有価証券報告書-第96期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、創業者の「農家を過酷な労働から解放したい」という熱い想いを起業の原点に、1926年の会社創立以来、農業機械の総合専業メーカーとしてわが国農業の近代化に貢献してまいりました。その間、一貫して農業の効率化、省力化を追求し続け、その過程のなかで数々の農業機械を他に先駆けて開発し、市場に供給してまいりました。世界人口の増加と食糧問題、食糧自給率や国土保全、地球環境問題などを考えると、農業の果たす役割は大きく、農業機械メーカーの社会的使命はますます重要になると考えております。
当社グループは「お客様に喜ばれる製品の提供」を通して、今後もわが国ならびに世界の農業に貢献することを経営の基本理念として活動を続けるとともに、一層の企業価値向上に努めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業領域の拡大と収益性の改善を目指し、「連結売上高、連結営業利益、ROE(自己資本利益率)」を経営指標として重視しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社は、2025年に創立100周年を迎えます。
創立100周年までにグローバルマーケットでも農機専業メーカーとして確固たる地位を築き上げるため、これまで培ってきた強みを発揮し、世界の市場で競争力のある商品づくりと提案力により、国内農業構造変化への対応強化と海外事業の拡大、ならびに組織、ガバナンスの強化にグループを挙げて取り組んでまいります。
1)激変する国内農業への対応強化
国内農業は、農業従事者の高齢化や担い手不足を背景とした大規模化、主食用米から畑作・野菜作への作付転換など、農業の構造変化が加速しています。
当社は、これまでも「国内農業の変化への対応」を重点課題として取り組んできましたが、より一層スピードを上げ、激変する国内農業への対応強化をハードとソフトの両面で推進してまいります。
農家数減少、大規模化する市場への対応のため、大型整備センターを核とした営業拠点の整備と人員再配置により、広域化した体制に転換し効率化を推進します。また、地域マーケットの変化を踏まえ、担い手、畑作・野菜作市場への推進強化を図るとともに、売上拡大や営業費圧縮による収支構造の改善に加え、販売網の再編等により強みの展開と更なる効率化を進め、市場動向に左右されない収益基盤の構築に努めます。
ハード面では、低価格シンプル機や先端技術、野菜作機械など、当社の高い技術力を活かした市場ニーズに対応した商品開発への取組みを強化します。特に、2025年までに担い手農家のほとんどがデータを活用する「スマート農業の実現」が政策目標として掲げられ、先端技術の導入・実証が進む中、大型でICT技術搭載の「オールジャパンシリーズ」を、すでにトラクタ・コンバインに投入し、営農支援ソフト「アグリノート」との連携等によりさらに競争力を向上させてまいります。
ソフト面では、先進的営農技術の研究・実証や担い手への普及支援を行う「夢ある農業総合研究所(夢総研)」、「ISEKI グローバルトレーニングセンター」を中心に、市場ニーズに対応できる人材を育成し、サービス力、提案・サポート力の更なるレベルアップを図ります。
ハードとソフトの両面から、日本の農家の「夢ある農業」を応援することを通じて、「激変する国内農業への対応強化」を図ってまいります。
2)海外事業の拡大
海外は、北米・欧州・中国・アセアン市場を4極の柱とし、各市場における戦略パートナーとともに、事業領域の拡大に取り組んでいます。 北米市場は、OEM先との協業を一層強化し、一昨年投入した好調な小型トラクタでシェアアップを図ることに加え、顧客ニーズに合わせた品揃えの拡充で更なる売上の拡大を目指します。
欧州市場は、ISEKI France S.A.Sを事業展開の核に据え、昨年投入した新商品を梃に、欧州における「ISEKI」ブランドの更なる構築を図るとともに、サービス・サポート体制を強化し、売上・シェア拡大に注力してまいります。
成長エンジンとして位置付ける、中国・アセアン事業は、合弁先パートナーとの協業を一層強化し業容の拡大に取り組みます。
中国市場では、農機市場の成熟化や現地メーカーを含めた販売競争が激化する中、中国国内での一層の事業発展と事業運営の現地化を図るため、戦略パートナーである東風汽車グループが東風井関農業機械有限公司(以下、東風井関)への追加出資を行いました。これに伴い、当社の出資比率が50%から25%に変更となりましたが、中国市場の潜在力の大きさから、当社グループにとって中国事業の重要性は変わることなく、引き続き東風井関への製品・部品の輸出や当社の高機能・先端機種等の技術供与など技術面でのサポートを中心に展開してまいります。
タイ市場では、2013年からIST Farm Machinery Co.,Ltd.での販売を通じて「ISEKI」ブランドの構築を図ってきました。また、2016年にはタイ市場だけでなくアセアン全域における当社製品の販売・サービス力の更なる強化のため、ISEKI (THAILAND) CO.,LTD.を設立しました。今後、合弁先パートナーとの協業を一層強化することにより、タイでの事業を確立するとともにタイ周辺国への販路拡大を目指します。
また、一昨年末には世界最大のトラクタ市場のインドにおいて第2位の大手農機メーカーTractors and Farm Equipment Ltd.(TAFE社)と技術・業務提携契約を締結しました。今後、インド市場において同社による当社製品の販売や中型トラクタの製造等を通じ、事業展開を図ってまいります。
地域の特性を活かした商品開発、生産、販売ならびにサービス体制を強化するとともに、それらを支える人材の育成強化に取り組み、海外事業の拡大を図ります。
3)開発・生産最適化による収益力の強化
当社グループは、販売競争が激化する内外市場に競争力ある商品を投入すべく、開発製造部門を中心にコスト構造改革を推進しております。設計の標準化・共通化による開発のスピードアップや原価低減、製造現場における工数低減や間接業務改善など、徹底的な効率化による生産性向上に向けた取組みを継続強化するほか、生産負荷変動への対応力の強化を図ってまいります。また、アセアン市場における生産拠点の核、PT.ISEKI INDONESIAの生産量は年々増えており、調達先の適正化や現場改善を図るなど収益拡大の取組みを強化するとともに、生産能力の増強により更なる事業拡大を図ってまいります。「グローバル戦略商品プロジェクト推進部」が海外商品の収益向上に向けた取組みを引き続き総括管理するとともに、今後もグループを挙げてコスト構造改革を継続し収益力の向上に取り組んでまいります。
4)成長に向けた積極的な設備投資
激変する市場への対応を図るため、国内市場においては、整備センターの大型化・充実をはじめ、営業拠点の整備を進めており、今後も更なる充実を図ってまいります。 拡大する海外市場においても、北米・欧州・アセアン向け戦略機の生産拠点であるPT.ISEKI INDONESIAでの生産能力増強のための投資を行ってまいります。 また、国内生産拠点についても、排出ガス規制対応エンジン内製化のためのライン増設等により、更なる商品競争力向上に向け布石を打つとともに、技術革新による効率化を企図した生産設備の増強等、内外の成長に向けた積極的な設備投資に取組んでまいります。
5)人材・ガバナンス強化による企業価値向上
激変する国内農業への対応強化、海外事業の拡大など、開発・生産・営業各部における事業活動を支える人材確保と育成に加え、「働き方改革」への対応が課題となっております。
当社は、開発の若手設計者を育成する「設計基本技術トレーニングセンター」、国内外の生産現場で活躍する人材を育成する「ISEKI テクニカルトレーニングセンター」、国内外の販売・サービス人材を育成する「ISEKIグローバルトレーニングセンター」を整備し、人材育成強化に努めております。「働き方改革」への対応には、個々人での「ムリ・ムダ・ムラ」の徹底排除を通じた業務効率化に加え、組織横断的な効率化テーマの推進や業務そのものの見直しなどにより、生産性向上と多様な働き方に対応できる職場づくりを推進してまいります。また、企業の社会的責任として、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。関係法令・規則の順守はもとより、役職員一人ひとりの高い倫理観と社会的良識を持った責任ある行動を目指し、啓蒙活動や社内教育等を徹底してまいります。
また、ガバナンスの強化については、取締役候補者の選任プロセスを透明化するため、独立社外取締役を主要な構成員とする「指名諮問委員会」を2018年に設置しました。取締役の選解任に関する株主総会議案の提案および代表取締役の選定・解職等について、同委員会での審議・答申を踏まえ決定していく手続きとしています。なお、同委員会については、指名に関する事項に加え、2020年3月に取締役の報酬における審議・答申の機能を追加し、「指名報酬委員会」として再編しています。
当社グループは、創業者の「農家を過酷な労働から解放したい」という熱い想いを起業の原点に、1926年の会社創立以来、農業機械の総合専業メーカーとしてわが国農業の近代化に貢献してまいりました。その間、一貫して農業の効率化、省力化を追求し続け、その過程のなかで数々の農業機械を他に先駆けて開発し、市場に供給してまいりました。世界人口の増加と食糧問題、食糧自給率や国土保全、地球環境問題などを考えると、農業の果たす役割は大きく、農業機械メーカーの社会的使命はますます重要になると考えております。
当社グループは「お客様に喜ばれる製品の提供」を通して、今後もわが国ならびに世界の農業に貢献することを経営の基本理念として活動を続けるとともに、一層の企業価値向上に努めてまいります。
| 【社是】 | ||
| 当社は、 | 1.需要家には喜ばれる製品を | |
| 2.従業員には安定した職場を | ||
| 3.株主には適正な配当を | ||
| 経営理念とし、もって社会的使命を達成する | ||
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業領域の拡大と収益性の改善を目指し、「連結売上高、連結営業利益、ROE(自己資本利益率)」を経営指標として重視しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社は、2025年に創立100周年を迎えます。
創立100周年までにグローバルマーケットでも農機専業メーカーとして確固たる地位を築き上げるため、これまで培ってきた強みを発揮し、世界の市場で競争力のある商品づくりと提案力により、国内農業構造変化への対応強化と海外事業の拡大、ならびに組織、ガバナンスの強化にグループを挙げて取り組んでまいります。
1)激変する国内農業への対応強化
国内農業は、農業従事者の高齢化や担い手不足を背景とした大規模化、主食用米から畑作・野菜作への作付転換など、農業の構造変化が加速しています。
当社は、これまでも「国内農業の変化への対応」を重点課題として取り組んできましたが、より一層スピードを上げ、激変する国内農業への対応強化をハードとソフトの両面で推進してまいります。
農家数減少、大規模化する市場への対応のため、大型整備センターを核とした営業拠点の整備と人員再配置により、広域化した体制に転換し効率化を推進します。また、地域マーケットの変化を踏まえ、担い手、畑作・野菜作市場への推進強化を図るとともに、売上拡大や営業費圧縮による収支構造の改善に加え、販売網の再編等により強みの展開と更なる効率化を進め、市場動向に左右されない収益基盤の構築に努めます。
ハード面では、低価格シンプル機や先端技術、野菜作機械など、当社の高い技術力を活かした市場ニーズに対応した商品開発への取組みを強化します。特に、2025年までに担い手農家のほとんどがデータを活用する「スマート農業の実現」が政策目標として掲げられ、先端技術の導入・実証が進む中、大型でICT技術搭載の「オールジャパンシリーズ」を、すでにトラクタ・コンバインに投入し、営農支援ソフト「アグリノート」との連携等によりさらに競争力を向上させてまいります。
ソフト面では、先進的営農技術の研究・実証や担い手への普及支援を行う「夢ある農業総合研究所(夢総研)」、「ISEKI グローバルトレーニングセンター」を中心に、市場ニーズに対応できる人材を育成し、サービス力、提案・サポート力の更なるレベルアップを図ります。
ハードとソフトの両面から、日本の農家の「夢ある農業」を応援することを通じて、「激変する国内農業への対応強化」を図ってまいります。
2)海外事業の拡大
海外は、北米・欧州・中国・アセアン市場を4極の柱とし、各市場における戦略パートナーとともに、事業領域の拡大に取り組んでいます。 北米市場は、OEM先との協業を一層強化し、一昨年投入した好調な小型トラクタでシェアアップを図ることに加え、顧客ニーズに合わせた品揃えの拡充で更なる売上の拡大を目指します。
欧州市場は、ISEKI France S.A.Sを事業展開の核に据え、昨年投入した新商品を梃に、欧州における「ISEKI」ブランドの更なる構築を図るとともに、サービス・サポート体制を強化し、売上・シェア拡大に注力してまいります。
成長エンジンとして位置付ける、中国・アセアン事業は、合弁先パートナーとの協業を一層強化し業容の拡大に取り組みます。
中国市場では、農機市場の成熟化や現地メーカーを含めた販売競争が激化する中、中国国内での一層の事業発展と事業運営の現地化を図るため、戦略パートナーである東風汽車グループが東風井関農業機械有限公司(以下、東風井関)への追加出資を行いました。これに伴い、当社の出資比率が50%から25%に変更となりましたが、中国市場の潜在力の大きさから、当社グループにとって中国事業の重要性は変わることなく、引き続き東風井関への製品・部品の輸出や当社の高機能・先端機種等の技術供与など技術面でのサポートを中心に展開してまいります。
タイ市場では、2013年からIST Farm Machinery Co.,Ltd.での販売を通じて「ISEKI」ブランドの構築を図ってきました。また、2016年にはタイ市場だけでなくアセアン全域における当社製品の販売・サービス力の更なる強化のため、ISEKI (THAILAND) CO.,LTD.を設立しました。今後、合弁先パートナーとの協業を一層強化することにより、タイでの事業を確立するとともにタイ周辺国への販路拡大を目指します。
また、一昨年末には世界最大のトラクタ市場のインドにおいて第2位の大手農機メーカーTractors and Farm Equipment Ltd.(TAFE社)と技術・業務提携契約を締結しました。今後、インド市場において同社による当社製品の販売や中型トラクタの製造等を通じ、事業展開を図ってまいります。
地域の特性を活かした商品開発、生産、販売ならびにサービス体制を強化するとともに、それらを支える人材の育成強化に取り組み、海外事業の拡大を図ります。
3)開発・生産最適化による収益力の強化
当社グループは、販売競争が激化する内外市場に競争力ある商品を投入すべく、開発製造部門を中心にコスト構造改革を推進しております。設計の標準化・共通化による開発のスピードアップや原価低減、製造現場における工数低減や間接業務改善など、徹底的な効率化による生産性向上に向けた取組みを継続強化するほか、生産負荷変動への対応力の強化を図ってまいります。また、アセアン市場における生産拠点の核、PT.ISEKI INDONESIAの生産量は年々増えており、調達先の適正化や現場改善を図るなど収益拡大の取組みを強化するとともに、生産能力の増強により更なる事業拡大を図ってまいります。「グローバル戦略商品プロジェクト推進部」が海外商品の収益向上に向けた取組みを引き続き総括管理するとともに、今後もグループを挙げてコスト構造改革を継続し収益力の向上に取り組んでまいります。
4)成長に向けた積極的な設備投資
激変する市場への対応を図るため、国内市場においては、整備センターの大型化・充実をはじめ、営業拠点の整備を進めており、今後も更なる充実を図ってまいります。 拡大する海外市場においても、北米・欧州・アセアン向け戦略機の生産拠点であるPT.ISEKI INDONESIAでの生産能力増強のための投資を行ってまいります。 また、国内生産拠点についても、排出ガス規制対応エンジン内製化のためのライン増設等により、更なる商品競争力向上に向け布石を打つとともに、技術革新による効率化を企図した生産設備の増強等、内外の成長に向けた積極的な設備投資に取組んでまいります。
5)人材・ガバナンス強化による企業価値向上
激変する国内農業への対応強化、海外事業の拡大など、開発・生産・営業各部における事業活動を支える人材確保と育成に加え、「働き方改革」への対応が課題となっております。
当社は、開発の若手設計者を育成する「設計基本技術トレーニングセンター」、国内外の生産現場で活躍する人材を育成する「ISEKI テクニカルトレーニングセンター」、国内外の販売・サービス人材を育成する「ISEKIグローバルトレーニングセンター」を整備し、人材育成強化に努めております。「働き方改革」への対応には、個々人での「ムリ・ムダ・ムラ」の徹底排除を通じた業務効率化に加え、組織横断的な効率化テーマの推進や業務そのものの見直しなどにより、生産性向上と多様な働き方に対応できる職場づくりを推進してまいります。また、企業の社会的責任として、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。関係法令・規則の順守はもとより、役職員一人ひとりの高い倫理観と社会的良識を持った責任ある行動を目指し、啓蒙活動や社内教育等を徹底してまいります。
また、ガバナンスの強化については、取締役候補者の選任プロセスを透明化するため、独立社外取締役を主要な構成員とする「指名諮問委員会」を2018年に設置しました。取締役の選解任に関する株主総会議案の提案および代表取締役の選定・解職等について、同委員会での審議・答申を踏まえ決定していく手続きとしています。なお、同委員会については、指名に関する事項に加え、2020年3月に取締役の報酬における審議・答申の機能を追加し、「指名報酬委員会」として再編しています。