有価証券報告書-第67期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/26 14:41
【資料】
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【項目】
156項目
(4) 人的資本に関する取組
[戦略]
① 経営戦略と人材戦略の連動
当社グループは、自動制御機器の総合メーカーとして、顧客の自動化・省力化・省エネルギー化に貢献することを通じて、中長期的な企業価値の向上を目指しています。
売上成長及びシェア拡大の実現に向けて、成長分野及び重点地域における販売体制の強化を進めるとともに、グローバル市場を網羅的にカバーする営業力と顧客提案力を競争優位の源泉と位置付けています。したがって、営業人材の量的・質的強化は、経営戦略達成のための中核的な人的資本課題です。
また、顧客要望に迅速に対応する製品開発と技術対応力の向上を成長戦略上の重要課題と認識しています。これらを踏まえ、研究開発人材及び技術人材の強化は、将来の競争力を左右する重要な人的資本投資です。
さらに、グローバルに安定した製品供給責任を果たすため、BCP・供給体制の高度化に加え、製造・物流・調達を含む供給体制の強化を進めています。これらの施策を支える製造・サプライチェーン人材の確保、育成及び技能継承は、供給責任を果たすうえで重要です。
加えて、グローバル経営の進展に伴い、多様な地域・文化・価値観を踏まえて組織運営を担うマネジメント人材の重要性が高まっていると認識しています。こうしたグローバルマネジメント人材の育成・登用は、当社グループの一体的な事業運営を支える重要課題です。
これらの経営課題の実現に当たっては、必要な人材の採用・育成・配置・処遇及び働く環境整備が不可欠であると認識しており、人材戦略を経営戦略と一体のものとして推進しています。また、人的資本投資を通じた生産性向上を重要な経営課題としています。
当社グループは、「One SMC」として「グローバル連携による競争力強化」を重点人事方針として位置付けています。ダイバーシティの取組を推進し、グローバルで一貫性をもって機能する人事基盤及び事業活動を支える体制を構築する必要があると考えています。成長領域を担う人材の確保・育成と、人材が能力を十分に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいきます。
② あるべき人材像
当社グループは、経営戦略の実現に必要な人材像として、主に次の4類型を認識しています。
1.顧客ニーズを的確に捉えた提案活動及び新市場・新業種への展開を担う営業人材
2.顧客要望に迅速に対応し、グローバル拠点との連携を通じて製品開発及び技術対応を担う研究開発人材
3.グローバルな安定供給責任、品質確保、BCP、合理化及び生産性向上を支える製造・サプライチェーン人材
4.多様な拠点・人材を束ね、地域ごとの実情を踏まえた事業運営を担うグローバルマネジメント人材
当社は、経営戦略とあるべき人材像が連動した人材マネジメントを実現するため、従来の「人」を基軸とした考え方を土台としつつ、「ジョブ(役割・仕事)」を基軸としたジョブ型人事制度を2026年度から段階的に導入します。ジョブ型人事制度の導入を通じ、各組織・各職務における役割・責任及び期待水準を明確化し、各ジョブに求められるスキル、知識、経験、キャリアパス及び継続的に求められる貢献内容を整理していく方針です。
今後、ジョブタイトル及びジョブディスクリプションを設定し、これらを昇格要件や育成方針を検討する際の基礎として活用します。これにより、経営戦略上重要な人材像と必要な専門性を一層明確化し、人材の配置・育成・評価の精度向上を図っていきます。
③ 人的資本に関するリスク及び機会
当社グループは、人的資本に関する主要課題として、経営戦略の実現が上記人材の確保・育成・活躍に依存している一方、当該人材の確保・活躍は、採用、育成、配置、処遇、健康・安全、働く環境、多様性推進等の人的資本投資の内容に影響を受けると認識しています。このため、経営戦略と人材戦略を一体のものとして策定し、人的資本関連のリスク及び機会を識別したうえで、重点投資領域を定めています。
これらの課題に適切に対応できない場合には、人的資本関連のリスクとして、必要人材の確保・育成の遅れによる営業機会の逸失、開発スピードの低下、製品供給責任への影響、人材定着率の低下、生産性・創造性の低下等につながる可能性があると認識しています。
他方で、人的資本投資の充実は、シェア拡大、生産性向上、開発力強化、供給体制強化、顧客提供価値の向上及び企業価値向上の機会につながるものと考えています。
④ 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針(人的資本投資の重点施策)
(a) 営業人材の強化
当社グループは、顧客提案力の向上、成長分野・重点地域でのシェア拡大、エンドユーザーへの直接営業強化及び業種多角化の推進を目的として、営業人材の増強と育成を重点施策としています。今後3年間でグローバル2,000名規模の増員を目指しており、外勤営業人員は2025年実績5,580人から2028年計画6,730人へと拡大する計画です。
また、新規採用した営業人材の即戦力化と提案品質の向上を図るため、「セールスアカデミー」をグローバル展開し、業種別・顧客別の提案力向上を図っています。これにより、顧客課題に応じた営業対応の高度化を進め、売上成長とシェア拡大の実現につなげていきます。
(b) 研究開発・技術人材の強化
当社グループは、顧客要望に迅速に応える製品開発力の向上を図るため、研究開発人材の強化を重点施策としています。Japan Technical Centerをグローバルフラグシップの研究開発拠点として位置付け、最新の研究開発設備とオープンイノベーションを促す交流機能を備えた環境で、世界中の技術者が協働できる環境を整備することで、新たな技術・製品の創出と開発期間短縮を目指しています。
また、世界5か国に研究開発拠点を配置し、グローバルな研究開発ネットワークを構築しています。開発部門の重点施策として、売上増加に直結する開発テーマへの選択と集中、重要テーマへの横断的リソース投入、海外テクニカルセンターとの協業推進、製品のコストダウン及びグローバルでの優秀人材の拡充を掲げています。当社グループは、研究開発人材の採用・育成・配置を通じて、開発スピードの向上と技術競争力の強化を図っていきます。
(c) 製造・サプライチェーン人材の強化
当社グループは、グローバルな供給責任を果たすため、製造・物流・調達を支える人材基盤の強化を進めています。あわせて、グローバル最適生産体制の確立、合理化・コストダウンの加速、サステナブルでレジリエンスのある供給体制の構築、BCP体制の進化、遠野サプライヤーパークを通じてサプライヤーと共に成長する一貫生産体制、製造DX、生産合理化及び供給責任の強化を進めています。
当社は、技能継承、現場力の強化、生産性向上及び供給責任の徹底の観点から、製造・サプライチェーン人材の育成と配置最適化を推進していきます。
(d) グローバル人材交流及びマネジメント基盤の強化
当社グループは、グローバル企業として相応しい人材交流の場とマネジメント基盤の構築を進めています。新本社をグローバルビジネスのハブとして位置付け、海外グループ会社から選抜された若手社員が勤務する環境を通じて、日本人社員が多様な価値観に触れる人材交流の場を整備しています。
また、海外グループ会社の社長の多くを現地出身者が担っており、当社は、こうしたグローバル人材交流を通じて、各地域における自律的な経営とグループ全体の一体的な事業運営を両立させ、マネジメント基盤の強化を図っていきます。
(e) ジョブ型人事制度への段階的移行
当社は、経営戦略と連動した人材マネジメントを実現するため、2026年度より、従来の「人」を基軸とした考え方を土台としつつ、「ジョブ(役割・仕事)を基軸」とした視点を取り入れるジョブ型人事制度への段階的移行を進めています。
組織及び職務における役割・責任及び期待水準の明確化、個々の能力や専門性の一層の発揮、戦略に基づく人材配置及び育成、組織全体の生産性及び競争力向上を目的としています。今後、ジョブタイトル及びジョブディスクリプションの設定、ジョブに応じた制度設計、年齢や在籍年数に過度に依存しない考え方への見直し、ジョブに応じた評価・報酬・育成の明確化、高度な専門性を発揮するスペシャリスト区分の新設、ジョブポスティング制度、選抜型ジョブローテーション、社内留学制度等の成長機会拡大を検討しています。
これらは、社員一人ひとりが主体的にキャリアを考え、成長できる環境づくりを進めるとともに、経営戦略と整合的な人材マネジメントの基盤強化につながるものと考えています。
⑤ 社内環境整備に関する方針
(a) 健康・安全・働く環境の整備
当社は、従業員の健康、安全及び働く環境の整備が、生産性、創造性、定着率、品質及び供給責任の履行に直結する重要な経営基盤であると認識しています。多様な人材が誇りと幸福感を持って働き、それぞれの能力を十分に発揮できる社内環境を整備することが、優秀な人材の獲得・定着、生産性・創造性の向上、ひいては企業価値向上につながると考えています。
新本社については、グローバルビジネスのハブとして、快適な執務環境を整備するとともに、全世界のグループ会社やお客様、お取引先様とのコミュニケーションを促進する人材交流の場として活用しています。Japan Technical Centerについては、研究開発の生産性向上とイノベーション創出を目的としつつ、「スマートウェルネスオフィス」をコンセプトとした健康増進とストレス低減にも配慮した研究開発環境を整備しています。
快適で生産性の高い執務環境、グローバルな人材交流機会、安全で安心して働ける職場環境を整備することで、優秀な人材の獲得・定着及び従業員の働きがいの向上につなげていきます。こうした取組は、単なる福利厚生にとどまらず、企業価値向上に資する人的資本投資であると考えています。
(b) 多様性推進及び女性活躍
当社は、多様な視点を意思決定及び事業運営に取り込むことが、顧客理解の深化、採用競争力の向上、将来の管理職候補層の拡充及び組織の持続的成長につながると認識しており、多様性推進及び女性活躍を重要な人材戦略の一つとして位置付けています。女性管理職比率、男性の育児休業取得率といった指標を起点として、今後は採用、配置、育成、両立支援及び職場環境整備を通じて、女性人材を含む多様な人材の活躍基盤を強化していきます。

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