有価証券報告書-第117期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/09/29 17:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
154項目

研究開発活動

当社グループは、真空技術を応用した次世代・最先端の分野における研究開発活動を経営の重要な柱に位置付けており、当連結会計年度における研究開発活動は、当社を中心として以下のとおり実施いたしております。
国内外の各開発拠点において競合他社に先駆けた独創的な新技術の開発、積極的な応用技術の開発を行っております。今後成長が見込まれるスマート社会の実現といった社会的課題の解決には、高度な電子デバイスが必要不可欠ですが、これらのデバイスを製造するための核心技術に当社の真空薄膜形成技術が貢献しております。当社は、主力製品である半導体製造用スパッタリング装置、FPD製造用スパッタリング装置及び真空蒸着装置に加え、さまざまな電子デバイス向けの成膜技術、材料の開発を重点的に行っております。また、お客様のご要望(VOC)や市場動向を収集し、タイムリーでスピード感のある開発を進めております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は8,375百万円となり、セグメントごとに研究開発活動の成果を示すと次のとおりであります。
(真空機器事業)
当社グループの事業の柱であるフラットパネルディスプレイ(FPD)や半導体、高機能電子デバイス製造装置などの電子デバイスの各分野に開発投資を行い、新商品や新技術を創出、受注にも貢献しております。
また、真空ポンプや真空計測機器等の各種コンポーネント分野へも開発投資を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は7,965百万円となり、代表的な成果は次のとおりであります。
(1)半導体及び電子部品製造装置
半導体製造装置においては、微細化、高積層化の進むDRAM及び3次元NANDフラッシュメモリ工程用装置の性能向上を進めております。
また、大きく市場拡大が期待される最先端ロジック分野において装置・プロセス開発を行うとともに、不揮発性メモリ分野において市場要求に対応した装置・プロセス・材料を開発し、市場に投入しております。
電子部品製造装置においては、通信デバイス・オプト(光学膜)・電子部品(MEMS等)・パワー半導体・電子実装の製造に適した装置・プロセスを開発し、販売を行っております。
(2)FPD製造装置
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びフレキシブルディスプレイなどの分野における次世代技術への開発投資を行っております。
今後、高精細化プロセスが必要な有機ELディスプレイに対して、製品歩留まりを改善するための技術開発(スパッタリング装置等における低発塵新搬送機構、マスク合わせ精度向上)や成膜性能を向上する新ユニットの開発、新材料開発など、総合的な成膜技術向上を進めております。高度化する市場要求水準に合った評価のために各種測定設備などの更新・新設を行うことで、開発をスピードアップさせております。
また、今後採用の拡大が予想される酸化物半導体薄膜トランジスタ向けのターゲット材料の開発を行うとともに、スパッタリング成膜プロセス開発も進めております。
(3)コンポーネント
真空ポンプや真空計測機器のほか、直流電源、真空搬送ロボットの開発をお客様のご要望も取り入れながら進めております。
さらに、クライオポンプ、量子コンピュータや医療関連に使用する極低温冷凍機の開発も進めており、幅広い分野に貢献しております。
(真空応用事業)
ターゲット材料をはじめとする先端材料、表面分析装置やマスクブランクスの開発を行っており、当セグメントに係る研究開発費は410百万円となりました。
主に、ディスプレイや半導体の高性能化に貢献するターゲット材料等の先端材料、先進的な表面分析装置の開発を行っております。また、半導体やFPDのリソグラフィ工程の重要部材であるマスクブランクスなどの開発を行っております。