訂正有価証券報告書-第118期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
事業を取り巻く経済環境は、国内においては消費増税の影響が懸念される一方、政府の景気対策効果や円安による輸出の増加などにより、全体として回復基調にあります。海外においては、米国経済は回復傾向を示しているものの、世界経済を牽引してきた中国やインドなどの新興国の成長が鈍化し、欧州経済も債務問題の影響による回復の遅れが見られるなど、全体的に不透明な状況にあります。
このような経営環境の中、当社グループは前中期経営計画「イノベーション21」を終え、新中期経営計画「中期経営計画2016」のスタートを切りました。
(1) 「イノベーション21」総括
平成23年度からスタートした「イノベーション21」は東日本大震災、欧州債務危機、中国経済の減速などの影響から、当初の財務目標を達成することはできませんでした。しかしながら、基本コンセプトである「グローバル化」と「イノベーション」はいかなる経済環境下でも有効であるとの考えのもと、海外工場の新設及び拡張、買収した海外子会社との連携強化、設計革新活動及び新商品の投入を着実に実行してまいりました。
これらの施策を成果として結実させるべく、当社グループは「中期経営計画2016」を策定いたしました。
(2) 「中期経営計画2016」
「中期経営計画2016」では、平成28年度に売上高7,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標といたします。なお、ROICを引き続き当社グループの経営指標とし、ROIC>WACCを継続するとともに、ROIC7%以上の確保をめざします。
上記の財務目標達成のため、①持続的成長の基盤を構築するための「着実な成長」、②「高収益への反転」、③「たゆみなき業務品質改善」を計画の目的に掲げ、「一流商品を提供し続ける企業」をめざします。単なる成長ではなく、高収益へ向けた反転を実行すべく、足元を固め、着実な成長を達成することが大きなポイントとなります。
また、「中期経営計画2016」では、多様な顧客ニーズに幅広い事業で応える当社グループの広範囲な事業領域の中でも、特に需要が拡大するエネルギー関連分野を成長領域と定め、同分野への積極的展開を図ってまいります。
計画遂行過程においては、引き続き、財務規律を維持しつつ、強化された財務体質を活かして成長に向けての投資を積極的に行い、具体的には3年間で約950億円の設備投資、開発投資を実施する計画であります。
なお、計画期間3か年における配当性向の目標は30%であります。
(3) 平成26年度の重点課題
「中期経営計画2016」のスタートとなる平成26年度は、計画の達成に向けて以下の施策を実行いたします。
① 持続的成長の基盤を構築するための「着実な成長」
「グローバル化(拡がる)」、「イノベーション(変わる)」、「グループ内の連携シナジー(つながる)」を三つの柱として当社グループは成長をめざします。
「グローバル化(拡がる)」では、量産機械系事業において、「イノベーション21」に基づいて行った投資を成果につなげるシナリオを構築し、それを実現いたします。例えば、プラスチック加工機械事業において、買収したドイツの子会社、SUMITOMO(SHI)DEMAG PLASTICS MACHINERY GmbHと国内工場との連携を更に強化することにより、電動式射出成形機世界ナンバーワンをめざします。重機械系事業では、技術差別化を進め、海外市場でのプレゼンスを高めます。
「イノベーション(変わる)」では、グループ共通の課題として、アフターマーケット・ビジネスの強化、営業プロセスの変革及び新商品の開発に注力してまいります。また、量産機械系事業では減・変速機事業の競争力の強化を、重機械系事業ではエンジニアリングの強化をそれぞれ狙いとするイノベーション活動を推進してまいります。
「グループ内の連携シナジー(つながる)」では、本年4月に技術研究所内にシステム開発センターを新設いたしました。多岐にわたる製品を抱える当社グループ内において、システム技術を中核とした連携シナジーを強化し、顧客価値向上をめざします。また、組織再編によるシナジー効果の実現も追求いたします。本年4月には、当社内に化工機事業センターを新設し、その傘下に子会社の住友重機械プロセス機器㈱及び㈱イズミフードマシナリを組み入れ、グループの化工機事業を集約いたしました。さらに本年7月には、当社のエネルギープラント事業の一部を子会社の住重プラントエンジニアリング㈱に吸収分割により承継させる組織再編を実施いたします。
② 「高収益への反転」
減・変速機、プラスチック加工機械などの当社グループをリードする事業におきましては、売上高利益率10%程度の高い目標を設定し、高収益の実現をめざします。また、全ての事業部門、機種、地域において自立を図り、売上高利益率5%以上を目標とした高収益への反転をめざします。
③ 「たゆみなき業務品質改善」
当社グループは、「たゆみなき業務品質改善」として以下の事項に取り組んでまいります。
(a) 製品品質の向上
本年4月に、当社グループの製品品質管理機能を強化するために、本社経営品質推進室を経営品質本部に格上げし、同本部内に新たに製品品質管理グループを設置するなど、組織体制を強化いたしました。各事業部門において品質革新に取り組むとともに、本社部門による各事業部門への支援及びチェック機能の強化に取り組んでまいります。
(b) コンプライアンスの徹底
当社グループは、コンプライアンスを最重要課題の一つとして捉え、グローバルな事業展開に対応して世界の全てのグループ企業を対象に活動を行ってまいりました。今後も引き続き、当社及びグループ各社の全ての役員及び社員に対して、コンプライアンスを浸透させてまいります。
(c) 安全への取組み
当社グループは、安全衛生改革基本計画を策定しており、平成26年度はその第二次実行計画のスタートの年となります。第一次実行計画の結果を踏まえ、具体的な目標を設定し、安全衛生管理力を強化し、労働災害撲滅に取り組んでまいります。
(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
1 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方につきましては、最終的には、株主の皆様により、当社の企業価値の向上ひいては株主の皆様共同の利益の確保を図るという観点から決せられるべきものと考えております。従って、会社支配権の異動を伴うような大規模な株式等の買付けの提案に応じるか否かといった判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づいて行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、買収の目的や買収後の経営方針などに鑑み、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に対して買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することなく行われるものなど、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益に重大な影響を及ぼすものも想定されます。当社といたしましては、このような大規模買付行為を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。
当社の企業価値は、「一流商品」の提供、事業間価値連鎖によるシナジー及びグローバルネットワークと、住友の事業精神に則った経営によって維持、強化されてきた株主の皆様をはじめとして、顧客、取引先、従業員、社会との信頼関係を源泉としており、さらにはこれらが有機的一体となって機能することによって、より大きな価値を生み出しております。
当社といたしましては、企業価値を増大させること及び生み出した利益を株主の皆様に還元していくことで株主の皆様共同の利益を最大化することを本分とし、市場における自由な取引を通じ当社株主となられた方々にお支えいただくことを原則としつつも、当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式の取得をめざす者による当社株式の取得により、このような当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、このような当社株式の取得をめざす者は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるものとして、必要かつ相当な範囲において、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保ないし向上のための措置を講じることをその基本方針といたします。
2 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社グループは、上記基本方針の実現のため、以下の取組みを行ってまいります。
① 新中期経営計画及びその実践
新中期経営計画「中期経営計画2016」では、平成28年度に売上高7,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標といたします。なお、ROICを引き続き当社グループの財務目標とし、ROIC>WACCを継続するとともに、ROIC7%以上の確保をめざします。
上記の財務目標達成のため、(a)持続的成長の基盤を構築するための「着実な成長」、(b)「高収益への反転」、(c)「たゆみなき業務品質改善」を計画の目的に掲げ、「一流商品を提供し続ける企業」をめざします。単なる成長ではなく、高収益へ向けた反転を実行すべく、足元を固め、着実な成長を達成することが重要です。
なお、計画期間3か年における配当性向の目標は30%であります。
② コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、かねてよりコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。具体的には、平成11年の執行役員制の導入や平成14年以降の社外取締役の選任、さらには平成19年には取締役の任期を2年から1年に短縮するなどして取締役会の活性化や経営の透明性の確保に努めております。
監査役は、グループ会社監査役会議を定期的に開催し、グループ全体の監査機能の充実を図っており、また、海外子会社に対する実地監査を毎年行うなど、グローバル化に対応した監査を実施しております。
さらに、当社は、社外役員全員について、一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外役員であると判断し、当社が上場する株式会社東京証券取引所に対し、独立役員として届け出ております。これら独立役員につきましては、取締役会などにおける業務執行に係る決定局面等において、一般株主への利益への配慮がなされるよう必要な意見を述べるなど、一般株主の利益保護を踏まえた行動をとることが求められております。
③ 株主の皆様に対する還元策
当社は、以上述べてきた施策、戦略の遂行により、事業の一層の成長による企業価値の増大及び継続的な増配による利益還元を通じて、株主の皆様共同の利益の向上を実現するべく、一層の努力を続けてまいります。
3 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を導入することに関して平成20年6月27日開催の第112期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき、平成23年6月29日開催の第115期定時株主総会及び平成26年6月27日開催の第118期定時株主総会のそれぞれにおいて、株主の皆様の過半数の賛成により、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を継続することについてご承認をいただきました(以下、継続後の対応方針を「本プラン」といいます)。
本プランは、大規模買付者に対して、大規模買付ルールに従うことを求めるものであります。大規模買付ルールとは、大規模買付者が事前に取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会が当該大規模買付行為について評価検討し、企業価値委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動、不発動又は中止に関して取締役会又は必要に応じて株主総会による決議を行い、対抗措置不発動又は中止に係る決議がなされた場合に初めて大規模買付行為が開始されるべきというものであります。
対抗措置は、①大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、又は②大規模買付ルールが遵守された場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を守るために発動される場合があります。当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、当社グループの企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の最大化を確保し、その他これを防衛するために必要かつ相当な、会社法第277条以下に規定される新株予約権無償割当てによる方法といたします。
4 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画及びその実践は、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に向上させる具体的方策として、当社の基本方針に沿うものと考えます。
また、本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮、交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断できること、当社取締役会が企業価値委員会の勧告を受けて当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うことなどを可能とし、もって当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保、向上を目的として導入されるものであり、当社の基本方針に沿うものと考えます。
特に、本プランは、事前の開示を充実させたものであること、株主意思の重視が図られているものであること、外部専門家の意見を取得することを認めていること、企業価値委員会の設置により当社取締役会の恣意的判断を排除していること、ガイドラインの設定により、対抗措置の発動、不発動又は中止に関する判断の際に拠るべき基準の客観性、透明性が高いこと、デッドハンド型買収防衛策又はスローハンド型買収防衛策ではないことなどから、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を充足し、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度な合理性を有しており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
このような経営環境の中、当社グループは前中期経営計画「イノベーション21」を終え、新中期経営計画「中期経営計画2016」のスタートを切りました。
(1) 「イノベーション21」総括
平成23年度からスタートした「イノベーション21」は東日本大震災、欧州債務危機、中国経済の減速などの影響から、当初の財務目標を達成することはできませんでした。しかしながら、基本コンセプトである「グローバル化」と「イノベーション」はいかなる経済環境下でも有効であるとの考えのもと、海外工場の新設及び拡張、買収した海外子会社との連携強化、設計革新活動及び新商品の投入を着実に実行してまいりました。
これらの施策を成果として結実させるべく、当社グループは「中期経営計画2016」を策定いたしました。
(2) 「中期経営計画2016」
「中期経営計画2016」では、平成28年度に売上高7,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標といたします。なお、ROICを引き続き当社グループの経営指標とし、ROIC>WACCを継続するとともに、ROIC7%以上の確保をめざします。
上記の財務目標達成のため、①持続的成長の基盤を構築するための「着実な成長」、②「高収益への反転」、③「たゆみなき業務品質改善」を計画の目的に掲げ、「一流商品を提供し続ける企業」をめざします。単なる成長ではなく、高収益へ向けた反転を実行すべく、足元を固め、着実な成長を達成することが大きなポイントとなります。
また、「中期経営計画2016」では、多様な顧客ニーズに幅広い事業で応える当社グループの広範囲な事業領域の中でも、特に需要が拡大するエネルギー関連分野を成長領域と定め、同分野への積極的展開を図ってまいります。
計画遂行過程においては、引き続き、財務規律を維持しつつ、強化された財務体質を活かして成長に向けての投資を積極的に行い、具体的には3年間で約950億円の設備投資、開発投資を実施する計画であります。
なお、計画期間3か年における配当性向の目標は30%であります。
(3) 平成26年度の重点課題
「中期経営計画2016」のスタートとなる平成26年度は、計画の達成に向けて以下の施策を実行いたします。
① 持続的成長の基盤を構築するための「着実な成長」
「グローバル化(拡がる)」、「イノベーション(変わる)」、「グループ内の連携シナジー(つながる)」を三つの柱として当社グループは成長をめざします。
「グローバル化(拡がる)」では、量産機械系事業において、「イノベーション21」に基づいて行った投資を成果につなげるシナリオを構築し、それを実現いたします。例えば、プラスチック加工機械事業において、買収したドイツの子会社、SUMITOMO(SHI)DEMAG PLASTICS MACHINERY GmbHと国内工場との連携を更に強化することにより、電動式射出成形機世界ナンバーワンをめざします。重機械系事業では、技術差別化を進め、海外市場でのプレゼンスを高めます。
「イノベーション(変わる)」では、グループ共通の課題として、アフターマーケット・ビジネスの強化、営業プロセスの変革及び新商品の開発に注力してまいります。また、量産機械系事業では減・変速機事業の競争力の強化を、重機械系事業ではエンジニアリングの強化をそれぞれ狙いとするイノベーション活動を推進してまいります。
「グループ内の連携シナジー(つながる)」では、本年4月に技術研究所内にシステム開発センターを新設いたしました。多岐にわたる製品を抱える当社グループ内において、システム技術を中核とした連携シナジーを強化し、顧客価値向上をめざします。また、組織再編によるシナジー効果の実現も追求いたします。本年4月には、当社内に化工機事業センターを新設し、その傘下に子会社の住友重機械プロセス機器㈱及び㈱イズミフードマシナリを組み入れ、グループの化工機事業を集約いたしました。さらに本年7月には、当社のエネルギープラント事業の一部を子会社の住重プラントエンジニアリング㈱に吸収分割により承継させる組織再編を実施いたします。
② 「高収益への反転」
減・変速機、プラスチック加工機械などの当社グループをリードする事業におきましては、売上高利益率10%程度の高い目標を設定し、高収益の実現をめざします。また、全ての事業部門、機種、地域において自立を図り、売上高利益率5%以上を目標とした高収益への反転をめざします。
③ 「たゆみなき業務品質改善」
当社グループは、「たゆみなき業務品質改善」として以下の事項に取り組んでまいります。
(a) 製品品質の向上
本年4月に、当社グループの製品品質管理機能を強化するために、本社経営品質推進室を経営品質本部に格上げし、同本部内に新たに製品品質管理グループを設置するなど、組織体制を強化いたしました。各事業部門において品質革新に取り組むとともに、本社部門による各事業部門への支援及びチェック機能の強化に取り組んでまいります。
(b) コンプライアンスの徹底
当社グループは、コンプライアンスを最重要課題の一つとして捉え、グローバルな事業展開に対応して世界の全てのグループ企業を対象に活動を行ってまいりました。今後も引き続き、当社及びグループ各社の全ての役員及び社員に対して、コンプライアンスを浸透させてまいります。
(c) 安全への取組み
当社グループは、安全衛生改革基本計画を策定しており、平成26年度はその第二次実行計画のスタートの年となります。第一次実行計画の結果を踏まえ、具体的な目標を設定し、安全衛生管理力を強化し、労働災害撲滅に取り組んでまいります。
(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
1 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方につきましては、最終的には、株主の皆様により、当社の企業価値の向上ひいては株主の皆様共同の利益の確保を図るという観点から決せられるべきものと考えております。従って、会社支配権の異動を伴うような大規模な株式等の買付けの提案に応じるか否かといった判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づいて行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、買収の目的や買収後の経営方針などに鑑み、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に対して買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することなく行われるものなど、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益に重大な影響を及ぼすものも想定されます。当社といたしましては、このような大規模買付行為を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。
当社の企業価値は、「一流商品」の提供、事業間価値連鎖によるシナジー及びグローバルネットワークと、住友の事業精神に則った経営によって維持、強化されてきた株主の皆様をはじめとして、顧客、取引先、従業員、社会との信頼関係を源泉としており、さらにはこれらが有機的一体となって機能することによって、より大きな価値を生み出しております。
当社といたしましては、企業価値を増大させること及び生み出した利益を株主の皆様に還元していくことで株主の皆様共同の利益を最大化することを本分とし、市場における自由な取引を通じ当社株主となられた方々にお支えいただくことを原則としつつも、当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式の取得をめざす者による当社株式の取得により、このような当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、このような当社株式の取得をめざす者は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるものとして、必要かつ相当な範囲において、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保ないし向上のための措置を講じることをその基本方針といたします。
2 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社グループは、上記基本方針の実現のため、以下の取組みを行ってまいります。
① 新中期経営計画及びその実践
新中期経営計画「中期経営計画2016」では、平成28年度に売上高7,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標といたします。なお、ROICを引き続き当社グループの財務目標とし、ROIC>WACCを継続するとともに、ROIC7%以上の確保をめざします。
上記の財務目標達成のため、(a)持続的成長の基盤を構築するための「着実な成長」、(b)「高収益への反転」、(c)「たゆみなき業務品質改善」を計画の目的に掲げ、「一流商品を提供し続ける企業」をめざします。単なる成長ではなく、高収益へ向けた反転を実行すべく、足元を固め、着実な成長を達成することが重要です。
なお、計画期間3か年における配当性向の目標は30%であります。
② コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、かねてよりコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。具体的には、平成11年の執行役員制の導入や平成14年以降の社外取締役の選任、さらには平成19年には取締役の任期を2年から1年に短縮するなどして取締役会の活性化や経営の透明性の確保に努めております。
監査役は、グループ会社監査役会議を定期的に開催し、グループ全体の監査機能の充実を図っており、また、海外子会社に対する実地監査を毎年行うなど、グローバル化に対応した監査を実施しております。
さらに、当社は、社外役員全員について、一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外役員であると判断し、当社が上場する株式会社東京証券取引所に対し、独立役員として届け出ております。これら独立役員につきましては、取締役会などにおける業務執行に係る決定局面等において、一般株主への利益への配慮がなされるよう必要な意見を述べるなど、一般株主の利益保護を踏まえた行動をとることが求められております。
③ 株主の皆様に対する還元策
当社は、以上述べてきた施策、戦略の遂行により、事業の一層の成長による企業価値の増大及び継続的な増配による利益還元を通じて、株主の皆様共同の利益の向上を実現するべく、一層の努力を続けてまいります。
3 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を導入することに関して平成20年6月27日開催の第112期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき、平成23年6月29日開催の第115期定時株主総会及び平成26年6月27日開催の第118期定時株主総会のそれぞれにおいて、株主の皆様の過半数の賛成により、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を継続することについてご承認をいただきました(以下、継続後の対応方針を「本プラン」といいます)。
本プランは、大規模買付者に対して、大規模買付ルールに従うことを求めるものであります。大規模買付ルールとは、大規模買付者が事前に取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会が当該大規模買付行為について評価検討し、企業価値委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動、不発動又は中止に関して取締役会又は必要に応じて株主総会による決議を行い、対抗措置不発動又は中止に係る決議がなされた場合に初めて大規模買付行為が開始されるべきというものであります。
対抗措置は、①大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、又は②大規模買付ルールが遵守された場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を守るために発動される場合があります。当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、当社グループの企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の最大化を確保し、その他これを防衛するために必要かつ相当な、会社法第277条以下に規定される新株予約権無償割当てによる方法といたします。
4 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画及びその実践は、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に向上させる具体的方策として、当社の基本方針に沿うものと考えます。
また、本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮、交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断できること、当社取締役会が企業価値委員会の勧告を受けて当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うことなどを可能とし、もって当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保、向上を目的として導入されるものであり、当社の基本方針に沿うものと考えます。
特に、本プランは、事前の開示を充実させたものであること、株主意思の重視が図られているものであること、外部専門家の意見を取得することを認めていること、企業価値委員会の設置により当社取締役会の恣意的判断を排除していること、ガイドラインの設定により、対抗措置の発動、不発動又は中止に関する判断の際に拠るべき基準の客観性、透明性が高いこと、デッドハンド型買収防衛策又はスローハンド型買収防衛策ではないことなどから、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を充足し、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度な合理性を有しており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。