有価証券報告書-第143期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 14:11
【資料】
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【項目】
114項目

研究開発活動

当連結会計年度の研究開発活動は、激しく変化する経営環境と、地球環境に対応するために、広く世界に目を向けて『世界が求める製品、地球に優しい製品開発』を基本方針とし、顧客の立場で、世界の一流品作りを目指しております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は6億5千1百万円であります。
当社グループは、経営上の意思決定及び業績の評価は単一セグメントにより行っておりますが、主力製品であります射出成形機及びダイカストマシンの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
[射出成形機]
射出成形機市場における成形品の品質要求の高度化や生産性の向上、環境問題への取り組みに応えるため、これまで改善を加えながらモデルチェンジを行い、電動サーボ射出成形機のラインアップを拡充してまいりました。現在、Si-6シリーズとしては、型締力50tfから950tfまでをラインアップしている中、今回、当社最大の射出成形機となる型締力1300tfの「Si-1300-6」を開発いたしました。Si-1300-6は、V字形のトグル機構「Vクランプ」によるセンタープレス効果と高剛性プラテンの採用や、トグル機構部のガイドバーを可動盤からテールストックまで配置した格子型構造とすることにより、型締ユニット全体の高剛性化を図りました。これにより、タイバー間隔が1,400mm×1,400mmでありながら、ワンサイズ下の最少型厚500mm、業界トップクラスの最大型厚1,300mmという仕様を実現し、搭載金型サイズのフレキシブル化に対応いたしました。搭載される制御システム「SYSTEM600」は、金型事故防止に効果を発揮する「HSP金型保護制御」、成形トラブル発生時必要データを自動保存する「トラブル診断サポート機能」、入力された成形条件値を当社独自の診断基準値と比較して、問題点を検出しアドバイスを行う「成形条件診断機能」など、サポート系機能が充実した高速高応答の制御システムとなっています。また、複数の射出成形機をネットワークで接続し、PC上で一括管理を行うことのできる「T-Station lite」、タブレットPCと複数の射出成形機をWi-Fi接続し、モニター情報の閲覧や条件変更が可能な「T-Remote」というIoTオプションを有し、今後の市場ニーズに対応してまいります。
[ダイカストマシン]
油圧機では、宇部興産機械株式会社と共同開発した4機種、350トン、500トン、650トン、800トンのV6EXシリーズも発売以来、好評でシェアーアップに貢献しております。また、平成29年5月から販売を開始した、他社で生産されていない、新機種80トン機は、当社独自技術で開発し、よりお客様に貢献できる機種と自負しております。
周辺装置におきましても、より効率よく鋳造をアシストするスクイズユニットを開発し、平成28年10月に開催された、日本ダイカスト展に出展し好評を得ております。
省エネをテーマに開発した電動機では、Ds-EXシリーズ、DsF機に続き、油圧機のモータをサーボモータにするとにより、省エネが可能となった「回転制御機」も開発し、販売を開始いたしました。
また、顧客の立場でマシン開発することが、成長に繋がるとの思いから、通常のマシンシリーズの開発のみならず、顧客ニーズに合わせた特殊なマシン開発も行っております。