有価証券報告書-第132期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 10:36
【資料】
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【項目】
152項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
当社のコーポレート・ガバナンスの状況は次の通りであります。
※コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は「ブラザー・コーポレートガバナンス基本方針」を定め、経営資源の最適化と顧客価値の創造により企業価値を長期的に高めること、さらに、株主に対する積極的な企業情報の提供により企業の透明性を高め、株主との間に長期的信頼関係を築くことなどを当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方として掲げております。
①企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
1)企業統治の体制の概要
当社は監査役制度を採用しており、取締役の職務執行を監査役が監査していく体制を基本としております。取締役会、監査役会、会計監査人のほか、役付執行役員を中心に構成される戦略会議、内部監査部門並びに内部統制とリスク管理体制の充実及びサステナビリティ推進のための各種委員会を設置しております。
また、当社では、社内組織上の執行役員制を設けて、業務執行と監督を分離し、意思決定の迅速化とガバナンスの強化を図っております。
2)当該体制を採用する理由
コーポレート・ガバナンスにおいて外部からの客観的・中立的な経営監視の機能は重要と考えており、多数決原理に服しない形で経営陣を監視する監査役による監査に加え、経営に対する監督機能の強化を図る仕組みとして、複数の独立した取締役による監督がふさわしいと考えており、現状としても取締役11名のうち5名を社外取締役が占めております。
なお、取締役及び執行役員の選解任及び報酬に関する取締役会の機能の独立性・客観性を高めるため、取締役会の任意の諮問委員会として「指名委員会」及び「報酬委員会」を設置し、各委員会の委員は、すべての社外取締役(竹内敬介、白井文、内田和成、日髙直輝及び宮木正彦の5名)及び代表取締役社長(池田和史)で構成され、委員長はそれぞれ社外取締役(指名委員会:竹内敬介、報酬委員会:内田和成)が務めております。
指名委員会は、取締役の選解任に関する株主総会の議案及び執行役員の選解任に関する取締役会の議案の内容について、当該議案の確定前に公正、透明かつ厳格な審査を行い、取締役会に答申します。また、独立性基準の内容及び最高経営責任者等の後継者計画等につき、取締役会に答申します。
報酬委員会は、取締役及び執行役員の報酬の算定基準にかかる社内規程の内容、並びに個人別の報酬の内容等について検討し、取締役会に答申します。
3)会社の機関・内部統制の関係
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4)会社の機関の内容
取締役会は取締役11名(うち社外取締役5名)で構成され、議長は取締役会長が務めております。毎月の定例取締役会のほか、必要に応じ開催される臨時取締役会において、経営上の重要事項の決定と業務執行の監督を行っております。
また、当社では、社内組織上の執行役員制を設けて、業務執行と監督を分離し、意思決定の迅速化とガバナンスの強化を図っております。執行役員は、指名委員会に諮問のうえ取締役会にて選任され、担当する部門の業務執行の責任を負います。
さらに、役付執行役員を中心に構成される戦略会議を、毎月開催しております。戦略会議は、社長が議長となって、グループ全般の業務範囲に関する戦略立案及び業務執行の審議を行っております。
また、問題の予防や解決のため国内外の弁護士から必要に応じてアドバイスを受けております。
5)内部統制システムの整備の状況
当社は、企業行動憲章「ブラザーグループグローバル憲章」に基づき、企業価値の継続的な向上とすべてのステークホルダーから尊敬される企業グループの基盤を構築するため、以下の通りブラザーグループの業務の適正を確保するための体制に関する基本方針を定めております。この基本方針は、経営環境の変化等に対応し、不断の見直しによって継続的に改善を図り、より適正かつ効率的な体制の整備に努めるものとします。
1. コンプライアンス体制
・役員・使用人等の法令等の順守について、企業行動憲章・ブラザーグループ社会的責任に関する基本原則を定めております。また、取締役会規則・社内規程等を設け、取締役・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保する体制をとっております。
・代表取締役社長(又は指名する執行役員)を長とするコンプライアンス委員会を設置し、また、コンプライアンス専任者を任命して、グループにおけるコンプライアンス活動(教育啓蒙活動、相談通報窓口運営)を統括しております。
・グループ会社の役員・使用人等に対して、コンプライアンスの研修等を実施し、コンプライアンス意識のさらなる浸透を図っております。
・コンプライアンス委員会においてコンプライアンス相談通報窓口を運営し、グループ会社の役員・使用人等からの相談通報を受け付けて、その重要度・緊急度等に応じて対応しております。また、ブラザーグループの経営に重要な影響をおよぼすコンプライアンス上のリスクが発生したもしくは発生が予見された場合には、コンプライアンス委員会において対応方針を協議・決定し、速やかに対応を実施することとしております。
・行動基準において反社会的勢力・団体との関係を遮断する基本方針を示し、外部専門家と連携しながら、不当要求に対して毅然とした姿勢で対応する体制を構築しております。
・本社部門に加え、主要なグループ子会社に法務部門・担当者を設置するとともに、取締役・使用人等へ法令教育活動を必要に応じて行っております。
2. 取締役の職務執行に関する情報の保存・管理の体制
取締役の職務執行に係る情報は、文書等(電子データを含む)で保存し、情報管理委員会を設け、社内規程に従い適切に保存・管理する体制をとっております。また、監査役・内部監査部が文書等の閲覧・複写を求めたときは、いつでもその求めに応じております。
3. リスク管理体制
・代表取締役社長を長とするリスク管理委員会を設置し、ブラザーグループの総合的なリスク管理体制の整備等を行っております。また、その実施状況については定期的に取締役会に報告を行う体制をとっております。
・事業リスクについては、各部門並びにグループ子会社のリスク責任者を中心に評価・対応等を行う体制を構築し、また、グループ全般にかかわる重要なリスクについてはリスク管理委員会において評価・対応状況等の管理を行っております。
・リスク管理委員会の下部組織として、コンプライアンス・製品安全・安全保障貿易・情報管理・環境法規・安全衛生・防災・サプライチェーンといった個別リスクについては委員会を設置し、代表取締役社長(又は指名する執行役員)が対応責任者として、リスクの把握と逓減、並びにリスク顕在化時の対応を行っていくリスク管理体制をとっております。特に、製品安全については、より安全な製品をお客様に提供するため、「製品安全に関する基本方針」及び「製品安全自主行動計画」を定めております。
・経営に重大な影響を与える不測の事態が発生した場合は、リスク管理委員長のもと機動的な対応を行う危機管理体制を構築することとしております。
・内部監査部は、代表取締役社長の指示により、当社の各部門・グループ子会社のリスク対応状況を検証し、代表取締役社長・監査役に報告しております。
4. 取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・執行役員制度を設け、業務執行と監督を分離しガバナンス強化を図るとともに、事業部制を採用し、迅速な意思決定と業務執行を行える体制をとっております。
・取締役会は、毎月の定例取締役会の他、必要に応じ開催される臨時取締役会において、経営上の重要事項の決定と業務執行の監督を行っております。また、役付執行役員を中心に構成される戦略会議を毎月開催し、ブラザーグループの経営戦略や予算の立案及び重要な業務執行の審議等を機動的に行う体制をとっております。
・取締役会規則・社内規程等を設け、権限委譲・担当業務の範囲の明確化により、取締役の職務の執行が効率的に行われる体制をとっております。
・社内規程・グループ規程を制定し、グループ子会社に対して当社に事前承認すべき事項及び報告事項等を定めることにより、グループ子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保する体制をとっております。
5. グループガバナンス体制
・統一的なグループガバナンス体制構築のため、企業行動憲章・グループ規程・社内規程等を定めるとともに、当社における管理部門がグループ子会社各社の重要な業務執行状況を把握する統一的なグループガバナンス体制を構築しております。
・連結財務諸表等の財務報告については、信頼性を確保するための体制整備と運用をグループ全体にわたって推進しております。また、毎年、維持・改善をしてまいります。
・主要なグループ子会社には当社役員・執行役員・使用人を当該会社の役員として派遣することで、グループ子会社の管理・監督を行っております。
・監査役・内部監査部によるグループ子会社への定期的な監査実施の体制を構築しております。
・グループ子会社自身のガバナンス体制構築のため、組織の構築、社内規程の制定を求めております。
6. 監査役会の職務を補助すべき使用人に関する事項
監査役会の要請に応じ、その職務を補助するため、監査役室を設置し、監査役直属の使用人を数名置いております。
7. 前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項及び前号の使用人に対する指示の実効性に関する事項
監査役室の人事異動についてはあらかじめ監査役の同意を得て行い、また、その人事評価は監査役が行っております。
8. 監査役への報告に関する体制及び報告した者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
ブラザーグループの取締役及び使用人等が不正の行為、法令・定款に違反する行為及びそのおそれのある事実その他監査役会がその職務遂行上報告を受ける必要があると判断した事項について、適時に監査役に報告することとしております。また監査役に報告した者が、報告したことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保しております。
9. 監査役の職務の執行について生ずる費用に関する事項
監査役の立案する監査活動等に必要な費用の計画に基づき、その費用を適時前払又は償還しております。また、立案された計画以上の費用が必要な場合は、監査役から代表取締役又は取締役会への要請に応じて追加します。
10. その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・常勤の監査役は、戦略会議その他重要な会議・委員会に出席しております。
・監査役は、定期的に、代表取締役社長及び他の取締役、執行役員、会計監査人並びに内部監査部と意見交換を行い、また、グループ子会社監査役と定期的な連絡会を開催するとともに、随時情報交換しております。
②責任限定契約の内容の概要
当社は、各社外取締役及び各社外監査役との間で、会社法第427条第1項及び定款の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令に定める額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該各社外取締役又は各社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限られます。
③役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、優秀な人材の確保並びに職務の執行における萎縮の防止のため、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、株主や第三者等から損害賠償請求がなされたことによって被保険者が負担することとなる損害賠償金・争訟費用等を当該保険契約により補填することとしております。ただし、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、法令違反の行為であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は補填されないなど、一定の免責事由があります。
当該保険契約の個人被保険者は、当社及び特定の当社子会社の取締役・監査役・執行役員・管理監督を行う従業員であります。保険料は当社が全額負担しており、各被保険者は保険料を負担しておりません。
④取締役の定数及び選任の決議要件
当社の取締役は、11名以内とする旨定款に定めております。
また、当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
⑤取締役会にて決議できる株主総会決議事項
1)剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定める旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
2)自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、資本効率の向上を図るために必要と判断した場合に機動的に実施することを目的とするものであります。
3)取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって同法第423条第1項の取締役(取締役であったものを含む)及び監査役(監査役であったものを含む)の賠償責任を、法令に定める最低責任限度を控除して得た額を限度として免除することができる旨を定款に定めております。これは、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できるようにすることを目的とするものであります。
⑥株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑦当事業年度における取締役会、任意の指名委員会及び報酬委員会の活動状況
当社は、取締役・執行役員の指名及び報酬に関して、取締役会の任意の諮問機関である指名委員会及び報酬委員会を設置しておりますが、当事業年度における取締役会及びこれらの委員会の活動状況は次の通りであります。
なお、役員報酬等の額の決定に関する報酬委員会及び取締役会の具体的活動内容については、後記(4)役員の報酬等「10)役員報酬等の額の決定過程における報酬委員会の活動内容」及び「11)役員報酬等の額の決定過程における取締役会の活動内容」に記載しております。
会議体開催回数主な審議事項(順不同)出席状況
取締役会11回決算関連(四半期・通期)、株主還元、
中期戦略・サステナビリティ目標進捗
事業ポートフォリオ方針
人事戦略、役員・部長級人事
社外役員独立性基準・役員定年見直し
取締役年次賞与支給
内部統制システム基本方針更新
リスクマネジメント、グループ会社統制
政策保有株式の定期検証
IR活動報告
利益相反管理
監査役監査・内部監査報告
取締役会実効性評価
株主総会関連
個別投資案件、事業進捗管理等
(取締役全11名)
取締役全員全回出席
(監査役全5名)
監査役全員全回出席
指名委員会8回社外役員独立性基準・役員定年見直し
社内取締役の社外兼職
次年度執行役員・取締役・監査役体制等の検討
取締役会スキル・マトリックス
(委員7名)
全委員全回出席
報酬委員会3回当年度支給 年次賞与・株式報酬
取締役・執行役員の報酬体系・水準
社外役員報酬改定
(委員7名)
全委員全回出席