有価証券報告書-第157期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
当社グループを取り巻く事業環境は、新聞発行部数の減少および新聞社間の印刷の受委託の拡大により、新聞業界の設備投資は依然低迷が続いており、今後も厳しい状況が続くものと考えられます。
このような厳しい事業環境に対応するため、当社グループは、デジタル印刷機の販売促進、保守サービス事業の推進を中心とした、抜本的な事業改革を進めることにより、赤字体質からの脱却を目指し以下の項目を対処すべき課題として、グループを挙げて取り組んでまいります。
1.事業改革の推進
従来、当社グループの大部分を占めていた新規オフセット輪転機販売事業だけでは売上高、収益の確保は困難なものとなっており、以下に掲げる新規事業の推進および既存事業の見直し等により売上高の確保、および収益性の向上に取組んでまいります。
① デジタル印刷機販売事業
当社で開発いたしました新聞印刷用デジタル印刷機「JETLEADER1500」の内外市場への拡販を積極的に図っております。海外市場において具体的な引合いが出てきており、平成26事業年度中の相当額の売上寄与を見込んでおります。世界的なデジタル化の流れから見ても、デジタル印刷機を今後オフセット輪転機と並ぶ当社の主力製品に育てていきたいと考えております。
また、日進月歩のデジタル印刷技術に対応すべくデジタル印刷技術の開発、改良に取組み内外市場のニーズに的確に応え需要の掘り起こしに注力してまいります。
② 保守サービス事業
当社のオフセット輪転機は国内だけでも300セット余りが稼働しております。これらの輪転機の安定稼働確保を目的とした保守サービス事業を推進するため、昨年「第一事業部」の中に「サービス事業グループ」を新設いたしました。これによりお客様のご要望にお応えすると共に、潜在的なメンテナンス需要を喚起し、保守サービス事業を推進することにより、安定的な売上高の確保が見込めるものと考えております。
③ エネルギー分野への進出
当社が従来培ってきたオフセット輪転機製造技術を応用し、将来の成長分野と見込まれるエネルギー分野への進出を図ります。
現在、大手日系デバイスメーカーとの間で当該分野における新製品の共同開発を進めております。
④ 新分野の開拓
新分野の研究開発を進め、長年培ってきた機械メーカーとしての技術を活かし、時間がかかるとは考えられますが、将来の柱に育つような新規事業の開拓に継続的に取組んでまいります。
2.経営体制の若返り
当社は、故 芝 良計社長が平成24年6月社長に就任以来、経営陣の刷新を図り、事業改革の推進および財務基盤の強化等により鋭意業績の回復に取組んでまいりました。今般経営陣の更なる若返りを図り、よりスピード感を持った業績回復を目指します。
3.経費削減
人員削減に関しましては、過去の希望退職等の実施で一巡し、当事業年度は子会社の整理、縮小を行いました。一つ目は、生産拠点の集約、生産設備の削減を目的として、子会社である株式会社伊賀マシナリーの資産を売却、解散し生産設備をかずさテクノセンターに集約、削減いたしました。二つ目は、米国子会社であるTKS(U.S.A.),INC.を大幅に縮小し連結ベースでのコスト削減を図りました。
これらに加えて、設計・製造から販売に至るまでの全ての生産・販売体制の抜本的な見直しによる大幅な製造原価の低減のほか、管理コスト等のあらゆる経費の削減に努めております。今後はこの流れを一層加速させ特に製造原価の低減に注力し、収益性の向上を図ります。
4.株式会社の支配に関する基本方針
Ⅰ 基本方針の内容
当社は、上場企業である以上、当社株式の取引は、株主・投資家の自由な判断においてなされるのが原則であり、大規模な当社株式等の買付行為(以下「大規模買付行為」といいます。)がなされた場合においても、これに応じるべきか否かの判断は、最終的には株主の判断に委ねられるべきものであると考えております。
従いまして、当社は、株式の大規模買付行為であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。しかしながら、現時点における法制度、金融環境を前提とした場合、その目的・手法等から見て、真摯に合理的な経営を目指すものではなく、会社に回復し難い損害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の株主や取締役会が買付けの条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするものなど、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模な買付提案がなされる可能性も否定できません。
一方で、当社の企業価値・株主共同の利益の継続的な維持向上のためには、顧客との信頼関係を重視した中長期的視野に立った経営への取組み、高度な技術力の維持及びそのさらなる向上、そしてそれらを支える全社員の高いモチベーションの維持と、これらによって築かれた国内外の顧客・取引先等のステークホルダーとの間の永年の信頼関係への深い理解が必要不可欠であります。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、これらのことを十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益を継続維持向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、上に述べたような当社の企業価値・株主共同の利益に資さないおそれのある不適切な大規模買付行為等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。
Ⅱ 基本方針の実現に資する取組み
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益の継続的な維持向上のために、
① デジタル印刷機の拡販
② 保守サービス事業の推進
③ オフセット輪転機製造技術の応用によるエネルギー分野への進出
④ 経営体制の若返り
⑤ 生産・販売体制の抜本的な見直しによる経費削減
など、当社の将来を見据えた施策に鋭意取組んでおります。今後も中長期的な視点に立ち当社の企業価値・株主共同の利益を継続的に維持・向上させていくことに最大限の努力をしてまいります。
Ⅲ 不適切な者の支配を防止するための取組み
1 導入の必要性
当社が外部者である大規模買付者からの買付けの提案を受けた際に、株主が、当社と顧客企業との関係や当社の高い技術力等の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、その他当社の企業価値を構成する要素を十分に把握した上で、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断することは、必ずしも容易ではないものと思われます。
こうした事情に鑑み、当社取締役会は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについても、当社取締役会が同意したものを除き、市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が行われた際に、当該買付提案に応じるべきか否かを株主が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保し、株主のために買付者と交渉を行うことなどを可能とすることで、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買付行為を抑止するための枠組みとして、下記にその詳細を記載する買収防衛策の導入が必要不可欠であると判断しました。
2 大規模買付ルールの設定
当社取締役会は、大規模買付行為は以下に定めるルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)に従って行われることが、当社の企業価値・株主共同の利益に合致すると考えております。大規模買付ルールとは、①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものです。
具体的には、まず、大規模買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の判断および当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「買付情報」といいます。)を、提供してもらいます。買付情報の具体的内容は大規模買付者の属性及び大規模買付行為の内容によって異なりますが、一般的な項目は以下のとおりです。
① 大規模買付者及びそのグループの詳細
② 大規模買付行為の目的、方法及び内容
③ 当社株式の取得対価の算定根拠
④ 取得資金の裏付け
⑤ 当社株式取得後に想定している当社の経営方針、事業計画、資本政策、配当政策及び従業員の処遇等
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社宛に、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書を提出してもらいます。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を明記してもらいます。当社は、この意向表明書を受領した後、5営業日以内に、大規模買付者から当初提供してもらうべき買付情報のリストを大規模買付者に交付します。なお、当初提供してもらった情報では、買付内容の検討に必要な情報として不十分であると認められる場合には、当社取締役会は、大規模買付者に対して追加的に情報提供をしてもらう場合があります。
大規模買付行為の提案があった事実および当社取締役会に提供された買付情報は、当社株主の判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会が適切と判断する時点で、その全部または一部を開示します。
次に、当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し買付情報の提供を完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を取締役会による評価・検討・交渉・意見形成・代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として与えられるべきものと考えます。従いまして、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。取締役会評価期間中、当社取締役会は提供された買付情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重に取りまとめ、公表します。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として当社株主に対して代替案を提示することもあります。
3 大規模買付行為が行われた場合の対応方針
(1) 大規模買付ルールが遵守されなかった場合
大規模買付者により、大規模買付ルールが遵守されなかった場合には、具体的な買付方法等のいかんに関わらず、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款により認められる措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。具体的な対抗措置については、その時点で適切と認められるものを選択することとなります。
(2) 大規模買付ルールが遵守された場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案について反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、当社株主を説得するに留め、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。当該買付提案に応じるか否かは、当社株主において、当該買付提案及び当社取締役会が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等を検討の上、判断を得ることとなります。
ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守している場合であっても、例えば、当該大規模買付者が、
① 真に当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて高値で株式を当社の関係者に引き取らせる目的で大規模買付行為を行っている場合(いわゆるグリーンメイラーである場合)
② 当社の経営を一時的に支配して当社の事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を当該大規模買付者やそのグループ会社等に移譲させるなど、いわゆる焦土化経営を行う目的で大規模買付行為を行っている場合
③ 当社の経営を支配した後に、当社の資産を当該大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で大規模買付行為を行っている場合
④ 当社の経営を一時的に支配して当社の不動産、有価証券など高額資産等の売却等をさせ、それによって得られた利益をもって一時的な高配当をさせるかあるいは一時的高配当等による株価の急上昇の機会を狙って株式の高値売り抜けをする目的で大規模買付行為を行っている場合
など、大規模買付者が真摯に合理的な経営を目指すものではなく、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益に回復し難い損害をもたらすと認められる場合には、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を守るため、上記(1)記載の場合と同様、適切と認められる対抗措置をとることがあります。
なお、大規模買付者の意図が上記の例示に形式的に該当することのみを理由として対抗措置をとるようなことはしないものとします。また、株主以外の利害関係者の利益に悪影響を与えることのみを理由として、上記例外的措置を行うことはしないものとします。
この対抗措置がとられた場合、大規模買付者は、希釈化等の不利益を受けることがあります。
Ⅳ 前記Ⅱ、Ⅲの当社取組み(以下「当社取組み」といいます。)についての取締役会の判断
1 当社取締役会は、以下の理由により当社取組みが前記Ⅰの基本方針(以下「基本方針」といいます。)に沿って策定されており、当社の企業価値・株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社の主力事業である印刷機械の製造は、定型的な製品を単に製造・販売するというものではなく、顧客企業のニーズに合致するように、顧客企業の要請を十分に把握しながら、顧客企業とともに開発・製作していくものであり、かつ、据付けから運転、メンテナンスまでを顧客と密接な関係を保ちながら遂行していく点にその特徴があります。従いまして、顧客企業のニーズに応える製品を製作するためには、最先端かつ高度な技術力が不可欠であることに加え、顧客企業の業務プロセスを的確に理解し、その中にまで入り込んで、機械の製作・管理運営を行うことが極めて重要となります。当社が、明治7年の創業以来、世界でトップクラスの輪転機事業メーカーとして、また近年では商業印刷機械メーカーとしても成長を続けて来られたのも、高度な技術力の維持及びそのさらなる向上に向けて不断の努力を行うとともに、顧客企業との間に親密な信頼関係を築き上げてきたからこそであり、当社の企業価値の源泉もそこにあるものと確信しております。
前記Ⅱの取組みはこれらの観点から、中長期的かつ具体的に当社の企業価値・株主共同の利益の継続的な維持向上に資する施策であると判断しております。
前記Ⅲの買収防衛策については、株主総会の決議を経ており、取締役の改選時期に合わせて2年毎に株主総会の議案として付議し株主の判断を得ることになっております。また、大規模買付ルールが守られた場合には取締役会が反対であっても、大規模買付者が真摯に合理的な経営を目指すものではなく、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益に回復し難い損害をもたらすと認められる場合以外には対抗措置は発動しない等、支配者として不適切なものを排除し、最終的には株主の判断に委ねるという基本方針に沿うものであると判断しております。
2 当社取締役会の判断が、企業価値・株主共同の利益に資するようになされることを確保するために、当社取締役会は、その判断に際して、当社監査役の過半数の同意を得るものとします。当社取締役会および当社監査役は、それぞれ別々に、当社の費用で、独立した第三者(フィナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家等)の助言を得ることができるものとしております。
(ご参考)
買収防衛策の有効期限は、平成26年6月27日開催の第157回定時株主総会(以下、本定時株主総会といいます。)の終結の時となっております。当社は、平成26年5月13日開催の当社取締役会において、本定時株主総会の終結の時をもって、買収防衛策を継続せず廃止することを決議いたしました。
このような厳しい事業環境に対応するため、当社グループは、デジタル印刷機の販売促進、保守サービス事業の推進を中心とした、抜本的な事業改革を進めることにより、赤字体質からの脱却を目指し以下の項目を対処すべき課題として、グループを挙げて取り組んでまいります。
1.事業改革の推進
従来、当社グループの大部分を占めていた新規オフセット輪転機販売事業だけでは売上高、収益の確保は困難なものとなっており、以下に掲げる新規事業の推進および既存事業の見直し等により売上高の確保、および収益性の向上に取組んでまいります。
① デジタル印刷機販売事業
当社で開発いたしました新聞印刷用デジタル印刷機「JETLEADER1500」の内外市場への拡販を積極的に図っております。海外市場において具体的な引合いが出てきており、平成26事業年度中の相当額の売上寄与を見込んでおります。世界的なデジタル化の流れから見ても、デジタル印刷機を今後オフセット輪転機と並ぶ当社の主力製品に育てていきたいと考えております。
また、日進月歩のデジタル印刷技術に対応すべくデジタル印刷技術の開発、改良に取組み内外市場のニーズに的確に応え需要の掘り起こしに注力してまいります。
② 保守サービス事業
当社のオフセット輪転機は国内だけでも300セット余りが稼働しております。これらの輪転機の安定稼働確保を目的とした保守サービス事業を推進するため、昨年「第一事業部」の中に「サービス事業グループ」を新設いたしました。これによりお客様のご要望にお応えすると共に、潜在的なメンテナンス需要を喚起し、保守サービス事業を推進することにより、安定的な売上高の確保が見込めるものと考えております。
③ エネルギー分野への進出
当社が従来培ってきたオフセット輪転機製造技術を応用し、将来の成長分野と見込まれるエネルギー分野への進出を図ります。
現在、大手日系デバイスメーカーとの間で当該分野における新製品の共同開発を進めております。
④ 新分野の開拓
新分野の研究開発を進め、長年培ってきた機械メーカーとしての技術を活かし、時間がかかるとは考えられますが、将来の柱に育つような新規事業の開拓に継続的に取組んでまいります。
2.経営体制の若返り
当社は、故 芝 良計社長が平成24年6月社長に就任以来、経営陣の刷新を図り、事業改革の推進および財務基盤の強化等により鋭意業績の回復に取組んでまいりました。今般経営陣の更なる若返りを図り、よりスピード感を持った業績回復を目指します。
3.経費削減
人員削減に関しましては、過去の希望退職等の実施で一巡し、当事業年度は子会社の整理、縮小を行いました。一つ目は、生産拠点の集約、生産設備の削減を目的として、子会社である株式会社伊賀マシナリーの資産を売却、解散し生産設備をかずさテクノセンターに集約、削減いたしました。二つ目は、米国子会社であるTKS(U.S.A.),INC.を大幅に縮小し連結ベースでのコスト削減を図りました。
これらに加えて、設計・製造から販売に至るまでの全ての生産・販売体制の抜本的な見直しによる大幅な製造原価の低減のほか、管理コスト等のあらゆる経費の削減に努めております。今後はこの流れを一層加速させ特に製造原価の低減に注力し、収益性の向上を図ります。
4.株式会社の支配に関する基本方針
Ⅰ 基本方針の内容
当社は、上場企業である以上、当社株式の取引は、株主・投資家の自由な判断においてなされるのが原則であり、大規模な当社株式等の買付行為(以下「大規模買付行為」といいます。)がなされた場合においても、これに応じるべきか否かの判断は、最終的には株主の判断に委ねられるべきものであると考えております。
従いまして、当社は、株式の大規模買付行為であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。しかしながら、現時点における法制度、金融環境を前提とした場合、その目的・手法等から見て、真摯に合理的な経営を目指すものではなく、会社に回復し難い損害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の株主や取締役会が買付けの条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするものなど、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模な買付提案がなされる可能性も否定できません。
一方で、当社の企業価値・株主共同の利益の継続的な維持向上のためには、顧客との信頼関係を重視した中長期的視野に立った経営への取組み、高度な技術力の維持及びそのさらなる向上、そしてそれらを支える全社員の高いモチベーションの維持と、これらによって築かれた国内外の顧客・取引先等のステークホルダーとの間の永年の信頼関係への深い理解が必要不可欠であります。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、これらのことを十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益を継続維持向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、上に述べたような当社の企業価値・株主共同の利益に資さないおそれのある不適切な大規模買付行為等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。
Ⅱ 基本方針の実現に資する取組み
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益の継続的な維持向上のために、
① デジタル印刷機の拡販
② 保守サービス事業の推進
③ オフセット輪転機製造技術の応用によるエネルギー分野への進出
④ 経営体制の若返り
⑤ 生産・販売体制の抜本的な見直しによる経費削減
など、当社の将来を見据えた施策に鋭意取組んでおります。今後も中長期的な視点に立ち当社の企業価値・株主共同の利益を継続的に維持・向上させていくことに最大限の努力をしてまいります。
Ⅲ 不適切な者の支配を防止するための取組み
1 導入の必要性
当社が外部者である大規模買付者からの買付けの提案を受けた際に、株主が、当社と顧客企業との関係や当社の高い技術力等の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、その他当社の企業価値を構成する要素を十分に把握した上で、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断することは、必ずしも容易ではないものと思われます。
こうした事情に鑑み、当社取締役会は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについても、当社取締役会が同意したものを除き、市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が行われた際に、当該買付提案に応じるべきか否かを株主が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保し、株主のために買付者と交渉を行うことなどを可能とすることで、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買付行為を抑止するための枠組みとして、下記にその詳細を記載する買収防衛策の導入が必要不可欠であると判断しました。
2 大規模買付ルールの設定
当社取締役会は、大規模買付行為は以下に定めるルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)に従って行われることが、当社の企業価値・株主共同の利益に合致すると考えております。大規模買付ルールとは、①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものです。
具体的には、まず、大規模買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の判断および当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「買付情報」といいます。)を、提供してもらいます。買付情報の具体的内容は大規模買付者の属性及び大規模買付行為の内容によって異なりますが、一般的な項目は以下のとおりです。
① 大規模買付者及びそのグループの詳細
② 大規模買付行為の目的、方法及び内容
③ 当社株式の取得対価の算定根拠
④ 取得資金の裏付け
⑤ 当社株式取得後に想定している当社の経営方針、事業計画、資本政策、配当政策及び従業員の処遇等
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社宛に、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書を提出してもらいます。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を明記してもらいます。当社は、この意向表明書を受領した後、5営業日以内に、大規模買付者から当初提供してもらうべき買付情報のリストを大規模買付者に交付します。なお、当初提供してもらった情報では、買付内容の検討に必要な情報として不十分であると認められる場合には、当社取締役会は、大規模買付者に対して追加的に情報提供をしてもらう場合があります。
大規模買付行為の提案があった事実および当社取締役会に提供された買付情報は、当社株主の判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会が適切と判断する時点で、その全部または一部を開示します。
次に、当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し買付情報の提供を完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を取締役会による評価・検討・交渉・意見形成・代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として与えられるべきものと考えます。従いまして、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。取締役会評価期間中、当社取締役会は提供された買付情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重に取りまとめ、公表します。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として当社株主に対して代替案を提示することもあります。
3 大規模買付行為が行われた場合の対応方針
(1) 大規模買付ルールが遵守されなかった場合
大規模買付者により、大規模買付ルールが遵守されなかった場合には、具体的な買付方法等のいかんに関わらず、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款により認められる措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。具体的な対抗措置については、その時点で適切と認められるものを選択することとなります。
(2) 大規模買付ルールが遵守された場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案について反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、当社株主を説得するに留め、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。当該買付提案に応じるか否かは、当社株主において、当該買付提案及び当社取締役会が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等を検討の上、判断を得ることとなります。
ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守している場合であっても、例えば、当該大規模買付者が、
① 真に当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて高値で株式を当社の関係者に引き取らせる目的で大規模買付行為を行っている場合(いわゆるグリーンメイラーである場合)
② 当社の経営を一時的に支配して当社の事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を当該大規模買付者やそのグループ会社等に移譲させるなど、いわゆる焦土化経営を行う目的で大規模買付行為を行っている場合
③ 当社の経営を支配した後に、当社の資産を当該大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で大規模買付行為を行っている場合
④ 当社の経営を一時的に支配して当社の不動産、有価証券など高額資産等の売却等をさせ、それによって得られた利益をもって一時的な高配当をさせるかあるいは一時的高配当等による株価の急上昇の機会を狙って株式の高値売り抜けをする目的で大規模買付行為を行っている場合
など、大規模買付者が真摯に合理的な経営を目指すものではなく、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益に回復し難い損害をもたらすと認められる場合には、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を守るため、上記(1)記載の場合と同様、適切と認められる対抗措置をとることがあります。
なお、大規模買付者の意図が上記の例示に形式的に該当することのみを理由として対抗措置をとるようなことはしないものとします。また、株主以外の利害関係者の利益に悪影響を与えることのみを理由として、上記例外的措置を行うことはしないものとします。
この対抗措置がとられた場合、大規模買付者は、希釈化等の不利益を受けることがあります。
Ⅳ 前記Ⅱ、Ⅲの当社取組み(以下「当社取組み」といいます。)についての取締役会の判断
1 当社取締役会は、以下の理由により当社取組みが前記Ⅰの基本方針(以下「基本方針」といいます。)に沿って策定されており、当社の企業価値・株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社の主力事業である印刷機械の製造は、定型的な製品を単に製造・販売するというものではなく、顧客企業のニーズに合致するように、顧客企業の要請を十分に把握しながら、顧客企業とともに開発・製作していくものであり、かつ、据付けから運転、メンテナンスまでを顧客と密接な関係を保ちながら遂行していく点にその特徴があります。従いまして、顧客企業のニーズに応える製品を製作するためには、最先端かつ高度な技術力が不可欠であることに加え、顧客企業の業務プロセスを的確に理解し、その中にまで入り込んで、機械の製作・管理運営を行うことが極めて重要となります。当社が、明治7年の創業以来、世界でトップクラスの輪転機事業メーカーとして、また近年では商業印刷機械メーカーとしても成長を続けて来られたのも、高度な技術力の維持及びそのさらなる向上に向けて不断の努力を行うとともに、顧客企業との間に親密な信頼関係を築き上げてきたからこそであり、当社の企業価値の源泉もそこにあるものと確信しております。
前記Ⅱの取組みはこれらの観点から、中長期的かつ具体的に当社の企業価値・株主共同の利益の継続的な維持向上に資する施策であると判断しております。
前記Ⅲの買収防衛策については、株主総会の決議を経ており、取締役の改選時期に合わせて2年毎に株主総会の議案として付議し株主の判断を得ることになっております。また、大規模買付ルールが守られた場合には取締役会が反対であっても、大規模買付者が真摯に合理的な経営を目指すものではなく、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益に回復し難い損害をもたらすと認められる場合以外には対抗措置は発動しない等、支配者として不適切なものを排除し、最終的には株主の判断に委ねるという基本方針に沿うものであると判断しております。
2 当社取締役会の判断が、企業価値・株主共同の利益に資するようになされることを確保するために、当社取締役会は、その判断に際して、当社監査役の過半数の同意を得るものとします。当社取締役会および当社監査役は、それぞれ別々に、当社の費用で、独立した第三者(フィナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家等)の助言を得ることができるものとしております。
(ご参考)
買収防衛策の有効期限は、平成26年6月27日開催の第157回定時株主総会(以下、本定時株主総会といいます。)の終結の時となっております。当社は、平成26年5月13日開催の当社取締役会において、本定時株主総会の終結の時をもって、買収防衛策を継続せず廃止することを決議いたしました。