有価証券報告書-第81期(2022/04/01-2023/03/31)
34.金融商品
(1) 資本管理
エプソンは、資金運用については資金の保全を前提とした上で、安全性および流動性を考慮し、資金効率を最も高められる運用手段を適宜選択しております。また資金調達については、現在、銀行借入および社債等によって行っております。デリバティブは後述するリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。
エプソンは、有利子負債から現金及び現金同等物を控除した純有利子負債、および資本(親会社の所有者に帰属する持分)を管理対象としており、各残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
エプソンは、財務の健全性・柔軟性および資本収益性のバランスある資本構成を維持するため財務指標のモニタリングを行っております。財務の健全性・柔軟性については格付け、資本収益性についてはROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)ならびにROIC(投下資本利益率)を内外環境の変化を注視しながら適宜モニタリングしております。
(2) リスク管理に関する事項
エプソンは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避または低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。また、当社財務部門は、主要な財務上のリスク管理の状況について、定期的に当社の経営会議に報告しております。
また、エプソンの方針として、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機目的やトレーディング目的の取引は行っておりません。
(3) 信用リスク
エプソンの営業活動から生ずる債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。
また、主に、余資運用のためまたは政策的な目的のため保有している株式・債券等は、発行体の信用リスクに晒されております。
さらに、エプソンが為替変動リスクおよび金利変動リスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、これら取引の相手方である金融機関の信用リスクに晒されております。
エプソンは、債権管理規程に基づき、営業債権について、取引先の信用リスクの発生を未然に防止すべく、与信限度額または取引条件を定めることを原則としております。また、回収懸念の軽減を図るべく日常的に取引先ごとの残高管理を行うとともに、当社財務部門は、定期的に、不良債権の発生とその回収状況を把握し、集約した結果を当社の経営会議に報告しております。
エプソンは、余資運用・デリバティブ取引について、信用リスクの発生を未然に防止すべく、資金管理規程に基づき、一定の格付基準を満たす債券等での運用、あるいは高い格付を有する金融機関との取引を基本としております。また、当社財務部門は、定期的に、これらの取引の実績を把握し、集約した結果を当社の経営会議に報告しております。
連結財政状態計算書に表示されている金融資産の帳簿価額は、エプソンの金融資産の信用リスクに係るエクスポージャーの最大値であります。また、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。なお、信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保として保有する物件およびその他の信用補完するものはありません。
金融資産に係る減損については、予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。予想信用損失の見積りにあたっては、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。信用リスクが著しく増大しているか否かについては、債務不履行発生のリスクの変動に基づいて判断しており、その判断にあたっては、内部信用格付や、取引先の財政状況、期日経過等の契約違反の有無等を考慮しております。
エプソンの金融資産の大部分を占める営業債権等に対する貸倒引当金の計上にあたっては、全期間の予想信用損失を過去の実績率等に基づき集合的に測定しておりますが、取引先が深刻な財政困難にある場合や破産、著しい延滞等の客観的証拠がある場合は、当該金融資産に信用減損が発生しているものと判断し、個別に予想信用損失を測定しております。なお、ある金融資産の全部または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、当該金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
これらの金融資産に係る貸倒引当金は、連結財政状態計算書上、売上債権及びその他の債権およびその他の金融資産に含まれております。
売上債権及びその他の債権およびその他の金融資産の貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
(単位:百万円)
(4) 流動性リスク
エプソンは、借入金、社債等により資金を調達しておりますが、それら負債は、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払を実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
エプソンは、年度事業計画に基づく資金調達計画を策定するとともに、当社財務部門は、定期的に、手許流動性および有利子負債の状況等を把握・集約し、当社の経営会議に報告しております。エプソンは、適時に資金繰計画を作成・更新することにより、手許流動性を適正に維持し、さらに外部金融環境等も勘案したうえで、流動性リスクを管理しております。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
当連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
(5) 為替リスク
エプソンは、グローバルに事業を展開していることから、為替変動を起因として、主に以下のリスクに晒されております。
① エプソンの各機能通貨とは異なる通貨による外部取引および、配当の受け渡しを含むグループ内取引の結果、エプソンの各機能通貨建ての損益およびキャッシュ・フローが為替変動の影響を受けるリスク
② エプソンの各機能通貨建ての資本を日本円に換算し連結する際に、エプソンの資本が為替変動の影響を受けるリスク
③ エプソンの各機能通貨建ての損益を日本円に換算し連結する際に、エプソンの損益が為替変動の影響を受けるリスク
①のリスクに対しては、将来キャッシュ・フローを予測した時点または債権債務確定時点において、デリバティブ等を利用したヘッジを行っております。原則として外貨建て営業債権債務をネットしたポジションについて主に為替予約を利用してヘッジしております。②および③のリスクに対しては、原則としてヘッジは行っておりません。
エプソンは、為替変動を起因とする上記リスクを緩和すべく、為替管理規程に基づき、為替相場の現状および見通しに基づいて外国為替ヘッジ方針を策定し、当社の為替管理委員会の管理監督の下で上記ヘッジを実行し、当社財務部門は、定期的にその実績を当社の経営会議に報告しております。
通貨デリバティブの詳細は、以下のとおりであります。
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
前連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
当連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
(注)通貨オプション取引はゼロコストオプションであり、コールオプションおよびプットオプションが一体の契約のため、一括して記載しております。
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
前連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
当連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
(注1)キャッシュ・フロー・ヘッジの適用により、連結財政状態計算書において「その他の金融資産」または「その他の金融負債」に公正価値で計上しております。
(注2)通貨オプション取引はゼロコストオプションであり、コールオプションおよびプットオプションが一体の契約のため、一括して記載しております。
為替感応度分析
エプソンが当連結会計年度末において保有する金融商品において、機能通貨に対して、機能通貨以外の各通貨が10%増価した場合の連結包括利益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
なお、機能通貨建ての金融商品、在外営業活動体の資産および負債、ならびに収益および費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、算定に使用した各通貨以外の通貨は変動しないことを前提としております。
(単位:百万円)
(6) 金利リスク
エプソンの金利リスクは、現金同等物等および有利子負債から生じます。借入金および社債のうち、変動金利によるものは、市場金利の変動による将来キャッシュ・フローの変動の影響を受ける可能性があります。固定金利によるものは、市場金利の変動による公正価値の変動の影響を受ける可能性があります。
エプソンは、市場金利の変動に対応して、金利スワップ取引の利用や、資金調達の変動金利・固定金利の適切な割合調整を行うことで、金利リスクを抑制しております。なお、金利スワップ取引等につきましては、資金管理規程に基づき、財務担当役員による承認を受けたうえで、実行しております。
金利感応度分析
エプソンが当連結会計年度末において保有する金融商品において、金利が100bp上昇した場合の連結包括利益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、為替変動の影響等その他の要因は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
(7) 市場価格の変動リスク
エプソンは、投資有価証券について、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また取引先企業との関係を勘案して、保有状況を継続的に見直しております。なお、短期売買目的で保有する資本性金融商品はなく、政策投資目的で保有しているため、活発に売却することはしておりません。
エプソンは、株価変動リスクについて当連結会計年度末の資本性金融商品の価格を基礎に計算しております。株価が5%上昇または下落した場合には、その他の包括利益(税効果考慮前)は、公正価値の変動により2023年3月31日現在の金額から809百万円増減いたします。
(8) 公正価値
① 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値は、以下のとおり算定しております。
(デリバティブ)
取引先金融機関等から提示された価格等に基づき算定しております。
(株式および債券)
市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値は、入手可能なデータ等を勘案し、類似企業の直近取引価格および将来キャッシュ・フローを割り引く方法等の評価方法により見積っております。
(借入金)
短期借入金は、短期間で決済されるため公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。長期借入金のうち変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、エプソンの信用状態は実行後大きく異なっていないことから、公正価値は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額によっております。なお、固定金利によるものは、当該長期借入金の元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
(社債)
当社の発行する社債の公正価値は、取引先金融機関から提示された価格等に基づき算定しております。
② 公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
エプソンは、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を、各連結会計年度の末日に発生したものとして認識しております。
(ⅰ) 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下のとおりであります。なお、以下の表に表示されていない償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は近似しております。
前連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
当連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
借入金、社債には1年以内返済予定または償還予定の残高を含めて表示しております。
前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替が行われた金融商品はありません。
(ⅱ) 公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定する金融商品の公正価値のヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
当連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替が行われた金融商品はありま
せん。
レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)連結包括利益計算書の「その他の営業収益」および「その他の営業費用」に含まれております。
(1) 資本管理
エプソンは、資金運用については資金の保全を前提とした上で、安全性および流動性を考慮し、資金効率を最も高められる運用手段を適宜選択しております。また資金調達については、現在、銀行借入および社債等によって行っております。デリバティブは後述するリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。
エプソンは、有利子負債から現金及び現金同等物を控除した純有利子負債、および資本(親会社の所有者に帰属する持分)を管理対象としており、各残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2022年3月31日) | 当連結会計年度 (2023年3月31日) | |
有利子負債 | 243,151 | 233,281 |
現金及び現金同等物 | △335,239 | △267,380 |
純有利子負債 | △92,088 | △34,098 |
資本(親会社の所有者に帰属する持分) | 665,628 | 727,352 |
エプソンは、財務の健全性・柔軟性および資本収益性のバランスある資本構成を維持するため財務指標のモニタリングを行っております。財務の健全性・柔軟性については格付け、資本収益性についてはROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)ならびにROIC(投下資本利益率)を内外環境の変化を注視しながら適宜モニタリングしております。
(2) リスク管理に関する事項
エプソンは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避または低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。また、当社財務部門は、主要な財務上のリスク管理の状況について、定期的に当社の経営会議に報告しております。
また、エプソンの方針として、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機目的やトレーディング目的の取引は行っておりません。
(3) 信用リスク
エプソンの営業活動から生ずる債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。
また、主に、余資運用のためまたは政策的な目的のため保有している株式・債券等は、発行体の信用リスクに晒されております。
さらに、エプソンが為替変動リスクおよび金利変動リスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、これら取引の相手方である金融機関の信用リスクに晒されております。
エプソンは、債権管理規程に基づき、営業債権について、取引先の信用リスクの発生を未然に防止すべく、与信限度額または取引条件を定めることを原則としております。また、回収懸念の軽減を図るべく日常的に取引先ごとの残高管理を行うとともに、当社財務部門は、定期的に、不良債権の発生とその回収状況を把握し、集約した結果を当社の経営会議に報告しております。
エプソンは、余資運用・デリバティブ取引について、信用リスクの発生を未然に防止すべく、資金管理規程に基づき、一定の格付基準を満たす債券等での運用、あるいは高い格付を有する金融機関との取引を基本としております。また、当社財務部門は、定期的に、これらの取引の実績を把握し、集約した結果を当社の経営会議に報告しております。
連結財政状態計算書に表示されている金融資産の帳簿価額は、エプソンの金融資産の信用リスクに係るエクスポージャーの最大値であります。また、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。なお、信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保として保有する物件およびその他の信用補完するものはありません。
金融資産に係る減損については、予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。予想信用損失の見積りにあたっては、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。信用リスクが著しく増大しているか否かについては、債務不履行発生のリスクの変動に基づいて判断しており、その判断にあたっては、内部信用格付や、取引先の財政状況、期日経過等の契約違反の有無等を考慮しております。
エプソンの金融資産の大部分を占める営業債権等に対する貸倒引当金の計上にあたっては、全期間の予想信用損失を過去の実績率等に基づき集合的に測定しておりますが、取引先が深刻な財政困難にある場合や破産、著しい延滞等の客観的証拠がある場合は、当該金融資産に信用減損が発生しているものと判断し、個別に予想信用損失を測定しております。なお、ある金融資産の全部または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、当該金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
これらの金融資産に係る貸倒引当金は、連結財政状態計算書上、売上債権及びその他の債権およびその他の金融資産に含まれております。
売上債権及びその他の債権およびその他の金融資産の貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
期首残高 | 1,164 | 1,209 |
期中増加額 | 234 | 430 |
期中減少額(目的使用) | △111 | △213 |
期中減少額(戻入) | △214 | △497 |
その他の増減 | 137 | 174 |
期末残高 | 1,209 | 1,104 |
(4) 流動性リスク
エプソンは、借入金、社債等により資金を調達しておりますが、それら負債は、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払を実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
エプソンは、年度事業計画に基づく資金調達計画を策定するとともに、当社財務部門は、定期的に、手許流動性および有利子負債の状況等を把握・集約し、当社の経営会議に報告しております。エプソンは、適時に資金繰計画を作成・更新することにより、手許流動性を適正に維持し、さらに外部金融環境等も勘案したうえで、流動性リスクを管理しております。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
帳簿価額 | 契約上のキャッシュ・フロー | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | ||||||||
仕入債務及びその他の債務 | 146,201 | 146,201 | 146,201 | - | - | - | - | - |
借入金 | 66,452 | 66,500 | 18,000 | - | 9,000 | 30,000 | - | 9,500 |
社債 | 149,580 | 150,000 | - | 30,000 | 10,000 | 40,000 | 20,000 | 50,000 |
リース負債 | 27,117 | 28,441 | 8,459 | 5,370 | 3,848 | 2,590 | 1,469 | 6,703 |
その他 | 4,130 | 4,118 | 342 | 630 | 119 | 401 | 266 | 2,357 |
合計 | 393,482 | 395,261 | 173,002 | 36,001 | 22,968 | 72,991 | 21,736 | 68,560 |
デリバティブ金融負債 | ||||||||
為替予約取引 | 2,973 | 2,973 | 2,973 | - | - | - | - | - |
通貨オプション取引 | 1,181 | 1,181 | 1,181 | - | - | - | - | - |
合計 | 4,154 | 4,154 | 4,154 | - | - | - | - | - |
当連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
帳簿価額 | 契約上のキャッシュ・フロー | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | ||||||||
仕入債務及びその他の債務 | 159,658 | 159,658 | 159,658 | - | - | - | - | - |
借入金 | 48,467 | 48,500 | - | 9,000 | 30,000 | 500 | 9,000 | - |
社債 | 149,689 | 150,000 | 30,000 | 10,000 | 40,000 | 20,000 | 10,000 | 40,000 |
リース負債 | 35,124 | 37,256 | 8,981 | 7,530 | 5,739 | 3,997 | 3,122 | 7,884 |
その他 | 4,089 | 4,010 | 371 | 494 | 7 | 297 | 1,018 | 1,820 |
合計 | 397,029 | 399,425 | 199,012 | 27,025 | 75,746 | 24,794 | 23,141 | 49,704 |
デリバティブ金融負債 | ||||||||
為替予約取引 | 2,715 | 2,715 | 2,715 | - | - | - | - | - |
通貨オプション取引 | 249 | 249 | 249 | - | - | - | - | - |
合計 | 2,965 | 2,965 | 2,965 | - | - | - | - | - |
(5) 為替リスク
エプソンは、グローバルに事業を展開していることから、為替変動を起因として、主に以下のリスクに晒されております。
① エプソンの各機能通貨とは異なる通貨による外部取引および、配当の受け渡しを含むグループ内取引の結果、エプソンの各機能通貨建ての損益およびキャッシュ・フローが為替変動の影響を受けるリスク
② エプソンの各機能通貨建ての資本を日本円に換算し連結する際に、エプソンの資本が為替変動の影響を受けるリスク
③ エプソンの各機能通貨建ての損益を日本円に換算し連結する際に、エプソンの損益が為替変動の影響を受けるリスク
①のリスクに対しては、将来キャッシュ・フローを予測した時点または債権債務確定時点において、デリバティブ等を利用したヘッジを行っております。原則として外貨建て営業債権債務をネットしたポジションについて主に為替予約を利用してヘッジしております。②および③のリスクに対しては、原則としてヘッジは行っておりません。
エプソンは、為替変動を起因とする上記リスクを緩和すべく、為替管理規程に基づき、為替相場の現状および見通しに基づいて外国為替ヘッジ方針を策定し、当社の為替管理委員会の管理監督の下で上記ヘッジを実行し、当社財務部門は、定期的にその実績を当社の経営会議に報告しております。
通貨デリバティブの詳細は、以下のとおりであります。
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
前連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
契約額等 | うち1年超 | 帳簿価額 | 平均レート | |||
資産 | 負債 | |||||
為替予約取引 | ||||||
売建 | ||||||
ユーロ(円買) | 9,749 | - | - | 493 | 130.11 | 円/ユーロ |
豪ドル(円買) | 3,519 | - | - | 423 | 81.92 | 円/豪ドル |
人民元(米ドル買) | 11,353 | - | - | 335 | 0.15 | 米ドル/人民元 |
直物為替先渡取引(NDF) | ||||||
売建 | ||||||
インド・ルピー(米ドル買) | 3,255 | - | - | 16 | 0.01 | 米ドル/インド・ルピー |
台湾ドル(米ドル買) | 1,640 | - | 53 | - | 0.04 | 米ドル/台湾ドル |
韓国ウォン(米ドル買) | 405 | - | 7 | - | 0.00 | 米ドル/韓国ウォン |
通貨オプション取引(注) | ||||||
売建・買建 | ||||||
ユーロ(円買) | 9,774 | - | - | 288 | 130.49 | 円/ユーロ |
合計 | 39,699 | - | 61 | 1,558 |
当連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
契約額等 | うち1年超 | 帳簿価額 | 平均レート | |||
資産 | 負債 | |||||
為替予約取引 | ||||||
売建 | ||||||
ユーロ(円買) | 11,244 | - | - | 345 | 140.67 | 円/ユーロ |
豪ドル(円買) | 3,382 | - | 83 | - | 91.25 | 円/豪ドル |
人民元(米ドル買) | 17,014 | - | - | 211 | 0.14 | 米ドル/人民元 |
直物為替先渡取引(NDF) | ||||||
売建 | ||||||
インド・ルピー(米ドル買) | 3,999 | - | - | 31 | 0.01 | 米ドル/インド・ルピー |
台湾ドル(米ドル買) | 2,876 | - | 4 | - | 0.03 | 米ドル/台湾ドル |
韓国ウォン(米ドル買) | 402 | - | - | 23 | 0.00 | 米ドル/韓国ウォン |
通貨オプション取引(注) | ||||||
売建・買建 | ||||||
ユーロ(円買) | 4,305 | - | - | 217 | 136.81 | 円/ユーロ |
合計 | 43,225 | - | 87 | 829 |
(注)通貨オプション取引はゼロコストオプションであり、コールオプションおよびプットオプションが一体の契約のため、一括して記載しております。
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
前連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
契約額等 | うち1年超 | 帳簿価額(注1) | 平均レート | |||
資産 | 負債 | |||||
為替予約取引 | ||||||
売建 | ||||||
ユーロ(円買) | 24,360 | - | - | 975 | 131.54 | 円/ユーロ |
豪ドル(円買) | 4,463 | - | - | 372 | 84.41 | 円/豪ドル |
人民元(米ドル買) | 30,419 | - | - | 291 | 0.15 | 米ドル/人民元 |
直物為替先渡取引(NDF) | ||||||
売建 | ||||||
インド・ルピー(米ドル買) | 8,254 | - | - | 15 | 0.01 | 米ドル/インド・ルピー |
台湾ドル(米ドル買) | 3,185 | - | 81 | - | 0.04 | 米ドル/台湾ドル |
韓国ウォン(米ドル買) | 3,768 | - | 20 | - | 0.00 | 米ドル/韓国ウォン |
通貨オプション取引(注2) | ||||||
売建・買建 | ||||||
ユーロ(円買) | 24,101 | - | - | 892 | 130.14 | 円/ユーロ |
合計 | 98,553 | - | 102 | 2,547 |
当連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
契約額等 | うち1年超 | 帳簿価額(注1) | 平均レート | |||
資産 | 負債 | |||||
為替予約取引 | ||||||
売建 | ||||||
ユーロ(円買) | 52,184 | - | - | 1,325 | 140.01 | 円/ユーロ |
豪ドル(円買) | 4,538 | - | 22 | - | 88.30 | 円/豪ドル |
人民元(米ドル買) | 29,020 | - | - | 293 | 0.15 | 米ドル/人民元 |
直物為替先渡取引(NDF) | ||||||
売建 | ||||||
インド・ルピー(米ドル買) | 10,383 | - | - | 99 | 0.01 | 米ドル/インド・ルピー |
台湾ドル(米ドル買) | 2,968 | - | - | 8 | 0.03 | 米ドル/台湾ドル |
韓国ウォン(米ドル買) | 4,616 | - | - | 10 | 0.00 | 米ドル/韓国ウォン |
通貨オプション取引(注2) | ||||||
売建・買建 | ||||||
ユーロ(円買) | 829 | - | - | 32 | 138.54 | 円/ユーロ |
合計 | 104,542 | - | 22 | 1,770 |
(注1)キャッシュ・フロー・ヘッジの適用により、連結財政状態計算書において「その他の金融資産」または「その他の金融負債」に公正価値で計上しております。
(注2)通貨オプション取引はゼロコストオプションであり、コールオプションおよびプットオプションが一体の契約のため、一括して記載しております。
為替感応度分析
エプソンが当連結会計年度末において保有する金融商品において、機能通貨に対して、機能通貨以外の各通貨が10%増価した場合の連結包括利益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
なお、機能通貨建ての金融商品、在外営業活動体の資産および負債、ならびに収益および費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、算定に使用した各通貨以外の通貨は変動しないことを前提としております。
(単位:百万円)
当連結会計年度 (2023年3月31日) | |
税引前利益 | 18,540 |
(6) 金利リスク
エプソンの金利リスクは、現金同等物等および有利子負債から生じます。借入金および社債のうち、変動金利によるものは、市場金利の変動による将来キャッシュ・フローの変動の影響を受ける可能性があります。固定金利によるものは、市場金利の変動による公正価値の変動の影響を受ける可能性があります。
エプソンは、市場金利の変動に対応して、金利スワップ取引の利用や、資金調達の変動金利・固定金利の適切な割合調整を行うことで、金利リスクを抑制しております。なお、金利スワップ取引等につきましては、資金管理規程に基づき、財務担当役員による承認を受けたうえで、実行しております。
金利感応度分析
エプソンが当連結会計年度末において保有する金融商品において、金利が100bp上昇した場合の連結包括利益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、為替変動の影響等その他の要因は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
当連結会計年度 (2023年3月31日) | |
税引前利益 | 400 |
(7) 市場価格の変動リスク
エプソンは、投資有価証券について、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また取引先企業との関係を勘案して、保有状況を継続的に見直しております。なお、短期売買目的で保有する資本性金融商品はなく、政策投資目的で保有しているため、活発に売却することはしておりません。
エプソンは、株価変動リスクについて当連結会計年度末の資本性金融商品の価格を基礎に計算しております。株価が5%上昇または下落した場合には、その他の包括利益(税効果考慮前)は、公正価値の変動により2023年3月31日現在の金額から809百万円増減いたします。
(8) 公正価値
① 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値は、以下のとおり算定しております。
(デリバティブ)
取引先金融機関等から提示された価格等に基づき算定しております。
(株式および債券)
市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値は、入手可能なデータ等を勘案し、類似企業の直近取引価格および将来キャッシュ・フローを割り引く方法等の評価方法により見積っております。
(借入金)
短期借入金は、短期間で決済されるため公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。長期借入金のうち変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、エプソンの信用状態は実行後大きく異なっていないことから、公正価値は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額によっております。なお、固定金利によるものは、当該長期借入金の元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
(社債)
当社の発行する社債の公正価値は、取引先金融機関から提示された価格等に基づき算定しております。
② 公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
エプソンは、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を、各連結会計年度の末日に発生したものとして認識しております。
(ⅰ) 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下のとおりであります。なお、以下の表に表示されていない償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は近似しております。
前連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
帳簿価額 | 公正価値 | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||
償却原価で測定する金融負債 | |||||
借入金 | 66,452 | - | 66,617 | - | 66,617 |
社債 | 149,580 | - | 149,472 | - | 149,472 |
合計 | 216,033 | - | 216,089 | - | 216,089 |
当連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
帳簿価額 | 公正価値 | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||
償却原価で測定する金融負債 | |||||
借入金 | 48,467 | - | 48,362 | - | 48,362 |
社債 | 149,689 | - | 148,960 | - | 148,960 |
合計 | 198,157 | - | 197,322 | - | 197,322 |
借入金、社債には1年以内返済予定または償還予定の残高を含めて表示しております。
前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替が行われた金融商品はありません。
(ⅱ) 公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定する金融商品の公正価値のヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
公正価値 | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
公正価値で測定する金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | - | 212 | - | 212 |
株式 | 9,256 | - | 3,795 | 13,051 |
合計 | 9,256 | 212 | 3,795 | 13,264 |
公正価値で測定する金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | - | 4,154 | - | 4,154 |
合計 | - | 4,154 | - | 4,154 |
当連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
公正価値 | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
公正価値で測定する金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | - | 475 | - | 475 |
株式 | 10,828 | - | 5,351 | 16,180 |
合計 | 10,828 | 475 | 5,351 | 16,656 |
公正価値で測定する金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | - | 2,965 | - | 2,965 |
合計 | - | 2,965 | - | 2,965 |
前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替が行われた金融商品はありま
せん。
レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
期首残高 | 3,974 | 3,795 |
利得及び損失 | ||
純損益(注) | △586 | - |
その他の包括利益 | 10 | 878 |
購入 | 397 | 827 |
売却 | - | △150 |
その他 | △0 | - |
期末残高 | 3,795 | 5,351 |
(注)連結包括利益計算書の「その他の営業収益」および「その他の営業費用」に含まれております。