有価証券報告書-第75期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 15:09
【資料】
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【項目】
68項目

有報資料

(1)業績
当連結会計年度における経済環境を顧みますと、景気は総じて緩やかな回復基調が続きました。地域別に見ますと、米国では個人消費の増加や雇用環境の改善を背景に回復が続きましたが、中南米においては減速傾向が続きました。欧州においては失業率の低下を背景に緩やかに回復し、中国では持ち直しの動きがみられました。日本は、企業の収益改善および個人消費の持ち直しや雇用環境改善により緩やかな回復基調が続きました。
このような状況の中、エプソンの主要市場につきましては、以下のとおりとなりました。
インクジェットプリンターの需要は、日本でのコンシューマー向け市場の縮小が継続し、北米・西欧でも縮小しました。一方で、他社の参入による認知度向上効果もあり、大容量インクタンクモデルに対する需要は堅調に拡大しました。大判インクジェットプリンターの需要は、中国および南米では景気減速の影響により低調となりましたが、北米・日本では堅調に推移しました。シリアルインパクトドットマトリクスプリンター(SIDM)の需要は、上期に中国の「営改増」施行による徴税市場での特需がありましたが、米州・欧州では縮小が継続しました。
プロジェクターの需要は、欧州での大型スポーツイベントによる需要増加がありましたが、南米での景気減速影響、北米リテール市場および欧州一部主要国での教育関係需要の低迷により低調に推移していましたが、下期にかけては若干回復の兆しも見えてきました。
電子デバイス製品の主要なアプリケーションの市場では、携帯電話の需要は従来型の減速が続いた一方、スマートフォンの需要は中国を中心とした新興国メーカーが成長したことで堅調に推移しました。デジタルカメラ市場の需要は低調でした。ウオッチの需要は、日本でのインバウンド需要の減速および中国・北米の需要減に加え、ウオッチムーブメントも市況悪化により需要が大幅に低下しました。産業用ロボットの需要は、米州・中国で堅調に推移し、日本でも自動車産業向けが堅調に推移しました。
以上のような状況のもとで、エプソンは、『「省・小・精の価値」で、人やモノと情報がつながる新しい時代を創造する』と定めた長期ビジョン「Epson 25」の実現に向け、当連結会計年度より「Epson 25 第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)」(以下「第1期中期計画」という。)を開始いたしました。第1期中期計画では、これまで実現してきた戦略をベースに、「転換と開拓」の成果を継続させることと同時に、製品開発の仕込みや必要な投資を積極的に行い、強固な基盤を整備していきます。
当連結会計年度の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ108.38円および118.79円と前期に比べ、米ドルでは10%の円高、ユーロでは10%の円高で推移しました。また、米ドル、ユーロ以外の為替レートも円高で推移し、特に人民元、英ポンド、一部の中南米通貨については景気減速などの影響により、米ドルやユーロを超える円高で推移しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上収益は1兆248億円(前期比6.2%減)、事業利益(※)は658億円(同22.5%減)、営業利益は678億円(同27.8%減)、税引前利益は674億円(同26.3%減)、当期利益は484億円(同5.1%増)となりました。
※ 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
報告セグメントごとの業績は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
プリンター事業の売上収益は減少となりました。製品別の内容は以下のとおりです。
インクジェットプリンターは、大容量インクタンクモデルが他社参入による市場認知度向上効果もあり、大幅に販売数量が増加したことで売上の拡大が継続しました。一方、インクカートリッジモデルが市場規模縮小の中で家庭向けを中心に販売数量が減少したことおよび為替影響により減収となり、全体では売上減少となりました。また消耗品は、販売数量が減少したものの、単価の高いオフィス向け消耗品の比率が高まり、商品構成の改善が進んでいますが、為替による減収影響により売上減少となりました。
ページプリンターは、高付加価値製品中心へ販売を絞り込んだことにより、本体販売の減少に加えて消耗品販売も落ち込んだ結果、売上減少となりました。
SIDMは、上期に中国の徴税市場での特需がありましたが、為替による減収影響により売上減少となりました。
プロフェッショナルプリンティング事業の売上収益は減少となりました。製品別の内容は以下のとおりです。
大判インクジェットプリンターは、成長市場であるサイネージ分野では新製品が好調だったことに加え、テキスタイル分野でも需要の高まりから堅調に推移し売上が拡大しましたが、既存市場であるフォト・グラフィックス分野で販売数量減少となり、全体では為替による減収影響もあり売上減少となりました。また消耗品についても、本体の販売数量減少、為替による減収影響により売上減少となりました。
POSシステム関連製品は、欧州で低価格モデルが堅調に推移したものの、前期のような日本・北米での大型案件が発生しなかったことによる販売数量減少および中国での販売数量減少、為替による減収影響もあり、売上減少となりました。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益につきましては、インクジェットプリンターの大容量インクタンクモデルの売上増加により利益増加となりましたが、大判インクジェットプリンターの売上減少、中期的な成長のための投資と費用の戦略的な投下および為替影響などにより減益となりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は6,866億円(前期比6.8%減)、セグメント利益は841億円(同19.7%減)となりました。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業の売上収益は減少となりました。
液晶プロジェクターは、欧州一部主要国での教育市場縮小および北米・南米での市場縮小が継続する中、欧州での大型スポーツイベントにともなう中普及価格帯モデルの需要増加、アジア地域での拡販および高光束分野での新製品販売開始にともなう販売数量増加により売上増加となりましたが、為替による減収影響により、全体では売上減少となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益につきましては、為替による減益影響がありましたが、販売数量増加や高光束分野拡大による商品構成の改善が進んだことにより増益となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は1,796億円(前期比2.4%減)、セグメント利益は161億円(同3.5%増)となりました。
(ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント)
ウエアラブル機器事業の売上収益は、ウオッチでの国内市場向けにおいて新製品を発売したことによる平均販売単価上昇効果がありましたが、インバウンド需要の減速および海外市場向けが低調に推移したことにより数量が減少となったことに加え、ウオッチムーブメントでの市況悪化の影響、為替による減収影響により、全体では売上減少となりました。
ロボティクスソリューションズ事業の売上収益は増加となりました。為替による減収影響がありましたが、産業用ロボットが中国を中心としたロボット需要を取り込み売上増加となったことに加え、ICハンドラーが中国でのスマートフォン向けの販売が好調だったことにより売上増加となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益は減少となりました。水晶デバイスは、携帯電話などのパーソナル機器向けの数量減および為替による減収影響により売上減少となりました。半導体は、車載用大口顧客向けの数量減少および為替による減収影響がありましたが、ファンドリー需要の増加による販売数量の増加により、売上増加となりました。
表面処理加工事業は新規顧客開拓の進展があり、また金属粉末事業はモバイル機器向け高機能材料粉末が堅調に推移しましたが、為替の減収影響により売上減少となりました。
ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントのセグメント利益につきましては、マイクロデバイス事業、ウエアラブル機器事業の売上減少により減益となりました。
以上の結果、ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントの売上収益は1,585億円(前期比7.0%減)、セグメント利益は78億円(同20.4%減)となりました。
(その他)
その他の売上収益は15億円(前期比7.4%増)、セグメント損失は4億円(前期は5億円のセグメント損失)となりました。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る費用の計上などにより、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△417億円(前期の調整額は△446億円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、968億円の収入(前期は1,130億円の収入)となりました。これは当期利益484億円に加え、減価償却費及び償却費の計上436億円などの増加要因があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形資産の取得による支出775億円などがあったことにより、757億円の支出(前期は515億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入497億円があった一方で、短期借入金の純減143億円、社債の償還による支出300億円や配当金の支払額212億円および自己株式の取得による支出103億円などがあったことにより、266億円の支出(前期は671億円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、2,217億円(前期は2,304億円)となりました。
(3)並行開示情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに関する項目との差異に関する事項
(退職後給付に係る費用)
エプソンは、日本基準の下で、発生した数理計算上の差異および過去勤務費用を一定の期間で償却しておりました。IFRSでは、確定給付制度の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。過去勤務費用は、制度改訂または縮小が発生した時あるいは関連するリストラクチャリング費用または解雇給付を認識した時のいずれか早い期において純損益として認識しております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、前連結会計年度の売上原価、販売費及び一般管理費および金融費用は38億円増加し、当連結会計年度の売上原価、販売費及び一般管理費および金融費用は4億円増加しております。

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