有価証券報告書-第159期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/28 16:22
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【項目】
158項目
②人的資本に対する取組み
事業環境が急速に変化し、求められる価値や産業構造がシフトする中、当社グループもその変化に対応し、価値提供のあり方を見直していく必要があります。2030年の目指す姿の実現に向け、「メーカーとして長年培ってきた技術力を活かし、お客様に満足頂ける製品・システム・サービスを提供」 「世の中が抱える課題・ニーズを解決するソリューションの提供」を通じて新しい社会作りに挑むことを目指しており、そのためには絶えず事業変革を行いイノベーションを起こすこと、それらを実現する人財の獲得・育成が必要不可欠です。
また社会成熟に伴い人々の価値観が多様化し、幸せの形や働き方が変化している中、人財を人的資本として捉え、各々の能力(A)とモチベーション(M)を高め、すべての従業員が活躍できる機会・環境を整備する(O)ことで企業パフォーマンスを最大化することも必要です。このAMOフレームワークが当社グループの人的資本への考え方のベースにあります。
人的資本は当社の価値創造の源泉であり、対応の遅れは企業運営・事業継続に関わる重要リスクになるため、「人的資本への対応」をマテリアリティの1つとし、「経営課題を解決する人財育成」「個を尊重した組織への転換」を軸に取組みを進めております。

<経営課題を解決する人財育成(人財育成方針)>
当社グループの価値創造を支えてきたのは「研究開発・ものづくり・ICT等の経験・知見を持つ人財」であり、今後も社会に必要とされる存在になり続けるためには、こうした人財を獲得・育成し、製品競争力・保守メンテナンス力を強化し続けることが必要不可欠です(①)。また、世の中が抱える課題やニーズに対するソリューション提案を行うには「地球・社会・人に対して深い知見を持ち、主体的に新しい社会作りに取り組むことができるような自律的かつデジタル(DX)人財」の育成が必要になります(②)。そして多様な個を活かし・束ね、組織のパフォーマンスを最大化できるようなマネジメント層の育成も重要な要素になります(③)。
以上のような課題認識のもと、2022年に人事統括役員をリーダーとした組織横断の「人財タスクフォース」を立ち上げ、人財育成方針(コンセプト)作りや、具体的に必要となるスキルの整理を行っております。
当社グループの価値創造の形必要な人財像キーワード
①製品・システム・サービスの提供研究開発、ものづくり、ICT等の経験・知見を持つ人財基本スキル
専門スキル
②世の中が抱える課題・ニーズを解決する
ソリューションの提供
地球・社会・人に対して深い知見を持ち、主体的に新しい社会づくりに取り組むことができる自律的かつデジタル(DX)人財考動・共動
③多様な個を活かし・束ね、組織の
パフォーマンスを最大化するマネジメント
個の成長や挑戦を支援し、機会を提供したうえで、組織の力に転換できるマネジメント人財共育

■具体的取組み
以上を踏まえ、事業展開を支えるスキル(技術/技能/保守、ソリューション提案)を有した人財の獲得・育成が必要であり、以下のような様々な取組みを進めております。
ⅰ 採用
当社グループは、各部門の現状課題の解決・将来事業展開に必要な人財獲得を行っております。特に、技術・技能人財に関しては、実践的なニーズについては実践教育を受けている高専卒、探索寄りのニーズについては、より専門性の高い博士を中心に採用を進めております。また事業展開上必要な人財が不足する場合は、キャリア採用を進めつつ、並行してリスキリング・学び直しによる社内の人財活用も行っております。
また経営課題として、人財年齢構成のアンバランスの問題もあるため、事業状況・労務構成に応じてバランスを見ながら中途採用も進めております。

ⅱ 人財育成
以下の人財育成方針を掲げ、従業員として、社会人として、プロフェッショナルとして、従業員の様々な側面から成長を促すため多くの研修制度を実施しております。
●人財育成方針
「~自ら考え、行動できる、自律性を持った人財の育成を目指し、会社主導から手挙げ制の教育研修制度へシフト~」
1.人こそが価値創造の源泉 → 人財投資のプライオリティ向上・経営の柱へ
2.多様な個を踏まえた主体的な学び → 個性・得意を強みにしたプロフェッショナル集団へ
~全社研修体系~

●技術人財育成
従来から専門技術の習得と実務能力の向上のための技術研修を実施してまいりましたが、若手社員の技術力強化を目的として、2018年度より、技術系・事務系問わず明電舎の技術や製品を理解するために欠かせない電気に関する知識を学ぶ「電気基礎教育」を実施しております。2019年度からは「ICT教育」を追加し、DX実現に欠かせないICTの基礎教育・デザイン思考の教育にも取り組んでおります。2022年度は、具体的に以下のような強化を図りました。
①新入社員への体験型ICT教育(入門・基礎)を導入
②工場部門と連携し、電気基礎教育のための教科書を作成
③営業技術部門の若手社員を対象に交渉力教育を実施
また、技術員の早期育成や技術・技能の伝承を目的として、沼津事業所に開設した技術研修センター『Manabi-ya』では、ベテラン社員を中心とした講師陣による技術・技能教育、技術員の計画的な育成とレベル向上を図っております。特にメンテナンス技術者は、この技術研修センターで1年間学び、メンテナンスの技術力を習得しております。VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)を用いた体験型教育コンテンツも展開しており、安全や技術教育への活用を拡大しております。2022年度は風力発電設備(ナセル)コンテンツの新規製作など、VR・AR教育の充実を図りました。
●ソリューション/イノベーション人財育成
世の中・地域の社会課題・ニーズを捉え、外部パートナーと共創してソリューションを生み出していくには、ソリューション構築の知見・ノウハウ獲得及び、実践を伴った試行錯誤の経験が必要不可欠であると考えております。当社グループでは、ベンチャーキャピタルと連携したソリューション/イノベーションワークショップの開催や沼津市の学校と連携した地域ソリューションコンテンツの検討などを進め、ソリューション/イノベーション人財の育成を行っております。
●経営人財の計画的な育成
2019年度より、次世代を担う人財の計画的・戦略的な育成を目的とした新たな人財育成プログラム「キャリア・デベロップメント・マネジメント制度」を展開しております。
若手・中堅層から選抜・公募し、ビジネススクール(社会人大学院)への派遣や事業部・工場・部門を越えた他部門人財交流、海外現地法人や国内関係会社との人事交流、グループ外・行政機関への出向を通じた異文化交流などを実施することで、自分の専門分野や業務の枠を越えた、広い視野と高い視座を持って考え、行動できる人財の育成を目指しております。
また、次期経営人財の育成を目的とした選抜研修に若手社員のプログラムを新設し、若手社員のうちから計画的に経営人財の育成に取り組んでおります。

<個を尊重した組織への転換(社内環境整備方針)>従業員のウェルビーイングを向上させ、企業としての中長期的な価値創造につなげていくためには、「個を尊重した組織への転換」が不可欠です。従業員の能力を高めるだけではなく、働くモチベーションを高め、多様なバックグラウンドを持つ従業員が活躍できる機会・環境を整備する事で、「個の力」を最大限発揮され、組織のパフォーマンスとして最大化することにつながると考えております。
■具体的取組み
毎年実施している従業員意識調査の中に、従業員エンゲージメント指標(eNPS)を組み込みKPIとして設定し、従業員が重視する要因を分析し、その上で重点施策を決定しております。当社の課題として、やりがい・キャリア形成・評価/報酬/昇格制度などの「モチベーション向上」、オープン・柔軟・挑戦志向を含む「すべての従業員が活躍できる風土・機会の醸成」を軸に取組みを進めております。

ⅰ モチベーション向上
●やりがい・自己実現
・明電みらいミーティング・Myビジョン・Myチャレンジ
コロナ禍で一時中断していた役員と従業員の対話を、2022年より「明電みらいミーティング」としてリニューアル・再開し、各事業所にて32回実施してまいりました。経営方針の1つである「サステナビリティ経営」の内容を知ることを通じて、各々の業務が企業戦略においてどのような意味を持っているのかを理解するとともに、あらためて自分がこれからどのようなことをして社会に価値を提供していくのか、を考えるきっかけづくりを進めてまいりました。
この取組みの続きとして、多様な個を尊重し、従業員一人ひとりの主体性とやりがいを引き出すことを目的に、自分のビジョンを見つめ直し、会社のビジョンと照らし合わせ、企業の中で何にチャレンジをしていくのかを言語化する取組み「Myビジョン・Myチャレンジ」を開始しております。2022年度は経営層のMyビジョン・Myチャレンジの言語化を行ってまいりました。
・キャリアデザイン
このように多様化する価値観の中、キャリア意識も受動型から自律型に変化してきております。当社グループはこれまでキャリア相談については、自部門における自己申告面談を通じて行ってきましたが、2022年度に「キャリア相談窓口」という専門相談窓口を設置することで、従業員一人ひとりが自分の力を更に発揮し活躍できるような支援を強化しております。
やりがい向上・自己実現をはじめとする従業員のモチベーション向上を企業として更に支援していくべく、2022年度に労使検討委員会を発足し、更なる検討を進めております。
ⅱ すべての従業員が活躍できる風土・機会の醸成
●誰もが活躍できる組織へ、DEIの推進(女性・外国人・障がい者活躍等)
企業間取引の「グローバル化」、仕事と私生活の両立、自己の能力が活かせる企業での就業等、就業者の「就業意識や価値観の多様化」や、女性の社会進出やシニアの労働力人口の増加等の「労働力の変化」といった社会の変化を背景に従業員すべてが多様であり、誰もが活躍できる組織に変わる必要があるという認識のもと、性別や国籍、育児など特定の属性ごとに存在する、活躍を阻む要因の解消にも力を入れ、公平な風土・環境の中、さまざまな能力を持った「人財」が個々の能力を最大限に発揮し、個人の成長と組織の発展がともにある企業を目指し活動しております。2023年度は、DEI全般に関する方針・施策の決定機関「DEIコミッティ」を設立し、更なるDEI推進に取り組みます。
・女性活躍
管理職における女性の更なる活躍に向け、階層別に段階的な対策を実施しております。新卒採用においては、女性採用率、事務系総合職50%の継続、及び技術系総合職20%の達成に向け、女性向けセミナーを開催しました。若手・中堅クラスにおいては、視野の広がりや経験値の向上を図るため、異業種への人材派遣を実施しております。また2022年度に、女性管理職をより計画的に育成するため、役員が個別の対象者をサポートする「サポーター役員制度」を導入しました。ディスカッションを通して、対象者自身のマインドを高め、行動変革につなげるとともに、所属部門に対し、能力の引き上げ方法や異動・配置変更等の助言を行うことで、的確な育成計画の策定と実行をしました。管理職クラスにおいては、外部機関におけるトップマネジメント研修による実力とスキル向上の機会を創出しております。
・外国人幹部育成
海外展開の更なる拡大に向け、ナショナルスタッフから現地法人社長への登用は必要不可欠と考えており、現地法人社長候補の育成に向け、各社の統括役員による定期的な幹部候補者面談を行い、経営マインド醸成を実施しております。併せて、コーチングプログラムを行い、幹部候補者のマネジメント能力向上も図りました。
・障がい者雇用
すべての人との「共生」を実現するため、障がい者雇用も積極的に行っております。障がい者雇用率(株式会社明電舎、明電ユニバーサルサービス株式会社、明電マスターパートナーズ株式会社の合計)は、2023年4月1日時点2.5%となり、法定雇用率2.3%を達成しております。
・その他の取組み
多様な人財の活躍できる環境づくりという観点から、障がい者雇用、男性育児休暇取得促進、性的マイノリティであるLGBTQへの理解促進も行っております。男性育児休暇取得促進については、社内ポスターによる啓発などの取組みにより取得率は70%となりました。また、LGBTQ理解促進のため、採用エントリーシートの性別欄の廃止、LGBTQ基礎教育の実施、当事者相談窓口の設置などを行い、評価指標「PRIDE指標2022(work with Pride主催)」において、最高評価のゴールドを取得しております。このような取組みの効果を測るため、従業員意識調査にてインクルージョンインデックス指標の取得を開始しております。
●挑戦を応援する風土
・個人起点の事業アイデアを育てるコンテスト「MEIANチャレンジ」
社内のイノベーション風土醸成と社会課題を起点とした新規事業テーマの創出を目的とし、社内アイデアコンテスト「第1回 MEIANチャレンジ」を開催しました。第1回の最終発表会では、オンライン参加を含め300名を超える従業員が参加し、出てきたアイデアに対して活発な意見交換が行われました。今後も引き続き、当社グループ従業員が考える「ありたい未来」を仲間とともに自由に発想し、当社の明日を変えるようなアイデアを募り、事業として形にできる場を提供してまいります。
・10%カルチャーの展開
2022年度より勤務時間の10%を本業以外のイノベーション活動に利用可能とする「10%カルチャー」の運用を開始しております。本制度の定着を通じて新たな挑戦・イノベーション活動への参画の土壌を作っております。
  • 有価証券報告書-第159期(2022/04/01-2023/03/31)

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