有価証券報告書-第84期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 12:11
【資料】
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【項目】
172項目
②戦略
エプソンは、「環境ビジョン2050」を策定し、2050年までにカーボンニュートラルを超えたカーボンマイナスおよび地下資源消費ゼロを目標として掲げ、取り組みを進めています。こうした目標の実現に向け、2030年までの具体的な取り組みを示したものが「中期環境活動計画(※13)」です。エプソンは、本計画に基づき、2050年目標達成に向けた取り組みを推進しています。
また、気候変動に対するレジリエンス強化を図るため、「環境ビジョン2050」の実現に向けた活動を推進しています。2025年度は、以下の取り組みを中心に活動状況をレビューするとともに、各種経営会議体への報告および重要事項の審議を行いました。
※13 中期環境活動計画の詳細は下記参照
https://corporate.epson/ja/sustainability/environment/vision/#h2_04
<2025年度の取り組み>● テーマ検討:脱炭素目標(SBT更新)、TNFD開示、資源循環定義・施策
● 各事業における取り組みの進捗と課題共有
● 現状調査・分析(競合他社・社会動向、環境法規制等)

■ 気候関連のリスク・機会に関するシナリオ分析(※14)
エプソンは、気候関連のリスク・機会の重要性を評価するため、「移行リスク」「物理リスク」「機会」の区分ごとにシナリオ分析を実施し、7つの評価対象項目を選定しました。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)および国際エネルギー機関(IEA)が提示する1.5℃シナリオならびに社内外の各種情報に基づき、事業インパクトおよび財務影響度を評価しました。
※14 シナリオ分析は前長期ビジョン「Epson 25 Renewed」に基づき実施
■ 1.5℃シナリオにおける気候関連リスク・機会
シナリオ分析に基づいた気候関連リスク・機会の評価結果は以下のとおりです。
区分評価項目顕在時期事業インパクト財務影響度
移行リスク市場の変化・政策・法規制ペーパー需要短期インパクト
・気候変動とペーパー需要の変化に関する強い関連性は見出せないが、印刷・情報用紙の需要は減少傾向にあると想定する。COVID-19によるトレンド変化(分散化によるオフィス印刷の縮小等)によりペーパーレス化がさらに進んだ場合においても、インクジェット技術・紙再生技術に基づく商品・サービスの強化(印刷コスト低減、環境負荷低減、印刷の快適性向上、紙情報の有用性訴求)により財務影響へのインパクトは限定的と予想される
(環境ビジョン2050の取り組み)
・脱炭素
・資源循環
・環境技術開発
短期インパクト
・世界的に共通した社会課題である「気候変動」と「資源枯渇」に対し、商品・サービスやサプライチェーンの「脱炭素」と「資源循環」における先進的な取り組みが求められる
・飛躍的な環境負荷低減につながる環境技術開発により、科学的かつ具体的なソリューションが求められる
リスクへの対応
・脱炭素
●再生可能エネルギー活用 ●設備の省エネ
●温室効果ガス除去 ●サプライヤーエンゲージメント
●脱炭素ロジスティクス
・資源循環
●資源の有効活用 ●生産ロス極小化 ●商品の長期使用
・環境技術開発
●ドライファイバーテクノロジー応用
●天然由来素材(脱プラ)
●原料リサイクル(金属、紙) ●CO2吸収技術
2030年
までに合計
約1,000億円を投入
物理リスク急性洪水による
事業拠点の被災
長期
(21世紀末)
インパクト
・36拠点(国内17、海外19)を対象にリスクを評価した結果、洪水(河川氾濫)、高潮、渇水によるエプソンに将来的な操業リスクの変化は限定的
・サプライチェーンに関する短期気候変動リスクについては、BCP(事業継続計画)で対応
慢性海面上昇による
事業拠点の被災
渇水による
操業への影響
機会商品・サービス(環境ビジョ
2050の取り組み)
・お客様のもとでの環境負荷低減
短期想定シナリオ
・炭素税導入、電気料金高騰、廃棄物処分コストの上昇、適量生産・資源削減等により、環境に配慮した商品・サービスへのニーズが高まる
事業機会
・「Epson 25 Renewed」における成長領域として、①環境負荷低減・生産性向上・印刷コスト低減を実現するインクジェット技術によるオフィスプリンティング、商業・産業プリンティング、プリントヘッド外販、②環境負荷低減を実現する新生産装置の拡充による生産システムの提供、により売上収益成長CAGR(年平均成長率)15%を見込む

2025年度
までに
成長領域CAGR15%
見込
環境ビジネス短期想定シナリオ
・地球温暖化対策分野や廃棄物処理・資源有効活用分野の市場成長が見込まれる
・サーキュラーエコノミー(循環型経済)へのシフトにより、再生プラスチック、高機能バイオ素材、バイオプラスチック、金属リサイクルの要求拡大が見込まれる
事業機会
・地球温暖化対策やサーキュラーエコノミーへのシフトに対する有効なソリューションとして、紙再生を含むドライファイバーテクノロジー応用、天然由来素材(脱プラ)開発、原料リサイクル(金属再生、紙循環)等の技術確立を通じ、価値変換(高機能化)、脱プラ化(梱包材、成形材)、高付加価値新規素材の創出等により売上収益を獲得

顕在時期 短期:10年未満 中期:10年~50年 長期:50年超
財務影響度 小:10億円未満 中:10億円~100億円 大:100億円超
■ 2025年度の取り組み実績
区分評価項目2025年度取り組み実績2025年度
定量実績
移行リスク市場の変化・政策・法規制ペーパー需要・大容量インクタンクモデルは、新興国や北米での販売が好調に推移、オフィス共有IJPはレーザーからの置き換えが進み、欧米で前年を下回るが、新興国を中心に販売増加しており、エプソンがターゲットとしているマーケットでのペーパー需要変動による財務影響は限定的
(※15)
脱炭素・エプソングループ全世界の拠点(※16)での100%再生可能エネルギー化維持
・サプライヤーのGHG排出削減、再エネ電力の導入を支援する「エプソングリーンサプライチェーン」活動において、効率的に各社活動の収集やGHG排出量を可視化し活用するための環境調査システムを導入
43.9億円
(内訳)
・投 資:14.3億円
・費 用:15.6億円
・人件費:14.0億円
環境ビジョン2050
累積投入費用・投資
合計 246.1億円
資源循環・再生プラスチック使用製品の拡大、リファービッシュ/リユースによる商品の長期使用の拡大
・不要な金属を、金属粉末製品の原料として資源化する新工場の建屋完成(2025年6月竣工、稼働)(エプソンアトミックス)
環境技術開発・サステナブル資源の高性能化技術開発成果を外部公表
・スクラップ金属の高付加価値リサイクル技術確立に向けた、グループ内資源回収スキームの構築と自社精錬材料での試作実施
・分離膜を用いたCO2分離・回収、藻類を活用したCO2吸収技術開発推進
物理リスク急性洪水による
事業拠点の被災
・36拠点(国内17、海外19)を対象にIPCC第6次評価報告書に基づきリスクを評価(※17)
-洪水(河川氾濫)、高潮、渇水によるエプソンへの将来的な
操業リスクの変化は限定的であることを確認。豊科事業所
(※18)における低階層の設備浸水リスクに対しBCP施策
(設備更新時の移設)で対応
慢性海面上昇による
事業拠点の被災
渇水による
操業への影響
機会商品・サービスお客様のもとでの
環境負荷軽減
・「Epson 25 Renewed」における成長領域(オフィスプリンティング、商業・産業プリンティング、プリントヘッド外販、生産システム)への取り組みを推進2020年度→25年度
売上収益
CAGR +11.9%
環境ビジネス・ドライファイバーテクノロジーを核技術としたビジネス展開に向け、再生ファブリックのビジネスモデルのPoC(※19)継続実施

※15 財務影響度 小:10億円未満
※16 一部販売拠点等の電力量が特定できない賃借物件、およびCGS発電など燃料による自家発電分は除く
※17 IPCCの気候変動シナリオRCP2.6(2℃)、RCP8.5(4℃)にて評価
※18 国内拠点で長期的洪水リスク(21世紀末)を有する主要拠点
※19 PoC(Proof of Concept、概念実証):新しい技術等の実現可能性や実際の効果等を検証するプロセス
■ カーボンプライシングの取り組み
エプソンは、GHG排出量削減を目的とした投資判断において、カーボンプライシングの考え方を反映した投資回収基準およびガイドラインを整備しています。これらは、投資実行前のフィージビリティ・スタディに活用しており、2018年度からの試行導入を経て、2020年度より正式運用しています。

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