有価証券報告書-第45期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 14:47
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160項目
2.戦略
前記、当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組に記載しております通り、中長期的な持続可能性・将来性向上のためには、サステナビリティに関する戦略に基づく事業展開が重要であると考えております。この戦略は、サステナビリティ推進室及びサステナビリティ推進部会が立案し、サステナビリティ委員会における審議を経て策定されております。
・マテリアリティ
当社グループは、サステナビリティに関連するリスクと機会を考慮してマテリアリティを特定し、それらを事業や戦略へ反映しています。マテリアリティは2021年度に特定し運用しておりましたが、2025年度を初年度とする中期経営計画の策定を受けて、経営戦略の推進および社会課題の解決のために効果的かつ重点的な内容とすることを目的として、2025年度に改定を行いました。改定に際しては、国際的な情報開示基準であるGRI、SASB等を参照し、全社的な意見を反映した候補について事業影響と社会影響の二軸で重要度を評価し、ESGの観点を踏まえて9項目に特定しました。更新したマテリアリティおよび主な取り組みは以下の通りです。
マテリアリティ
E
環境
カーボンニュートラルなものづくり
脱炭素建材の開発・普及
資源循環型ビジネスモデルの構築
S
社会
社員一人一人の力を引き出す組織づくり
次世代育成と技能継承
持続可能なサプライチェーンの構築
G
ガバナンス
法令に則った適切な事業運営
デジタル活用による価値創出
ステークホルダーとともに目指す企業価値向上

環境関係では、当社グループは建材・アルミ形材の製造及び販売を主な事業としていることから、脱炭素と資源循環が社会的ニーズとしても重要であると認識しております。
戦略上の目標としては、まず、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量削減に関するSBT(Science Based Targets)認定における短期目標およびネットゼロ目標を2024年度に取得しております。また、同じく2024年度からGXリーグ(GX:グリーントランスフォーメーション)へ参画し、GX ETS(GHG排出量取引制度)におけるGroup X企業(2021年度Scope1(直接排出量)10万t-CO2e未満)として、GHG排出量削減目標および実績を公開しております。いずれも、当社グループが関わるサプライチェーン全体のGHG排出量削減に向けたコミットメントとして、今後も選ばれる企業グループであり続けるために必要な取り組みであると認識しております。
この目標達成に向けた具体的な取り組みとして、脱炭素関連の商品開発(GHG排出量算定および関連認証取得、断熱・省エネ、創エネ、リサイクル、樹脂または木製組み合わせ等)、アルミリサイクル材・グリーンアルミの積極的利用、太陽光発電による再生可能エネルギーの導入、燃料転換や先進製造設備の導入、リニューアル事業の拡大等を推進しております。
社会関係では、創業以来90年を超える歴史の中で培ってきた技術力と提案力、そしてグループのシナジーを活かした一貫生産による確かな品質を強みとしていることから、人的資本の活用、エンゲージメント向上やサプライチェーンマネジメントが重要であると認識しております。
そのため、人的資本への投資について、従業員一人ひとりの成長を支援する「働きがいのある会社」と、多様な人材の多様な働き方を支援する「働きやすい会社」を目指し、従業員が能力を発揮できる制度・環境の整備を包含する持続的な人材輩出サイクルを構築してまいります。また、従業員がより創造的・戦略的な業務に注力できるように、自動機等の最先端領域の取り込みも推進しております。
ガバナンス関係では、適切な事業運営があらゆる企業活動の基盤であるという認識の下、ステークホルダーの皆様とともに企業価値向上を目指してまいります。また、デジタル活用は今後のリスク対策、業務変革や研究開発等の強化にも不可欠です。
(1)脱炭素(気候変動対応)
分析のプロセス
TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社グループの事業に及ぼすリスク・機会に関して、以下のステップで検討しております。
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また、1.5℃~2℃シナリオと、4℃シナリオの二つのシナリオを用いて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析と、災害などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関する分析を実施いたしました。
気候変動シナリオ
シナリオ名想定する世界観
1.5℃~2℃シナリオ
(脱炭素シナリオ)
気候変動の影響を抑制するためにカーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化。移行リスクが大きくなると想定している。
4℃シナリオ
(高排出シナリオ)
気候変動対策は現状から進展しない。物理リスクにおける異常気象の激甚化や海面上昇リスクによる影響が大きくなると想定している。

リスク・機会のインパクト評価と対応策の選定
・リスク
2℃未満シナリオにおいては規制の強化による設備更新やエネルギー転換にかかる費用の増加、4℃シナリオでは自然災害の激甚化による費用の増加リスクが予想されます。
リスク分類ドライバー
(要因)
リスク内容時間軸影響度重要度対応策




法規制
・政策
炭素税等による負担自社排出量に対する排出量取引などのコスト発生中期[Scope1]
・省エネ設備等の導入、設備の電化や水素化
[Scope2]
・再生可能エネルギーへの切り替え拡大
法規制
・政策
再生可能エネルギー価格の高騰エネルギー費用抑制のための設備省エネ化や燃料転換コスト発生中期・生産の集約化・効率化
・エネルギーの有効活用およびそれを可能にする生産・設備の最適化
技術・市場低炭素製品への投資脱炭素関連製品(注)1の需要増加に対応するための開発・設備投資額(注)2増加中期~
長期
・脱炭素をテーマとする研究開発の強化
・新製品への投資に関するグリーンファイナンス活用
・脱炭素市場動向の調査と製品への反映




急性自然災害の激甚化[売上被害]
自然災害(注)3に伴う営業停止による売上減少
[直接被害]
事業所の浸水等により被災した施設等の復旧費の発生
短期~
長期
[短中期]
・排水設備の増設
[長期]
・工場・設備の防災強化
・リスク分散のための生産協力体制の構築
・重要な設備や在庫への防水提の設置、床面の上昇

・機会
環境配慮型事業の拡大や防災需要の高まりによる売上の増加が予想されます。
機会分類ドライバー機会内容時間軸影響度重要度対応策

資源効率エネルギーの効率的利用燃料使用量削減による運用コストの削減中期[Scope1]
・ヒートポンプをはじめとする省エネ設備等の導入
・廃棄物・廃熱利用の促進
[Scope2]
・再生可能エネルギーへの切り替え拡大(PPA、太陽光発電、グリーン電力証書等)
・省エネ設備等の導入
エネルギー源再生可能エネルギー発電設備の導入太陽光発電や蓄電技術の導入・拡大による、電力や燃料購入コストの削減中期・社内炭素価格の導入による省エネ投資の促進
・設備導入におけるグリーンファイナンス活用
製品及びサービス低炭素製品の選好脱炭素関連製品(注)1の需要増加に伴う売上増加短期~
長期
・脱炭素をテーマとする研究開発の強化と市場動向の分析
・新製品への投資額の増加
製品及びサービス防災需要の高まり防災性能の高い製品需要の増加に伴う売上増加短期~
長期
・防災をテーマとする研究開発の強化と市場動向の分析
・新製品への投資額の増加

(注)1.省エネ・高断熱・ZEB対応、リサイクル、CFPなどの認証付与、アルミ・樹脂または木複合等
2.スクラップ専用炉、電気炉も含む
3.台風、高潮や洪水による浸水、自然災害によるサプライチェーン断絶など
・使用シナリオ:[移行リスク] IEA WEO2023 NZE2050
[物理リスク] ・IPCC RCP8.5 ・IPCC AR6 SSP5-8.5
・時間軸 :短期 1年以内、中期 ~2030年、長期 ~2050年
・影響度 :大 影響額3億円以上、中 1億円以上~3億円未満、小 1億円未満
・重要度 :時間軸と影響度を勘案して3段階で総合的に判断
気候変動に関するリスク・機会への対応策に関する実績
・全体像
気候変動に関するリスクおよび機会への対応の全体像として、2024年度に「不二サッシグループ 脱炭素ロードマップ」をトランジション戦略も兼ねて策定し運用しております。長期的思考が必要となる、設備の低炭素化、太陽光発電量の拡大や低炭素アルミ製品の強化から取り組みを始め、社会課題対応を推進力として価値創造を進めております。
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以下、 主な取り組みの進捗および実績を説明いたします。
・Scope1,2の削減
生産拠点の省エネ施策として、将来的なインターナルカーボンプライシングの活用の準備段階として、年間の設備更新計画の事前評価にGHG排出量削減を組み込んでおります。計画上の削減量あたりの投資額に関する基準を設けることによって、排出量削減に資する計画は評価が向上し、また、インターナルカーボンプライシングの設定の参考といたします。
さらに、当社グループの排出量削減において重要な生産設備を所有する拠点の設備投資については、サステナビリティ推進部会も共同で計画を評価しており、その方針に沿った設備更新を順次実施しております。低炭素化する設備の順序を検討する際には、GHG排出量分析を参考としており、各種の補助金活用も考慮して取り組んでおります。
なお、これらの設備投資計画の評価に基づき、SBT認定目標およびGX ETSに対するリスクヘッジとして、カーボンクレジットの調達も段階的に実施しております。
・再生可能エネルギー発電設備の導入(Scope2の削減)
当社グループ全体として、主に生産拠点の建屋屋上を利用した太陽光発電システムの導入を進めております。
既に稼働している千葉事業所第一発電所・第二発電所、関西不二サッシ発電所に加え、2024年度には不二ライトメタル本社および不二サッシフィリピン社で新規稼働を開始し、2025年度には千葉事業所への増設および日海不二サッシへの新規導入を実施いたしました(注:日海不二サッシでの発電開始は2026年度)。
この他にも、不二ライトメタル本社工場では非化石証書付き電力契約を締結しており、今後もさらなる再生可能エネルギーの導入を計画しております。
・脱炭素関連製品の強化
現在、建築物のライフサイクルカーボン(Lifecycle Carbon : LCCO2)算定・評価の動きが行政および建築業界で活発化しております。建築物のLCCO2算定・評価制度に向けた製品カーボンフットプリント(CFP)のデータ整備は、当社グループの事業に大きく影響する重要課題の一つであると認識しております。
建築物LCCO2のうち、居住などの使用時におけるオペレーショナルカーボンに関しては、当社グループは多種多様な断熱サッシを製造・販売しており、その中には既存の窓を変更することなく簡易に断熱性を高めたいというニーズに応える樹脂内窓も含まれております。また、さらなる建築物の省エネ基準の引き上げを見据えた研究開発にも着実に取り組んでおります。
建築物LCCO2のうち、使用時を除くエンボディードカーボンに関する対応しては、LCA(ライフサイクルアセスメント)における「Cradle to Gate」(原材料調達から生産まで)の考え方に基づく低炭素アルミ建材「Reサッシ R100」(読み:りさっし あーるひゃく)および「Reサッシ グリーン」(読み:りさっし ぐりーん)を2025年度より展開しております。
製造上の主な特徴として、「Reサッシ R100」は原材料アルミリサイクル率100%、「Reサッシ グリーン」は再生可能エネルギー電力使用です。いずれも千葉事業所で製造する建材用アルミ形材であり、従来品のアルミリサイクル率70%形材から製造切り替えを行いました。また、低炭素建材普及の必要性を考慮して、展開は全製品対応とし(一部例外あり)、価格に関しても「Reサッシ R100」は従来品同価格を実現しております。
さらに、2025年度においては、千葉事業所における製造切り替え前の従来品(アルミリサイクル率70%)に加え、切り替え後の「Reサッシ R100」および「Reサッシ グリーン」について、LCAに関する第三者認証である「SuMPO EPD」への登録を果たしました(EPD = Environmental Product Declaration:製品環境宣言)。引き続き、建築物のLCCO2算定・評価制度に向けて製品毎のCFP算定を進めております。
これらの取り組みは、GHG排出量削減において大きく2つの効果があります。1つは、当社グループのGHG排出量削減の活用であります。アルミニウムは「電気の缶詰」と呼ばれるほどエネルギー負荷の高い素材ですが、「Reサッシ R100」ではアルミリサイクル材を使用することにより(アルミリサイクル率100%)、また「Reサッシ グリーン」ではライフサイクル中最も電力を消費する製錬電解工程で再生可能エネルギー電力を使用することにより、調達する原材料に係る排出量を大幅に削減できます。当社グループのScope3削減に加えて、この削減を反映した数値を製品単位でも確認することが可能となります。Scope1、2の削減も同様に反映されます。もう1つは、販売先にとってのScope3の削減であります。LCCO2が算定されている製品を使用することによって、当社グループの排出量削減が反映された、より低炭素な製品を調達することが可能となります。
さらに、「Reサッシ R100」「Reサッシ グリーン」はいずれもサッシ等の最終製品の構成部材であるため、断熱サッシやアルミ・樹脂または木複合製品へ適用することでより効果の高い低炭素建材となります。2025年度には新たに、顧客企業グループとアルミクラッド木製サッシの共同開発にも着手いたしました。
Reサッシ R100、Reサッシ グリーンの主な特徴
製品名Reサッシ R100※従来品※一般新地金使用Reサッシ グリーン
低炭素化方法リサイクル100%リサイクル70%-再エネ電力
形材1㎏当たりの
排出量 [kg-CO2e]
2.97.8157.5
排出量削減率81%48%比較基準(0%)50%
SuMPO EPD取得取得-取得

・資源循環型ビジネスモデルの構築
建築業界および金属製品業界においては、循環経済(サーキュラーエコノミー)も喫緊の課題です。具体的には、再生材の受容性向上や再資源化ネットワーク形成等が挙げられております。
前記の通り、「Reサッシ R100」は原材料アルミリサイクル率100%の低炭素アルミ建材です。アルミサッシは解体後の回収材(スクラップ)を再溶解すれば同じ品質のアルミサッシを再生産することができるため、その点でアルミリサイクル材の積極的利用はサーキュラーエコノミーの実現にも資する取り組みとなっております。
2025年度には、実証兼商業化の第一弾として、当社グループの顧客企業が請け負う解体工事で発生するスクラップからアルミ材を選別回収して、アルミサッシに再生し、再び顧客企業の建設現場で利用するまでのトレーサビリティを明確にした水平リサイクル(建設廃棄物を元の建設資材に再生)を実施いたしました。
今後も同様の取り組みを展開しながら、協業先の多様化や、アルミサッシと同時のガラス等の水平リサイクルも推進してまいります。他にも、当社グループとして太陽光パネルの循環型リサイクルスキームに参画しております。
ただし、アルミサッシ由来のリサイクル材は建物の解体を起点として市場へ供給される材料であるため、それだけに頼ることは、受注から完成までのサイクルが長くなる傾向にある建築業に対して調達の安定性を損なうというリスクもあります。そのため当社グループでは、再生可能エネルギーで製錬された低炭素な原材料であるグリーンアルミの調達にも戦略的に取り組み、製品採用にも繋げております。
・自然災害への対策
大雨等への対応策の第一段階として、当社グループの各生産拠点が実施している浸水等への備えを取りまとめており、今後は有用な施策を横展開するなどグループ全体のBCPを高めてまいります。
・防災をテーマとする研究開発の強化
地震発生後すぐに建物の損傷度合いを把握し、安全性を判断する仕組みとして、建物の変形度合いを測るセンサとLEDを組み込んだ「LED光センサアラートシステム」付きカーテンウォールを開発・検証しております。これまでは、産学連携により実験施設における非構造部材や設備機器などの損傷状況を把握する実験を実施し、迅速な被害判定システムの開発に取り組んでまいりました。2024年度より実建物(小学校)における瞬時損傷判定技術の実証実験を開始し、さらに2025年度には当小学校において実証実験に関する出前授業を行う等、より実践的な教育の機会提供にも貢献しております。
(2)生物多様性
分析プロセス
TNFD提言に基づき、自然関連課題の把握と評価のためにLEAPアプローチ(Locate, Evaluate, Assess, Prepare)を用いた分析を実施しました。2025年3月期の有価証券報告書(※1)ではLEAPアプローチの“LE”までの開示を行いました。今期の有価証券報告書では、残る“AP”に当たる内容を開示いたしますので、“LE”の詳細な内容については2025年3月期の有価証券報告書をご参照ください。
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直接操業上流工程
調査対象アルミニウム製サッシ・ドア製造業
(リニューアル事業含む)、アルミニウム・同合金圧延業
アルミニウム原材料のボーキサイ
ト(当社の主要材料におけるサプライチェーン最上流資源)
調査・分析する場所上記事業に関係する当社グループ
の工場拠点
ボーキサイト鉱山の採掘段階

※1)2025年3月期 有価証券報告書p19~p21:
URL(https://www.fujisash.co.jp/hp/company/ir/irdata/fcrepo/5940fcr250624.pdf)
自然資本への依存・影響項目の把握(Locate, Evaluate)
まず、ENCOREを活用して事業活動における自然資本への依存・影響項目を整理し、特に原材料調達段階において多くの自然資本との高い関連性が確認されました。加えて、IBATやAqueduct等を用いて、保護地域や水ストレス地域などの要注意地域を特定し、直接操業拠点における自然保護区域との関係性や、主要な原材料調達国における自然関連リスクを把握いたしました。
全体として、調達段階を中心に自然との関係性が強いことが再確認され、直接操業においては一部拠点の自然保護区域該当などの情報が得られ、事前の想定と大きく乖離しない結果となりました。
リスク・機会のシナリオ分析(Assess)
リスクおよび機会の評価にあたっては、WWFのRisk Filter Suiteによる地域別リスク評価指数を参考にし、依存・影響の重要性、資源のインプット・アウトプット量、活動量等を総合的に勘案しました。また、TNFDのシナリオ分析ガイダンスに基づき、「生態系サービスの劣化速度」と「ネイチャーポジティブ推進に伴う規制強化」の2軸から将来シナリオを設定し、主要拠点や調達地域における物理的リスクおよび移行リスクを分析いたしました。
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リスク・機会の重要度評価(Assess, Prepare)
リスク・機会の重要度評価では、シナリオ分析を踏まえて、縦軸を「深刻度」、横軸を「発生可能性」としたマッピングを行い、閾値を設定した上で各項目をスコアリングいたしました。社会・環境への影響は「影響」、財務的影響を伴うものは「リスク」または「機会」とし、それぞれの対応方針を整理しています。その重要度評価にて「大」と評価したものを以下に示しております。
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分析の総括
分析の結果、アルミサッシ製造に必要なボーキサイト資源の主要調達先において、水ストレスの高い地域や保護地域、生物多様性の豊かな地域、先住民族との共存が求められる地域との関係性が示唆されました。一方で、相対的にリスクの低い地域も確認され、地域ごとに異なる特性があることが明らかとなりました。
これらを踏まえ、対応策として、資源循環製品や低炭素製品の開発、トレーサビリティの確保、サプライヤーとの対話強化、情報収集の継続、サプライチェーンの分散化等を推進しています。加えて、千葉県の絶滅危惧種保全活動であるヒメコマツ回復計画への参画や、二酸化炭素を固定できる木材を利用したアルミクラッドサッシの開発など、環境配慮型製品の拡充・新製品開発を通じたネイチャーポジティブへの貢献にも取り組んでいます。今後は、分析結果を踏まえた全社的な情報共有体制の構築と戦略策定を進めるとともに、自治体や外部組織を含む多様なステークホルダーとの連携を強化し、自然資本課題への対応を深化させてまいります。
(3)人的資本
当社では企業発展の原動力は優秀な社員であるとの認識に立ち、経営理念・経営方針に則り、仕事に対する生きがいをもった創造的な従業員の育成を図ることを基本的な考え方としております。
変化の激しい経営環境において、従業員一人一人が自律的にキャリアを形成し、その創造性を最大限に発揮できるよう、先ずは本社における人事制度改革に取り組んでおります。
「頑張った者に処遇で報いる」ことを目的として、年功的賃金体系を是正し、全体の賃上げを行いつつジョブ型人事の考え方も盛り込んだ新たな賃金制度を導入し、昇進・昇格制度の明確化に向けた公平公正な評価制度に基づく運用を開始いたしました。「頑張った者」の反対語は「現状維持」です。現状維持から脱却し、一つ上の付加価値を身に付けていくことで個人の市場価値が高まるだけでなく、会社の競争力も飛躍的に向上いたします。新人事制度は、受け身の姿勢を捨て自らが考え行動する「付加価値の高い人材」へと進化してくれることを期待し、従業員の挑戦を全力で後押ししてまいります。
女性活躍推進に向けては、「女性管理職へのハードル、女性管理職だからできること、将来のキャリアパス」等をテーマに、女性社外取締役による座談会を開催する等、その啓蒙活動に努めております。
さらに、従業員の声に耳を傾ける取り組みとして、役員によるタウンミーティング、定期的なエンゲージメントサーベイ等を通じ、従業員のやりがいやエンゲージメントを高めることで人事制度改革の効果を最大限発揮させ、その結果として当社グループのさらなる成長に繋げてまいります。
(4)人権
当社グループは、事業活動における人権尊重の責任を果たすための対応策の一環として、サステナブルな社会実現に向けた「不二サッシグループ人権方針」を2022年度に策定しております。グループ社員全体への人権課題意識の浸透および、販売先・調達先を中心としたビジネスパートナーとの関係においても人権を尊重した事業活動の促進を進めております。
また、人権リスクの把握及び防止・軽減のため、人権デューデリジェンスのプロセスに基づいた取り組みを推進してまいります。2022年度より、当社サプライヤーに向けたアンケートにおいて人権デューデリジェンスの認識・取り組み状況をヒアリングし、その結果に合わせた情報提供などを実施してまいりました。2025年度には、より実効的な状況把握のためにアンケートの配布先拡大や配布先に応じた内容の調整に着手いたしました。
今後は、人権課題に取り組む社内ワーキンググループの設置を行い、人権リスクへの対応を進めてまいります。その初期段階として、不二サッシグループのビジネスにおいて重要な原材料であるボーキサイトの鉱山について、周辺地域のリスク等の調査にも取り組んでおります。調査の詳細は前記(2)生物多様性において記載しておりますが、当社グループは一次サプライヤーを介してアルミ新地金を調達しており、それらのサプライヤーが人権も含む様々な情報を勘案するため採掘段階の鉱山は各社時期などで変動することが把握できております。現時点では、それらの中で主要と推測できる鉱山を調査対象とし、先住民族も含む周辺地域のリスク把握に努めております。

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