有価証券報告書-第78期(2023/04/01-2024/03/31)
(2)戦略
当社では、世界共通の重要課題である地球温暖化防止に貢献するために、2021年5月に「BXグループ2050年脱炭素宣言」を定め、2030年までに事業活動におけるCO₂排出量を46.2%削減(2019年度比)、2050年までに実質ゼロにすることを宣言した。2022年5月にはグループ環境ビジョン「Blue neXpand 2050 未来にひろげよう青空を」を策定、「気候変動」「資源循環」「自然共生」を重点領域として、環境負荷をゼロにするだけでなく、事業活動を通じて環境へのプラスの価値を創造することで「快適環境」を次世代へとつなぐことをめざしている。
2023年度までの中期経営計画では、快適環境を追求した新たな価値の創造をめざし、今後の成長を担う注力事業として「エコ&防災事業」を推進、地球温暖化の緩和に貢献する環境配慮商品と、気候変動リスクに適応するための防災関連商品の拡充に取り組んできた。
また、気候変動に関する事業への影響を把握し、戦略の有効性や気候関連リスクと機会に対するレジリエンス向上を目的として、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が公表した複数のシナリオを参照の上、財務影響及び事業インパクトを評価し、シナリオ分析を実施している。
●シナリオ分析
当社では気候変動の問題を経営上の重要な影響を及ぼすリスクと機会と捉え、自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、主力事業であるシャッター及びドア事業における気候変動に伴うリスクと機会を2℃未満シナリオと4℃シナリオの2つのシナリオにて分析し、それぞれのシナリオにおける移行リスク、物理リスクそして機会を特定している。特に自社にとってインパクトが大きいと想定される要因については、財務インパクトに関する分析を実施し、財務インパクトの分析では、一定の前提のもと、2050年までの損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュ・フロー計算書(CF)のシミュレーションを実施し、特定したドライバーのPL・BS・CFへの影響度とその重要性を評価している。
シナリオ分析に基づいた気候関連リスクと機会の評価結果は、影響度、発生可能性等を考慮し、事業戦略に反映している。特に影響が大きいと評価したリスクと機会、及びそれぞれの対応策の進捗状況は次の通りである。
事業/財務インパクトの影響度評価
大:事業戦略への影響または財務的影響が大きいことが想定される
中:事業戦略への影響または財務的影響が中程度と想定される
小:事業戦略への影響または財務的影響が小さいことが想定される
●シナリオ分析結果に基づいた対応状況
<リスクへの対応>①炭素税の負担によるコストの増加
・再生可能エネルギーへの転換
事業活動におけるCO₂排出量を削減するために、再エネ電力への切り替えや太陽光発電システムの導入を進めている。2023年度は、当社姫路工場において購入電力の一部を再エネ電力へ切り替えると共に、新事務所棟に太陽光発電システムを導入した。また当社秋田工場では、秋田県営水力発電所で発電された電源由来の再生可能エネルギーを活用した「あきたEネ!オプション水力100%」に加入し、CO₂排出量の大幅削減を実現した。その他、大阪BXビル等において一部再エネ電力への切り替えを実施した他、BX紅雲及びBX朝日建材に太陽光発電システムを導入するなど、順次再生可能エネルギーへの切り替えを進めている。
・CO₂排出量削減設計や3R化設計の推進
製造段階におけるCO₂排出量を抑制するため、大型スチールドアの一部においても溶接工法を大幅に削減した扉の組立方法を採用した。一般的なスチールドアと比較して溶接個所が大幅に削減されたことで一酸化炭素などの発生を抑制し、作業時の電力使用量の削減も実現している。
②エネルギーミックスの変化によるコストの増加
・エネルギーミックス方針の策定によるエネルギー転換の推進
主に生産拠点において、消費エネルギーのポートフォリオ管理により、エネルギー使用の最適化を推進している。また、生産性と効率化を重視した設備の入れ替えを推進し、エネルギー使用の効率化を進めている。
③低炭素技術への移行化に伴うコストの増加
・脱炭素に向けた調達先との協力体制の構築
当社の調達ガイドラインをご理解頂き、環境への取り組みを共に推進して頂くために、年に一度サプライヤーの取り組み状況を調査し結果に応じたフィードバック面談を実施している(2023年度115社に実施)。またこれらの対話を通じ、CO₂排出量の多い調達品に対し、代替資材への転換の検討を進めている。
④自然災害/異常気象の重大化・頻度増加による売り上げの減少及びコストの増加
・複数の調達先確保の推進によるリスクの分散化
安定供給を確保するための調達BCPを構築し、サプライチェーンの二重化や自社での最低限在庫(3ヶ月分の製品在庫)の確保、調達に関するガイドラインの整備、自社在庫状況の見える化等を進めている。
・調達先及び運送会社への設備投資を含めたBCP策定等に対する助言等の実施
物流効率の向上をめざした物流体制の再構築により、配車情報の一元化をはじめ、積載効率の向上、運行距離の最適化を推進している。また、下流物流に対しては「製造部門事業継続活動実施要領」に基づき、自然災害を含む緊急事態発生時の道路等のインフラの状況や納品先の受け入れ態勢等の情報を収集し、対応できる体制を構築している。
<機会への対応>⑤気候変動の緩和に貢献するソリューションの展開
調達から使用・廃棄に至る一連のバリューチェーンにおいて、環境に配慮した製品・サービスを提供することで温暖化を抑制する緩和ソリューションの推進を図っている。
室内用遮熱シート「はるクール」は、放射熱を97%カットすることで温度上昇を抑え、熱中症予防や冷房効率向上に効果を発揮する。主に工場や物流倉庫などの産業施設の温度管理、環境改善に貢献する。
環境配慮型スチールドア「SGD」は扉の組み立てに接着工法を採用したことで一般的なドアサイズにおいて従来品より25%の軽量化を実現した。これによりドア1枚当たり35kg相当のCO₂を削減した。
外付けブラインド「マドマスターソラル」は、通風・換気ができるブラインド機能を有した住宅用窓シャッターである。夏場の日射を遮る遮熱効果で冷房効率を上げることができ、冬場は日射による熱を取り入れることで暖房効率が上がり、エネルギーの省力化に貢献する商品である。
⑥気候変動による影響に適応するソリューションの展開
温暖化に起因する異常気象や、甚大化する自然災害から人の命と財産を守るための製品・サービスを展開し、適応ソリューションの推進を図っている。
・強風被害対策
「マドマスター・スマートタイプ(気象情報連携自動閉鎖機能)」は、天候の急変に備え、予想外の荒天に見舞われた際に自宅付近の大雨警報や暴風警報などの気象警報を受信し、不在時でも自動で閉鎖させる機能を追加したIoT対応の電動窓シャッターである。
「ウインドブロックシリーズ」では、重量シャッター、オーバースライディングドア及び住宅用窓シャッターで高耐風圧性能を確保した強風被害対策商品をラインアップしている。特に重量シャッターでは、基準風速が国内最大となる沖縄全域を想定した業界最高レベルの性能を実現しており、暴風対策の面から企業のBCPを支援する。
・浸水被害対策
近年の極端な気象状況の変化に伴うハザードマップの見直しにより、想定される浸水リスクが高まったエリアの建物にもご検討いただけるよう、止水マスターシリーズの積極的な提案を進めている。
アルミ製止水板「ラクセットハイタイプ」は、オフィスビルや商業施設など非住宅の開口部における浸水対策として、止水パネルを最大3段積み上げることで、浸水高さ1.5mまで対応。環境や状況に即したフレキシブルな浸水対策を簡単操作で実現し、急な豪雨や増水時にも素早く対応することを可能にしている。
当社では、世界共通の重要課題である地球温暖化防止に貢献するために、2021年5月に「BXグループ2050年脱炭素宣言」を定め、2030年までに事業活動におけるCO₂排出量を46.2%削減(2019年度比)、2050年までに実質ゼロにすることを宣言した。2022年5月にはグループ環境ビジョン「Blue neXpand 2050 未来にひろげよう青空を」を策定、「気候変動」「資源循環」「自然共生」を重点領域として、環境負荷をゼロにするだけでなく、事業活動を通じて環境へのプラスの価値を創造することで「快適環境」を次世代へとつなぐことをめざしている。
2023年度までの中期経営計画では、快適環境を追求した新たな価値の創造をめざし、今後の成長を担う注力事業として「エコ&防災事業」を推進、地球温暖化の緩和に貢献する環境配慮商品と、気候変動リスクに適応するための防災関連商品の拡充に取り組んできた。
また、気候変動に関する事業への影響を把握し、戦略の有効性や気候関連リスクと機会に対するレジリエンス向上を目的として、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が公表した複数のシナリオを参照の上、財務影響及び事業インパクトを評価し、シナリオ分析を実施している。
●シナリオ分析
当社では気候変動の問題を経営上の重要な影響を及ぼすリスクと機会と捉え、自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、主力事業であるシャッター及びドア事業における気候変動に伴うリスクと機会を2℃未満シナリオと4℃シナリオの2つのシナリオにて分析し、それぞれのシナリオにおける移行リスク、物理リスクそして機会を特定している。特に自社にとってインパクトが大きいと想定される要因については、財務インパクトに関する分析を実施し、財務インパクトの分析では、一定の前提のもと、2050年までの損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュ・フロー計算書(CF)のシミュレーションを実施し、特定したドライバーのPL・BS・CFへの影響度とその重要性を評価している。
シナリオ分析に基づいた気候関連リスクと機会の評価結果は、影響度、発生可能性等を考慮し、事業戦略に反映している。特に影響が大きいと評価したリスクと機会、及びそれぞれの対応策の進捗状況は次の通りである。
| シナリオ名 | 想定する世界観 | シナリオ名 | 想定する世界観 |
| 2℃未満シナリオ (SSP1-2.6) | 環境規制が強化され、ZEB・ZEH水準の建物が普及。省エネ性が高い商品、再エネサービスの需要が増加している。 | 4℃シナリオ (SSP5-8.5) | 環境規制は現状のレベルを維持し、ZEB・ZEH普及は大きくは進展しない。一方、自然災害の頻発化から、防災・減災製品の需要が増加している。 |
事業/財務インパクトの影響度評価
大:事業戦略への影響または財務的影響が大きいことが想定される
中:事業戦略への影響または財務的影響が中程度と想定される
小:事業戦略への影響または財務的影響が小さいことが想定される
| 区分 | 内容 | 対応策 | 財務インパクト | |||
| 2℃未満 | 4℃ | |||||
| 移 行 リ ス ク | 政 策 ・ 法 規 制 | ①炭素税の負担によるコストの増加 | ・炭素税の導入や上昇は当社運営費の増加や調達先の価格転嫁を引き起こす可能性がある | 再生可能エネルギーへの切り替え | 大 | 中 |
| CO₂排出量削減設計や3R化設計の推進 | ||||||
| 環境への取り組みを重視した調達先の選定 | ||||||
| 代替資材の開発、製品の長寿命化 | ||||||
| ②エネルギーミックスの変化によるコストの増加 | ・製造・研究開発(自社)において再エネ導入やエネルギー転換に伴い設備投資額が増加する可能性がある | エネルギーミックス方針の策定によるエネルギー転換の推進 | 大 | 大 | ||
| 技 術 | ③低炭素技術への移行化に伴うコストの増加 | ・調達先の低炭素技術への移行(鉄等の製法自体の変更含む)に伴い設備投資が増加し、調達価格のコストが増加する可能性がある | 脱炭素に向けた調達先との協力体制の構築 | 大 | 小 | |
| 物 理 リ ス ク | 急 性 | ④自然災害/異常気象の重大化・頻度増加による売り上げの減少及びコストの増加 | ・調達先の被災による納入遅延や物流網の分断等により発注取り消しや売上減少の可能性がある ・調達先や運送会社の被災による復旧コストの増加により調達コスト及び運送コストが増加する可能性がある ・新たな調達先及び物流網確保のための調達及び物流コストが増加する可能性がある | 複数の調達先確保の推進によるリスクの分散化 | 小 | 大 |
| 調達先及び運送会社への設備投資を含めたBCP策定等に対する助言等の実施 | ||||||
| 機 会 | 製 品 ・ サ ー ビ ス | ⑤気候変動の緩和に貢献する環境配慮製品に対するニーズの高まり | ・断熱性や遮熱性の高い省エネタイプの環境配慮商品のニーズが高まることが想定される ・製造過程における環境負荷を低減した環境配慮商品について取引先からの引き合いが増加することが想定される | 空調効率を向上させる機能を有した、商品の使用段階における環境配慮商品の拡充により、温暖化を防止し気候変動の緩和に貢献 | 大 | 小 |
| 材料重量の削減や取付工程の転換等、商品の製造・取付段階における環境負荷を低減する環境配慮商品の拡充により、温暖化を防止し気候変動の緩和に貢献 | ||||||
| ⑥気候変動による影響に適応する製品に対するニーズの高まり | ・防災・減災性能に優れた当社製品の需要が高まり売り上げの増加が想定される | 防災・減災製品の拡充及び製品の安定供給による社会的損失の低減に貢献 | 大 | 大 | ||
| 防災・減災性能に優れた商品開発の強化 | ||||||
●シナリオ分析結果に基づいた対応状況
<リスクへの対応>①炭素税の負担によるコストの増加
・再生可能エネルギーへの転換
事業活動におけるCO₂排出量を削減するために、再エネ電力への切り替えや太陽光発電システムの導入を進めている。2023年度は、当社姫路工場において購入電力の一部を再エネ電力へ切り替えると共に、新事務所棟に太陽光発電システムを導入した。また当社秋田工場では、秋田県営水力発電所で発電された電源由来の再生可能エネルギーを活用した「あきたEネ!オプション水力100%」に加入し、CO₂排出量の大幅削減を実現した。その他、大阪BXビル等において一部再エネ電力への切り替えを実施した他、BX紅雲及びBX朝日建材に太陽光発電システムを導入するなど、順次再生可能エネルギーへの切り替えを進めている。
・CO₂排出量削減設計や3R化設計の推進
製造段階におけるCO₂排出量を抑制するため、大型スチールドアの一部においても溶接工法を大幅に削減した扉の組立方法を採用した。一般的なスチールドアと比較して溶接個所が大幅に削減されたことで一酸化炭素などの発生を抑制し、作業時の電力使用量の削減も実現している。
②エネルギーミックスの変化によるコストの増加
・エネルギーミックス方針の策定によるエネルギー転換の推進
主に生産拠点において、消費エネルギーのポートフォリオ管理により、エネルギー使用の最適化を推進している。また、生産性と効率化を重視した設備の入れ替えを推進し、エネルギー使用の効率化を進めている。
③低炭素技術への移行化に伴うコストの増加
・脱炭素に向けた調達先との協力体制の構築
当社の調達ガイドラインをご理解頂き、環境への取り組みを共に推進して頂くために、年に一度サプライヤーの取り組み状況を調査し結果に応じたフィードバック面談を実施している(2023年度115社に実施)。またこれらの対話を通じ、CO₂排出量の多い調達品に対し、代替資材への転換の検討を進めている。
④自然災害/異常気象の重大化・頻度増加による売り上げの減少及びコストの増加
・複数の調達先確保の推進によるリスクの分散化
安定供給を確保するための調達BCPを構築し、サプライチェーンの二重化や自社での最低限在庫(3ヶ月分の製品在庫)の確保、調達に関するガイドラインの整備、自社在庫状況の見える化等を進めている。
・調達先及び運送会社への設備投資を含めたBCP策定等に対する助言等の実施
物流効率の向上をめざした物流体制の再構築により、配車情報の一元化をはじめ、積載効率の向上、運行距離の最適化を推進している。また、下流物流に対しては「製造部門事業継続活動実施要領」に基づき、自然災害を含む緊急事態発生時の道路等のインフラの状況や納品先の受け入れ態勢等の情報を収集し、対応できる体制を構築している。
<機会への対応>⑤気候変動の緩和に貢献するソリューションの展開
調達から使用・廃棄に至る一連のバリューチェーンにおいて、環境に配慮した製品・サービスを提供することで温暖化を抑制する緩和ソリューションの推進を図っている。
室内用遮熱シート「はるクール」は、放射熱を97%カットすることで温度上昇を抑え、熱中症予防や冷房効率向上に効果を発揮する。主に工場や物流倉庫などの産業施設の温度管理、環境改善に貢献する。
環境配慮型スチールドア「SGD」は扉の組み立てに接着工法を採用したことで一般的なドアサイズにおいて従来品より25%の軽量化を実現した。これによりドア1枚当たり35kg相当のCO₂を削減した。
外付けブラインド「マドマスターソラル」は、通風・換気ができるブラインド機能を有した住宅用窓シャッターである。夏場の日射を遮る遮熱効果で冷房効率を上げることができ、冬場は日射による熱を取り入れることで暖房効率が上がり、エネルギーの省力化に貢献する商品である。
⑥気候変動による影響に適応するソリューションの展開
温暖化に起因する異常気象や、甚大化する自然災害から人の命と財産を守るための製品・サービスを展開し、適応ソリューションの推進を図っている。
・強風被害対策
「マドマスター・スマートタイプ(気象情報連携自動閉鎖機能)」は、天候の急変に備え、予想外の荒天に見舞われた際に自宅付近の大雨警報や暴風警報などの気象警報を受信し、不在時でも自動で閉鎖させる機能を追加したIoT対応の電動窓シャッターである。
「ウインドブロックシリーズ」では、重量シャッター、オーバースライディングドア及び住宅用窓シャッターで高耐風圧性能を確保した強風被害対策商品をラインアップしている。特に重量シャッターでは、基準風速が国内最大となる沖縄全域を想定した業界最高レベルの性能を実現しており、暴風対策の面から企業のBCPを支援する。
・浸水被害対策
近年の極端な気象状況の変化に伴うハザードマップの見直しにより、想定される浸水リスクが高まったエリアの建物にもご検討いただけるよう、止水マスターシリーズの積極的な提案を進めている。
アルミ製止水板「ラクセットハイタイプ」は、オフィスビルや商業施設など非住宅の開口部における浸水対策として、止水パネルを最大3段積み上げることで、浸水高さ1.5mまで対応。環境や状況に即したフレキシブルな浸水対策を簡単操作で実現し、急な豪雨や増水時にも素早く対応することを可能にしている。