)を制定しております。
f.グループ会社の従業員を含めたピープルサーベイを定期的に行い、コンプライアンス状況の多面的な確認を行うこととしております。
2)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
a.当社の取締役及び使用人が職務執行上取扱う全ての情報に関し、適切な管理体制と情報取扱手順等を「情報セキュリティ管理規程」に定め、運用します。
b.当社の取締役の職務執行に係る情報のうち、電子媒体によるものは「電子情報システム機密保護管理規程」、その他の媒体については法令及び社内規程に従って文書及びデータの作成・保存を行い、法令・社内規程の定める保存期間が終了したものは、裁断または消去します。
3)損失の危険の管理に関する規程・その他の体制
a.取締役会は、当社グループの事業上の全てのリスクに対する統制活動の手順並びに統制活動が適切に行われていることを検証し、必要に応じて是正する手順として「リスク管理規程」を制定しており、これを運用するとともに、重要な事業投融資については「投融資業務規程」に、重要な大規模取引等については「プロジェクト方針会議規程」に基づきリスクを適切に管理します。
b.当社グループ各社は「職務権限決裁規程」を制定し、自ら業務執行にかかるリスクの適切な管理に努めます。また、当社グループ各社の業務執行にかかるリスクが当社グループ全体に影響を及ぼす場合のリスク管理については「東京製綱グループ決裁基準」及び「関係会社管理規程」を制定しており、担当部署が統括的にリスク管理を行います。
c.当社グループ各社の事業上の各種リスクが顕在化する可能性を最小化するため「内部統制チェックシート」を作成し、統制活動の機能を検証するため内部監査室に専任者を配置し定期的にチェックを行います。
4)取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
a.当社では、「取締役会規則」に定めた重要事項の決定と代表取締役社長の職務執行状況の監督を行うために、毎月最低1回取締役会を開催します。
b.当社では、職務執行の効率化と取締役会の監督機能強化を図るべく執行役員制度を導入するとともに、代表取締役社長による会社の業務執行を補佐し、業務執行の適正性及び妥当性を確保するため、業務執行上の重要事項について協議するとともに、経営状況及び経営上の重要課題について会議構成員間の認識を共有するための機関として経営会議を設置します。
c.当社グループ各社の日常の業務執行については「職制規程」、「職務権限決裁規程」等の業務関係諸規程に則し、規律と効率に留意すると同時に組織間の連携を確保します。
d.全社的な方向付けと効率的な職務執行の実現のために、当社の子会社管理担当部署において、当社グループ全体の基本戦略及び中期経営計画を策定し、当社取締役会で決議のうえ年度経営計画に展開します。
e.後記5).bに記載する「関係会社社長会」において、各子会社における中期経営計画及び年度経営計画の目標達成状況を定期的に監督します。
5)子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
a.「関係会社管理規程」に基づき、各子会社はその財務状況、業務の執行状況及びリスク管理事項について定期的に当社に報告するとともに、重大な事項が生じた場合は直ちに当社所管部署に報告します。
b.当社グループ各社間の連携強化を図るため「関係会社社長会」を四半期毎に開催し、各子会社は業績、事業活動の状況について報告します。
6)監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項
a.監査役の職務を補助するため、監査役付使用人を置くものとし、その人事については取締役と監査役が意見交換を行い決定します。また、監査役付使用人の人事考課等については監査役の同意を得た上で取締役が決定します。
b.監査役付使用人は、監査役の補助業務については、業務執行上の指揮命令系統には属さずに監査役の指示命令に従うものとし、監査役付使用人が他部署の使用人を兼務する場合は、監査役の補助業務を優先します。
7)取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
a.監査役への報告体制として、監査役が取締役会に出席するほか、経営会議へは常勤の監査役が必ず出席することで業務執行に係る重要事項の報告を兼ねます。
b.稟議書、通達等の社内文書については、監査役がその判断に基づき随時閲覧できるものとし、必要な場合には、取締役及び使用人に説明を求めることができるものとします。
c.監査役は、会計監査人から会計監査内容について説明を受けるとともに、定期的に情報交換し綿密に連繋を図ります。
d.監査役は、必要に応じて内部監査室より内部監査の結果の報告を受けるものとします。
e.当社グループ各社の取締役及び使用人が法令や定款に違反する事実、その他コンプライアンスに関する事実を内部通報制度を利用して報告した場合、通報を受けた通報窓口責任者は必ず当社監査役に報告すること、並びに当該報告者が不利益な取り扱いを受けないことを、「内部通報規程」に定めております。
f.当社グループ各社の取締役及び使用人が法令や定款に違反する事実、その他コンプライアンスに関する事実を当社監査役に報告した場合は、当該報告をしたことを理由とする不利益な取扱いを禁止し、その旨を取締役会及び使用人に周知徹底します。
8)監査役の職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項及びその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a.監査役の監査が実効的に行われるために、監査役は必要に応じて会計監査人、顧問弁護士、その他の外部アドバイザーの意見を求めることができるものとし、当社はこれについて発生する費用を監査費用として認めます。
b.監査役が職務の執行について必要な費用の前払い又は償還を請求したときは、すみやかに当該費用又は債務の処理を行います。
ロ.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく責任の限度額は、法令が規定する額としております。
ハ.補償契約の内容の概要
当社は、各取締役及び監査役との間で、会社法第430条の2第1項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において補償する旨の契約を締結しております。当該契約においては、当社が各取締役に対して責任の追及に係る請求をする場合(株主代表訴訟による場合を除く。)の各取締役の費用や、各取締役がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合の費用については、当社が補償義務を負わないこと等を定めております。
ニ.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当社及び当社のすべての子会社のすべての取締役、執行役員及び監査役が被保険者の範囲となります。被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や、争訟費用等を補填することとしております。ただし、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じております。保険料は、その全額を会社が負担しております。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
当社は、「共存共栄」を企業理念に掲げ、株主の皆様をはじめ、お客様、お取引先、従業員や地域社会といった当社ステークホルダーとの適切な協働を維持しつつ、社会基盤整備への貢献を通じて、当社の企業価値と社会的存在意義ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指しております。
当社は、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案がなされた場合、これを許容するか否かは、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、株式の買付や買付者からの提案の中には、企業価値及び株主共同の利益を害するものが存在する可能性もあり、そのような買付や提案は不適切なものであると考えます。
したがって、当社は、企業価値及び株主共同の利益を害する買付者が現れた場合には、当該大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために、必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令を踏まえながら、必要に応じて適切な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保と向上に努めてまいります。
④ 取締役会の活動状況
1) 取締役会の構成
当社の取締役会は、取締役10名(男性8名、女性2名)で、うち過半数となる6名の独立社外取締役と、日常業務執行を行う4名の取締役により構成されております。また、当社では、日常業務執行の機動性と取締役会の監督機能確保を目的として執行役員制度を導入しており、取締役会は、内部規則に基づき、経営戦略・経営計画をはじめとする方針等の決定や法令の定める事項を決定するほか、執行役員の業務執行状況のモニタリングを行っております。日常業務執行については、執行役員が執行責任を担い、重要事項については執行役員を中心メンバーとする経営会議で協議し執行しております。
取締役の任期は1年で再任を妨げないこととしております。候補者の指名に際しては、取締役会の機能と経営戦略・経営計画を踏まえたスキルマトリックスを策定し、各分野に精通した人材を、多様性や規模等の取締役会全体のバランスも考慮したうえで配置しております。スキルマトリックス各項目の選定理由と、取締役会の構成及び各取締役に対して特に経験・専門性を活かすことを期待する分野は以下のとおりです。
(スキルマトリックスの各項目の選定理由)
(各取締役に対して期待する分野)
社外取締役の活動を支える仕組みとして、取締役会事務局に4名の兼職者を配置し、社外取締役からの求めに応じて情報提供や連絡調整を行っております。また、四半期に1度の頻度で社外取締役のみによる会合を開催し、経営上の重要課題やモニタリング方針等の協議を行い、その結果につき業務執行を担う取締役に共有することで、社外取締役の意向の執行への反映に努めております。
2) 取締役会の基本的な在り方
当社は機関設計上、監査役会設置会社でありますが、取締役会は日常業務執行の決定機関たるマネジメントボードではなく、刻々と変化する当社の経営環境に的確に対応しつつ、1世紀をはるかに超える長き歴史により培われたステークホルダーとの良好な関係性を更に発展させていくため、日常業務執行への専心と経営環境の変化を踏まえた経営の監督機能の強化を両立しうる、モニタリングボードを志向し運営しております。このため、取締役会では、経営方針や重要財産の処分等といった会社法上必要な意思決定を行うほか、執行役員及び執行役員を中心に構成される経営会議が担う日常業務執行の状況を監督することに重点を置いて活動しております。取締役と執行役員とが日常業務執行の監督と執行責任を分担することで、業務執行の効率性と客観的な視点での監督を実現し、企業価値の向上を図ることを目指しております。
3) 取締役会の具体的な検討内容
取締役会では、法令・定款・内部規則並びに株主総会の付託に従い、経営計画をはじめとする方針策定に関する事項の決定、代表取締役や執行役員の選定や報酬等の決定、経営陣の指名・報酬に関する事項や内部統制等のガバナンスに関する事項の決定、決算や資本政策に関する事項の決定や、日常業務執行の報告を受けて執行状況のモニタリング等を実施しております。
当事業年度において当社は取締役会を月1回以上の頻度で全15回開催しており、1回当たりの所要時間は平均2時間5分、議題数は平均5.1件となっております。個々の取締役の出席状況は次のとおりであります。
具体的な検討内容は、経営陣の指名・報酬決定や取締役会実効性評価等のコーポレート・ガバナンスに関する事項、決算・子会社財務・月次損益状況等の決算・財務に関する事項、配当・自己株式取得の決定やIR活動報告などの資本政策に関する事項、経営方針・経営計画・事業撤退等の決定や事業活動状況報告等の業務執行に関する事項、その他として本店移転の決定やマテリアリティの決定、ピープルサーベイ結果報告等であります。
4) 諮問機関
当社では、企業価値を高めるうえでコーポレート・ガバナンスの持続的改善が果たす役割を重視し、取締役会の諮問機関として以下の委員会を設置し、ガバナンスの強化に努めております。
[指名・報酬委員会]
メンバー 委員長 原田英幸(代表取締役社長執行役員)
委員 樋口靖(社外取締役)、上山丈夫(社外取締役)、狩野麻理(社外取締役)、喜旦康司(取締役執行役員)
機 能 取締役会構成、取締役候補者の指名手続き、執行役員の選任、執行役員評価制度の運用の検証、サクセッションプラン(ウェイティングリスト確認を含む)、取締役及び執行役員の報酬制度と具体的報酬額にかかる取締役会上程案の決定プロセスや具体的内容についての審議
活動状況 2022年度中10回開催(1回90分)し、実効性評価を踏まえた取締役会構成の妥当性及び候補者指名案の妥当性審議、取締役・執行役員報酬制度(報酬割合・業績連動報酬・株式報酬)の現況確認と制度改正案(固定報酬・業績連動報酬・株式報酬)の妥当性検討、サクセッションプランや役員評価制度等の他、役員内規(任期等)の内容確認
[ガバナンス改善委員会]
メンバー 委員長 原田英幸(代表取締役社長執行役員)
委員 葛岡利明(社外取締役)、名取勝也(社外取締役)、山本千鶴子(社外取締役)、喜旦康司(取締役執行役員)、福井達二(オブザーバー 監査役)
機 能 当社グループの統制環境、執行状況の具体的事例を詳細に分析の上、当社グループのガバナンスに関して改善すべき課題等を協議し、取締役会に意見を具申する。
活動状況 2022年度中、1回開催(90分)し、海外拠点に関し構築されている統制環境の妥当性検証と改善に係る意見を具申
5) 取締役会の実効性評価
当社では、当事業年度に関する取締役会の実効性評価を以下のとおり実施しました。
2023年3月に全取締役及び全監査役(合計14名)を対象としてアンケートを実施し、その回答を自己評価として集計し、2023年5月開催の取締役会で集計結果を踏まえて実効性向上のための課題等について協議を行いました。アンケート内容は「コーポレートガバナンスコード」、「投資家と企業との対話ガイドライン」、「英国CGC原則」等をもとに以下のカテゴリーに関する35問の設問(記述式11問、5段階評価24問)といたしました。
・取締役会の在り方・構成(3問)
・取締役会の運営と議論の状況(16問)
・取締役会のモニタリング機能(5問)
・取締役のパフォーマンス・役員支援体制・トレーニングと自身の取り組み(7問)
・株主・投資家との対話(1問)
・総括(3問)
なお、調査方法はアンケート形式としておりますが、取締役会の実効性に関して126件の自由意見を聴取しており、インタビュー同等の多様な意見聴取を実現しております。
(前事業年度実施の実効性評価での課題に対する取り組み)
前事業年度に実施した取締役会の実効性評価では、執行取締役のスキルアップや提供資料の情報網羅性や提供時期の改善、中長期的課題解決に向けた議論や社外取締役のみの会合機会の確保、指名・報酬委員会やガバナンス改善委員会での議論の状況共有などが課題や要望として取りまとめられました。当事業年度において、提供資料の質的改善や事前提供の励行やwebミーティングによる事前説明の実施、四半期毎の社外取締役会の定例化、諮問機関の資料・議事録の共有などに取り組んでまいりました。
(当事業年度に関する実効性評価で挙げられた課題)
当事業年度に関する取締役会の実効性評価では、取締役会の実効性は概ね機能しているとの評価で、評点も前事業年度と比べ改善傾向にあるほか、取締役会として自由闊達な議論が可能な雰囲気が醸成されていると評価しております。一方で、実効性を更に向上させるための課題としては以下の事項が挙げられております。
・取締役会資料の提供時期の更なる早期化、資料のボリュームの適正化
・経営計画の進捗状況フォローアップの強化
・ESG対応やSDGsへの取組み等、サステナビリティの基本的な方針やその向上のための取組みについての議論の充実や監督
・事業戦略や事業ポートフォリオ等、経営の大局的な議論の充実・審議時間の確保
・人的資本・知的財産に対する投資の適切な監督・モニタリングの実施
・モニタリングの進め方に関し、施策の中間点での包括的な検証と定期的なPDCAモニタリングの実践
実効性評価で抽出された上記課題は、多くが前事業年度の実効性評価においても課題として挙げられており、改善に努めたものの、引き続き課題として抽出されております。当社ではこれらの課題解決に向けて持続的な改善に努め、取締役会の実効性を高めるとともに、ひいては企業価値の向上を目指してまいります。
⑤ 取締役会で決議できる株主総会決議事項
1)剰余金の配当等の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うことを目的として、会社法第454条第5項及び第459条第1項第4号の規定により、取締役会の決議によって、配当を行うことができる旨定款に定めております。
2)自己株式の取得
当社は、経営環境等の変化に速やかに対応するため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己株式を取得することができる旨定款に定めております。
3)取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
⑥ 取締役の定数
当社の取締役は、10名以内とする旨定款に定めております。
⑦ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
⑧ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、当社グループの持続的成長及び中長期的な企業価値の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンスを次の基本的な考え方に基づき構築しております。
1) 当社は株主の権利を尊重し、少数株主・外国人株主を含む全株主に対して実質的な平等性を確保するため、迅速な情報開示と十分な権利行使の確保のための環境整備に努めます。
2) 当社は、株主、取引先、地域社会、従業員等、様々なステークホルダーからの有形無形のサポートが、当社の中長期的な企業価値を向上させ、持続的な成長を遂げるために重要であると認識しており、ステークホルダーの権利・価値観を尊重する企業風土を醸成し、良好で適切な協働関係の構築に努めます。
3) 当社はステークホルダーへの説明責任として情報開示を捉え、特に当社の企業価値向上に直接利害関係を有する株主・投資家が当社企業価値を適切に判断できるよう、財務情報をはじめ、経営戦略や経営課題、非財務情報等についても各種法令に定められた情報開示に留まることなく幅広い情報の開示に努めます。開示する情報については当社ホームページ、事業報告書、プレスリリース等の手段を用い、幅広い情報の提供に努めます。
4) 当社取締役会は、会社の持続的成長と中長期的に企業価値を向上させるべく、経営戦略を策定するとともに、取締役会の判断を要するリスクを明確化することで果断な業務執行の実現を促すものとします。また、業務執行に対して独立した客観的な視点により実効的な監督を行うことに努めます。
5) 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資する為、株主をはじめとするステークホルダーのそれぞれの立場や関心等に留意し、適切な利益衡量のもと株主との建設的な対話等に努めます。
② 企業統治体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社として、経営の重要な意思決定及び業務執行の監督機能としての取締役会を、職務執行状況の監査機能としての監査役会をそれぞれ設置しております。取締役会は提出日現在、社外取締役6名を含む取締役10名、社外監査役2名を含む監査役4名で構成され、毎月1回以上開催しております。
業務執行の機動性・効率性を高めるため、業務執行に係る重要事項の決定については当社経営陣である執行役員を中心構成員とする経営会議を設置し、執行役員が業務執行の責任者として行うものとしています。経営会議は、執行役員8名他が構成メンバー、監査役がオブザーバーとして出席し、毎月2回開催しております。
各機関の主要構成員は次の表のとおりです。
| 役職名 | 氏名 | 取締役会 | 監査役会 | 経営会議 | 指名・報酬委員会 | ガバナンス改善委員会 |
| 代表取締役社長執行役員 | 原田 英幸 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
| 取締役常務執行役員 | 寺園 雅明 | ○ | ○ | |||
| 取締役執行役員 | 森 忠大 | ○ | ○ | |||
| 取締役執行役員 | 喜旦 康司 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| 社外取締役 | 樋口 靖 | ○ | ○ | |||
| 社外取締役 | 上山 丈夫 | ○ | ○ | |||
| 社外取締役 | 葛岡 利明 | ○ | ○ | |||
| 社外取締役 | 名取 勝也 | ○ | ○ |
| 役職名 | 氏名 | 取締役会 | 監査役会 | 経営会議 | 指名・報酬委員会 | ガバナンス改善委員会 |
| 社外取締役 | 狩野 麻里 | ○ | ○ | |||
| 社外取締役 | 山本 千鶴子 | ○ | ○ | |||
| 監査役 | 福井 達二 | ○ | ◎ | △ | △ | |
| 監査役 | 林 俊雄 | ○ | ○ | △ | ||
| 社外監査役 | 小田木 毅 | ○ | ○ | |||
| 社外監査役 | 吉川 智三 | ○ | ○ | |||
| 常務執行役員 | 堀内 久資 | △ | ○ | |||
| 常務執行役員 | 佐藤 浩 | ○ | ||||
| 常務執行役員 | 守谷 敏之 | ○ | ||||
| 執行役員 | 田代 元司 | ○ |
※ ◎は機関の長(議長又は委員長)、〇は構成員、△は構成員ではない出席者を示しております。
なお、当社の企業統治体制図は次のとおりです。

当社が本体制を採用する理由
当社では、取締役会の機能を経営全般の意思決定と重要業務の執行状況に対する監督機能に重点化するため、日常的な業務執行については執行役員制度を導入し、業務執行上の重要事項については執行役員を中心メンバーとする経営会議にて協議することとしております。
取締役会は毎月1回以上開催され、社外監査役を含む全監査役が出席し取締役とは独立した立場で自らの見解を示す機会が確保されていることで、より客観的な意見が反映されて会社の意思決定が図られております。
また、上述の経営会議においては監査役もオブザーバーとして参加しており、業務執行上の重要事項について監査役によるチェックが行われる体制を整備しております。その他、監査役は随時取締役、従業員に対し業務執行状況について説明を求めることができるとしているほか、内部監査の状況について内部監査室より報告を受けるなど、監査機会を確保することで経営監視体制を強化しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況、リスク管理体制、子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
1)取締役・使用人の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するための体制
a.当社及び子会社(以下「当社グループ」という。)の取締役及び使用人が法令・定款はもとより社会規範・企業倫理を遵守することにより、各社の業務執行の適正を確保するための指針として「東京製綱グループ企業行動指針」を制定しており、この周知徹底を図ります。
b.当社は、当社グループ各社の環境・安全面にかかる業務執行が関係法令を遵守して行われるよう統括的に管理します。
c.当社内部監査室は、当社グループ各社の取締役・使用人による職務執行が法令・定款及び社内規程に違反せず適切に行われているかをチェックするため、業務監査を実施します。
d.「コンプライアンス規程」に基づきコンプライアンス委員会を定期的に開催し、当社グループのコンプライアンス体制の運用状況を把握するとともに、必要に応じて見直しを図ります。
e.法令違反の未然防止又は最小限に食い止めるために内部通報制度を創設し、運用規程として「東京製綱グループ内部通報規程」(以下「内部通報規程」という。)を制定しております。
f.グループ会社の従業員を含めたピープルサーベイを定期的に行い、コンプライアンス状況の多面的な確認を行うこととしております。
2)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
a.当社の取締役及び使用人が職務執行上取扱う全ての情報に関し、適切な管理体制と情報取扱手順等を「情報セキュリティ管理規程」に定め、運用します。
b.当社の取締役の職務執行に係る情報のうち、電子媒体によるものは「電子情報システム機密保護管理規程」、その他の媒体については法令及び社内規程に従って文書及びデータの作成・保存を行い、法令・社内規程の定める保存期間が終了したものは、裁断または消去します。
3)損失の危険の管理に関する規程・その他の体制
a.取締役会は、当社グループの事業上の全てのリスクに対する統制活動の手順並びに統制活動が適切に行われていることを検証し、必要に応じて是正する手順として「リスク管理規程」を制定しており、これを運用するとともに、重要な事業投融資については「投融資業務規程」に、重要な大規模取引等については「プロジェクト方針会議規程」に基づきリスクを適切に管理します。
b.当社グループ各社は「職務権限決裁規程」を制定し、自ら業務執行にかかるリスクの適切な管理に努めます。また、当社グループ各社の業務執行にかかるリスクが当社グループ全体に影響を及ぼす場合のリスク管理については「東京製綱グループ決裁基準」及び「関係会社管理規程」を制定しており、担当部署が統括的にリスク管理を行います。
c.当社グループ各社の事業上の各種リスクが顕在化する可能性を最小化するため「内部統制チェックシート」を作成し、統制活動の機能を検証するため内部監査室に専任者を配置し定期的にチェックを行います。
4)取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
a.当社では、「取締役会規則」に定めた重要事項の決定と代表取締役社長の職務執行状況の監督を行うために、毎月最低1回取締役会を開催します。
b.当社では、職務執行の効率化と取締役会の監督機能強化を図るべく執行役員制度を導入するとともに、代表取締役社長による会社の業務執行を補佐し、業務執行の適正性及び妥当性を確保するため、業務執行上の重要事項について協議するとともに、経営状況及び経営上の重要課題について会議構成員間の認識を共有するための機関として経営会議を設置します。
c.当社グループ各社の日常の業務執行については「職制規程」、「職務権限決裁規程」等の業務関係諸規程に則し、規律と効率に留意すると同時に組織間の連携を確保します。
d.全社的な方向付けと効率的な職務執行の実現のために、当社の子会社管理担当部署において、当社グループ全体の基本戦略及び中期経営計画を策定し、当社取締役会で決議のうえ年度経営計画に展開します。
e.後記5).bに記載する「関係会社社長会」において、各子会社における中期経営計画及び年度経営計画の目標達成状況を定期的に監督します。
5)子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
a.「関係会社管理規程」に基づき、各子会社はその財務状況、業務の執行状況及びリスク管理事項について定期的に当社に報告するとともに、重大な事項が生じた場合は直ちに当社所管部署に報告します。
b.当社グループ各社間の連携強化を図るため「関係会社社長会」を四半期毎に開催し、各子会社は業績、事業活動の状況について報告します。
6)監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項
a.監査役の職務を補助するため、監査役付使用人を置くものとし、その人事については取締役と監査役が意見交換を行い決定します。また、監査役付使用人の人事考課等については監査役の同意を得た上で取締役が決定します。
b.監査役付使用人は、監査役の補助業務については、業務執行上の指揮命令系統には属さずに監査役の指示命令に従うものとし、監査役付使用人が他部署の使用人を兼務する場合は、監査役の補助業務を優先します。
7)取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
a.監査役への報告体制として、監査役が取締役会に出席するほか、経営会議へは常勤の監査役が必ず出席することで業務執行に係る重要事項の報告を兼ねます。
b.稟議書、通達等の社内文書については、監査役がその判断に基づき随時閲覧できるものとし、必要な場合には、取締役及び使用人に説明を求めることができるものとします。
c.監査役は、会計監査人から会計監査内容について説明を受けるとともに、定期的に情報交換し綿密に連繋を図ります。
d.監査役は、必要に応じて内部監査室より内部監査の結果の報告を受けるものとします。
e.当社グループ各社の取締役及び使用人が法令や定款に違反する事実、その他コンプライアンスに関する事実を内部通報制度を利用して報告した場合、通報を受けた通報窓口責任者は必ず当社監査役に報告すること、並びに当該報告者が不利益な取り扱いを受けないことを、「内部通報規程」に定めております。
f.当社グループ各社の取締役及び使用人が法令や定款に違反する事実、その他コンプライアンスに関する事実を当社監査役に報告した場合は、当該報告をしたことを理由とする不利益な取扱いを禁止し、その旨を取締役会及び使用人に周知徹底します。
8)監査役の職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項及びその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a.監査役の監査が実効的に行われるために、監査役は必要に応じて会計監査人、顧問弁護士、その他の外部アドバイザーの意見を求めることができるものとし、当社はこれについて発生する費用を監査費用として認めます。
b.監査役が職務の執行について必要な費用の前払い又は償還を請求したときは、すみやかに当該費用又は債務の処理を行います。
ロ.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく責任の限度額は、法令が規定する額としております。
ハ.補償契約の内容の概要
当社は、各取締役及び監査役との間で、会社法第430条の2第1項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において補償する旨の契約を締結しております。当該契約においては、当社が各取締役に対して責任の追及に係る請求をする場合(株主代表訴訟による場合を除く。)の各取締役の費用や、各取締役がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合の費用については、当社が補償義務を負わないこと等を定めております。
ニ.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当社及び当社のすべての子会社のすべての取締役、執行役員及び監査役が被保険者の範囲となります。被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や、争訟費用等を補填することとしております。ただし、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じております。保険料は、その全額を会社が負担しております。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
当社は、「共存共栄」を企業理念に掲げ、株主の皆様をはじめ、お客様、お取引先、従業員や地域社会といった当社ステークホルダーとの適切な協働を維持しつつ、社会基盤整備への貢献を通じて、当社の企業価値と社会的存在意義ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指しております。
当社は、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案がなされた場合、これを許容するか否かは、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、株式の買付や買付者からの提案の中には、企業価値及び株主共同の利益を害するものが存在する可能性もあり、そのような買付や提案は不適切なものであると考えます。
したがって、当社は、企業価値及び株主共同の利益を害する買付者が現れた場合には、当該大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために、必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令を踏まえながら、必要に応じて適切な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保と向上に努めてまいります。
④ 取締役会の活動状況
1) 取締役会の構成
当社の取締役会は、取締役10名(男性8名、女性2名)で、うち過半数となる6名の独立社外取締役と、日常業務執行を行う4名の取締役により構成されております。また、当社では、日常業務執行の機動性と取締役会の監督機能確保を目的として執行役員制度を導入しており、取締役会は、内部規則に基づき、経営戦略・経営計画をはじめとする方針等の決定や法令の定める事項を決定するほか、執行役員の業務執行状況のモニタリングを行っております。日常業務執行については、執行役員が執行責任を担い、重要事項については執行役員を中心メンバーとする経営会議で協議し執行しております。
取締役の任期は1年で再任を妨げないこととしております。候補者の指名に際しては、取締役会の機能と経営戦略・経営計画を踏まえたスキルマトリックスを策定し、各分野に精通した人材を、多様性や規模等の取締役会全体のバランスも考慮したうえで配置しております。スキルマトリックス各項目の選定理由と、取締役会の構成及び各取締役に対して特に経験・専門性を活かすことを期待する分野は以下のとおりです。
(スキルマトリックスの各項目の選定理由)
| スキル項目 | 選定理由 |
| 企業経営 | 厳しい事業環境の中でも持続的成長を遂げるべく、新たな経営体制の下、中期経営計画『TRX135』を策定した。同計画では「経営資源投入の選択と集中による全事業の黒字化」と「次期成長を見据えた基盤づくり」を基本方針に掲げており、企業におけるマネジメント経験、とりわけ経営改革を行った実績や、異業種におけるマネジメント経験を持つ取締役が必要である。 |
| マーケティング 技術 | 国内外での競争が激化する中で、中期経営計画『TRX135』に掲げる「収益力の再構築」を実現するために、鋼索鋼線やスチールコードはもとより、鉄鋼・建設・機械等当社グループの事業に関係する業界や製品・技術に精通し、また、グローバルビジネスにも知見を持った取締役が必要である。 |
| 財務/会計 M&A | 中期経営計画『TRX135』に掲げる、「財務基盤強化」を実現する財務戦略の策定には、財務・会計分野における確かな知識・経験を持つ取締役が必要である。 |
| リスク管理 ガバナンス | 中期経営計画『TRX135』において「風土改革に繋げる内部統制の再構築と積極活用」を掲げ、持続的な企業価値向上の基盤として、プライム市場上場企業が備えるべき水準へガバナンス体制を刷新したが、その高度化を継続的に図る必要があり、コーポレートガバナンスやリスク管理・コンプライアンス分野で確かな知識・経験を持つ取締役が必要である。 |
| 人材開発 | 中期経営計画『TRX135』を達成し、その後も持続的に企業価値を向上させるためには、それぞれの従業員が能力を最大限に発揮できる人材戦略の策定が必要である。また、ダイバーシティの推進等によって、事業領域のグローバル化に対応するためにも、人材開発分野での確かな知識・経験を持つ取締役が必要である。 |
(各取締役に対して期待する分野)
| 氏名 | 役職 | スキル・経験 | ||||
| 企業経営 | マーケティング | 財務/会計 | リスク管理 | 人材開発 | ||
| 技術 | M&A | ガバナンス | ||||
| 原田 英幸 | 代表取締役社長執行役員 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| 寺園 雅明 | 取締役 常務執行役員 | 〇 | ||||
| 森 忠大 | 取締役執行役員 | 〇 | 〇 | |||
| 喜旦 康司 | 取締役執行役員 | 〇 | 〇 | |||
| 樋口 靖 | 社外取締役 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| 上山 丈夫 | 社外取締役 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| 葛岡 利明 | 社外取締役 | 〇 | 〇 | |||
| 名取 勝也 | 社外取締役 | 〇 | 〇 | |||
| 狩野 麻里 | 社外取締役 | 〇 | 〇 | |||
| 山本 千鶴子 | 社外取締役 | 〇 | 〇 | |||
社外取締役の活動を支える仕組みとして、取締役会事務局に4名の兼職者を配置し、社外取締役からの求めに応じて情報提供や連絡調整を行っております。また、四半期に1度の頻度で社外取締役のみによる会合を開催し、経営上の重要課題やモニタリング方針等の協議を行い、その結果につき業務執行を担う取締役に共有することで、社外取締役の意向の執行への反映に努めております。
2) 取締役会の基本的な在り方
当社は機関設計上、監査役会設置会社でありますが、取締役会は日常業務執行の決定機関たるマネジメントボードではなく、刻々と変化する当社の経営環境に的確に対応しつつ、1世紀をはるかに超える長き歴史により培われたステークホルダーとの良好な関係性を更に発展させていくため、日常業務執行への専心と経営環境の変化を踏まえた経営の監督機能の強化を両立しうる、モニタリングボードを志向し運営しております。このため、取締役会では、経営方針や重要財産の処分等といった会社法上必要な意思決定を行うほか、執行役員及び執行役員を中心に構成される経営会議が担う日常業務執行の状況を監督することに重点を置いて活動しております。取締役と執行役員とが日常業務執行の監督と執行責任を分担することで、業務執行の効率性と客観的な視点での監督を実現し、企業価値の向上を図ることを目指しております。
3) 取締役会の具体的な検討内容
取締役会では、法令・定款・内部規則並びに株主総会の付託に従い、経営計画をはじめとする方針策定に関する事項の決定、代表取締役や執行役員の選定や報酬等の決定、経営陣の指名・報酬に関する事項や内部統制等のガバナンスに関する事項の決定、決算や資本政策に関する事項の決定や、日常業務執行の報告を受けて執行状況のモニタリング等を実施しております。
当事業年度において当社は取締役会を月1回以上の頻度で全15回開催しており、1回当たりの所要時間は平均2時間5分、議題数は平均5.1件となっております。個々の取締役の出席状況は次のとおりであります。
| 氏名 | 役職 | 開催回数 | 出席回数 | 取締役会諮問機関の兼職 |
| 原田 英幸 | 代表取締役社長執行役員 | 15回 | 15回 | 指名・報酬委員会委員長、ガバナンス改善委員会委員長 |
| 寺園 雅明 | 取締役常務執行役員 | 15回 | 15回 | |
| 森 忠大 | 取締役執行役員 | 15回 | 15回 | |
| 喜旦 康司 | 取締役執行役員 | 15回 | 15回 | 指名・報酬委員会委員 ガバナンス改善委員会委員 |
| 樋口 靖 | 社外取締役 | 15回 | 15回 | 指名・報酬委員会委員 |
| 上山 丈夫 | 社外取締役 | 15回 | 15回 | 指名・報酬委員会委員 |
| 葛岡 利明 | 社外取締役 | 15回 | 15回 | ガバナンス改善委員会委員 |
| 名取 勝也 | 社外取締役 | 15回 | 15回 | ガバナンス改善委員会委員 |
| 狩野 麻里 | 社外取締役 | 15回 | 15回 | 指名・報酬委員会委員 |
| 山本 千鶴子 | 社外取締役 | 15回 | 15回 | ガバナンス改善委員会委員 |
具体的な検討内容は、経営陣の指名・報酬決定や取締役会実効性評価等のコーポレート・ガバナンスに関する事項、決算・子会社財務・月次損益状況等の決算・財務に関する事項、配当・自己株式取得の決定やIR活動報告などの資本政策に関する事項、経営方針・経営計画・事業撤退等の決定や事業活動状況報告等の業務執行に関する事項、その他として本店移転の決定やマテリアリティの決定、ピープルサーベイ結果報告等であります。
4) 諮問機関
当社では、企業価値を高めるうえでコーポレート・ガバナンスの持続的改善が果たす役割を重視し、取締役会の諮問機関として以下の委員会を設置し、ガバナンスの強化に努めております。
[指名・報酬委員会]
メンバー 委員長 原田英幸(代表取締役社長執行役員)
委員 樋口靖(社外取締役)、上山丈夫(社外取締役)、狩野麻理(社外取締役)、喜旦康司(取締役執行役員)
機 能 取締役会構成、取締役候補者の指名手続き、執行役員の選任、執行役員評価制度の運用の検証、サクセッションプラン(ウェイティングリスト確認を含む)、取締役及び執行役員の報酬制度と具体的報酬額にかかる取締役会上程案の決定プロセスや具体的内容についての審議
活動状況 2022年度中10回開催(1回90分)し、実効性評価を踏まえた取締役会構成の妥当性及び候補者指名案の妥当性審議、取締役・執行役員報酬制度(報酬割合・業績連動報酬・株式報酬)の現況確認と制度改正案(固定報酬・業績連動報酬・株式報酬)の妥当性検討、サクセッションプランや役員評価制度等の他、役員内規(任期等)の内容確認
[ガバナンス改善委員会]
メンバー 委員長 原田英幸(代表取締役社長執行役員)
委員 葛岡利明(社外取締役)、名取勝也(社外取締役)、山本千鶴子(社外取締役)、喜旦康司(取締役執行役員)、福井達二(オブザーバー 監査役)
機 能 当社グループの統制環境、執行状況の具体的事例を詳細に分析の上、当社グループのガバナンスに関して改善すべき課題等を協議し、取締役会に意見を具申する。
活動状況 2022年度中、1回開催(90分)し、海外拠点に関し構築されている統制環境の妥当性検証と改善に係る意見を具申
5) 取締役会の実効性評価
当社では、当事業年度に関する取締役会の実効性評価を以下のとおり実施しました。
2023年3月に全取締役及び全監査役(合計14名)を対象としてアンケートを実施し、その回答を自己評価として集計し、2023年5月開催の取締役会で集計結果を踏まえて実効性向上のための課題等について協議を行いました。アンケート内容は「コーポレートガバナンスコード」、「投資家と企業との対話ガイドライン」、「英国CGC原則」等をもとに以下のカテゴリーに関する35問の設問(記述式11問、5段階評価24問)といたしました。
・取締役会の在り方・構成(3問)
・取締役会の運営と議論の状況(16問)
・取締役会のモニタリング機能(5問)
・取締役のパフォーマンス・役員支援体制・トレーニングと自身の取り組み(7問)
・株主・投資家との対話(1問)
・総括(3問)
なお、調査方法はアンケート形式としておりますが、取締役会の実効性に関して126件の自由意見を聴取しており、インタビュー同等の多様な意見聴取を実現しております。
(前事業年度実施の実効性評価での課題に対する取り組み)
前事業年度に実施した取締役会の実効性評価では、執行取締役のスキルアップや提供資料の情報網羅性や提供時期の改善、中長期的課題解決に向けた議論や社外取締役のみの会合機会の確保、指名・報酬委員会やガバナンス改善委員会での議論の状況共有などが課題や要望として取りまとめられました。当事業年度において、提供資料の質的改善や事前提供の励行やwebミーティングによる事前説明の実施、四半期毎の社外取締役会の定例化、諮問機関の資料・議事録の共有などに取り組んでまいりました。
(当事業年度に関する実効性評価で挙げられた課題)
当事業年度に関する取締役会の実効性評価では、取締役会の実効性は概ね機能しているとの評価で、評点も前事業年度と比べ改善傾向にあるほか、取締役会として自由闊達な議論が可能な雰囲気が醸成されていると評価しております。一方で、実効性を更に向上させるための課題としては以下の事項が挙げられております。
・取締役会資料の提供時期の更なる早期化、資料のボリュームの適正化
・経営計画の進捗状況フォローアップの強化
・ESG対応やSDGsへの取組み等、サステナビリティの基本的な方針やその向上のための取組みについての議論の充実や監督
・事業戦略や事業ポートフォリオ等、経営の大局的な議論の充実・審議時間の確保
・人的資本・知的財産に対する投資の適切な監督・モニタリングの実施
・モニタリングの進め方に関し、施策の中間点での包括的な検証と定期的なPDCAモニタリングの実践
実効性評価で抽出された上記課題は、多くが前事業年度の実効性評価においても課題として挙げられており、改善に努めたものの、引き続き課題として抽出されております。当社ではこれらの課題解決に向けて持続的な改善に努め、取締役会の実効性を高めるとともに、ひいては企業価値の向上を目指してまいります。
⑤ 取締役会で決議できる株主総会決議事項
1)剰余金の配当等の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うことを目的として、会社法第454条第5項及び第459条第1項第4号の規定により、取締役会の決議によって、配当を行うことができる旨定款に定めております。
2)自己株式の取得
当社は、経営環境等の変化に速やかに対応するため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己株式を取得することができる旨定款に定めております。
3)取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
⑥ 取締役の定数
当社の取締役は、10名以内とする旨定款に定めております。
⑦ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
⑧ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。