有価証券報告書-第56期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/20 11:33
【資料】
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【項目】
115項目

業績等の概要

(1) 業績
①わが国経済及び産業用容器業界の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな持ち直しが持続しております。背景にはスマートフォン関連の電子部品を中心としたIT関連の改善、自動車を含めた輸送機械が持ち直したほか、中国・アジア向け資本財の輸出の増加や在庫調整の一巡が下支えに作用したことがあげられます。
当社グループの事業分野である産業用容器業界におきましては、主要需要家である化学・石油業界が、引き続き設備の統廃合や一部停止など国内事業の構造改革を進めている一方、高機能化学品やヘルスケア・医療薬等高付加価値事業へのシフトを強化しています。このような状況の下、当連結会計年度の全国の200リットル新缶ドラムの販売数量は、前期比0.5%増の1,364万缶となりました。需要分野別では、上期の為替影響による輸出の低調が影響した化学分野では前期比1.4%減となりましたが、塗料分野は17.3%増と引き続きドラム缶需要が底堅い状況となっております。
②販売状況
このような需要環境の下、当連結会計年度における当社グループの連結業績につきましては、中国重慶工場の稼動もあり販売数量は伸びたものの、国内及び中国ドラム事業の販売価格の低下、中国元安による為替差等により、前期比0.8%減の274億47百万円となりました。
セグメント別にみますと、ドラム事業は国内における販売価格の低下及び中国元安為替差影響を受け、事業全体では前期比1.2%減の270億90百万円、高圧ガス容器事業は医療用酸素容器が着実に数量を伸ばしており、前期比41.8%増の3億56百万円となりました。
③損益の状況
損益につきましては、経常利益は前期比14.7%増の29億66百万円となりました。
セグメント別にみますと、国内ドラム事業は、品種構成の改善や生産体制の見直し等による生産性向上及び、固定費を中心とした工場コストダウンや管理経費の削減を一段と強化した結果増益となりました。中国ドラム事業は重慶工場の稼動により出荷数量は伸長したものの、鋼材価格急騰による影響をカバーできず、元安による為替差もあり減益となりました。ドラム事業全体では、経常利益は前期比13.1%増の30億76百万円となりました。高圧ガス容器事業は、CNGV関連事業が国内においては15年載せ替え需要への販売が計画を下回り、また、タイ事業の販売も回復せず厳しい収益状況が続いており、経常損益は1億86百万円の損失(前期は1億87百万円の損失)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は前期末に比べ12億82百万円増加し、44億60百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益等により31億59百万円の収入(前期比9億41百万円の収入の減少)となりました。
また、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出等により7億19百万円の支出(同10億49百万円の支出の減少)、財務活動によるキャッシュ・フローは借入金の返済等により10億64百万円の支出(同4億55百万円の支出の減少)となりました。