有価証券報告書-第55期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 15:01
【資料】
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【項目】
113項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度において世界経済は、米国では企業の景況感の改善により、設備投資の増勢や、良好な雇用・所得環境に伴う個人消費の堅調な推移などを背景として景気の拡大傾向が続いており、また、欧州でも内需主導で安定して景気の回復が進むなど、先進国経済は概ね順調に推移いたしました。更に、中国やその他新興国においても、輸出の増加などにより緩やかながら成長を持続しており、世界経済の回復傾向が続きました。
わが国でも、堅調な海外景気を背景に、企業と家計の所得改善が消費と投資の増加を支える動きが続き、緩やかな回復基調で推移しました。
そのような状況下において、当連結会計年度の売上高は51,925百万円(前年同期比13.3%増)、営業利益2,604百万円(前年同期比549.2%増)、経常利益2,509百万円(前年同期比213.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,667百万円(前年同期比959.9%増)となりました。
なお、セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 電気・電子部品事業
電気・電子部品事業は、ノートパソコンやスマートフォンの販売が底堅く推移したことから、それらに使用されるコネクタを中心に伸長しました。アンテナ用超小型RF同軸コネクタはスマートフォン向けが伸び悩んだものの、IoT分野における新たな無線通信需要の取り込みが進んだことから、全体としては堅調に推移しました。細線同軸コネクタは、ノートパソコンのパネル接続向けでシェア回復の動きがみられ伸長しました。また、FPC/FFCコネクタはゲーム機やスマートフォン向けに伸長し、基板対基板コネクタは高周波ノイズ対策を施したフルシールドコネクタがノートパソコンの内部接続向けに採用が進みました。HDD関連部品は、サーバーやゲーム機向けの需要が堅調に推移したことから、それらに使用される機構部品が伸長しました。
その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は29,589百万円(前年同期比13.2%増)となり、営業利益は3,349百万円(前年同期比142.7%増)となりました。
② 自動車部品事業
自動車部品事業は、北米や中国を中心とした自動車販売が堅調だったことから、燃費、環境、安全性能の向上に寄与する車載用センサ等の電装部品は高水準の受注が継続しました。また、車載用コネクタは、LEDヘッドライト等に使用されるSMTコネクタの採用車種が拡大し好調に推移したことに加え、その他の各種電子制御用コネクタも伸長しました。
その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は19,457百万円(前年同期比7.6%増)となり、営業利益は1,696百万円(前年同期比24.1%増)となりました。
③ 設備事業
設備事業は、スマートフォンの大容量化や自動車の電装化、データセンター需要の高まり等を受けメモリ市況が好調に推移し、半導体メーカーの設備投資意欲が高まったことから半導体樹脂封止装置や金型の受注が大幅に伸長しました。また、スマートフォン等のSMTタイプ薄型半導体向け自動テープ貼付機も好調を維持しました。
その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は2,878百万円(前年同期比77.4%増)となり、営業利益は373百万円(前年同期比572.8%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加1,145百万円に対し、税金等調整前当期純利益2,248百万円及び減価償却費5,730百万円の計上などにより6,805百万円の増加(前連結会計年度は4,535百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出9,826百万円、投資有価証券の取得による支出546百万円などにより10,547百万円の減少(前連結会計年度は6,400百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入3,480百万円、短期借入金の純増額193百万円に対し、長期借入金の返済による支出2,178百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出200百万円、長期未払金の返済による支出250百万円、配当金の支払額251百万円などにより792百万円の増加(前連結会計年度は497百万円の増加)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ3,059百万円減少の7,905百万円となりました。