訂正有価証券報告書-第65期(2023/04/01-2024/03/31)
[戦略]
当社グループは、2022年6月に賛同表明したTCFDの考え方に基づき、IEAやIPCCなどの報告書やパリ協定をはじめとする国際動向を踏まえ、低炭素社会へ移行する1.5℃シナリオと、温暖化が進行する4℃シナリオを選択し、シナリオ分析を実施しました。
シナリオ分析の結果は、当社グループの方針決定に反映しています。
また、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオの双方において、それぞれのリスク・機会に関する財務影響度及び対応策の観点から、当社グループの事業戦略はレジリエンスを有していると考えています。
今後も定期的にシナリオ分析を行い、リスク・機会を見直すとともに、対応策の着実な実行及び進捗状況のモニタリングを実施します。
⦅シナリオの概要⦆
⦅定義⦆
⦅1.5℃シナリオ⦆
⦅4℃シナリオ⦆
当社グループは、2022年6月に賛同表明したTCFDの考え方に基づき、IEAやIPCCなどの報告書やパリ協定をはじめとする国際動向を踏まえ、低炭素社会へ移行する1.5℃シナリオと、温暖化が進行する4℃シナリオを選択し、シナリオ分析を実施しました。
シナリオ分析の結果は、当社グループの方針決定に反映しています。
また、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオの双方において、それぞれのリスク・機会に関する財務影響度及び対応策の観点から、当社グループの事業戦略はレジリエンスを有していると考えています。
今後も定期的にシナリオ分析を行い、リスク・機会を見直すとともに、対応策の着実な実行及び進捗状況のモニタリングを実施します。
⦅シナリオの概要⦆
| 概 要 | 参照した主な参考文献 | |
| 1.5℃ シナリオ | 2050年に温室効果ガス(GHG)排出量をネットゼロとするため、炭素税や排出量取引、リサイクル規制や地球温暖化防止規制など、脱炭素に向けた政策が強化される。 それに伴い、GHG排出量削減要請の高まり、低炭素技術の進展や低炭素製品の需要拡大が見込まれる。 なお、気温上昇が抑えられることから、物理的な影響は比較的大きくないことが想定される。 | ・IEA WEO NZEシナリオ、SDSシナリオ ・IPCC RCP1.9 ・JEITA 「注目分野に関する動向調査」 ・世界経済フォーラム 「Winning in Green Markets: Scaling Products for a Net Zero World」 |
| 4℃ シナリオ | 化石燃料への依存により経済が発展する中で、気候変動政策は十分に講じられず、脱炭素に関する技術はあまり進展しない。 一方で、気温上昇に伴い、洪水などの気象災害が激甚化し、物理的な被害の拡大が予想される。そのため、BCP対応や、熱中症・感染症等に備えるための工場設備の省人化・自動化の推進が想定される。 | ・IEA WEO STEPSシナリオ ・IPCC RCP8.5 ・WRI Aqueduct Floods ・WRI Aqueduct Water Risk Atlas ・国土交通省 ハザードマップ |
⦅定義⦆
| 時間軸 | 定 義 | 財務影響度 | 定 義 | |||
| 短期 | 0~3年 | 小 | 10億円未満 | |||
| 中期 | 4~10年 | 中 | 10~500億円未満 | |||
| 長期 | 11~30年 | 大 | 500億円以上 | |||
⦅1.5℃シナリオ⦆
| 分類 | 気候変動 ドライバー | 想定 | リスク /機会 | 事業への影響 | 顕在 時期 | 2030年度 財務影響度 | 対応策 |
| 政策・ 法規制 | 炭素税・排出量取引制度の導入 | 炭素排出の負担が発生する | リスク | サプライヤーの炭素排出負担転嫁による調達費用の増加 | 中~ 長期 | 中 | ・小型・軽量製品の開発(材料使用量削減) ・切粉・端材のリサイクル ・グローバル調達の最適化 |
| リスク | Scope1・2に炭素排出負担が生じることによる製造・営業費用の増加 | 中~ 長期 | 中 | ・太陽光発電の導入 ・再生可能エネルギー由来電力の主力電源化 ・HFCを温暖化係数の低い洗浄液へ切替 ・高効率設備の導入と設備更新 ・省エネ生産工法の研究と量産導入 ・温調機器に温暖化係数の低い冷媒を採用 | |||
| 機会 | Scope1・2削減に伴う炭素排出負担減少による製造・営業費用の減少 | 中~ 長期 | 中 | ||||
| 市場 | 顧客の低炭素意識の高まり | 顧客から低炭素エネルギーの利用が要請される | リスク | Scope1・2削減施策の実行に伴う製造・営業費用の増加 | 中~ 長期 | 小 | |
| 顧客からカーボンフットプリント(CFP)等の詳しい情報開示を要請される | 機会 | CFP表示が義務付けられ、CFPの小さい製品が選定されることによる、当社製品の売上高の増加 | 中~ 長期 | 大 | ・代表機種製造時のCO2排出量算定 ・製品アセスメントの実施 ・軽量・小型設計で製造時のCO2排出量削減 ・工場電力を再エネ電力へ切替 ・製造時CO2排出量算定対象製品の拡大 ・省エネ・省エア・長寿命製品の開発拡大 | ||
| 低炭素製品を志向する顧客が増加する | 機会 | 見える化に伴うセンサー類の需要増加による売上高の増加 | 中~ 長期 | 中 | ・省エネ製品の開発 ・生産/販売体制の強化 ・製品バリエーションの充実 ・無線化技術の拡充 |
| 分類 | 気候変動 ドライバー | 想定 | リスク /機会 | 事業への影響 | 顕在 時期 | 2030年度 財務影響度 | 対応策 |
| 市場 | 顧客の低炭素意識の高まり | 低炭素製品を志向する顧客が増加する | 機会 | 小型・軽量な空気圧機器の需要増加による売上高の増加 | 中~ 長期 | 大 | ・製品バリエーションの充実 ・小型・軽量製品の拡充 ・生産/販売体制の強化 ・省エネ・省エア製品の新規技術開発 ・使用済み製品のリサイクルチェーン構築 |
| 動力が 電化に 移行する | 機会 | 空気圧アクチュエータの市場の成長が鈍化する中での一定の売上高の増加 | 中~ 長期 | 中 | ・省エネ・省エア製品の開発 ・最適製品を選定できるプログラムの提供 ・省エネ・省エア製品の市場普及活動 ・省エネシステムの技術サポート ・カスタム製品の対応強化 | ||
| リスク | 空気圧アクチュエータ市場の成長率鈍化による売上高の逸失 | 中~ 長期 | 中 | ||||
| 機会 | 電動アクチュエータの市場が拡大することによる売上高の増加 | 中~ 長期 | 中 | ・電動アクチュエータのバリエーションの充実 ・省エネ製品の開発 ・生産/販売体制の強化 ・修理・リサイクル体制の構築 | |||
| 素材の価格上昇 | 低炭素社会移行に伴いアルミニウムの価格が上昇する | リスク | 主要な原材料であるアルミニウムの価格上昇による調達費用の増加 | 中~ 長期 | 中 | ・小型・軽量製品の開発によるアルミ使用量の削減 ・樹脂材料への材質転化 ・リサイクルチェーンの構築 ・グローバル調達の最適化 | |
| 低炭素社会移行に伴い銅合金・鋼材の価格が上昇する | リスク | 主要な原材料である銅合金・鋼材の価格上昇による調達費用の増加 | 中~ 長期 | 中 | ・小型・軽量製品の開発による銅合金・鋼材使用量の削減 ・樹脂材料への材質転化 ・リサイクルチェーンの構築 ・グローバル調達の最適化 | ||
| 再生樹脂 ・ゴム 材料価格が上昇する | リスク | 主要な原材料である樹脂・ゴム材料の価格上昇による調達費用の増加 | 中~ 長期 | 中 | ・小型製品の開発による材料使用量の削減 ・ランナーレス金型構造の研究 ・リサイクル原料の活用検討 ・グローバル調達の最適化 | ||
| 市場 | 小売電力価格の上昇 | 電力会社が脱炭素エネルギーに基づく発電に移行することにより、小売電力価格が上昇する | リスク | サプライヤーの電気代価格転嫁による調達費用の増加 | 中~ 長期 | 中 | ・連結Scope3排出量の算定 ・省エネ生産工法の研究(プレス化、樹脂化など) ・省エネ生産工法の設計採用 ・最適なグローバル生産拠点の検討 |
| リスク | 自社の電気代上昇による製造費用の増加 | 中~ 長期 | 中 | ・太陽光発電の導入 ・省エネ設備の導入 ・高効率生産設備への更新 | |||
| 機会 | 省エネ・省エア製品の需要増による売上高の増加 | 中~ 長期 | 大 | ・省エネ・省エア製品の開発 ・最適製品を選定できるプログラムの開発と提供 ・省エネ・省エア製品のバリエーション拡充と拡販 ・省エネ・省エア製品の生産/販売体制強化 ・省エネシステムの技術サポート |
| 分類 | 気候変動 ドライバー | 想定 | リスク /機会 | 事業への影響 | 顕在 時期 | 2030年度 財務影響度 | 対応策 |
| 市場 | 小売電力価格の下落 | 再生可能エネルギーが汎用化して小売電力価格が下落する | 機会 | 自社の電気代下落による製造費用の減少 | 中~ 長期 | 小 | ・再生可能エネルギー由来電力の主力電源化 ・燃焼・空調設備の電化 |
| 機会 | 電気をエネルギー源とする製品の売上高の増加 | 中~ 長期 | 小 | ・LCA関連団体(LCA日本フォーラム)への参加 ・生産/販売体制の強化 ・製品シリーズとバリエーションの拡充 ・カスタム製品の対応強化 |
⦅4℃シナリオ⦆
| 分類 | 気候変動 ドライバー | 想定 | リスク /機会 | 事業への影響 | 顕在 時期 | 2030年度 財務影響度 | 対応策 |
| 物理 (急性) | 気象災害(洪水・大雨・台風等)の激甚化 | 気象災害に被災する | リスク | サプライヤーの気象災害被災に伴う納入遅延による損失 | 短~ 長期 | 小 | ・複数購買の推進 ・定期的な在庫保有日数の確認 ・定期的な洪水・高潮リスクの把握 ・新規サプライヤー選定時の洪水リスクの把握 |
| リスク | 自社の気象災害被災による棚卸資産・固定資産の災害損失 | 短~ 長期 | 大 | ・生産/物流拠点の分散化 ・事前の対策及び被災時のBCPの策定 ・BCP対応予算の拡充 ・損害保険契約 ・在庫保管場所の見直し ・生産拠点の新設・移転時の気象災害リスクの評価 ・洪水の影響を受けやすい拠点における洪水発生時の備えの検討 | |||
| リスク | 自社の気象災害被災に伴う操業停止による損失 | 短~ 長期 | 中 | ||||
| 物理 (慢性) | 降雨パターンの変化 | 降雨の季節的な変動により、水不足が生じる | リスク | 渇水による水不足に伴う操業停止による損失 | 短~ 長期 | 小 | ・生産/物流拠点の分散化 ・事前の対策及び被災時のBCPの策定 ・BCP対応予算の拡充 ・特に水不足のリスクが高い拠点における対策の実施や水不足発生時の備えの検討 ・水使用量の削減 ・水の再利用・循環の検討 |