有価証券報告書-第104期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
本書に記載の「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、経営者がazbilグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)リスクマネジメント体制
当社グループでは、スリーラインディフェンスに基づくリスク管理を行っております。azbilグループ全般の活動において、責任を明確にした3つの防衛線を通じて、組織の内部統制・リスク対応機能の向上を図っております。特に第一の防衛線については、確実にリスクを低減するため、リスクごとに担当役員を明確にし、防衛線での自律的管理の強化を図っております。また、リスクマネジメント事務局がリスク管理活動全体の管理と支援を行うなかで、第二の防衛線では、主に各間接管理部門が組織全体で対応すべきリスクに対する対策の展開と管理、支援の責任を果たすことで、リスク管理に対する牽制・支援の役割を担っております。さらに、内部監査部門が第三の防衛線として第一線・第二線によるリスク管理体制の検証・保証を行います。

当社グループでは、ボトム(現場部門)の情報をトップ(経営層)が十分に把握し、意思決定を行うことが重要だと認識しており、ボトムアップアプローチとトップダウンアプローチを一体としたリスクマネジメントを実施するための体制として、「azbilグループ総合リスク管理部会」、「azbilグループ総合リスク委員会」、「azbilグループCSR推進会議」を設置しております。
「azbilグループ総合リスク管理部会」は部門の責任者等をメンバーとして開催され、主にリスクの抽出と評価に関して現場側の意見集約を行います。なお、リスクの抽出と評価については経営層の意見も別途ヒアリングを行って集約し、経営層と現場部門の意見を統合するプロセスを構築しております。
「azbilグループ総合リスク委員会」はリスク管理担当役員を委員長、経営層をメンバーとして半期に一度開催され、一連のリスクマネジメント活動に対する経営層による状況確認と方針決定を行います。具体的には、「azbilグループ総合リスク管理部会」や経営層へのヒアリングから得られた情報に基づくリスクの対応優先度の決定(azbilグループが優先して対処すべき「azbilグループ重要リスク」とそれ以外の「部門管理リスク」の選定)、リスク対応計画の進捗確認を行います。なお、「azbilグループ総合リスク委員会」での審議結果は取締役会に報告しております。
「azbilグループCSR推進会議」は部門の責任者等をメンバーとして四半期に一度開催しており、リスクマネジメントの推進状況について確認・検討を行っております。リスク対応計画の進捗確認を「azbilグループ総合リスク委員会」よりも高頻度に行うことで、タイムリーな状況変化に対応できるようにしております。
(2)リスクマネジメントプロセスの運用
当社グループでは、経営に重大な影響を与える可能性のあるリスクの網羅的な抽出と影響度及び発生可能性の評価を行っております。具体的には、経営層に対するヒアリングによる経営目線でのリスクの抽出・評価と、「azbilグループ総合リスク管理部会」での審議に基づく現場目線でのリスクの抽出・評価を行い、結果を統合リスク台帳(抽出されたリスクの内容と評価結果を一覧化した資料)とリスクマップ(リスクを影響度と発生可能性に基づき5×5のマトリックスに配置した資料)に取りまとめます。なお、リスクの評価にあたってはリスク発生時の影響金額やリスクの発生可能性に基づく定量的な評価基準を設定し、評価結果を客観的に比較・統合できるようにしております。上記のアウトプットを参照資料として「azbilグループ総合リスク委員会」にて経営層による審議を行い、「azbilグループ重要リスク」及びそれ以外の「部門管理リスク」を決定し、結果については取締役会に報告します。
抽出された各リスクに対しては、期初に年間のリスク対応計画を策定し、期中と期末に行われる「azbilグループ総合リスク委員会」にて計画の進捗報告を行い、計画の遅延や推進上の課題を都度認識・改善することでPDCAサイクルを回しております。「azbilグループ重要リスク」についてはリスクごとに担当役員が直接状況報告を行いますが、「部門管理リスク」については、計画の進捗状況を集約した台帳ベースで確認を行います。また、四半期に一度開催される「azbilグループCSR推進会議」では、より高頻度にリスク対応計画の進捗確認を行っております。


影響度と発生可能性でリスクをプロットすることにより、管理すべき優先順位を視覚的に把握する
(3)事業等のリスク
今回選定されたazbilグループ重要リスクに関する詳細は以下のとおりです。
(1)リスクマネジメント体制
当社グループでは、スリーラインディフェンスに基づくリスク管理を行っております。azbilグループ全般の活動において、責任を明確にした3つの防衛線を通じて、組織の内部統制・リスク対応機能の向上を図っております。特に第一の防衛線については、確実にリスクを低減するため、リスクごとに担当役員を明確にし、防衛線での自律的管理の強化を図っております。また、リスクマネジメント事務局がリスク管理活動全体の管理と支援を行うなかで、第二の防衛線では、主に各間接管理部門が組織全体で対応すべきリスクに対する対策の展開と管理、支援の責任を果たすことで、リスク管理に対する牽制・支援の役割を担っております。さらに、内部監査部門が第三の防衛線として第一線・第二線によるリスク管理体制の検証・保証を行います。

当社グループでは、ボトム(現場部門)の情報をトップ(経営層)が十分に把握し、意思決定を行うことが重要だと認識しており、ボトムアップアプローチとトップダウンアプローチを一体としたリスクマネジメントを実施するための体制として、「azbilグループ総合リスク管理部会」、「azbilグループ総合リスク委員会」、「azbilグループCSR推進会議」を設置しております。
「azbilグループ総合リスク管理部会」は部門の責任者等をメンバーとして開催され、主にリスクの抽出と評価に関して現場側の意見集約を行います。なお、リスクの抽出と評価については経営層の意見も別途ヒアリングを行って集約し、経営層と現場部門の意見を統合するプロセスを構築しております。
「azbilグループ総合リスク委員会」はリスク管理担当役員を委員長、経営層をメンバーとして半期に一度開催され、一連のリスクマネジメント活動に対する経営層による状況確認と方針決定を行います。具体的には、「azbilグループ総合リスク管理部会」や経営層へのヒアリングから得られた情報に基づくリスクの対応優先度の決定(azbilグループが優先して対処すべき「azbilグループ重要リスク」とそれ以外の「部門管理リスク」の選定)、リスク対応計画の進捗確認を行います。なお、「azbilグループ総合リスク委員会」での審議結果は取締役会に報告しております。
「azbilグループCSR推進会議」は部門の責任者等をメンバーとして四半期に一度開催しており、リスクマネジメントの推進状況について確認・検討を行っております。リスク対応計画の進捗確認を「azbilグループ総合リスク委員会」よりも高頻度に行うことで、タイムリーな状況変化に対応できるようにしております。
(2)リスクマネジメントプロセスの運用
当社グループでは、経営に重大な影響を与える可能性のあるリスクの網羅的な抽出と影響度及び発生可能性の評価を行っております。具体的には、経営層に対するヒアリングによる経営目線でのリスクの抽出・評価と、「azbilグループ総合リスク管理部会」での審議に基づく現場目線でのリスクの抽出・評価を行い、結果を統合リスク台帳(抽出されたリスクの内容と評価結果を一覧化した資料)とリスクマップ(リスクを影響度と発生可能性に基づき5×5のマトリックスに配置した資料)に取りまとめます。なお、リスクの評価にあたってはリスク発生時の影響金額やリスクの発生可能性に基づく定量的な評価基準を設定し、評価結果を客観的に比較・統合できるようにしております。上記のアウトプットを参照資料として「azbilグループ総合リスク委員会」にて経営層による審議を行い、「azbilグループ重要リスク」及びそれ以外の「部門管理リスク」を決定し、結果については取締役会に報告します。
抽出された各リスクに対しては、期初に年間のリスク対応計画を策定し、期中と期末に行われる「azbilグループ総合リスク委員会」にて計画の進捗報告を行い、計画の遅延や推進上の課題を都度認識・改善することでPDCAサイクルを回しております。「azbilグループ重要リスク」についてはリスクごとに担当役員が直接状況報告を行いますが、「部門管理リスク」については、計画の進捗状況を集約した台帳ベースで確認を行います。また、四半期に一度開催される「azbilグループCSR推進会議」では、より高頻度にリスク対応計画の進捗確認を行っております。


影響度と発生可能性でリスクをプロットすることにより、管理すべき優先順位を視覚的に把握する
(3)事業等のリスク
今回選定されたazbilグループ重要リスクに関する詳細は以下のとおりです。
| ①品質に関するリスク |
| リスク認識 製品の設計・製造品質の確保不足、あるいは量産工程における教育不徹底や意識不足等によるデータの不備や不適合品等が発生した場合、製品不適合によるリコールが必要となり、多額のコストが事業の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社の事業上の強みが「高い品質」にあることから、上記の事象が顧客からの評価や信用の低下を引き起こし、影響が重大化もしくは長期化する可能性も考えられます。昨今ではSNSの普及により品質トラブルを含む風評が広まりやすく、当該リスクの影響度及び発生可能性が以前よりも高まっていると認識しております。当社は法人向け事業の割合が高く、SNSによる影響は限定的と考えられるものの、経営としては引き続き適切な備えが必要だと考えております。 |
| 対策 当社グループでは、製品の設計・製造品質を確保するための対策として、開発プロセスや安全設計に関する標準の運用や、生産現場の各工程で不適合品を「①入れない②つくらない③出さない」ための手順の標準策定・運用、安全な製品提供のための審査制度、適正な検査作業工程維持のための生産ラインの管理・改善、グループワイドでの業務プロセス点検やISO9001の内部監査を活用した取組みを行っております。また、法規制の変化に対応するため、製品に含有する化学物質規制や製品安全関連の法規制・規格等について、製品開発時や量産段階における確認プロセスを標準化し、厳格に運用しております。 製品品質に関わる重大な問題が発生した場合、市場品質情報として即座にグループ品質保証担当役員と事業責任者へ伝達され、関連部門での共有と必要な対策・情報開示が迅速に行われる仕組みを整備しております。また、発生した品質問題に対し、原因の解析、対策の実施、技術・評価基準への反映及び設計知識データベースへの登録をはじめとした技術継承にも繋げる活動を行い、再発防止に努めております。なお、問題発生に際しての備えとして、製造物責任や製品欠陥に起因する損害賠償に対する保険加入等の対策も強化しております。加えて、当社の品質に関するレピュテーションに影響を与える可能性が考えられるSNS上の事象を検出する仕組みも強化しております。 品質管理対応に関連する情報は、グループ品質保証担当役員を委員長とした品質保証委員会をはじめとする会議体にて定期的に共有・可視化するよう努めております。 |
| ②情報セキュリティに関するリスク |
| リスク認識 当社グループでは、事業上の重要情報及び事業活動の過程で入手した個人情報や顧客、取引先、提携先等の機密情報を保有しております。 近年、国内外において、個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)をはじめとする情報関連法令の整備・強化が進んでおり、これらの法令を遵守するための体制整備や情報セキュリティの強化が求められております。また、サイバー攻撃の手法が日々高度化、巧妙化している状況を踏まえ、サイバーセキュリティ対策を継続的に強化することも必要であると考えております。 これらに関連するリスクとして、 ① メールの誤送信、業務用端末の紛失盗難等により、個人情報・顧客情報・機密情報が外部に漏洩するリスク ② サイバー攻撃により個人情報・顧客情報・機密情報が外部に漏洩するリスク ③ 社内システムや顧客向けクラウドサービスがサイバー攻撃を受け停止し、業務継続ができなくなるリスク 等が存在しております。 これらの事象が発生した場合は、法令に基づく罰金や損害賠償の支払いや社会的な信用の低下等により業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは2020年度に発生したコンピューターウイルス感染事案を重く受け止め、日々変化する脅威に対応するため、情報セキュリティ対策の強化及び運用体制の継続的な改善に一層努めてまいります。 |
| 対策 当社グループでは、情報セキュリティ及び個人情報保護に関するリスクの低減を目的として、関連法令の遵守、社内規程の整備・運用並びに従業員への教育を継続的に実施しております。 具体的には、業務用端末の暗号化、誤送信防止策の導入、デバイス管理の強化及びアクセス管理等の技術的対策に加え、情報セキュリティ教育やインシデント発生時の対応体制(CSIRT※1)の整備・訓練等、組織的・人的対策を講じております。 また、サイバー攻撃への備えとして、ネットワーク及び端末に対する監視・防御体制の強化、生産設備と業務系ネットワークの分離、並びにバックアップの整備等による対応力の向上に努めております。 さらに、商品・サービスに関しては、セキュリティ専門組織によるリリース前のセキュリティ審査や、リリース後の脆弱性情報の収集・対応を行うことで、セキュリティ事故の未然防止に努めております。 これらの取組みを、azbilグループ情報セキュリティ基本方針のもと、継続的に遂行してまいります。 ※1 CSIRT(Computer Security Incident Response Team):当社のセキュリティ事故対応チーム |
| ③技術・商品開発に関するリスク |
| リスク認識 近年急速に進展しているメタバース※2やWeb3.0※3、生成AI※4等といったDX関連の技術革新や、国際標準動向への対応が遅れた場合、商品の陳腐化と顧客離れが進み、市場拡大ができないリスク、市場からの撤退を迫られるリスク、及び事業領域が広がらず縮小均衡に陥ってしまい事業成長できないリスクが想定されます。また、研究開発投資について、現時点では適切なテーマ設定に基づく技術・商品開発プロジェクトへの人的、資金的リソースの投入を行っておりますが、開発テーマを継続的に確保するための対応が不十分な場合、中長期的には開発テーマ不足に至る可能性があり、リニューアル商品、新規商品が不足し、中長期目標の達成が不達になることが考えられます。加えて、製品・技術の研究開発を進めていても、研究開発プロセスの管理不備やリソース不足、開発力自体の低下が生じた場合には、新製品の投入遅延や開発自体の失敗によってマーケットシェアが減少し、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ※2メタバース:一つの仮想空間内において、様々な領域のサービスやコンテンツが生産者から消費者へ提供される場 ※3Web3.0(ウェブスリー):ブロックチェーンによる相互認証、データの唯一性・真正性、改ざんに対する堅牢性を基に、個人がデータを所有・管理し、中央集権不在で個人同士が自由に繋がり交流・取引する世界 ※4生成AI:自らの訓練に使用されたデータを基に、テキストや写真、動画、コード、データ、3D画像等の出力を生成又は作成する人工知能アルゴリズム |
| 対策 技術革新に対しては、関連技術動向、競合動向、国際標準動向を各開発組織やマーケティング組織で継続して注視しております。加えて、全社マーケティング・開発横断で実施される技術開発担当役員を議長とした商品力強化会議にて情報の捕捉や課題認識に努め、全社開発検討会では、より具体的なテーマ(重点商品開発テーマ、MEMS、アクチュエータ、AI、クラウド等の領域)について、取組み状況を確認しております。 技術・商品開発の具体的なテーマの抽出においては、ニーズ・シーズマッチング活動※5等により、マーケティング・開発一体でのテーマ創出活動を強化・推進しております。また、外部環境の変化を捉えるため、特に海外開発拠点であるアズビル北米R&D株式会社や東南アジア戦略企画推進室では、海外の技術開発パートナーとの連携によるエコシステム構築への対応も進めております。加えて、“現場で価値を創る”ことを目指した商品提案力強化のため、azbilグループシステム・プロダクト事業ポートフォリオ検討タスクを構成して対応を進めております。具体的な施策としては、保有する技術の競争優位性を高めるためにコア技術としてのセンシング技術領域、アクチュエータ技術領域、クラウド技術領域において、Corporate R&D(全社研究開発部門)及び事業ラインのR&D組織改定を実施し、顧客ニーズに基づいた商品力強化に繋げる体制構築を図っております。 研究開発プロセスの管理不備による開発遅延に対しては、開発プロセス標準の改良(リスク要因の抽出プロセスの設定、リスク検証における管理技術の導入による後戻り防止や遅延リスクの事前検討、伝承すべき技術要素のドキュメント化等)を実施しております。また、技術開発担当役員を委員長とした技術委員会を定期的に開催し、更なる全社での開発の連携強化や人材リソース配置の調整によるリソース確保を実施しております。 中長期的な開発力向上については、開発プロジェクト推進の根幹となる開発人材(マネジメント及びスペシャリスト等)の育成が必要だと認識しております。当社グループでは、技術委員会傘下の開発系人材専門部会によるタレントマネジメントシステムの導入・運用等を進めており、開発人材の育成や最適配置に関する企画立案と施策展開を強化しております。また、イノベーションを起こす風土づくりを推進するため、国内外における外部連携(大学やスタートアップ企業等)の拡大や全社研究開発の中核拠点である藤沢テクノセンターの新実験棟に協創エリアの設置等、協創活動をより一層強化しております。 ※5ニーズ・シーズマッチング活動:ニーズ(お客様が求めている必要性)とシーズ(メーカの持っている特別な技術や材料)のマッチングを推進する活動 |
| ④国際情勢変化への対応に関するリスク |
| リスク認識 グローバル事業の拡大に伴い、進出先における政治経済情勢の変化、現地の法律や規制等の改正、自然災害、テロ、ストライキ、戦争、感染症の蔓延の発生や世界各国における紛争や政治的対立による地政学的リスクの増大等、不測の事態に遭遇する危険性が増しております。そのような中、予期せぬ戦争状態の発生や主要国における経済措置等を原因とした対立の激化、それに対する各国の制裁措置等が発動された場合、当社のグループ企業の従業員の安全性が損なわれる可能性があることに加え、事業、与信管理も含めた業績及び財政状態に一定の影響が出る可能性があります。 また、国際情勢の変化に伴い、国内外の輸出管理関連法令が当社グループの想定しない形で突発的に強化又は変更される可能性があります。これにより、新たに規制当局の許可等が必要となるなど、当社グループの事業活動に一定の影響を及ぼす可能性があります。 加えて、急激な為替レートの変動は、売上高、原材料・部品の価格、販管費等の経費に影響し、当社グループの業績及び財政状態に一定の影響を及ぼす可能性があります。 さらに、米国による相互関税措置をはじめとする各国の通商政策の不透明性に加え、中東地域の情勢不安定化により、エネルギー価格や国際物流を含む世界経済の先行き不確実性が一層高まっています。これにより、原材料・エネルギーコストの変動、物流の停滞、調達期間の長期化等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に一定の影響を及ぼす可能性があります。 |
| 対策 国際情勢変化に伴う従業員の安全や事業継続を脅かすリスクに対して、当社グループでは、進出先の各国・各地域の地政学的リスクの変化に十分な注意を払い、各国・各地域ごとに情報収集・リスク判断を行っております。また、当社グループにとって致命的な影響を及ぼすイベントについては重点的な検討を行い、人命安全マニュアルやBCP(Business Continuity Plan-事業継続計画)等の整備を進め、人命第一の対策を講じております。これら対策の実効性担保のため、専門家への相談、海外現地法人におけるマニュアル整備や本社との通信テストの実施のほか、関連部門で情報共有体制の構築をしております。加えて、既獲得案件については案件単位で状況を把握し、適切に対応しております。 輸出管理関連法令等については、国際情勢及び国内外の関連法規制の変化に十分な注意を払い、常に情報の収集に努めております。法規制の変更があった場合には、社内の運用体制の見直し等を通じて輸出取引審査を厳格化するなど、輸出管理の適正性を担保するための取組みを行っております。また、法規制変更やこれに伴う運用体制の見直しについては、当社グループ内の各種会議体において報告や議論を行い、周知徹底するとともに、継続的な改善に努めております。 為替変動に対しては、適切な財務上の為替ヘッジを行いつつ、海外生産の拡大等によるリスク軽減に取り組んでおります。 相互関税の発動を含む通商政策の急激な変化や、中東情勢の不安定化によるエネルギー供給及び物流への影響に対しては、当社グループでは各国の政策動向に関する情報収集体制を強化しております。また、特定国への依存を回避する観点から、調達先の分散や複数調達先の確保、柔軟なサプライチェーンの再構築を推進し、国際情勢変化に対する対応力の強化に努めております。 |
| ⑤自然災害に関するリスク |
| リスク認識 当社グループのBA事業、AA事業、LA事業の国内拠点(本社、支社等)や、マザー工場として生産機能の中核となる湘南工場及びグループ製造子会社、海外の生産拠点において、地震・津波、噴火といった自然災害や火災・爆発など不測の事態が発生した場合、当社のグループ企業の従業員の安全を脅かす可能性があります。これに加え、建屋や生産設備・機械、出荷前の製品等に損傷が生じ、復旧費用が必要となり、業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、当社の生産ラインに限らず、社会インフラやサプライヤーにも被害が生じた場合、当社の工場生産や事業活動が阻害され、当社の製品・サービス提供、業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 |
| 対策 当社グループでは地震等の自然災害の発生時に生じる損害を最小限に抑えるべく、人員や生産設備等に求められる対応準備を進めております。具体的には、工場等の重要施設や建物における耐震化、非常用電源や非常用通信網の整備、災害備蓄品の配備に加え、社員の安否確認システムの導入や各拠点における安全確保のため初動対応ガイドラインの作成、定期的な防災訓練や初期消火訓練といった対策を行っております。 また、これらの対策にもかかわらず当社の建屋等に損傷が生じてしまった場合への備えとして、予想される損害に対する保険加入及び、保険の対象や保険金の適正性の見直しを通して、復旧にかかる財務上の影響の平準化も図っております。 さらに、事業の中断、阻害に対処するためのBCM(Business Continuity Management-事業継続マネジメント)にも取り組んでおり、実効性を確保できるよう継続的に改善を進めております。災害による事業停止に対しては事業継続目標を設定のうえ実行可能性を検証し、そのために必要な資金及び製品や部品の在庫の確保、最優先業務を継続するための代替拠点の設定とその体制の整備をしております。具体的には、本社の代替拠点としての関西・九州事業所の設定、サービス・エンジニアリング機能の拠点間支援体制の整備、国内複数地域、中国、タイ、ならびにベトナムの工場における主要生産品目の生産拠点の分散化、また、物流拠点の京都と神奈川との2拠点体制の設定による相互でのバックアップ可能な体制構築等、重要な機能・業務停止時における代替性を高める対策を進めております。さらに、首都圏の活動制限等のロックダウン相当の事態を想定した生産対応計画を策定しております。 |
| ⑥人材の確保・育成に関するリスク |
| リスク認識 今後の技術発展や社会情勢の変化等に誘発される事業構造の変化、採用競争の激化、あるいは働き方をめぐる社会的議論を背景に、既存の人事施策にとらわれない柔軟かつ適切な人材配置の必要性が高まる可能性があります。 また、少子高齢化や多様性の進展、働き方改革をはじめとした新労働法制の施行等を背景に、労働者の意識や絶対数の変化に加え、事業に必要な人員の質と量にも変化が生じており、従来の人材戦略を継続することでは中長期的な人材不足が発生し、事業のパフォーマンスが慢性的に低下する可能性があります。 加えて、当社グループの成長においては海外事業及び新規事業の展開・拡大が不可欠であり、目的に合致した人材の確保やスキル教育等が順調に進捗しない場合には、事業成長目標の達成を阻害する要因となる可能性があります。 |
| 対策 当社グループは、「社員は重要な財産であり、新たな企業文化と企業価値の創造の源泉である」という普遍の考え方をベースに、「健幸経営」の推進を掲げて各種人事施策を展開しております。 事業構造の変化に対しては、人材のローテーション、再配置、また新しい部署で必要となるスキル・知識のリスキリングの実施により、環境変化に柔軟に対応できる人材の育成・確保と、最適配置の実現に努めております。これらに加えて、DX教育を含む人材育成全般の強化も行っております。 社員の就労観の変化に対しては、オープンチャレンジ制度(社内公募による異動制度)やキャリア意向調査制度を整備・運用し、適材適所の人材配置を計画的に進めております。加えて、特に技術・技能レベルの高いベテランスペシャリストに関しては、技術・技能の継承に向けた個別の後継者育成計画の立案や、DXを活用した技術継承等の施策を行っています。 これらの施策の実効性向上のため社員エンゲージメントサーベイによる検証を行い、一年間に仕事を通じて成長を実感している社員の割合を2030年までに65%とする目標を立てております。現時点での割合は約60%となっており、サーベイの結果を分析し、継続的な施策改善を推進しております。 採用環境の変化に対しては、事業部門と人事・人材開発部門が一体となって策定した人員計画に基づく採用活動の強化に加えて、継続的な処遇の改善、定年延長(雇用延長)、及びライフイベントに応じた柔軟な働き方を支援する勤務制度の導入等を通じて、人材確保・定着を図っております。あわせて、生成AIの活用を含むデジタル技術による業務改革やアウトソースを活用した適正負荷配分等を通じて、生産性の向上を図っております。 海外事業や新規事業の展開に必要な人材の確保に対しては、当社グループでは採用手法の多様化を進めるとともに海外事業における採用を強化しております。採用手法としては、即戦力として期待できるキャリア採用の強化に加え、社員による紹介採用(リファラル採用)やアルムナイ採用を実施しております。また、海外事業の人材基盤強化を目的として、新卒採用において海外出身者を10名以上採用する目標を掲げ、海外大学の卒業生を積極的に採用しております。さらに、海外現地法人における採用促進に向けて、本社で培った採用方法やノウハウを各現地法人へ展開しているほか、国内外の大学から当社の海外拠点を含む各拠点へのインターンシップ学生の受入れ・派遣を通じて、採用チャネルの拡充に努めております。 |
| ⑦生成AIに関するリスク |
| リスク認識 生成AIの急速な技術進歩と普及はビジネス及び社会全体に多大な影響を及ぼしております。生成AIの利活用により、業務効率化や製品・サービスの新規開発・高付加価値化が期待される一方で、個人情報や営業秘密等の漏洩、知的財産権侵害、誤情報の生成・拡散、意図しないバイアスによる不適切な判断等のリスクが生じる可能性があります。 他方、当社が生成AIを活用した製品・サービスを提供する場合においても、上記と同様のリスクに加え、生成AIに関する法規制への不適合や違反に伴うリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、当社の社会的信用及びブランド価値の毀損、罰金の支払、損害賠償請求等が発生し、当社の事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 生成AIに関する法規制は世界各国において整備が進んでおり、今後の規制強化により当社の業務効率化や製品・サービスの新規開発・高付加価値化に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点では規制対象や適用範囲が流動的であり、その動向及び影響度を合理的に見積もることが難しい状況にあります。 さらに、生成AIを活用した新規参入事業者の登場により、当社の事業基盤及び競争力に影響を及ぼすリスクも考えられます。 |
| 対策 当社グループでは、生成AIの利活用に伴うリスクを適切に管理するために、いくつかの具体的な対策を講じております。まず、生成AIの利用に関するガイドラインを策定し、その内容に基づいた利用統制を実施しております。さらに、技術動向、法規制の変化や製品・サービスへの組込みに対応するため、ガイドラインの見直しを継続的に行っております。 また、技術的な対策として、生成AI利用時における機密情報の漏洩防止措置を講じるとともに、万が一漏洩が発生した場合を想定した対応体制を整備しております。さらに、全社員に対する教育研修を実施し、生成AIの利用に伴うリスクへの意識を高め、著作権侵害リスクの回避、安全性と正確性の確保、倫理的配慮等の徹底を図っております。 これらの対策を通じて、法規制の動向を踏まえて必要に応じた対処を実施することで、生成AIの利用に伴うリスクの低減を図っています。また、生成AIを活用した製品・サービスを検討していく中では、新規参入事業者による事業影響を複数の情報源により可視化し、競争優位性を確保する対処を施すようにすることをし、当社グループの競争力維持・向上に努めております。 |