有価証券報告書-第121期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
2017年1月、日揮グループは、企業活動を行う上での軸・拠り所となる企業理念「JGC Way」を制定いたしました。
「JGC Way」は3つの要素から構成されており、Mission(経営理念)として、「私たちは、世界を舞台に、技術と知見を結集して、人と地球の豊かな未来を創ります」を掲げ、日揮グループ共通のValues(価値観)として、4つのちから、即ち、「挑戦」、「創造」、「結集」、「完遂」を定め、さらに「尊重」、「誠実」を2つの誓いとして明らかにしております。そして、Vision(目指す姿)として、「私たちは、エンジニアリングをコアとして、エネルギーとインフラの世界で、新たな価値を創り出す企業グループを目指します」を掲げております。
日揮グループは、企業理念「JGC Way」に基づき企業活動を進めていくことで、企業価値の一層の向上を図り、企業グループとして持続的な発展・拡大の実現に努め、以て社会と地球の持続的な成長に貢献してまいります。
(2)目標とする経営指標、経営環境、中長期的な経営戦略および会社の対処すべき課題
中期経営計画「Beyond the Horizon」の確実な実行
当社グループは、2016年度から2020年度までの5か年を対象とする中期経営計画「Beyond the Horizon」を推進しております。この計画では、目標とする経営指標として、2020年度の売上高1兆円以上、親会社株主に帰属する当期純利益600億円を掲げ、ROEについては引き続き10%以上としております。また、基本方針としてコアビジネスであるオイル&ガス分野のEPC事業の拡大を図りつつ、インフラ分野へのEPC事業の拡大および非EPC事業からの安定的な利益創出に注力し、企業価値向上を図っていくこととしております。
計画の初年度である2016年度においては、特に、インフラ分野へのEPC事業の拡大として、フィリピンの火力発電所建設プロジェクト、国内のソーラー発電所建設プロジェクトおよびバイオマス発電所建設プロジェクトを受注する等、着実に成果をあげることができました。なお、中期経営計画「Beyond the Horizon」の概要は以下のとおりです。
<中期経営計画「Beyond the Horizon」について(2016年5月12日発表内容)>1)位置づけ
中期経営計画「Beyond the Horizon」は、「Program Management Contractor & Investment Partner」という日揮グループが目指す企業体への変貌に向けて、10年後、即ち2025年時点の企業グループとしての方向性と事業領域を明らかにし、売上高、親会社株主に帰属する当期純利益等の経営数値を拡大させ、さらなる変革を実現していくための前半5か年の成長戦略であります。
2)策定にあたっての前提
日揮グループの強み、優位性、即ちコアコンピタンスおよびマーケット環境の変化は以下のとおりと認識しております。
①日揮グループのコアコンピタンス
・ハイドロカーボン・ダウンストリーム分野のEPCコントラクターとして、困難な状況、複雑かつ高度なプロジェクトにおいても完遂するデリバリー能力を基盤とする世界屈指の実績とパフォーマンス
・技術力とマネジメント力に立脚し、人、物、情報をグローバル規模でインテグレートし、かつEPCの事業領域の拡大と新事業の展開を追求しうる優れた人材群
・10年に及ぶ事業投資の経験を通じて蓄積した事業運営会社としての知見とノウハウ
・強固な財務基盤およびさらなる成長戦略投資を可能にする豊富な資金力
②マーケット環境の変化
現在、プラントマーケットは、2014年からの原油価格の急激な下落とそれを背景とするメジャーオイルや産油国の設備投資の削減から、大変厳しい状況が続いております。
しかしながら、中長期的には、新興国の人口増大や経済発展を背景としたハイドロカーボンエネルギー需要の増大トレンドは不変であり、中期経営計画の後半以降に、原油やLNG等のエネルギー需給の逼迫を見据えた設備投資計画が本格化する状況が訪れるとともに、以下のとおりプラントマーケットは変化していく可能性が高いと予測しております。
・中央アジア、イラン、イラク等の新たなEPCマーケットが出現
・世界的な環境保全への関心の高まりを背景に再生可能エネルギー利用が着実に進展
・新興国の人口増大や経済発展を背景に、世界で都市化が進展し、インフラ(電力、交通)需要が増大
・中国ならびに東南アジア諸国における医薬・医療ニーズが拡大
・資源開発計画における3D化(Difficult, Deep, Distance)によるプロジェクト遂行技術の高度化ニーズが拡大
・ビッグデータを活用したIoT等、IT技術利用による産業の変革が進展
3)目指す方向性と事業領域
以上のような日揮グループのコアコンピタンスおよびマーケット環境の変化を踏まえ、10年後の2025年に日揮グループは、「オイル&ガス分野を中心とし、インフラ分野への事業領域拡大」を目指します。
4)目標とする経営指標
中期経営計画では、数値目標として2020年度の売上高1兆円以上、親会社株主に帰属する当期純利益600億円を掲げ、ROEについては引き続き10%以上といたします。
5)基本方針
コアビジネスであるオイル&ガス分野のEPC事業の拡大を図りつつ、インフラ分野へのEPC事業の拡大および非EPC事業からの安定的な利益創出に注力し、企業価値向上を図ってまいります。その実現のための財務戦略を含め、中期経営計画の基本方針を以下のとおりといたします。
≪基本方針1≫ EPC事業の拡大(オイル&ガス分野の拡大、インフラ分野への拡大)
≪基本方針2≫ 非EPC事業(事業投資・製造業)の利益拡大
≪基本方針3≫ 基本方針1および2を実現するための財務戦略の策定
6)基本方針に基づく戦略
≪基本方針1≫ EPC事業の拡大(オイル&ガス分野の拡大、インフラ分野への拡大)
EPC事業の拡大のため、以下の事業戦略を推し進めます。
戦略1)マーケット拡大
現有マーケットに加え、東アフリカ、中央アジア、イラン、イラク等へのマーケット拡大を図ります。
戦略2)プロジェクト遂行力強化
国内外EPCグループ会社との連携強化、幅広いJVパートナーとの協業促進、世界三極体制確立のための欧州拠点の設置および新興国対応のグループ会社の設置により、プロジェクト遂行力強化を図ります。
戦略3)事業領域拡大
アップストリーム分野への領域拡大、発電(化石燃料、原子力、再生可能エネルギー)分野の強化、交通インフラ分野への領域拡大、医薬・医療分野の海外展開の促進およびプラントの事業価値向上に向けたO&Mサービス事業への進出により、事業領域の拡大を志向してまいります。
戦略4)技術優位性追求による受注競争力強化
LNG分野のさらなる技術力向上、モジュール工法等プロジェクト遂行技術高度化のさらなる追求、プラントの事業価値向上に向けたIoT活用の推進および高度先端医療に対応する医薬分野の技術力向上により、受注競争力強化に取り組みます。
≪基本方針2≫ 非EPC事業(事業投資、製造業)の利益拡大
事業投資においては、目標IRRは引き続き12%以上とすることを定めたうえで、各事業分野を、以下のとおり分類し事業投資に取り組んでまいります。
<拡大分野>既存事業のうち、引き続き積極的に取り組む分野
・発電・造水(IWPP)事業
・環境・新エネルギー事業
・メディカル事業
<維持分野>当面継続するが、マーケット状況を考慮して将来性を検討する分野
・資源開発事業
・上下水道事業
・都市開発事業
<将来分野>将来のポテンシャルの大きさを考慮し、チャレンジする新規分野
・空港運営事業
・アグリ事業
・中国事業
・ビッグデータソリューション事業
また、触媒事業等の製造業においては、世界的な需要増大を捉え、新商品、新製品開発に資する技術開発の促進に加えて、技術獲得のための国内外企業のM&A、アライアンスの検討および海外展開のさらなる促進により、売上高および利益の拡大を目指してまいります。
≪基本方針3≫ 基本方針1および2を実現するための財務戦略の策定
自己資本比率については50%以上を安定的に維持すること、また資本効率も意識し、自己資本利益率(ROE)については引き続き10%以上とすることを目標として定めたうえで、以下を目途として手元資金の配分を行ってまいります。
(※)基本方針に基づく次の諸施策。欧州拠点の設置、新興国対応のグループ会社の設置、アップストリーム分野や交通インフラ分野への領域拡大、ビッグデータソリューション事業の推進等。
プロジェクトマネジメント力のさらなる強化
2016年度において、当社は、米国で遂行中の石油化学プロジェクトおよび中東で遂行中の石油精製プロジェクト等において大幅な採算悪化を招くこととなりました。これらプロジェクトにおける採算悪化を重く受け止め、発生原因の分析を進め、損失の発生防止はもとよりプロジェクトからの確実な利益実現に向けて、リスク管理を含むプロジェクトマネジメント力のさらなる強化に取り組んでまいります。
(1)経営方針
2017年1月、日揮グループは、企業活動を行う上での軸・拠り所となる企業理念「JGC Way」を制定いたしました。
「JGC Way」は3つの要素から構成されており、Mission(経営理念)として、「私たちは、世界を舞台に、技術と知見を結集して、人と地球の豊かな未来を創ります」を掲げ、日揮グループ共通のValues(価値観)として、4つのちから、即ち、「挑戦」、「創造」、「結集」、「完遂」を定め、さらに「尊重」、「誠実」を2つの誓いとして明らかにしております。そして、Vision(目指す姿)として、「私たちは、エンジニアリングをコアとして、エネルギーとインフラの世界で、新たな価値を創り出す企業グループを目指します」を掲げております。
日揮グループは、企業理念「JGC Way」に基づき企業活動を進めていくことで、企業価値の一層の向上を図り、企業グループとして持続的な発展・拡大の実現に努め、以て社会と地球の持続的な成長に貢献してまいります。
(2)目標とする経営指標、経営環境、中長期的な経営戦略および会社の対処すべき課題
中期経営計画「Beyond the Horizon」の確実な実行
当社グループは、2016年度から2020年度までの5か年を対象とする中期経営計画「Beyond the Horizon」を推進しております。この計画では、目標とする経営指標として、2020年度の売上高1兆円以上、親会社株主に帰属する当期純利益600億円を掲げ、ROEについては引き続き10%以上としております。また、基本方針としてコアビジネスであるオイル&ガス分野のEPC事業の拡大を図りつつ、インフラ分野へのEPC事業の拡大および非EPC事業からの安定的な利益創出に注力し、企業価値向上を図っていくこととしております。
計画の初年度である2016年度においては、特に、インフラ分野へのEPC事業の拡大として、フィリピンの火力発電所建設プロジェクト、国内のソーラー発電所建設プロジェクトおよびバイオマス発電所建設プロジェクトを受注する等、着実に成果をあげることができました。なお、中期経営計画「Beyond the Horizon」の概要は以下のとおりです。
<中期経営計画「Beyond the Horizon」について(2016年5月12日発表内容)>1)位置づけ
中期経営計画「Beyond the Horizon」は、「Program Management Contractor & Investment Partner」という日揮グループが目指す企業体への変貌に向けて、10年後、即ち2025年時点の企業グループとしての方向性と事業領域を明らかにし、売上高、親会社株主に帰属する当期純利益等の経営数値を拡大させ、さらなる変革を実現していくための前半5か年の成長戦略であります。
2)策定にあたっての前提
日揮グループの強み、優位性、即ちコアコンピタンスおよびマーケット環境の変化は以下のとおりと認識しております。
①日揮グループのコアコンピタンス
・ハイドロカーボン・ダウンストリーム分野のEPCコントラクターとして、困難な状況、複雑かつ高度なプロジェクトにおいても完遂するデリバリー能力を基盤とする世界屈指の実績とパフォーマンス
・技術力とマネジメント力に立脚し、人、物、情報をグローバル規模でインテグレートし、かつEPCの事業領域の拡大と新事業の展開を追求しうる優れた人材群
・10年に及ぶ事業投資の経験を通じて蓄積した事業運営会社としての知見とノウハウ
・強固な財務基盤およびさらなる成長戦略投資を可能にする豊富な資金力
②マーケット環境の変化
現在、プラントマーケットは、2014年からの原油価格の急激な下落とそれを背景とするメジャーオイルや産油国の設備投資の削減から、大変厳しい状況が続いております。
しかしながら、中長期的には、新興国の人口増大や経済発展を背景としたハイドロカーボンエネルギー需要の増大トレンドは不変であり、中期経営計画の後半以降に、原油やLNG等のエネルギー需給の逼迫を見据えた設備投資計画が本格化する状況が訪れるとともに、以下のとおりプラントマーケットは変化していく可能性が高いと予測しております。
・中央アジア、イラン、イラク等の新たなEPCマーケットが出現
・世界的な環境保全への関心の高まりを背景に再生可能エネルギー利用が着実に進展
・新興国の人口増大や経済発展を背景に、世界で都市化が進展し、インフラ(電力、交通)需要が増大
・中国ならびに東南アジア諸国における医薬・医療ニーズが拡大
・資源開発計画における3D化(Difficult, Deep, Distance)によるプロジェクト遂行技術の高度化ニーズが拡大
・ビッグデータを活用したIoT等、IT技術利用による産業の変革が進展
3)目指す方向性と事業領域
以上のような日揮グループのコアコンピタンスおよびマーケット環境の変化を踏まえ、10年後の2025年に日揮グループは、「オイル&ガス分野を中心とし、インフラ分野への事業領域拡大」を目指します。
4)目標とする経営指標
中期経営計画では、数値目標として2020年度の売上高1兆円以上、親会社株主に帰属する当期純利益600億円を掲げ、ROEについては引き続き10%以上といたします。
5)基本方針
コアビジネスであるオイル&ガス分野のEPC事業の拡大を図りつつ、インフラ分野へのEPC事業の拡大および非EPC事業からの安定的な利益創出に注力し、企業価値向上を図ってまいります。その実現のための財務戦略を含め、中期経営計画の基本方針を以下のとおりといたします。
≪基本方針1≫ EPC事業の拡大(オイル&ガス分野の拡大、インフラ分野への拡大)
≪基本方針2≫ 非EPC事業(事業投資・製造業)の利益拡大
≪基本方針3≫ 基本方針1および2を実現するための財務戦略の策定
6)基本方針に基づく戦略
≪基本方針1≫ EPC事業の拡大(オイル&ガス分野の拡大、インフラ分野への拡大)
EPC事業の拡大のため、以下の事業戦略を推し進めます。
戦略1)マーケット拡大
現有マーケットに加え、東アフリカ、中央アジア、イラン、イラク等へのマーケット拡大を図ります。
戦略2)プロジェクト遂行力強化
国内外EPCグループ会社との連携強化、幅広いJVパートナーとの協業促進、世界三極体制確立のための欧州拠点の設置および新興国対応のグループ会社の設置により、プロジェクト遂行力強化を図ります。
戦略3)事業領域拡大
アップストリーム分野への領域拡大、発電(化石燃料、原子力、再生可能エネルギー)分野の強化、交通インフラ分野への領域拡大、医薬・医療分野の海外展開の促進およびプラントの事業価値向上に向けたO&Mサービス事業への進出により、事業領域の拡大を志向してまいります。
戦略4)技術優位性追求による受注競争力強化
LNG分野のさらなる技術力向上、モジュール工法等プロジェクト遂行技術高度化のさらなる追求、プラントの事業価値向上に向けたIoT活用の推進および高度先端医療に対応する医薬分野の技術力向上により、受注競争力強化に取り組みます。
≪基本方針2≫ 非EPC事業(事業投資、製造業)の利益拡大
事業投資においては、目標IRRは引き続き12%以上とすることを定めたうえで、各事業分野を、以下のとおり分類し事業投資に取り組んでまいります。
<拡大分野>既存事業のうち、引き続き積極的に取り組む分野
・発電・造水(IWPP)事業
・環境・新エネルギー事業
・メディカル事業
<維持分野>当面継続するが、マーケット状況を考慮して将来性を検討する分野
・資源開発事業
・上下水道事業
・都市開発事業
<将来分野>将来のポテンシャルの大きさを考慮し、チャレンジする新規分野
・空港運営事業
・アグリ事業
・中国事業
・ビッグデータソリューション事業
また、触媒事業等の製造業においては、世界的な需要増大を捉え、新商品、新製品開発に資する技術開発の促進に加えて、技術獲得のための国内外企業のM&A、アライアンスの検討および海外展開のさらなる促進により、売上高および利益の拡大を目指してまいります。
≪基本方針3≫ 基本方針1および2を実現するための財務戦略の策定
自己資本比率については50%以上を安定的に維持すること、また資本効率も意識し、自己資本利益率(ROE)については引き続き10%以上とすることを目標として定めたうえで、以下を目途として手元資金の配分を行ってまいります。
| 対象 | 配分の目途 |
| EPC事業に関する運転資金 | 30% |
| 成長戦略投資(※) | 30% |
| 株主還元 | 20% |
| 事業投資 | 10% |
| 設備投資(社屋維持、グループ会社関連) | 10% |
| 合計 | 100% |
(※)基本方針に基づく次の諸施策。欧州拠点の設置、新興国対応のグループ会社の設置、アップストリーム分野や交通インフラ分野への領域拡大、ビッグデータソリューション事業の推進等。
プロジェクトマネジメント力のさらなる強化
2016年度において、当社は、米国で遂行中の石油化学プロジェクトおよび中東で遂行中の石油精製プロジェクト等において大幅な採算悪化を招くこととなりました。これらプロジェクトにおける採算悪化を重く受け止め、発生原因の分析を進め、損失の発生防止はもとよりプロジェクトからの確実な利益実現に向けて、リスク管理を含むプロジェクトマネジメント力のさらなる強化に取り組んでまいります。