有価証券報告書-第160期(令和2年6月1日-令和3年5月31日)

【提出】
2021/08/30 10:56
【資料】
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【項目】
143項目
(1) 会社経営の基本方針
当社グループは、以下に示す経営理念およびサステナビリティ方針を会社経営の基本方針として取り組んでおります。
①経営理念
東洋電機グループは下記の経営理念を掲げ社業を発展させ株主及び関係者各位の付託と理解に応え社員と喜びを共にする
・倫理を重んじ社会・顧客に貢献する
・進取創造の気風を養い未来に挑戦する
・品質第一に徹し信用を高める
⦅行動指針⦆
1 顧客に対しタイムリーかつスピーディーに応える
2 何事にも先見性と創造性をもってチャレンジする
3 常に自己啓発に励みスキルの向上に努める
4 広い視野をもって互いに影響し合い成長する
5 よき社会人・企業人として自覚と誇りをもって行動する
②サステナビリティ方針
当社グループは、鉄道車両電機品の国産化を目的に1918年に創立されて以来、鉄道を始めとした社会インフラや生産設備へ電機設備やサービスを提供することで、広く社会の発展に貢献をしてきました。一方、近年では、気候変動を始めとする地球環境の悪化や、貧困・格差などの社会のひずみが大きな問題となり、これらの解決が、持続的に社会を発展させるために重要な課題となってきています。
当社グループは、経営理念において社会への貢献を掲げ、環境理念において重要課題として地球環境保全への取組みを掲げておりますが、これらの理念を実現し、社会の持続的な発展に貢献するための取組みの指針として、2021年4月にサステナビリティ方針として制定いたしました。
当社グループの経営理念、環境理念を基本とし、当社の取組みと、2015年の国連サミットにて採択された国際目標であるSDGsの実現とのかかわりを、「製品・サービスにおける取組み」、「生産活動における取組み」、「人と地域を大切にする取組み」の3つの視点から整理し、当社グループの事業や活動が生み出す様々な影響を評価しながら、進めてまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
①「リ・バイタライズ2020(Revitalize2020)」前半2年間の成果と後半2年間の課題
2019年5月期よりスタートした中期経営計画「リ・バイタライズ2020(Revitalize2020)」は、利益を安定して生み出す“筋肉質な”事業運営体制の確立を目指し、前半の2年間(2019年5月期~2020年5月期)は、足元を固める期間と位置付け、後半の2年間(2021年5月期~2022年5月期)は、売上高470億円超の達成やROE5%の水準を確保することなどを目指した成長を遂げる期間とし取組みを進めていくことにしておりました。
前半2年間については、喫緊の課題であった採算の改善に注力した結果、当初目指した利益の目標やROEの改善等、所期する成果を挙げることができましたが、2021年5月期より始まった後半2年間においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大などによる経営環境の大幅な変化により、当初の計画を見直す必要が生じました。

②経営環境の変化
2021年5月期における経営環境は、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う緊急事態宣言発出の影響等により年度を通じて厳しい状況が続きました。国内外の経済活動が制限される中、観光需要が大きく減少したことに加え、テレワークの普及などもあり、鉄道事業者の輸送人員は大きく減少し鉄道車両の新造や置換計画の一部延期、製造業においても先行き不透明感により設備投資の見合わせなどがありました。また、顧客への直接の訪問や海外への渡航が制限を受けたことなどにより、営業活動自体にも制約を受けました。後半においては、国内外において感染拡大の防止策や大規模な経済対策などの効果もあり、一定の回復も見られました。中でも中国においては、いち早く新型コロナウイルス感染症の影響が収束したことから、景気の回復が続いています。国内外の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念も残る等、依然として先行き不透明感は強いものの、ワクチン接種を始めとする各種政策の効果や中国をはじめとする海外経済の回復の動きもあり、設備投資に持ち直しの兆しも見られます。特に中国における鉄道インフラ需要の回復、中でも高速鉄道、都市交通のメンテナンス需要については今後の回復に向けた動きも出始めております。
また、「ポストコロナ」に向けた新たな顧客ニーズが顕在化しつつある中、日本政府が「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表するなど、サステナビリティを巡る課題に対する取組みが本格化してきました。鉄道や生産設備、電源装置などの社会インフラを提供する当社は、IoT技術のメンテナンス分野への活用や、脱炭素社会の実現に資する製品・サービスの提供などで、貢献ができると考えております。
③「リ・バイタライズ2022(Revitalize2022)」の概要
こうした経営環境の大きな変化を受けて、当社は2021年1月に中期経営計画を見直し、「リ・バイタライズ2022(Revitalize2022)」として発表いたしました。
ア、位置付け
当初、前半2年間の採算改善の成果の上に立って後半2年間(2021年5月期~2022年5月期)を「成長を遂げる期間」としていましたが、経営環境の大きな変化を踏まえ「稼ぐ力を蓄積し成長軌道に戻す期間」と位置付け直し、当初の目標であった「売上高470億円超、営業利益20億円、ROE5%確保」を2023年5月期から始まる次期中期経営計画期間において2年以内に達成するための基盤を整備します。
イ、基本的な考え方
当初の「組織の力を強化し、高品質な製品を迅速に顧客に提供していくことで、利益を安定して生み出す“筋肉質な”事業運営体制を確立する」ため、7つの基本方針は継続し、一部の主要施策を経営環境の変化を踏まえて見直しました。引き続き売上規模の拡大や採算改善に向け、継続的な取組みを進めてまいります。
ウ、基本方針と主要施策
(1)海外事業の拡大
① 相手国の経済と技術の発展状況に応じた事業戦略の見直し
② 東南アジアにおける産業事業の新規ビジネスの拡大
③ 新規都市交通プロジェクトへの戦略的な参画
④ 産業用モータ中国市場への展開
(2)コア技術を活かした事業領域拡大
① 事業将来性と市場動向を見据えた事業化の推進
② IoT技術のメンテナンス分野への活用推進
③ アライアンスやM&Aを活用した事業領域の拡大
(3)市場ニーズを先取りした技術開発の推進
① 脱炭素社会の実現に貢献する製品開発と早期市場投入
② 自動車の電動化、自動運転に資する試験装置開発の推進
③ ワイヤレス給電技術の早期製品化
④ 基幹部品(製品)に対する新しい生産技術の確立
(4)安定した事業収益構造の構築
① 営業利益を意識した事業採算の改善
② 管理・営業・工場が一体の固定費の削減
③ “稼ぐ力”にこだわるグループ経営の推進
a) グループ全体で“選択と集中”を推進
b) グループ一体となった営業・生産体制の構築
(5)生産能力拡大に向けた基盤整備
① 基幹システムの機能を最大活用した工程管理の強化と最適な生産ラインの構築
② 生産ライン再構築による生産能力の拡大(横浜製作所)
③ エネルギー効率を意識した生産方法の検討
④ サプライチェーンの再構築
⑤ コロナ禍にも対応できるBCPの確立
(6)将来を担う人材の育成
① 組織活性化に向けた人事ローテーションの推進
② 次世代幹部社員と海外勤務社員の育成強化
③ 組織のキーマンとなる若手管理職の早期育成
(7)ESGの推進
① サスティナビリティ方針とロードマップの制定
② 働き方改革の推進
③ コーポレートガバナンスの充実
[目標とする経営数値]
新型コロナウイルス感染症による受注活動への影響のほか、2022年5月期までの期間を「稼ぐ力を蓄積し成長軌道に戻す期間」として基盤を整備すべく、次のとおりといたしました。なお、当初の目標であった「売上高470億円超、営業利益20億円、ROE5%確保」については、2023年5月期から始まる次期中期経営計画期間において2年以内に達成することを目指します。
①全社
(単位:億円)
2021年5月期2022年5月期
(計画)
(計画)(実績)
売上高340331340
営業利益
(営業利益率)
2.5
(0.7%)
4.2
(1.3%)
4.5
(1.3%)
経常利益5.07.57
純利益7.09.78
持分法投資利益-△0.01.7
ROE(自己資本当期純利益率)-%4.1%3.3%
配当性向-%27.4%33.5%

②セグメント売上高
交通事業-215205
産業事業-105127
情報機器事業-108

(3) 経営環境、優先的に対処すべき課題
国内外の経済状況は、変異株による感染症の再拡大の懸念など、依然として厳しい状況にあるものの、各種政策の効果や中国をはじめとする海外経済に回復の動きもあり、持ち直しの兆しも見られます。国内外で感染拡大の防止策やワクチン接種が促進される中で、今後、新型コロナウイルス感染症の収束による移動制限の緩和が進むことで、個人消費や設備投資の回復が期待されます。
交通事業においては、移動需要の減少に加えて、一層の人口減少や高齢化の進展等により、国内の鉄道利用者は、以前の水準には戻らないと予想されているものの、中国においては、高速鉄道の旅客数が概ね以前の水準に回復しており、高速鉄道や都市交通のメンテナンス需要の回復が期待できます。また、東南アジア等中国以外の海外案件についても活発な動きが出始めています。産業事業においては、生産設備や印刷機は以前の水準に戻りつつあり、米国や中国、韓国からの引合いも増加してきています。また、脱炭素を始めとするサステナブルな社会の実現に向けた取組みが加速しており、自動車の電動化や自動運転に対応した試験装置、分散電源装置や非常用発電装置などインフラ設備の増強などが期待されます。情報機器事業においても、デジタル化や非接触の要求への高まりから、ローカル線も含めたIC乗車券対応が求められてきており、IC車載端末などの拡大が期待されています。
このような状況を踏まえ、当社グループは、中期経営計画「リ・バイタライズ2022(Revitalize2022)」の主要施策として掲げた、技術提案や製品開発の強化、事業採算の改善、人材の育成を進めるとともにサステナビリティの具体的な目標としてロードマップの検討活動を進めてまいります。

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