有価証券報告書-第108期(2023/03/01-2024/02/29)
② 戦略
当社の主要事業である、モーションコントロール、ロボットおよびシステムエンジニアリングについて、気候変動が及ぼすリスクと機会について検討を行いました。
リスクと機会は、政策や規制など気候変動対策や社会的要求の変化等によって生じる“移行”リスク・機会と、自然災害や気温の上昇などによって生じる“物理”リスクが考えられます。これらのリスク・機会を抽出し、事業活動に与える影響を「大」「中」「小」の3段階で評価しております。以下に掲載している抽出したリスクと機会について、影響度が「中」「大」のものについて、2030年の社会を想定した2℃、4℃のシナリオ分析を行いました。その結果、4℃シナリオでは低炭素化は推進されず、異常気象の激甚化が想定され、これにより引き起こされる物理的リスクへの対応が最も重要と考えられます。2℃シナリオでは、異常気象の激甚化へのある程度の対応も必要ですが、それ以上に材料・資源価格上昇への対応が重要となります。一方、低炭素化が推進されることで、FA機器・産業用インバータ・再エネ発電用機器およびそれを用いた企業の工場・設備の生産性向上・省エネ性能を高めるソリューションビジネスの需要が拡大することが機会となることが分かりました。
これら分析結果の財務計画への影響は、リスクによる当社の売上減少よりも、機会による売上増加の方が大きいことが分かりました。
また、この機会への対応としては、安川グループが長期経営計画「2025年ビジョン」で目指す「i3-Mechatronics」を軸とした工場の自動化/最適化の取組みおよび社会の持続的な発展に向けた新たなメカトロニクス応用領域への挑戦において、展開を進めます。
<リスク・機会要因に関する事業影響>
シナリオ分析に用いた主なシナリオ
・主に移行リスクを分析するために使用 IEA(※1)、SDS(※2)、STEPS(※3)
(※1)国際エネルギー機関 (※2)持続可能な開発シナリオ (※3)すでに公表済みの政策によるシナリオ
・主に物理的リスクを分析するために使用 IPCC(※4)、RCP2.6(※5)、RCP8.5(※6)
(※4)気候変動に関する政府間パネル
(※5)世界の平均気温が産業革命以前より2℃程度上昇するシナリオ
(※6)世界の平均気温が産業革命以前より4℃前後上昇するシナリオ
当社の主要事業である、モーションコントロール、ロボットおよびシステムエンジニアリングについて、気候変動が及ぼすリスクと機会について検討を行いました。
リスクと機会は、政策や規制など気候変動対策や社会的要求の変化等によって生じる“移行”リスク・機会と、自然災害や気温の上昇などによって生じる“物理”リスクが考えられます。これらのリスク・機会を抽出し、事業活動に与える影響を「大」「中」「小」の3段階で評価しております。以下に掲載している抽出したリスクと機会について、影響度が「中」「大」のものについて、2030年の社会を想定した2℃、4℃のシナリオ分析を行いました。その結果、4℃シナリオでは低炭素化は推進されず、異常気象の激甚化が想定され、これにより引き起こされる物理的リスクへの対応が最も重要と考えられます。2℃シナリオでは、異常気象の激甚化へのある程度の対応も必要ですが、それ以上に材料・資源価格上昇への対応が重要となります。一方、低炭素化が推進されることで、FA機器・産業用インバータ・再エネ発電用機器およびそれを用いた企業の工場・設備の生産性向上・省エネ性能を高めるソリューションビジネスの需要が拡大することが機会となることが分かりました。
これら分析結果の財務計画への影響は、リスクによる当社の売上減少よりも、機会による売上増加の方が大きいことが分かりました。
また、この機会への対応としては、安川グループが長期経営計画「2025年ビジョン」で目指す「i3-Mechatronics」を軸とした工場の自動化/最適化の取組みおよび社会の持続的な発展に向けた新たなメカトロニクス応用領域への挑戦において、展開を進めます。
<リスク・機会要因に関する事業影響>
| リスク/ 機会 | 移行/ 物理 | 要因 | 影響 | 評価 |
| リスク | 移行 | 炭素価格 | ・各国政府による炭素税の導入による、燃料調達コストや材料調達コストの増加 | 大 |
| 各国の炭素排出政策 | ・排出権取引の導入や排出規制の強化に伴い、グリーン電力購入等のコスト増加 | 大 | ||
| 省エネ、低炭素化 | ・電動化、EV化等に伴う関連資材不足や輸出規制等による価格高騰および入手困難による生産影響 | 大 | ||
| リサイクル規制 | ・プラスチック規制等による、代替材料等採用に伴うコストの増加 | 小 | ||
| 低炭素技術の普及 | ・省エネ要求の高まりを背景とした、製品の省エネ性能競争激化によるR&D等投資コストの増加 | 中 | ||
| 投資家、顧客の 行動変化 | ・環境対応が進んだ企業への選好の発生による対応コストの増加 ・情報開示、調達に関する環境配慮の対応遅れによる企業評価の低下およびビジネス機会損失 | 小 | ||
| 物理 | 平均気温の上昇 | ・自社工場の空調エネルギー増加によるエネルギーコストの増加 ・海面上昇により水災リスクが許容値を超えた生産拠点の移転の必要性 | 中 | |
| 異常気象の激甚化 | ・台風・竜巻・洪水による、操業停止・生産減少・設備の復旧への追加投資 | 大 | ||
| 機会 | 移行 | 省エネ、低炭素化 | ・省エネの必要性が高まり、FA機器および産業用イン バータの需要が増加 ・工場・設備の生産性向上・省エネ性能を高める ソリューションのビジネス機会が拡大 ・FIT政策のインセンティブ等により、太陽光発電や風水力・地熱・バイオマス発電設備の需要が拡大 ・自動車のEV化が進み、EV向け電機品のビジネス機会が拡大 ・船舶のEV船、ハイブリッド船の需要が高まり、船舶向け電機品のビジネス機会が拡大 | 大 |
| 投資家、顧客の 行動変化 | ・環境貢献ビジネスの拡大により投資家の評価が向上し、ESG投資の増加、企業価値の向上 | 小 |
シナリオ分析に用いた主なシナリオ
・主に移行リスクを分析するために使用 IEA(※1)、SDS(※2)、STEPS(※3)
(※1)国際エネルギー機関 (※2)持続可能な開発シナリオ (※3)すでに公表済みの政策によるシナリオ
・主に物理的リスクを分析するために使用 IPCC(※4)、RCP2.6(※5)、RCP8.5(※6)
(※4)気候変動に関する政府間パネル
(※5)世界の平均気温が産業革命以前より2℃程度上昇するシナリオ
(※6)世界の平均気温が産業革命以前より4℃前後上昇するシナリオ