有価証券報告書-第125期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当グループは以下の経営理念と「一人一人の工夫と努力を結集し製・販・技の連携プレー強化によって、会社の繁栄と私達の生活向上を築きあげよう」を行動指針に定め、お客様からのニーズに迅速かつ的確にお応えできるよう努めております。
〈経営理念〉
1.顧客第一主義の考えに立ってすべての物事を進める。
2.環境の変化に柔軟に対応し適切な利益を確保して株主をはじめ関連先に報恩する。
3.社会との調和をはかり、ワールドワイドな総合部品メーカーの地位を確保して人類の進運に寄与する。
4.常に革新と業績の向上に努めて会社の繁栄を図り社員の生活向上を築き上げる。
また、当グループは、更なる成長をはかるべく、第八次中期経営計画(2021年度~2023年度)を策定いたしました。新型コロナウイルス感染拡大による厳しい環境下にありますが、重点施策の遂行による企業価値向上に取り組む所存であります。
⦅目標値(2023年度)⦆
売上高:540億円以上、営業利益率:8%以上、非自動車エンジン売上高比率:15%以上
CO2排出量:△25%(2013年度対比)
⦅基本方針⦆
「Change as Chance」
~変化の中にこそチャンスあり~
⦅行動指針⦆
新しい5S
・変化に対応できる Speed
・戦略を立案し実行できる Skill
・データに基づき科学的に判断 Science
・組織を良くしたいという熱意 Spirit
・安心安全な環境と心構え Safety
⦅重点施策⦆
(1)全体最適なモノづくりシステムの構築
(2)コア技術・製品によるソリューション提供型開発営業の推進
(3)新製品事業開発・創出の強化
(4)人と組織の構造改革(意識改革)
(5)サステナブル企業への躍進
(2) 会社の対処すべき課題
今後の自動車市場は、短期的な循環局面や新型コロナウイルス感染拡大等の突発的な事象による変動局面等はあるものの、中期的には新興国における自動車需要拡大を中心に緩やかな拡大基調にあるものと考えております。一方で、自動車産業全体としては、地球温暖化問題やグローバルなエネルギー問題への対応に向けた環境規制の導入の動きに対し具体的な成果の発現が求められており、CASEに代表される100年に1度の変革期にあると言われる中で、多岐にわたる課題と向き合っております。このような経営環境のなか、当グループは、サステナビリティを意識し、コンプライアンスの徹底、環境保護等の社会的責任を果たしつつ自己革新をすすめ、適正な利益を確保できる強靭な企業体質の構築と持続的な成長を目指してまいります。そのためには、高品質で価格競争力のある製品の開発、革新的生産技術、幅広い顧客ネットワーク等を活用して市場の要請に応えて行くことが重要と考えております。以上の認識を踏まえ、以下の取り組みを推しすすめてまいります。
① エンジンの進化への対応
各自動車メーカーは、燃費効率や環境性能の向上、車体の軽量化を図り、CO2削減をすすめ、地球環境に優しいエンジンへの進化に取り組んでおります。電動化が低炭素社会実現の決め手のように言われる場合がありますが、エンジンもまた、電気自動車のエネルギー源である発電に対し、それを上回るCO2排出量削減の実績を示すことができれば環境負荷低減への有力な手段となるものであり、その大きな目標は達成されつつあるものと認識しております。
低炭素社会の実現にエンジンが貢献するためには、エンジンの高熱効率化やクリーン化が必要となります。当グループは、その条件を満たす耐摩耗性、耐久性等に優れた高機能自動車部品を生み出す技術開発をすすめてまいります。また、高精度かつ国際価格競争力のある量産の実現も重要な要素であり、引き続き注力してまいります。加えて、技術提案型営業や開発機能の現地化に取り組んでおり、欧米メーカーや中国ローカルメーカーへの拡販等の成果が現れてきております。今後ともエンジンの深化に貢献し、価格・品質両面で評価を受ける製品の供給に努めてまいります。
② 原価低減等の生産性改善、全体最適の実現
今後、自動車メーカーは、エンジンの開発機種の統合をすすめる意向であり、その結果、機種当たりの生産量は増加して行く傾向にあることから、生産におけるコスト競争力は、従来以上に重要になるものと考えております。当グループは、国内外の製造拠点を中心に原価低減活動を行っております。革新的生産ラインの導入、設備の自働化・省人化や、工法や段取りの改善、グローバル視点での調達最適化、工数・経費の削減、設備投資を通じた生産性改善や、QCサークル活動も含めた地道な効率化等を現場において部門横断的に社員が一体となって粘り強くすすめております。また、AI、IoT等の情報処理技術を活用した生産性改善にも着手しております。今後は、拠点再編等も含めグループ内の生産にかかわる全体最適を検討する等、生産活動における収益力の更なる強化に努めてまいります。
③ 新製品開発
当グループは、主力の自動車事業における新規製品とともに、徐々にすすむ電動化の流れを踏まえ、非自動車エンジンの分野で新たな事業の柱を構築する目的をもって新製品の開発に注力しております。他社より事業譲受したメタモールド(金属粉末射出成形部品)事業においては、自動車のステアリング部品やロボット用機能部品等、非自動車エンジンに関する部品の生産を行い、複雑な形状に対応できる製法の特性を活かして受注の拡大を図っております。また、生体適合性の高い金属素材による製品開発においては、有力先と連携し医療機器の製品化をすすめております。加えて、圧粉コアによるアキシャルギャップ型モータの開発等、次代の当グループを担う製品の事業化に向け、オープンイノベーションの推進を含めて積極的に取り組んでおります。これらの活動を通じて、新製品事業の育成を着実に推しすすめてまいります。
④ 人材育成
当グループは、「モノづくりはヒトづくりから」という考えのもと、製品の品質を支える人材育成に力を入れております。OJTに加えて、生産の基本からマネジメントまで半年間業務を離れて集中して教育を行う「ものづくり学校」は、現場のリーダーとして活躍する人材を育ててまいりました。その他、各層別・テーマ別各種研修、語学研修、若手を中心としたローテーション制度、海外ローカルスタッフの国内工場研修(現在は、コロナ禍により中断しております。)、オープンイノベーション推進による産官学との協調等を通じて、積極的に人材育成をすすめております。また、若手の時代から経営全体を考えさせる機会として、選抜メンバーによるワーキングチーム活動等の管理職育成も実施しております。引き続き将来の事業展開を見据え、必要な人材の育成を行ってまいります。
⑤ 業務効率化・組織の改革
コロナ禍による社会の変貌や自動車業界におけるCASEの進展等、変化の激しい時代にあって、各組織や人材が担う業務についても変化を踏まえた改善・変革努力が必要と認識しております。当連結会計年度においては、子会社2社の合併や各種組織の新設・統廃合等を行い、業務の効率化、スピード及び機能の向上を図るための体制整備を実施いたしました。引き続き従業員のエンゲージメントの向上を図りつつ、業務や組織のあるべき姿を追求してまいります。
⑥ サステナビリティ
当グループは、CSR推進委員会等の社内議論によりマテリアリティを特定し、その課題認識に従って事業活動におけるサステナビリティ経営の実践に取り組むことといたしました。環境面では、環境負荷低減に貢献する製品供給のみならず、製造工程におけるCO2排出量削減等の環境目標を定め、対応してまいります。その他、人権や多様性、地域との協調やガバナンス面でも当グループのみならず仕入先等のステークホルダーのみなさまの協力も仰ぎ、社会的責任を果たし、より良い未来を創造するために努力してまいります。
⑦ 足許の新型コロナウイルス感染拡大への対応
足許にあっては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、生産調整や需要変動への適切な対応及び収益極大化、製品の安定供給、また、従業員やその家族、地域にとって安心・安全な環境の確保等への取り組みが必要となっております。当グループといたしましては、今後とも固定費・経費の削減、柔軟かつ効率的な生産体制の確保、原価低減の推進による生産性の向上等により、生産変動に強く、減産下においても着実に利益を出せる筋肉質な収支構造への改善をすすめてまいります。また、従業員及びその家族の安全を第一に考え、行政機関その他の指導に基づく感染対策を徹底するとともに、リモートワークの推進等、新常態におけるあるべき働き方を追求いたします。加えて、製品供給につきましては、安定的な供給を図るべく、ステークホルダーの理解を得た生産拠点の相互補完体制の拡充、調達先の複数社化、在庫・仕掛のコントロール強化等をすすめております。引き続き当グループ経営へのリスクの波及をできる限り極小化するべく努力を続けてまいりたいと考えております。