有価証券報告書-第118期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 16:30
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162項目

有報資料

当社のリスク管理体制は、取締役の中から任命されたリスク管理統括責任者が、当社及び当社グループのリスク管理を統括し、全社リスク管理部門がリスク管理統括責任者の指揮命令の下、リスクの洗い出し、評価・結果のモニタリング等を行います。重要リスクについては、経営環境の変化やリスク対応状況等を踏まえて定期的に見直しが行われ、適切なリスク対策が適時に実行されるよう努めております。
事業活動に与える可能性のあるリスクのうち、重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、予見することが困難なリスクも存在します。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)気候変動に関するリスク
世界的な環境意識の高まりや低炭素・脱炭素型社会への移行による、エネルギーシフトが加速する中で、LNG・原油等のタンク需要が減少することは避けられず、当社の事業環境に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの事業に起因した環境問題が発生した場合には、社会的な信用低下につながる可能性があります。
当社グループでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、気候変動に係るリスクおよび機会の分析、並びにそれらを踏まえた事業戦略の策定および開示を進めております。また、当社の技術を活かし大型液化水素貯蔵の開発や、発電用燃料としての水素やアンモニアの需要拡大への対応を通じた、低炭素社会の実現を目指し、当社の強みを活かしたインフラに係る取り組みを積極的に推進しており、大型液化水素タンク(5万㎥級)の研究開発を継続して進めており、2026 年度にベンチスケール試験タンクを建設し、2027 年度の実証試験完了を目指しております。
(2)プロジェクトの遂行に関するリスク
物流ソリューション事業では、Eコマース市場の拡大、物流業務のアウトソーシングの広がりなどにより、サプライチェーンの中で物流センターにおける役割が増えると共に、物流業務の効率化、拠点の集約化の動きに合わせて物流センターが大型化する傾向にあり、これまで以上にプロジェクト管理・遂行能力の重要性が高まっております。そのため、当事業においては、営業提案から施工まで一貫した納期管理の徹底を行い、標準化や生産性向上によるコスト・作業負担の低減に努めると共に、協力会社の拡大など、持続可能なプロジェクト遂行体制の整備に努めており、物流センターの全体エンジニアリングへ業務拡大を進めています。しかしながら、短納期化が求められるなかでの予期せぬ建築施工計画の変更による工期圧縮や、一定期間内に複数の大型プロジェクトを同時進行することに伴う納期調整など、様々な要因によって想定外のコストが発生する可能性があります。
また、当事業が提供する主要な製品や部材の中には、海外の特定取引先から調達しているものが存在し、取引先の経営方針・経営環境の変化や、国際需給の変動、自然災害、事故などにより、安定的にこれら製品や部材を調達できない場合にはプロジェクトの遂行に影響を与える可能性があります。
プラント事業においては、国内製油所を中心にタンク補修工事を請け負っており、工事従事者が不足した場合や資機材の調達価格が高騰した場合、現場監督者の技術の継承が遅れた場合には事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。そのため、パートナー企業との連携強化の一環として、タンク建設やメンテナンス業務において多くの実績を持ち、現場施工に精通した人材を有する木本産業株式会社をグループインしました。また、TKKプラントエンジ株式会社と共同で技術者及び現場監督の増員を進めて、施工体制の強化や人材育成、DXを活用した労働環境の改善に注力しています。またタンク新設プロジェクトへの対応として、受注から施工まで少数精鋭による一貫した管理・情報集約体制を整え、迅速かつ効率的なプロジェクトの遂行を行っております。
当社グループでは、プラント事業を中心に海外でも事業を展開しており、当社連結子会社のPT Toyo Kanetsu Indonesiaにおいてタンク等の鉄鋼材料の加工や現地工事、Toyo Kanetsu(Malaysia) Sdn.Bhdでは現地空港における手荷物搬送設備のメンテナンス、及び現地石油化学プラント関連設備のメンテナンス事業を行っております。これらの海外事業には以下に掲げるようなリスクが内在しており、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
① 法律又は規制の予期せぬ変更
② 政治経済の不安定性
③ 人材確保の困難性
④ 不利な税制改正
⑤ テロ、戦争、疫病、災害、その他の要因による社会的混乱
新型コロナウィルス感染症の影響や地政学リスクの影響による部品等の不足や価格高騰に対し、早期手配に取り組むなどリスク低減を図っております。
プロジェクトの遂行にあたっては案件に応じて製造物責任賠償保険等に加入すると共に、品質を担保するため、当社グループでは社内規定を制定し、品質マネジメントシステムを整備するなど、品質管理を強化しております。また品質問題が発生した場合でも品質管理の主管部門を社長直轄とすることで、迅速な対応を可能とする体制を整備しております。しかしながら万が一製品に重大な品質クレーム・トラブルが発生した場合には、修繕費用や賠償の発生等によりプロジェクト収益が悪化するのみならず、当社グループの社会的評価の低下に繋がり、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
(3)受注競争の激化による影響
当社グループの主力事業は何れも受注型産業であり、厳しい受注競争に晒されているため、採算面での不合理な下方圧力に直面した場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、顧客の政策・方針や、業界の経営環境変化、業界再編の動きは、受注活動に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクに対し、物流ソリューション事業においては、国内外における顧客領域の拡大を進めつつ、外部技術の柔軟な導入による最適なソリューション提供を行うと同時に、製品の内製化、標準化を推し進め、価格競争力を強化しております。また、更なる業務効率向上を図るために社内システムの刷新を行うなどの対策を進めております。
プラント事業では、厳しい事業環境が長期化する中で、既設の原油タンク等のメンテナンスの収益性向上、コア技術であるタンクEPC(設計・調達・施工)遂行能力を向上・発展させ、品質面での優位性を活かした受注活動に取り組むと共に、海外子会社による事業領域の拡大を図っております。
しかしながら、製品・技術のライフサイクルが短命化する中で、市場からの要請に対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下し、中長期的に業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産等の固定資産を保有しています。継続的な業績のモニタリング等により、当該固定資産に対する投資の回収が困難となる前に対策を講じるように努めておりますが、経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、当該資産に対する減損損失の計上により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)新規事業の立ち上げに関するリスク
当社グループは、長きにわたり物流ソリューション事業、プラント事業を主力事業として展開をし、これまで相互補完的にグループ収益を支えてまいりましたが、これら事業環境の変動幅は大きく、収益のボラティリティが高いと認識しております。
そのため、M&Aの実行や、CVCの立ち上げとスタートアップとの連携など、適切なパートナー企業と様々な可能性について探索しております。M&Aにおいては、対象となる企業の財務や税務、法務などの契約関係及び事業の状況等について事前に社内外の専門家と詳細なデューデリジェンスを実施し、可能な限りリスクの低減に努めておりますが、M&A後に、事業環境に急激な変化が生じた場合やその他予期し得ない理由により当初の計画通りに事業が進展しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対して、新規投資の実行に当たっては、投資の意義・目的を明確にしたうえで、経営会議及び取締役会による定期的なモニタリングを強化し、リスクの低減に努めております。
(5)コンプライアンスに関するリスク
当社グループの役員・従業員が法令違反行為や企業倫理違反行為等を発生させた場合、多額の課徴金や損害賠償が発生するなど、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすだけでなく、当社グループの社会的な信用が低下し、事業継続に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、コンプライアンス委員会の設置や統括責任者の任命など組織体制を整備する他、グループ企業行動憲章をはじめとした諸規程を定め、グループ全取締役及び社員へ社会的責任及び公共的使命を周知徹底し、意識を醸成するなど、コンプライアンスを堅持する取り組みを推進しております。
(6)労働安全衛生に関する影響
当社が提供する設計施工をはじめとする各種サービスにおいて、重大な人身事故、品質事故等が発生した場合には、信用毀損、損害賠償や施工遅延・再施工費用の発生等により、事業活動や財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、社員および当社業務に携わるすべての協力会社の安全と健康を第一に考え、ISO45001に準拠した安全衛生管理を行うとともに、「労働安全衛生方針」のもと、グループ安全会議の開催、現場パトロールの実施、パートナー企業を含めた安全体制の維持・拡充等により、重篤な労働災害の発生を防止すべく、予防安全活動を推進しております。
(7)人材の確保・育成に関するリスク
当社グループでは、人材の確保と育成は、事業継続及び成長のための重要な経営課題と認識しておりますが、少子高齢化による労働人口の減少、人材の獲得競争の激化やキャリア意識の多様化に伴う人材流出により労働力の確保が困難となる可能性があります。
当社では、「挑戦をバックアップする仕組み」「処遇の改善」「安心して働ける職場」へ投資することで、人材育成・採用の強化、エンゲージメントを向上させ人材力を強化しています。また、女性活躍推進行動計画を策定し、女性管理職候補者の育成・登用、時差勤務の利用促進、有給取得率向上、男性の育児休業取得促進などの取り組みを進め、「健康経営@優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されるなど、働きやすい職場環境づくりによる人材の定着化を推進しております。また、物流ソリューション事業では、エデュケーションセンターにおいて、人材のさらなる技能強化や安全教育指導を実施しております。
(8)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、顧客情報や技術情報などの機密性の高い情報を取り扱っており、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染等が発生した場合には、情報漏洩、データ改ざん、システム停止等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクに対応するため、ゼロトラストの考え方に基づくアクセス制御、通信の暗号化、端末・クラウド環境における多層的な防御策、老朽化したシステムの最新化などの対策を講じています。加えて、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、サイバー攻撃を想定した訓練の実施、情報資産を適切に取り扱うための教育・点検等を実施しています。また、取引先を含むサプライチェーン全体の安全性確保の観点から、委託先の管理や外部サービス利用時のリスク評価等を実施しています。
(9)自然災害・疫病等に関するリスク
大規模地震、風水害等の自然災害、パンデミック(感染症の大流行等)が発生した場合には、工事従業者の生命の危険、機器資材の現場への搬入遅延、現場工事の中断等、国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。
当社グループは、災害時の事業継続計画(BCP)を策定しており、災害備蓄の実施、国内主要製造・開発拠点における耐震補強工事や製造機能再編や強化など、事業継続に必要な対策を講じております。また、首都直下地震や南海トラフ地震等を想定した実践的なBCP訓練を実施するなど、事業継続力の更なる向上に取り組んでいます。
(10)市場動向等に関するリスク
物流ソリューション事業では、小売、卸売、生協などの業界を中心に製品・システムを納入しております。また国内空港を中心に手荷物搬送システム等を提供しております。そのため、景気後退や少子高齢化の進展等による物流量の低下などで、物流施設関連への投資が停滞した場合や、航空関連需要の動向によっては、当事業の展開に影響を与える可能性があることから、AI、IoT技術を活用した事業領域の拡大を図っております。
プラント事業においては、LNGプラントや製油所等に各種タンクを納入すると共に、既設の原油タンク等のメンテナンスを実施しております。そのため世界的な景気動向の他、産油・産ガス国や消費国の経済・社会情勢、各国のエネルギー・環境政策の動向、原油・LNG価格の動向等により、プラントオーナーの投資計画の中止・延期・大幅見直し等が発生した場合には、当事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があることから、安定収益源の確保による受注変動に強い事業体質を確立すべく、メンテナンス案件の収益性向上等の取り組みを強化しています。
また、経済環境が悪化した場合には次のようなリスクを想定しております。
① 為替相場の変動
当社グループの事業活動は、海外における製品の生産、資材の販売、建設工事等が含まれており、主に米ドル建てでの取引が発生します。現時点において、外貨建ての取引高、及び保有資産額は相対的に僅少であるため、為替相場の変動リスクは低いと認識しておりますが、想定外の変動は将来的な当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 金利の変動
当社グループは、営業債権などによる信用供与、固定資産取得などのため、短期・長期の調達比率のバランスを鑑みながら金融機関より資金調達を行っております。金利が上昇する局面においては、資金調達コストが増大し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 保有有価証券の評価
当社グループは、政策的に保有する株式は、毎年度、全銘柄について、中長期的な視野に立った保有意義や資産効率等を検証した上で、取締役会にて審議し、保有意義の低下した銘柄は売却しておりますが、大幅に株価が下落した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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