有価証券報告書-第130期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/19 15:30
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有報資料

当社グループの事業その他に関する主要なリスクとして、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。これらのリスクは、予測不可能な不確実性を含んでおり、将来の当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに対処するため、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治体制の概要」及び同「⑦ リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおり、グループリスク管理委員会を含む必要なリスク管理体制を整え、リスクの管理及び対応を行っておりますが、当社グループがコントロールできない事象の発生等により、これらのリスクの顕在化及び当該リスクによる当社グループへの影響を完全には回避できない可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、中東情勢悪化に伴う当社グループの対応及び当社グループ事業への影響に関しては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①当連結会計年度の概況」をご参照ください。
① プロジェクトの受注及び遂行に関するリスク
総合エンジニアリング事業においては、オイルメジャーや国営石油会社が顧客となる国際的な大規模プロジェクトを遂行しております。このようなプロジェクトにおいて当社グループが設計、調達及び建設する各種プラントは、数多くの異なる要素や機能で構成される複雑なシステム総合体であり、契約締結からプラント引渡しまで複数年に渡る長期間を要します。その間の政治・社会情勢の変化、政策の変更その他顧客を含む取引先の状況等の変化による受注後のプロジェクトの計画変更、中止、中断又は延期等のリスクを含む総合エンジニアリング事業におけるリスクの見積りは複雑性を伴い、高度な技術力及び豊富な経験を要します。上記のリスクが顕在化した場合、代金回収及びプロジェクトの採算が悪化し、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、パートナー企業と責任を分担するジョイントベンチャー又はコンソーシアムを組成し、プロジェクトを受注することがあります。この場合、パートナー企業のプロジェクト遂行能力の不足、分担業務の不履行やパートナー企業の財政状態の悪化等が生じた場合、当社がパートナー企業の債務を負担することとなり、大幅な追加費用の負担が発生し、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループでは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備の状況<プロジェクトリスク管理>」に記載のとおり、リスク管理体制を整備し、各プロジェクトの案件選別段階、見積・応札段階及び遂行段階においてリスク低減に努めております。
② カントリーリスク
仕向地や現地工事を行う国や地域で不安定な政情、戦争、革命、内乱、テロ、経済政策・情勢の急変、経済制裁等のいわゆるカントリーリスクが顕在化した場合、総合エンジニアリング事業においてはプロジェクトの計画変更、中止、中断若しくは延期又は工事従事者の動員及びプラント建設に要する資機材調達の遅れ等によりプロジェクトの採算が悪化する他、機能材製造事業においては販売取引の減少及び売上債権を回収できないこと等により、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループでは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおり、リスク管理体制を整備し、カントリーリスクの低減に努めております。
また、日揮コーポレートソリューションズ株式会社におけるコーポレート部門によるサポートのもと、カントリーリスクに応じて、貿易保険の利用及び取引上の適切な不可抗力条件の設定等の対策を実施しております。さらに、テロや紛争等の地政学リスク・治安リスクに対する海外駐在員の安全対策については、当社危機管理統括部が中心となり、平時からの情報収集・分析の強化や各種予防策の拡充等に取り組んでおります。特に、地政学リスク・治安リスクが高いプロジェクトに対しては、見積・応札段階から当社危機管理統括部が関与し、セキュリティ対策の策定等を支援しております。また、有事においては「日揮グループ危機管理基本規程」に基づき緊急対策本部を設置し、組織的かつ迅速な対応を行っております。当連結会計年度においては、横浜本社に設置される緊急対策本部の運用を想定した不測事態対処要領の訓練を行うなど、危機管理体制のさらなる高度化に努めております。
③ 自然災害・疫病等に関するリスク
当社グループが事業活動を展開する国や地域において、地震、豪雨、暴風雨等の想定を超える自然災害や感染症の世界的流行(パンデミック)に見舞われた場合、総合エンジニアリング事業においては、プロジェクトの計画変更、中止、中断、延期又はやり直し等によりプロジェクトの採算が悪化するほか、機能材製造事業においては事業所・工場の操業停止や生産能力低下等が発生する可能性があります。また、本社ビルが大規模震災等により被災した場合には、経営管理機能やコーポレート業務等の本社機能が一時的に停止又は制約を受ける可能性があり、これらにより、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループでは、グループ各社の建設現場、事務所・工場等の拠点ごとに自然災害発生時の対応手順を規定化し、安否確認システムの導入及び防災訓練等を実施するほか、リスクに関する情報の収集及び取引上の適切な不可抗力条件の設定等の対策を実施し、各種保険による対応や、リスク低減に努めております。また、災害対応マニュアル及び安否確認体制の整備・アップデート並びに防災訓練の実施等、大規模震災発生時における本社機能の継続及び早期復旧を目的とした体制・対応方針の検討を進めております。
④ 為替変動リスク
当社グループは、海外売上高のほとんどが外貨建て契約となっているため、為替レートが急激に変動した場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
このリスクに対して、複数通貨建てによるプロジェクトの受注契約をはじめ、各事業会社において、日揮コーポレートソリューションズ株式会社におけるコーポレート部門によるサポートのもと、海外調達、外貨建ての発注及び為替予約等の対策を状況に応じて実施し、リスクの低減に努めております。
⑤ 工事従事者の不足、賃金高騰リスク
総合エンジニアリング事業においては、プラント建設国における他の建設工事の急激な増加、海外労働者規制等による工事従事者の不足が発生した場合、工事従事者の賃金の高騰、建設工事の遅延及び建設工事費用の増加によりプロジェクトの採算が悪化し、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、主要プラントマーケットにおける建設労働力動向をモニタリング・予測するとともに、モジュール工法を採用した現地工事の最小化や、現地建設工事に豊富な実績を有する企業との協業のほか、人件費高騰に対する適切な契約条件の設定等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。
⑥ 資機材・原燃材料費等の高騰リスク
当社グループでは、プラント建設に要する資機材費等の見積り後、発注までにタイムラグがあるため、この間に経済制裁措置や紛争による素材やエネルギー等の需要圧迫や国際輸送の混乱、世界経済のインフレーションを含む社会情勢の急激な変化による部材供給不足等に起因して、当社グループの予測を超えて資機材・原燃材料費及び輸送コストが高騰する可能性があります。
この場合、総合エンジニアリング事業におけるプロジェクトの採算が悪化するほか、機能材製造事業においては利益率が低下する可能性があるうえ、資機材・原燃材料の調達及び供給スケジュールが遅延するおそれがあり、このような当社グループの予測を超えた資機材・原燃材料費及び輸送コストの高騰による影響が続いた場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、経営環境の変化や価格動向のモニタリング・予測、予測精度向上に向けた取組み、早期発注、調達先の多様化、製品価格への転嫁、先物取引の活用、並びに資機材・原燃材料費及び輸送コストの高騰に対する適切な契約条件の設定等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。
⑦ 投資に伴うリスク
当社グループは、既往のインフラ事業及びヘルスケア事業への投資に加え、前中期経営計画「BSP2025」に基づく施策としてデジタル、M&A、生産設備、事業開発、商業実証、研究開発等の形態で成長戦略投資の取組みを行ってまいりました。2026年度から2030年度までの5ヶ年を対象期間とする「BSP2030」においても、成長戦略投資は継続していく計画です。こうした投資を実行する中で、投資先やパートナー企業の業績や財政状態を含む事業・投資環境に想定を超える事態が生じた場合、期待通りの収益が上げられないリスク、投資の一部若しくは全部が損失となる、又は追加資金拠出が必要となるリスクがあります。また、パートナー企業との経営方針の相違、投資の流動性の低さ等により、当社グループが希望する時期や方法で撤退できないリスクがあります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、新規投資の実行に当たっては、審査要領を設け投資の意義・目的を明確にしたうえで、取締役会やグループ投融資委員会による定量・定性評価に基づく審議を経るとともに、定期的な既存投資のモニタリングを強化し、リスクの低減に努めております。
⑧ 法令及び規制に関するリスク
当社グループは、事業活動において税法、建設業法等の事業関連法規、国内外の環境に関する各種法令、安全保障目的を含む輸出入貿易規制、汚職等の腐敗行為や競争制限防止のための諸法令、人権保護に関する法令及び原則、事業及び投資に対する許認可等の制約を受けております。当社グループによる各種法令等違反が生じた場合や、関係する各種法令等の大幅な変更又は予期しない解釈の適用が行われた場合には、当社グループの事業活動に対する制約の発生、法令遵守及び監督官庁対応に関する費用の発生、当社グループに対する過料・課徴金・罰金等の制裁、当社グループの社会的評価の毀損等により、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対しては、当社グループの法務部門及び輸出管理部門等において当社グループの事業に影響を与える可能性のある国内外の法令及び規制等の動向を注視するとともに、これらを遵守するため、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑤ コンプライアンス」に記載のとおり、グループ会社間の垣根なくコンプライアンスの情報共有を行う場としてグループ横断型のコンプライアンス・コミッティーを設けております。また、主要なグループ会社にコンプライアンス責任者を配置し、指揮下のコンプライアンス部門担当者とともに、各社の実情に合った施策を立案・実施するグループ・コンプライアンス体制を構築しております。
当社グループでは、当社ガバナンス統括オフィスコンプライアンスユニットが、当社グループ全体を対象としたコンプライアンス推進のための総合的な施策の策定や調整等の機能を担っております。コンプライアンス向上のための取組みとして、階層別及び目的別(腐敗やハラスメント防止を含む)の各種コンプライアンス研修並びに一般的に不正が発生しやすい部門及び役職での人材ローテーションを実施しております。また、コンプライアンスに関する相談・通報窓口として、内部窓口のほかに専門の第三者機関が受付を担当する外部相談・通報窓口(グローバル通報を含む)を整備し、取引先からの相談・通報についてはホームページ経由で受付ける体制を運用する等、相談・通報先の選択肢を多く設けることでコンプライアンス上のリスクの未然防止や早期発見に資する取組みも実施しております。特に、贈賄防止においては、当社グループ贈賄防止関連諸規程の整備及びこれらに基づく贈賄防止プログラムを展開し、当社グループと取引を行う顧客、パートナー、サブコントラクター及びベンダー等に対するコンプライアンス上の事前審査や契約書への贈賄防止文言の反映等の取組みを行っております。
加えて、近年、地政学的緊張の高まりや各国における経済安全保障政策の強化に伴い、輸出入貿易規制に関する法令は一層複雑化・厳格化しております。特に、米国・EU・中国等の主要国における制裁措置や輸出管理規制の動向は、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対応するため、当社は、輸出関連法規遵守委員会のもと、各国の最新法令の把握と社内規程の見直しを継続的に実施し、契約条件への反映も含めてリスクの低減に努めております。
⑨ 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、重要な営業情報、技術情報及び個人情報等の機密情報を保有しております。これらの情報は、停電、災害、情報システムの障害、情報端末の紛失・盗難、サイバー攻撃、マルウェアへの感染等により、漏洩、消失、改ざん、毀損等のリスクがあります。また、当社グループは、国内外の関連会社や建設現場・工場といった多数の事業拠点及び広範なサプライチェーンを有していることから、これらにおいて発生した事象の影響が、当社グループ全体に波及するリスクがあります。これらのリスクが顕在化した場合には、事業活動の中断又は遅延、多額の費用負担の発生及び当社グループの社会的評価の低下により、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクに対して、当社情報セキュリティ担当部門を中心とした当社グループの情報セキュリティに関するガバナンス及びリスク管理体制のもと、「日揮グループ情報セキュリティ方針」及び情報セキュリティ関連規程を策定し、グループ全体で統一的なセキュリティ管理を推進しております。
本ガバナンス及びリスク管理体制のもと、当社グループ会社それぞれにおいても、各社のトップマネジメントにより情報セキュリティ責任者を任命し、推進・維持体制を構築しております。
具体的な取組みとしては、情報セキュリティ対策基盤を整備し、多層的なセキュリティ対策の実施に努め、定期的な情報セキュリティモニタリングと脆弱性評価、緊急時対応計画の策定、並びに教育研修及び訓練等を通じて主要グループ会社すべての従業員の意識向上を図り、リスクの低減に努めております。また、個人情報保護に関しては、漏洩等による重大な悪影響が発生し得ることを踏まえ、関係部門が主導してプライバシーポリシー及び個人情報保護に関する社内規程等を整備し、これらの適切な運用及び従業員への教育を行うことにより、個人情報保護の徹底に努めております。これらの活動は「グループ情報セキュリティ委員会」で報告され、マネジメントレベルで状況を把握し、対応の強化の立案と審議を実施しております。
⑩ 品質に関するリスク
当社グループは、調達品等の品質不良、不具合の発生防止を含め、納入品の品質確保に努めておりますが、納入品の性能、品質に起因して顧客、取引先又は製品使用者から国内外で請求を受け、また、訴訟等を提起された場合、大規模な納入品回収や損害賠償責任の発生等に加え、当社グループの社会的評価に影響を及ぼすことが考えられ、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループは、ISO9001に準拠した品質マネジメントシステムを構築し、長年に亘って蓄積してきた知識や技術、教訓を結集し、システムと人財をグローバルに活用して、品質確保に係る活動を推進しております。各主要グループ会社においては、社長の下に品質保証委員会等の会議体が設置されており、品質マネジメント活動が社長のレビューにて総括される品質マネジメント体制が構築されております。また、これら各社では、上記品質マネジメントシステムに基づき、品質方針を策定しております。組織の各階層が方針に基づく品質目標を設定して組織の課題を明確化し、品質目標とアクションプランのPDCAサイクルを回すことにより、継続的なパフォーマンス改善を図っております。その上で、上記の品質保証委員会等の会議体が定期的に開催され、高品質のプロダクトやサービスを提供するため、品質上の問題の根本原因を究明、有効な再発防止策を含めた改善活動を推進し、その成果を評価して継続的な改善を実践しております。こうした品質マネジメントの活動は、各社において少なくとも年に二度、社長によるマネジメントレビューを実施して総括し、品質保証に関わる枠組みの整備と改善を継続的に実施しております。マネジメントの品質におけるリーダーシップ発揮の重要性を鑑み、2025年12月から四半期ごとに、日揮グローバル株式会社代表取締役社長執行役員、同社マネジメント及び海外グループ会社トップマネジメント等が参加する品質問題に焦点をあてた全体会議を開催しております。これらのリスク対策に加えて、当社グループでは製造物責任賠償保険に加入する等の対策も講じてリスクの低減に努めております。
⑪ マクロ経済環境、社会・国際情勢の変化に関するリスク
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、当社の業績も海外諸国の経済動向、社会・国際情勢の変化、地政学的情勢、経済制裁、保護貿易の状況等の影響を受けます。特に原油や天然ガス等のエネルギー資源の価格は世界の景気動向に加えて、資源輸出国の生産動向、各国のエネルギー政策、さらにはロシア・ウクライナ情勢、中東情勢及び関連する経済・金融制裁の動向によって今後も上下する状況が続くとみられます。エネルギー資源の価格の変動が世界的な景気後退につながる場合には、当社グループの顧客の設備投資の低下を招き、また開発案件数の減少による競合企業との競争の激化等が生じる可能性があります。
特に、総合エンジニアリング事業においては、世界的な景気後退により、顧客、パートナー企業、資機材発注先、現地建設工事会社等の取引先の財政状態の悪化等が生じ、プロジェクトの計画変更、中止、中断、延期又は現地建設工事若しくは資機材調達の遅れによるプロジェクト遂行への悪影響、及び取引先からの代金回収に影響を及ぼす可能性があります。また、機能材製造事業においては、米国による対中輸出規制強化による先端半導体産業の事業環境の悪化等及び機能材出荷先の所在国における規制強化に伴う製品排除により、売上や利益率に悪影響が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対して、当社グループでは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおりリスク管理体制を整備しており、グループリスク管理委員会及び経済安全保障・地政学リスク検討タスクフォース等によるグループ横断でのマクロ経済環境、社会・国際情勢の変化に関するリスクに係る情報収集、分析及び共有を行っております。また、各事業会社において、日揮コーポレートソリューションズ株式会社におけるコーポレート部門によるサポートのもと、総合エンジニアリング事業における各EPCプロジェクト及び機能材製造事業に影響するこれらのリスクの把握、分析及び低減を一次的に行うことで、早期にこれらのリスクを把握し、調達及び機能材に係る取引先の分散、並びにEPC及び製品価格への転嫁等を通じて、効果的に対処できるよう努めております。
⑫ 気候変動に関するリスク
パリ協定の長期目標を踏まえた脱炭素化社会の実現に向けた動きの一環として、当社グループが事業活動を展開する国や地域をはじめとする関係国や地域において、気候変動政策の強化、環境関連法規等の変更・新規導入等が実施されるほか、企業を中心とした民間部門の自主的な取組みにより、化石燃料及び化石燃料由来の製品需要が減少した場合、顧客の化石燃料関連投資の抑制、顧客の事業内容自体の変更等、当社グループの顧客の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。これらの結果、化石燃料に関連した案件数の減少に伴う受注機会の減少、限られた案件の受注を巡る競合企業との競争の激化、各種コストの増加等に伴う収益や利益の低下が起こる可能性があります。また、当社グループの建設現場及び製造現場などでは、地球温暖化に起因するとされる豪雨や防風雨及び台風、又は高温や乾燥及び少雨その他の極端な気象現象の増加により、洪水や山火事等の自然災害リスクが高まる可能性があります。こうした状況に対し、当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。
これらのリスクのうち、事業環境が変化するリスクに対しては、2021年5月に公表した長期経営ビジョン「2040年ビジョン」に基づき、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載の活動を含め、中長期的な取組みとして、エネルギートランジション、資源循環、高機能材等の幅広いビジネス領域へのトランスフォーメーション(変革)等に取り組んでおります。また、自然災害リスクについては、「③自然災害・疾病等に関するリスク」に記載のとおりリスクの低減に努めております。
⑬ 知的財産に関するリスク
当社グループでは、国内外を問わず広く事業を展開しており、複数国に設計、製造又は建設現場等の拠点があります。各国における知的財産制度の理解に努め、情報収集を行っております。しかしながら、国によっては十分な情報が得られず、第三者の権利状況を把握することが困難な場合があり、第三者の知的財産権を意図せずに侵害しているとされるリスクがあります。
これらのリスクに対応するため、当社ガバナンス統括オフィス知的資産ユニット及び日揮コーポレートソリューションズ株式会社知的財産部を中心とした当社グループの知的財産に関するガバナンス及びリスク管理体制のもと、第三者の知的財産権のモニタリング及び知的財産権に係るリスクの特定・分析・対策に努めております。また、第三者の知的財産権を尊重して適切な対応を図り、特許紛争などを未然に防止することに引き続き注力いたします。さらに、知的財産に関するリスクの低減に向けて、当社グループ及び第三者の知的財産権の重要性を認識するため、知的財産に関する社内教育の実施及び情報発信等の啓発活動を行い、知的財産保護の徹底に係る指導監督を行っております。

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