有価証券報告書-第56期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「愛」「創造」「氣」を合言葉に「Ever Onward ―限りなき前進」を掲げ、事業の持続的発展により、「世の中になくてはならない企業」になることを目指してまいります。
「 愛 」 私たちは、仕事を愛し、人を愛し、国や地域を愛し、地球を愛することを通じて、人や環境にやさしい
「もの創り」を目指し、社会に貢献します。
「創造」 私たちは、高感度・高感性で創造力を発揮し、世の中に無い魅力的なものを創り出すことを目指します。
「 氣 」 私たちは、何ごとにも、成し遂げる“氣”を持って挑戦し、
製品やサービスに魂を込め、未来を切り開いていきます。
そして、この経営理念の下、当社の持つ技術が世界中に波及し、魅力あるファッション製品の「もの創り」のスタンダードに昇華させ、また当社のコア・コンピタンスが、ファッション製品以外の業界にも貢献できる、新たな成長ステージを創造し、感性情報型企業へ進化していくことを10年後のビジョンといたします。
さらに当社グループでは、事業の持続的発展を通じて、すべてのステークホルダーに対して貢献してまいります。そのうえで、株主に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつとして位置づけ、長期的視点から事業の成長を図るとともに、業績に裏付けられた成果の配分を安定的かつ積極的に行うことを基本方針といたします。
(2)目標とする経営指標
創業から50余年を経た当社グループは、「次の50年」の企業成長の礎を築く「基盤強化」フェーズとして位置づけた「中期経営計画」を策定しました。
環境配慮型経営を推進し、持続的な成長を実現するための経営基盤の強化を図るとともに、過去最高益の更新を目指して、抜本的な経営施策を全社的に展開することで、当社グループとして「売上高:730億円」「営業利益:150億円」「経常利益:150億円」「当期純利益:100億円」「ROE:8.5%」を2018年3月期の達成目標といたします。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、次の基本方針に基づいて、中期経営計画を策定しました。
① 当社の提唱するトータルファッションシステムにより、もの創りの変革を推し進め、ファッション業界の発
展に寄与する。
② コアビジネスで培ったリソースを活用して新たな市場を創造するとともに、社会に貢献できるビジネスソリ
ューションを提供する。
③ 現在の業務内容を原点に立ち返ってすべて見直し、新たなビジネスモデルを再構築する。
そして、中期経営計画において、次の4つの成長戦略を掲げ、経営資源の選択と集中を推進し、企業価値の向上を図ってまいります。
Ⅰ. 横編機事業の最強化
ホールガーメント横編機を核とした革新的なマーケティング手法の提案強化などにより、顧客満足度をさらに高め、コアビジネスである横編機事業をより一層強靭なものにする。
Ⅱ. 独自性をもった事業範囲の拡大
ホールガーメント技術など当社独自の技術を活用し、非衣料市場への横編機事業の展開や自動裁断機事業の強化など、革新的な事業の創出、差別化戦略を推進する。
Ⅲ. 収益構造の改革
アフターセールス強化などの収益源の多様化、営業キャッシュ・フローの改善など、事業・業務の抜本的な見直しにより、持続可能な収益源の確保と戦略的なコスト削減を進める。
Ⅳ. 経営基盤の強化
創造力のある人材・多様性のある人材の採用・育成など、人材面を中心に、全般的な経営資源の整備を進めるとともに、CSRをさらに重視した経営体制を構築する。
(4)会社の対処すべき課題
今後の世界経済につきましては、米国新政権の政策への懸念や国際関係の緊張の高まりなどで、先行きに不透明感が漂っておりますが、米国においては堅調な雇用拡大が見込まれるなど景気の拡大基調が持続し、欧州においても金融緩和による景気刺激に下支えされ底堅く推移するものと見込まれます。わが国においては雇用・所得環境の改善や政策効果により、景気は緩やかに回復していくことが期待されます。
当社の主要販売先となるアパレル業界においては、多様化する消費者の好みに迅速に対応し、売れ筋情報を即座に商品開発・生産につなげ、サプライチェーンを効率化することで採算を改善するという課題に取り組んでいます。また、拡大するe-コマースへの対応や、IT技術を活用したオンデマンド生産、IoTやロボットの活用による生産工程の効率化促進といった流れも今後さらに活発になると思われます。
このような環境の中で当社グループは中期経営計画「Ever Onward 2017」の最終年度として、「次の50年」に向けた成長の礎を築く経営基盤の強化に取り組むとともに、経営計画の必達に邁進してまいります。
グローバルに展開する大規模アパレルの生産拠点であるバングラデシュやASEAN諸国においては生産効率の高いコンピュータ横編機の需要はさらに拡大すると見込まれ、ユーザーに対するきめ細かいサービスの提供を強化することで受注の拡大につなげていきます。中国におけるニット製造業においては市場構造の変化を背景に省人化、高付加価値化、環境対応といったニーズが拡大しており、従来のOEM型生産から脱皮し、企画から販売までを一貫で手掛けるSPA型ビジネスへ挑戦する顧客も増えています。これらの顧客にはデザインシステム「SDS-ONE APEX3」とホールガーメント横編機を活用した「トータルファッションシステム」の提案で、消費地型生産体制への転換を促進します。
また新たな取組みとしてスポーツ、カジュアルシューズ関連へのコンピュータ横編機の活用も拡大しており、中国市場を中心に販売の増加に寄与するものと思われます。
先進国市場においても「トータルファッションシステム」による革新的な消費地型生産モデルを推進し、最新のホールガーメント横編機「MACH2XS」の拡販に注力します。
デザインシステム関連事業においては、高速かつ極めて高精細な3Dバーチャルシミュレーション機能を実現した「SDS-ONE APEX3」をファッション業界にとどまらず、異業種分野でも積極的な営業活動を展開し、さらなる新規需要の開拓を図ってまいります。
また、自動裁断機「P-CAM」については、ユーザーに密着した技術サービスと海外市場での販売ネットワークの拡充に努め、アパレル業界のみならず自動車関連、家具関連、航空機関連、産業資材分野など、幅広い分野への営業活動を強化し、さらなる販売拡大を図ります。
手袋靴下編機事業においては、医療、精密作業用など高付加価値分野の需要の掘り起こしを強化し、売上の回復を図ってまいります。
また、ニット生産の各プロセスを見える化して、ものづくりのサプライチェーンを最適化できる「Shima Knit PLM」や、コンテンツの提供を通してオリジナリティーあるものづくりを支援するWEBサービス「staf」の販売を通して顧客のビジネスソリューションを推進します。
以上のように世界の市場においてそれぞれの地域の顧客ニーズに合わせたきめ細やかな提案活動を積極的に展開していくとともに、高度な技術力で付加価値の高い製品を供給し続けることで、業界全体の活性化と当社グループの成長を目指してまいります。また、収益力を高めるべく徹底したコストダウンや経費の削減にも引き続き取組んでまいります。