有価証券報告書-第159期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/27 15:12
【資料】
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【項目】
122項目
文中の将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループが関連する市場では、電力システム改革を始めとする大きな環境変化が起きています。当社グループでは、これらのダイナミズムをチャンスとして活かし、いかなる環境下でも成長し利益を上げ続けることができる「グローバル・エネルギー・環境・ソリューション企業」となることによって2020年度に売上高1,800億円、営業利益180億円、ROA(総資産営業利益率)及びROE(自己資本利益率)10%超を目指す新中長期計画「VISION2020」を2016年4月にスタートさせました。
「VISION2020」では、前中長期計画「VISION2015」で築き上げた「4×Global」の事業ポートフォリオをベースに、足元の様々なダイナミズムと100年の歴史の中で磨いてきた当社グループのコア技術を掛け合わせて設定した「6つの成長ドメイン」に先進的な新製品・技術・ビジネスモデルを投入することで、「4×Global+NEW」のより成長力ある事業ポートフォリオを構築すると共に、体質改革と革新的原価低減に全力で取り組むことで収益力に一層磨きをかけ、目標達成を目指してまいります。
「VISION2020」における重点活動の内容は次のとおりであります。
(1) 6つの成長ドメイン
次の6つの成長ドメインにおいて当社グループのコア技術を活用して新たな事業展開(+NEW)を目指します。
1.国内の電力機器、新エネルギー・環境分野
大震災と原発事故などがもたらした電力市場の大変革により、新しい製品・システム・サービスの需要拡大が期待されます。
2.海外の電力機器、新エネルギー・環境分野
アセアン・インドなど新興国における電力インフラ整備の進展に伴い海外市場の拡大が期待されます。
3.ライフサイクルエンジニアリング分野
電力機器、パワーコンディショナ、ビーム・真空応用装置などの納入台数拡大に伴い状態監視・点検・修理・更新などの需要増大が期待されます。
4.次世代半導体・FPD製造用装置分野
今後予想される半導体やFPDの技術革新に伴って新たな装置の需要拡大が期待されます。
5.モビリティ分野
自動車の電気化や、新たな素材や部品の採用、鉄道の省エネなど当社グループのコア技術が活かせる新たなチャンスの拡大が期待されます。
6.新規分野
電力機器の部品加工・組立などの技術を応用し様々な装置の低コスト化ニーズに対応した装置部品事業の拡大、医療・食品分野における殺菌・滅菌ニーズへ電子線照射技術を応用することによる事業拡大などが期待されます。
(2) 3つの「Advance」の開発と投入
6つの成長ドメインに次の3つの「Advance」を開発・投入していくことにより、事業成長を目指します。
1.Advanced Products(先進的新製品)
当社グループの製品の競争力である「Compact(コンパクト)」に加えて、Flexible(多様なニーズに対応)、Adjustable(メンテナンスしやすい)、一層のCompact、Environment(環境に優しい)、Smart(制御機能)の価値を加えた「Compact+FACES」の新製品を開発し市場投入していきます。
2.Advanced Technology(先進技術)
研究開発に積極的に経営資源を投じ、成長の原動力となる新技術の事業化を推進していきます。
3.Advanced Business Model(先進的ビジネスモデル)
高度化・複雑化した顧客ニーズに対応するため、ハードとソフト・ICT(情報通信技術)を融合させたソリューションを提供したり、様々な機器を組み合わせてワンパッケージで提供するなどのビジネスモデルを確立していきます。
(3) 成長を支える体質改革と革新的原価低減
グループ内での組織横断的な活動の推進に加えて産・官・学など外部との協業を推し進める「縦・横・外とのコラボレーション強化」、受注から納入までのトータルプロセスの効率向上を目指す「NPS(Nissin Production System)の生産性改革」による革新的原価低減、日新アカデミーのカリキュラム充実や研修施設の拡充による「人材育成改革」、お客様のニーズに応えるソリューション提案や戦略的マーケティングを目指した「営業改革」など様々な体質改革を推進します。これらの体質改革により、成長力強化と収益力強化にグループをあげて取り組みます。
(4) 「4×Global+NEW」の事業ポートフォリオを構築し更なる成長を目指す
以上のように、6つの「成長ドメイン」に3つの「Advance」を投入すると共に、「体質改革」を進めることで「電力機器事業」、「ビーム・真空応用事業」、「新エネルギー・環境事業」、「ライフサイクルエンジニアリング事業」の4つのセグメントを事業の柱としながら、それらに新たな事業展開(+NEW)を加えて、「4×Global+NEW」の事業ポートフォリオを構築し、一層の成長を目指します。
各事業セグメントごとの新しい事業展開(+NEW)は次のとおりです。
・電力機器事業
電力機器事業では、国内市場は電力会社の修繕・更新投資が徐々に回復すると予想されることに加え、電力システム改革の進展に伴い電力の地域間融通に関連する投資や発送電分離に関連した新たな機器の需要増大が期待されます。一般民需においても工場などでの更新投資が堅調に推移すると見込まれるほか、エネルギーコストの削減や省電力ニーズの高まりなどから新たな事業機会が増加すると予想されます。これらの新しいトレンドをつかみ事業としていくために、電力機器を中心としたハードの技術に機器やエネルギーを制御するソフトの技術を融合させて様々なソリューションを提供するスマート電力供給システム(SPSS)事業を積極的に展開してまいります。海外市場においては、中国で投資が拡大している超高圧送電関連の機器やインテリジェント化(智能化)に対応した機器を拡販することに加え、経済成長と共に電力インフラの拡充が見込まれるアセアン諸国などでの事業展開を加速させます。
また、電力機器製造のコア技術である部品加工・装置組立技術を活かしてタイ・ベトナムで展開してきた装置部品の設計・製造受託事業を更に拡大し、新たな事業セグメントに育てていきます。
・ビーム・真空応用事業
ビーム・真空応用事業では、圧倒的なグローバルシェアを持つ高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置の供給能力を増強することで、有機ELディスプレイ向けを中心とした需要拡大に対応した生産体制を構築し、引き続き圧倒的シェアの維持を目指します。半導体製造用イオン注入装置については、新製品の投入により半導体製造技術の革新に対応していくと共に、江蘇省揚州市の生産拠点を活用し拡大が予想される中国市場での事業展開を強化します。電子線照射装置については、中長期的に成長が期待できる自動車関連分野への拡販を進めると共に、医療・食品に関連する分野などにおける新たな用途開拓を進めていきます。薄膜コーティング事業については、強みである平滑性と耐摩耗性に優れたDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)膜の開発を進め、自動車向けを中心に新用途を開拓し売上拡大を図るほか、中国・アセアン・インドにおいてコーティング能力を拡充し、増大する現地需要に対応していきます。また、短時間・低コストで成膜が可能な新型アーク式コーティング装置の拡販にも注力してまいります。
・新エネルギー・環境事業
新エネルギー事業では、変換効率が高く双方向通信機能などを搭載した新型の太陽光発電用パワーコンディショナや今後需要の増加が期待される電池電力貯蔵用のパワーコンディショナなどの売上拡大を図ります。環境事業では、これまでの水処理施設における電気設備と監視制御システムに加え、これら施設における新エネルギーの導入や省エネ推進のニーズに対応したスマート電力供給システム(SPSS)を積極的に提案し、事業拡大を図ります。
・ライフサイクルエンジニアリング事業
ライフサイクルエンジニアリング事業は、設備の据付工事・調整に加え、点検・保守・修繕を通して納入した機器の安定稼働と延命化ニーズに応えていく事業であります。納入先・納入機器の増加に伴い、こうしたニーズはますます拡大すると見込めることから、今後一層の事業成長を目指してまいります。特に国内では、老朽化した電力機器の延命化ニーズが増大しており、これらニーズに対応した修繕事業を拡大してまいります。また、海外においてもサービス拠点を拡充するなどグローバルな事業展開を目指します。
(5) コンプライアンスの徹底、CSRの推進とコーポレートガバナンスの一層の充実
当社グループは、ステークホルダーとの確かな信頼関係構築を行動の原点として、「社会と産業の基盤を支える企業活動を通じて、環境と調和し活力ある社会の実現に貢献する」という企業理念の実現を目指し、環境や社会と調和した事業運営をしていくことが重要と考えており、行動の原点や企業理念のグループ内への更なる浸透とそれに基づく事業活動を徹底させてまいります。
このために、コーポレートガバナンスを一層強化することが重要と考えており、そのための対策を着実に進めてまいります。
当社グループは、今年創立100年、創業107年を迎えました。1世紀を超えて事業を続けることができましたのは、株主の皆様をはじめ多くのステークホルダー皆様のご支援のお陰と心から感謝しております。
この節目にあたって、歴史を振り返り、100年の成長の原動力となってきた「事業の精神」は何だったのかを探ってきました。その結果、見えてきた「創業以来の『ベンチャー魂』」、「社名に込めた『日日新(ひびにあらたに)』の精神」、「異なった文化や異なった技術への寛容さと咀嚼力(そしゃくりょく)」の3つを当社グループの成長の原動力たる「事業の精神」として明らかにしました。当社グループでは、これからも、これらの「事業の精神」を全社員が共有し奮い立たせ、グループ一丸となって、次の100年の成長に向けて邁進していく所存であります。

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