有価証券報告書-第134期(2025/04/01-2026/03/31)
②戦略(シナリオ分析)
ブラザーグループは、「ブラザーグループ 環境ビジョン2050」でCO₂排出削減を重要項目の一つに掲げています。世界的に深刻化する気候変動を社会的な重要課題と認識するとともに、ブラザーグループの事業上のリスクと機会として捉え、長期的かつ継続的にその解決に取り組んでいます。
2024年度はTCFD提言に基づき、ブラザーグループすべての事業について2024年から将来までの間に事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。それぞれのリスクと機会に対して、『世界で温暖化対策が進み、脱炭素社会の実現に近づくという1.5℃シナリオ』と『世界で現状を上回る温暖化対策がとられず、気温上昇がさらに進むという4.0℃シナリオ』に基づき、6つの重要なリスクと機会を特定し、自社の事業や財務に及ぼす影響を評価しました。
1.5℃シナリオ及び4.0℃シナリオではIEA(International Energy Agency)のWEO2023 APSシナリオ/NZEシナリオ、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)のSSP5-8.5シナリオ、Aqueduct(水リスク評価ツール)などを参照しました。
この結果、リスクと機会の両面において、ブラザーグループにとってカーボンニュートラルの推進が重要である事が再確認されました。今後はさらなるCO₂排出削減活動などの取り組みを強化していきます。
移行リスク(政策・法規制リスク、市場の変化)
物理リスク(急性)
機会(製品とサービス)
※財務影響度 小:10億円以内/中:10億円~100億円/大:100億円超
想定時期 短期:会計年度をベースとする1~2年/中期:中期経営戦略を含む3~4年/長期:長期グループビジョンを含む5年以上
*1
■事業所におけるCO₂排出削減の取り組み
事業所内の省エネルギー活動(高効率機器の導入など)の推進、再生可能エネルギーの活用に取り組んでいます。これらのCO₂排出削減の取り組みに加え、残りの排出量をカーボンクレジットで相殺したことにより、ブラザーグループの海外の製造拠点(ブラザーインダストリーズ(U.K.)とブラザーインダストリーズ(スロバキア))がPAS 2060:2014※1の検証を完了、また国内の製造拠点の刈谷工場がISO 14068-1:2023※2の検証を完了し、カーボンニュートラルを実現しました。
※1Publicly Available Specification 2060:2014 カーボンニュートラルを実現していることを証明する国際的な規格
※2ISO 14068-1:2023:組織や製品において、定量化、削減、オフセットを通じてカーボンニュートラルを達成・実証するための原則、要求事項、ガイダンスを提供した国際規格
*2
■製品におけるCO₂排出削減の取り組み
製品のライフサイクルのステージごとに、工夫の積み重ねや技術革新を組み合わせることにより、CO₂排出の削減に取り組んでいます。また、ベトナムにおける当社の生産拠点の1つ(ブラザーインダストリーズ(ベトナム))で生産されているレーザープリンター及びフィリピンにおける当社の生産拠点(ブラザーインダストリーズ(フィリピン))で生産されているインクジェットプリンターにおいて、部品サプライヤーと協働し、部品生産時に使用される電力に再生可能エネルギーを導入することによって、部品生産時のCO₂排出量を削減する活動を推進しています。
<レーザープリンター>2023年に発売開始されたカラーレーザープリンター製品において、従来製品よりも小型軽量化を実現し、待機時(スリープモード時)の消費電力も大幅に低減することでCO2排出量削減に貢献しました。
<ガーメントプリンターGTXproシリーズ>消耗品インクを従来のカートリッジ交換方式からパウチ交換方式やボトル供給方式に切り替えることで、消耗品のプラスチックや梱包材の削減を実現し、CO₂排出削減に貢献しています。
*3 *5
■環境・社会に配慮した製品需要の高まり
ブラザーグループは製品における廃棄物の削減、新規資源の投入抑制に加え、循環経済型ビジネスの実現・拡大に向けて「プリンターの消耗品であるトナー・インクカートリッジの回収・再生※の拡大」、「製品のリユース促進」、「耐久性の高い製品や持続的なサービスの提供」の三つをリスクと機会の両面における主要な取り組みとして位置づけ、資源の有効利用、資源循環のさらなる推進を通じて、CO₂排出削減に貢献しています。
<トナーカートリッジの再生>回収された使用済みトナーカートリッジは、ブラザーグループの再生拠点で新製品と同一品質を持つトナーカートリッジへと再生※され、再び、お客様に届けられます。このように「クローズドループ」で再生※を行うことによって、廃棄物の削減による天然資源の有効利用につながり、CO₂排出削減に貢献しています。
※ 再生 :使用済みのカートリッジに清掃・検査などの工程を加え、新品と同一品質のカートリッジを作ることを指す
リサイクル:使用済みカートリッジを破砕し素材の原料やエネルギー源に再利用することを指す
*4
■EV向け及び非自動車市場向け小型工作機械の開発の取り組み
需要が増加しているEV向け部品で求められる大型のアルミ部品(インバーターケース、バッテリーケース、ポンプハウジング、大型バルブなど)や、さまざまな加工ニーズに応えることができる工作機械“SPEEDIO”シリーズを開発することで、EV部品加工ソリューションを提供し、自動車産業が内燃機関からEVにシフトする際の機会に対応しています。
“SPEEDIO”シリーズでは、工具交換などの非切削時の時間短縮によるサイクルタイムの削減、高効率主軸モータや電源回生システムによる動作時の消費電力削減、自動消灯機能による非動作時の消費電力削減などにより高い生産性と省エネ性を実現し、加工時のCO₂排出削減に貢献しています。
ブラザーグループは、「ブラザーグループ 環境ビジョン2050」でCO₂排出削減を重要項目の一つに掲げています。世界的に深刻化する気候変動を社会的な重要課題と認識するとともに、ブラザーグループの事業上のリスクと機会として捉え、長期的かつ継続的にその解決に取り組んでいます。
2024年度はTCFD提言に基づき、ブラザーグループすべての事業について2024年から将来までの間に事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。それぞれのリスクと機会に対して、『世界で温暖化対策が進み、脱炭素社会の実現に近づくという1.5℃シナリオ』と『世界で現状を上回る温暖化対策がとられず、気温上昇がさらに進むという4.0℃シナリオ』に基づき、6つの重要なリスクと機会を特定し、自社の事業や財務に及ぼす影響を評価しました。
1.5℃シナリオ及び4.0℃シナリオではIEA(International Energy Agency)のWEO2023 APSシナリオ/NZEシナリオ、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)のSSP5-8.5シナリオ、Aqueduct(水リスク評価ツール)などを参照しました。
この結果、リスクと機会の両面において、ブラザーグループにとってカーボンニュートラルの推進が重要である事が再確認されました。今後はさらなるCO₂排出削減活動などの取り組みを強化していきます。
移行リスク(政策・法規制リスク、市場の変化)
| 外部環境の変化 | 財務 影響 | 想定時期 | ブラザーグループへの影響 | 対応策 | |
| 炭素税導入または炭素税率向上 | 大 | 長期 | 調達:原材料コストの高騰 製造:エネルギーコストの増加 販売:運送燃料コストの増加 | 緩和 | ・事業所におけるCO₂排出削減*1 各拠点での省エネ施策の推進、再生可能エネルギーの活用 ・製品におけるCO₂排出削減*2 製品の小型化・軽量化、省エネ性向上 部品点数の削減、梱包材の削減 取引先との協働による原材料に関わるCO₂排出削減 |
| 省エネ・低炭素規制の強化 | 小 | 中期 ~ 長期 | 製造:設備投資、再エネ電力切替えコスト、サステナビリティ関連規制/開示要求対応コストの増加 | 緩和 | ・将来規制動向の調査 欧州における環境規制動向の情報収集と製品開発や設備計画への反映 |
| 環境・社会に配慮した製品需要の高まり | 中 | 中期 ~ 長期 | 販売:お客様の環境配慮製品志向、エシカル消費志向に対応できない場合の売上減少リスク | 緩和 | ・廃棄物削減と新規資源削減*3 製品のリサイクル材の使用や回収製品のリユース 梱包材へのリサイクル可能な緩衝材の使用 製品の耐久性の向上・長寿命化 |
物理リスク(急性)
| 外部環境の変化 | 財務 影響 | 想定時期 | ブラザーグループへの影響 | 対応策 | |
| 異常気象の激甚化と頻度の上昇 | 大 | 短期 ~ 長期 | 洪水の影響による生産停止 | 適応 | ・一時的な生産停止に耐えうる部品在庫の確保 ・複数拠点生産によるリスク対応の実施(一部モデル) ・部品調達先の複線化 |
機会(製品とサービス)
| 外部環境の変化 | 財務影響 | 想定時期 | ブラザーグループへの影響 | 対応策 |
| 顧客のCO₂排出量削減ニーズの増加 | 大 | 長期 | 販売:省エネ・創エネ・循環型関連の製品・サービスの需要・売上増加、電動化、燃料転換需要の増加 | ・EV向け及び非自動車市場向け小型工作機械の開発*4 高い環境性能と生産性を誇るSPEEDIOシリーズの新製品開発 ・スポットクーラーPureDriveや燃料電池の販売拡大 ・将来環境技術情報収集のための投資 未来創生3号ファンド、WiL Ventures Ⅲに出資 |
| 環境・社会に配慮した製品需要の高まり | 中 | 長期 | 販売:脱炭素貢献(環境ラベル認定)製品・サービスの売上増加、環境対応可能な商品需要の増加 | ・ブルーエンジェルやEPEAT、SuMPO EPDなどの環境ラベル取得製品の拡大 ・耐久性の高い製品や継続的なサービスの提供 ・循環経済型ビジネスの拡大*5 |
※財務影響度 小:10億円以内/中:10億円~100億円/大:100億円超
想定時期 短期:会計年度をベースとする1~2年/中期:中期経営戦略を含む3~4年/長期:長期グループビジョンを含む5年以上
*1
■事業所におけるCO₂排出削減の取り組み
事業所内の省エネルギー活動(高効率機器の導入など)の推進、再生可能エネルギーの活用に取り組んでいます。これらのCO₂排出削減の取り組みに加え、残りの排出量をカーボンクレジットで相殺したことにより、ブラザーグループの海外の製造拠点(ブラザーインダストリーズ(U.K.)とブラザーインダストリーズ(スロバキア))がPAS 2060:2014※1の検証を完了、また国内の製造拠点の刈谷工場がISO 14068-1:2023※2の検証を完了し、カーボンニュートラルを実現しました。
※1Publicly Available Specification 2060:2014 カーボンニュートラルを実現していることを証明する国際的な規格
※2ISO 14068-1:2023:組織や製品において、定量化、削減、オフセットを通じてカーボンニュートラルを達成・実証するための原則、要求事項、ガイダンスを提供した国際規格
*2
■製品におけるCO₂排出削減の取り組み
製品のライフサイクルのステージごとに、工夫の積み重ねや技術革新を組み合わせることにより、CO₂排出の削減に取り組んでいます。また、ベトナムにおける当社の生産拠点の1つ(ブラザーインダストリーズ(ベトナム))で生産されているレーザープリンター及びフィリピンにおける当社の生産拠点(ブラザーインダストリーズ(フィリピン))で生産されているインクジェットプリンターにおいて、部品サプライヤーと協働し、部品生産時に使用される電力に再生可能エネルギーを導入することによって、部品生産時のCO₂排出量を削減する活動を推進しています。
<レーザープリンター>2023年に発売開始されたカラーレーザープリンター製品において、従来製品よりも小型軽量化を実現し、待機時(スリープモード時)の消費電力も大幅に低減することでCO2排出量削減に貢献しました。
<ガーメントプリンターGTXproシリーズ>消耗品インクを従来のカートリッジ交換方式からパウチ交換方式やボトル供給方式に切り替えることで、消耗品のプラスチックや梱包材の削減を実現し、CO₂排出削減に貢献しています。
*3 *5
■環境・社会に配慮した製品需要の高まり
ブラザーグループは製品における廃棄物の削減、新規資源の投入抑制に加え、循環経済型ビジネスの実現・拡大に向けて「プリンターの消耗品であるトナー・インクカートリッジの回収・再生※の拡大」、「製品のリユース促進」、「耐久性の高い製品や持続的なサービスの提供」の三つをリスクと機会の両面における主要な取り組みとして位置づけ、資源の有効利用、資源循環のさらなる推進を通じて、CO₂排出削減に貢献しています。
<トナーカートリッジの再生>回収された使用済みトナーカートリッジは、ブラザーグループの再生拠点で新製品と同一品質を持つトナーカートリッジへと再生※され、再び、お客様に届けられます。このように「クローズドループ」で再生※を行うことによって、廃棄物の削減による天然資源の有効利用につながり、CO₂排出削減に貢献しています。
※ 再生 :使用済みのカートリッジに清掃・検査などの工程を加え、新品と同一品質のカートリッジを作ることを指す
リサイクル:使用済みカートリッジを破砕し素材の原料やエネルギー源に再利用することを指す
*4
■EV向け及び非自動車市場向け小型工作機械の開発の取り組み
需要が増加しているEV向け部品で求められる大型のアルミ部品(インバーターケース、バッテリーケース、ポンプハウジング、大型バルブなど)や、さまざまな加工ニーズに応えることができる工作機械“SPEEDIO”シリーズを開発することで、EV部品加工ソリューションを提供し、自動車産業が内燃機関からEVにシフトする際の機会に対応しています。
“SPEEDIO”シリーズでは、工具交換などの非切削時の時間短縮によるサイクルタイムの削減、高効率主軸モータや電源回生システムによる動作時の消費電力削減、自動消灯機能による非動作時の消費電力削減などにより高い生産性と省エネ性を実現し、加工時のCO₂排出削減に貢献しています。