有価証券報告書-第104期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/08/06 15:55
【資料】
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【項目】
153項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車産業及び電機通信産業向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には合成樹脂を素材としたファスナー類の開発及び製造にも事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出し、産業・社会の発展に貢献してまいりました。
当社グループは、「弾性を創造するパイオニア(Pioneer)」をコーポレート・アイデンティティとして、金属や樹脂をはじめあらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を科学することにより、自動車産業や医療関連など広く産業・社会に貢献することを経営の基本方針としております。
今後も当社のコア事業である自動車産業で培った高度な弾性技術を用いて、適切で戦略的な多角化を図りつつ、広く産業・社会に貢献してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、自動車産業向け部品供給を事業の中核とし、グローバルな展開を急速に進める同業界のニーズを先取りしつつ、多様かつ高度なご要請に積極的にお応えしていくことを中長期的な経営戦略として位置付けております。
当社グループは、上記の中長期的な経営戦略を明確化するために3年先までの中期経営計画を毎年ローリング方式で策定しております。
〈中期経営計画 2019年度~2021年度〉
当社グループの中期経営計画は、経営指標として2022年3月期までに連結売上高720億円、連結営業利益110億円を資本政策としてROE10%以上、株主還元方針として連結配当性向30%以上を目標としております。
(3) 経営環境
当社の主要なお取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)、部品メーカー間の提携、IT事業の自動車業界への参入などが起こっており、100年に一度の大変革期と言われております。2019年度は新型コロナウイルスの影響による決算の遅れや海外子会社の減損等が発生しましたが、このウイルスによる影響は2020年度も引続くことが懸念される他、米中貿易摩擦、Brexit、材料費高騰、労務費アップ、取引先である自動車業界の減産など不透明感があります。
このような経営環境において、当社グループのコア事業である自動車関連事業は、①非日系OEM売上シェアの向上②次世代商品の開発に対する取り組みを速やかに推進する必要があります。また、多角化推進のため医療事業部の強化にも取り組む他、新規事業への開拓も取り組む必要があります。
当社グループといたしましては、コア技術である弾性技術を開発することに注力し、自動車業界における100年に一度の大変革期をグループ一丸となって乗り越えるよう取り組んでまいります。メーカーの原点である「良い製品を安く造る」ことに経営資源を集中するため、受注変動に応じて生産体制を柔軟に見直すほか、コスト削減の徹底により収益基盤の強化に取り組んでまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
①お客様サービスの向上
自動車メーカーのグローバル展開が進み、部品会社間の競争が国内外を問わず激化している環境の中で、当社グループがサプライヤーとして生き残っていくためには、お客様に満足頂けるトップクラスの品質、価格、納期及び新製品をも含めた開発力の向上が不可欠と認識しております。
品質面では、IATF16949:2016の認証を取得し、品質マネジメントシステムに沿った保証体制を継続的に整備してまいります。
また、価格面では、開発から製造までの一貫した合理化を積極的に推進することで、競争力確保を図る所存です。
環境対応については、ISO14001:2015の認証を取得し全てのお客様及び環境法規制の要請に応える体制を築き上げております。
②製品群別戦略の強化
当社グループの製品が置かれている市場の変化に迅速に対応し、事業分野ごとに開発・製造・販売・品質保証に至るまで一体的な運営を推進するために、SBU(戦略的ビジネスユニット)制を導入しております。
単品の精密ばね、工業用ファスナーから樹脂・金属を組み合わせたユニット部品へのシフトを進めながら、より付加価値の高い製品の比重をグローバルに高めていく所存です。
また、今後の自動運転技術などの次世代車向け部品にも着実に取り組む所存です。
③グローバル体制の拡充
自動車メーカーからの部品供給要請は、国境・系列を越えて今後も高度化・加速化するものと思われます。
当社グループとしては、既に拠点を持つアセアン、中国、北米、欧州でのビジネスを拡大、深化させるとともに、提携関係先とのアライアンスを活用しながら、海外売上高の拡大を図りつつ、海外拠点の収益基盤拡充につなげる所存です。
④ESG経営の推進
企業に対する社会的な責任として、ESG経営(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))の推進が求められており、利益を追求するだけでなく、当社を取り巻く利害関係者の方々と協力し、地域・社会に貢献できる企業を目指し、2019年9月に「ESG経営推進委員会」を設置いたしました。
〈環境 Environment〉
環境対応については、ISO14001:2015の認証を取得し全てのお客様及び環境法規制の要請に応える体制を築き上げております。
〈社会 Social〉
当社は国内外グループで地域と密接に関わり、社会貢献に努めております。
非営利的な活動として、周辺地域の清掃活動実施や生活困窮者への食糧支援、寄付など実施する他事業活動については、安全かつ高品質な製品を提供することで社会の発展に寄与しております。
〈ガバナンス Governance〉
当社グループは、中長期的な企業価値の向上を目指すため、コーポレートガバナンス体制の構築に努めてまいりました。2015年のコーポレートガバナンス・コード適用以来、2016年に監査等委員会に移行、2017年に取締役への株式報酬制度の導入、2018年には取締役の3分の1を独立社外取締役に、2019年には指名・報酬諮問委員会を設置、2020年には女性役員が就任するなどし、ガバナンス強化を推進してまいりました。今後も当社グループは株主、顧客、従業員、取引先など様々なステークホルダーとの関係において、透明性を確保した企業経営の基本的枠組みのあり方を発展させてまいります。
⑤医療機器事業の展開
子会社の株式会社パイオラックス メディカル デバイス(PMD)が手掛ける医療機器事業は、IVR(血管内治療)からスタートしましたが、消化器に使用する内視鏡治療、脳外科用の整形分野へと業容を拡大しております。血管や管腔を利用し身体になるべく傷をつけずに治療する「低侵襲治療」に取り組んでおります。大学病院等との共同研究によって、商品企画力・営業力の強化を図りつつ、高齢化社会のニーズを捉え、「人に優しい弾性材料」で作られた医療用具の開発・製造・販売を推進する所存です。

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