有価証券報告書-第77期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 9:26
【資料】
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【項目】
152項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
イ.社是
われわれは「三力」をもって生産に励み、社運の伸展につくし、企業を通じて社会の平和と繁栄に寄与せんことを期する。
知力 価値を生み出すのは知力である
全知をつくして方法を考え力強く実行しよう
努力 一歩前進するにも努力がいる
苦難を克服し向上発展の道を一すじに進もう
協力 ひとりの力には限界がある
みんな力を出しきり一つに結ぼう
ロ.経営理念
「プラスチックをはじめとする粉粒体による製品製造現場において、省力化機器のスペシャリストとして、お客様のニーズにマッチした、品質の高い、他社の追随を許さないオンリーワン製品をお届けすることにより、社会に貢献する」
1.市場が求めるものを常に探求し、お客様に喜ばれる製品・サービスを提供する。
2.お客様が製造する消費財・生産財を通じて、世界の人々のより豊かで安全な暮らしに貢献する。
3.従業員の自主性と働きがいを重視し、会社を持続的に成長させる。
4.株主、取引先、地域社会の皆様から、「いい会社」と呼ばれる会社になる。
ハ.サステナビリティに関する考え方と取組み
詳細につきましては「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
ニ.基本方針
当社グループは、プラスチック成形工場における合理化機器システムの製造販売に長年携わっております。製造工程の省力化と加工材料のロス低減による環境への負荷軽減を理念とし、チャレンジCES(低コスト(C)、省エネ(E)、省スペース(S))を製品開発指針として、当業界のリーディングカンパニーとして、高機能かつ操作性に優れた独自製品を開発し新技術を世界に発信し続けるとともに、現場力を一層強化し収益力の向上を図っております。更に、プラスチック成形関連分野で培った技術、ノウハウを応用して、電池、食品、化粧品、化学等の新規販売分野を開拓・拡大していくことにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。
(2) 経営環境、中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの主力納入先であるプラスチック成形加工業界は、国内外での激烈な技術革新と品質・価格競争の中にあります。
当社グループでは、かかる環境下、コア事業におきまして、生産拠点(日本、中国、東南アジア)及び営業・サービス拠点(日本、中国、台湾、東南アジア、北中米)相互の連携を強固にし、品質、コスト、納期、アフターサービスでの競争力を一層強化することにより、グローバル化するユーザーニーズへ対応しマーケットシェアの拡大と収益力の向上を図ってまいります。
当連結会計年度においては、日本セグメントにおけるフィルム・シート関連、医療向け等の非プラスチック関連、東南アジアセグメントにおけるOA機器、二輪関連等、比較的堅調に推移した分野はあったものの、自動車向け射出成形関連、EV向けのリチウムイオン電池関連の低迷に加え、東アジアセグメント(中国)における製品構成差異や価格競争激化、事業体制再構築に伴う構造改革費用を特別損失に計上したことなどにより、連結業績は計画値を下回りました。また、受注面においても、セグメント別でバラツキはあるものの、前連結会計年度に比べ、若干の減少となりました。
上記状況を踏まえ、当社グループでは、2026年5月13日開催の当社取締役会において中期経営計画(2026-2028年度)の更新を行いました。概要は以下に記載のとおりでありますが、新規市場、成長分野における事業展開の強化や経営基盤の強化、資本収益性を意識した経営の推進等に取り組み、当社グループの継続的な成長と企業価値の更なる向上に努めてまいります。なお、東アジアセグメント(中国)においては、引き続き厳しい環境下ではありますが、人員減によるコスト削減に加え、①主力製品のコストダウンと営業・設計の提案力、サービス力向上による販売価格の維持、②高付加価値製品の開発・改良、③汎用品のラインナップ強化などを行い、収益性の改善に努めてまいります。
また、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、人材の育成と強化等により、経営体質の一層の強化と透明性の向上を図ることを、経営上の重点課題と位置付けております。コーポレート・ガバナンスの詳細につきましては、㈱東京証券取引所に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を提出するとともに、当社ホームページ(https://www.kawata.cc/)に、社是・経営理念、コーポレート・ガバナンス基本方針、社外役員独立性基準、グループ行動指針、環境理念と方針、経営方針、中期経営計画等を開示しております。
(中期経営計画)
① 事業環境
・IMFは2026年の世界経済の実質GDP成長率を3.1%と予測しており、米国の通商政策における関税の不確実性低下や、金融引き締め局面の一服を背景に、低成長ながらも安定的な成長軌道への回帰が期待される。一方で、米国におけるインフレ率の予期せぬ上振れや貿易摩擦の再燃など、地政学的な不確実性および景気の下振れリスクは依然として残存している。
・中国市場の停滞傾向が継続する中、中国企業が国外進出を活発化させ、東南アジア市場における競争が激化している。この結果、日系企業の収益環境が悪化し、設備投資意欲を減退させており、需要低迷の主要因となっている。一方で、成長著しいインド市場への注目は高まり、同国向けの投資が増加するなど、地域間の需要シフトが加速している。
・日本国内における射出成形機の受注動向は、コロナ後の2021年~2022年に一時的な増加が見られたものの、その後は低迷が続いており、劇的に回復する兆しは見られない。
② 基本的な考え方
中長期的な視点において、プラスチックは高機能化と用途拡大に伴い、今後も世界の人々の生活に不可欠な素材であり、当社の核となる事業であり続ける。以下の重点項目を当社の持続的成長を支える最重要テーマと位置づけ、製造現場の構造的な課題解決に取組むとともに、プラスチック分野で培った技術やノウハウを基盤として、既存顧客の深化と新規市場・成長分野の拡大を図っていく。
(a)製造現場の生産性向上への対応
・労働供給制約(人手不足・賃金高騰)を背景とした省人化・省力化投資需要の捕捉
・IoT、AI、ロボット活用によるDX化、スマートファクトリー化に伴う設備更新への対応
(b)サステナビリティへの貢献
・脱炭素・循環型経済の実現に向けた省エネルギー、環境投資需要への対応
・EV、リサイクル、バイオプラスチック関連における環境課題のビジネス転換
(c)新規市場、成長分野における事業展開の強化
・既存の技術、ノウハウを応用した非プラスチック分野及び未開拓市場への進出
・次世代の収益の柱となる新事業の育成と事業ポートフォリオの拡充
③ 中期経営方針
~世の中から必要とされる「優良企業」を目指す~
「より強靭な事業体の構築」
aESG経営の強化
・環境・社会への貢献
・透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現
・全てのステークホルダーへの配慮
(株主、従業員、販売先、仕入先、金融機関、政府・自治体、地域社会)
b少数精鋭かつ高収益体質の確立(地に足を付けた持続的な成長を図る)
・人的資本への投資(人材確保、研修体系の確立と運用)
・研究開発、技術力向上のための投資
・事業所等の最適配置と更新、能力増強、効率化のための投資
・省力化、省人化、システム化の推進
・資本効率の向上(適正な棚卸資産の維持と有利子負債の削減)
・安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE) 8%以上の確保
・連結配当性向30%以上を基本として、自己資本配当率(DOE)2%台を維持
④ 中期経営戦略の骨子
a新規市場、成長分野における事業展開の強化
(事業拡大に寄与し、次世代の収益の柱となる事業の育成)
(a) 非プラスチック分野
・プラスチック成形関連分野で培った技術、ノウハウの応用と用途開発
製品:高速混合機、粉体供給機器及びシステム、熱媒体循環温度調節機
市場:食品、化粧品、セラミックス、化学、新素材、ダイカスト業界
(b) 微粒子コーティング技術
・実用化に向けたテスト対応、量産化対応の推進
市場:全固体電池、液系リチウムイオン電池、ファインセラミックス部材分野など
(c) EV関連業界
製品:高速混合機、粉体供給機器及びシステム、熱媒体循環温度調節機
市場:LIB業界
(d) 新領域、未開拓分野への戦略的取組み
市場:インド市場、非日系企業
b既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上
(既存の市場や分野でのお客様を堅守、拡大のための取組み)
製造現場における構造的な課題に寄り添い、省人化・生産性効率化投資、買替需要を確実に捕捉する。また、差別化戦略による競争優位性を確立し、劣勢・スリーピング顧客の掘り起こしや同業他社からのブランドチェンジを推進し、収益力を向上させる。
(a) 競争力のある製品の開発、改良
・QCDの徹底追求による製品競争力の底上げと信頼性の確立
・「省スペース・省エネルギー・環境改善」を実現する操作性に優れた新機種開発と既存モデルの改良
(b) 提案力、訴求力強化
・製品の優位性や導入効果を可視化し、顧客に分かりやすく訴求する提案資料の作成
・設計と営業の連携深化によるトータルソリューションの提案とシステム案件の積極的取組みを推進
(c) サービス力
・迅速かつ質の高いサービス提供による顧客満足度向上と顧客の囲い込み
・計画的なメンテナンス提案と巡回サービスを通して高機能製品への買替需要の掘り起こし
c経営基盤の強化
(持続的成長を図るための取組み)
(a) ガバナンスとリスク管理の徹底
・透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現
・コンプライアンス意識の徹底による誠実な企業活動
・リスク管理の取組み強化とBCP対策への取組みの推進
(b) 人的資本経営の推進と人財育成
・優秀な人材・適正人員の確保
・育成方針に基づく教育研修制度の充実
・心理的安全性の確保
・ダイバーシティ(多様性)への取組み強化
(c) グループシナジーの最大化と組織の最適化
・事業所等の最適配置と再構築によるグループ全体の組織力向上
・各部門におけるグループ相互の連携強化
・グローバル人材育成のための制度・運用とグループ間人材交流の強化
(d) システム刷新による作業の平準化と業務効率化の推進
(e) 積極的な情報発信とIR活動
d資本収益性を意識した経営の推進
(収益力と資産効率の両面から、資本収益性の改善を推進)
(a) 収益力向上
・中期経営戦略の取組み加速による、利益改善の前倒し
・付加価値確保に拘った既存事業の収益性改善と、高収益の新規事業育成
・収益安定化に向けた海外子会社の事業運営面の改革検討
(b) 資産効率改善
・経常運転資金の圧縮(売掛債権の回収早期化や大型案件における前受金取引の拡大、在庫の適正化、生産リードタイムの短縮)
・グループ内資金の有効活用
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、株主の皆様への還元(配当または自己株式の取得)を充実させる一方で、高付加価値製品の開発や新規販売分野・地域の拡大、新規事業開発や戦略投資等にも積極的に経営資源を投下することにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。資本コストや株価を意識した経営を進め、中長期的には、グループとして安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE)を8%以上を確保することと、連結配当性向30%以上を基本として、自己資本配当率(DOE)2%台を維持していくことを目標としております。

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