有価証券報告書-第79期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 16:01
【資料】
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【項目】
192項目
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
①経営戦略と人財戦略の関係性
当社は中期経営計画「Evolving Growth 2.0 -A New Horizon-」において、半導体およびライフサイエンス分野
を中心とする重点領域での成長を通じ、「最先端テクノロジーに挑戦するお客様とイノベーションを共創する
グローバルリーダー」を目指しています。
当該戦略の実現においては、人的資本が当社の価値創造プロセスの中核を担います。当社はアカデミアや民間の
先端研究においてハイエンド且つ高額の分析加工装置やそれらによるソリューション提供を行っているため、特
に、先端の研究開発力、製品投入スピード、および顧客現場での課題解決力の向上が重要であり、いずれも高度専
門人財の確保と適切な配置に大きく依存しています。
当社はこれらを踏まえ、以下の4点を人的資本戦略の中核と位置付けています。
• 半導体・ライフサイエンス分野の専門性を持つ人財の採用
• 戦略ベースでの組織設計と機動的な人員の再配置
• 一人ひとりの社員の当事者意識の醸成
• 高いエンゲージメントを保つウェルビーイング経営の実践
これらの取り組みにより、開発力と実行力を高め、重点市場における競争優位の確立を通じて、成長性・収益
性の向上および資本効率の改善につなげていきます。
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②人的資本への依存・影響と機会・リスク
当社の成長戦略は人的資本への依存度が高く、その確保および活用の成否が中期経営計画の達成に直接的な影
響を及ぼします。
半導体・ライフサイエンス分野において当社は後発であり、当該分野に強みを持つ人財は依然として不足して
います。一方で、技術課題自体は相当程度明確化しており、必要な人財リソースの確保が進めば、開発スピードの
向上と適切な製品投入タイミングの実現により、競争優位性を確立できる可能性があります。他方で、この人財
確保が進まない場合、重点領域における競争力確保は困難となり、戦略の実行に重大な影響を与える可能性があ
ります。
また、従来は機能別・製品別の組織運営により、人財の最適配置が十分に行われてこなかったため、戦略ベー
スの組織設計へと移行し、リソース配分の最適化を進めています。これにより戦略実行スピードの向上が期待さ
れる一方、運用を誤った場合には現場の負荷増大やエンゲージメント低下といったリスクも認識しています。
当事者意識の醸成については、意思決定の迅速化と現場起点の価値創出を可能とする重要な要素です。一方
で、権限委譲の進展に伴い、ミドル層の負荷が増大する懸念があり、マネジメント支援および人事制度面での対
応を進めていく必要があります。
エンゲージメントおよびウェルビーイングは、組織パフォーマンスおよび採用競争力に直結する要素であり、持続的な成長の基盤と位置付けていますが、短期的な業績との直接的な紐付けが難しい側面もあり、継続的な取
り組みが必要です。
③具体的な人財戦略とKPI進捗
■半導体・ライフサイエンス人財の採用
重点ポジションごとに採用進捗(書類選考、面接、内定等)を可視化し、四半期ごとに経営会議・取締役会にて
KPIとして報告しています。今年度から本格的に取り組みを開始しており、今後数値の蓄積と改善を進めていき
ます。
キャリア採用では、採用業務の一部をアウトソーシングするRPOサービスを導入し、人財本部のリソース不足を補
いつつ、キャリア採用の質とスピードの改善を図っています。特に重点分野についてはフィーを高く設定し、優先
的に対応しています。
また、社内公募制度を復活させ、社内人財の最適配置と戦略転換のスピード向上を図っています。
■戦略ベースでの組織設計と機動的な人員の再配置
2026年4月より管理職にジョブ型人事制度を導入し、戦略に基づく迅速な人財登用を可能としました。従来の職
能資格制度では、登用に時間を要する傾向がありましたが、職務・役割に基づいて必要な人財を機動的に配置でき
る仕組みへと転換を進めています。
また、当社は人財配置と一体となった評価・報酬制度の整備を進めています。給与については、職務・役割およ
び成果を基準とし、全社共通の基準のもとで決定することを基本としています。
さらに、目標管理制度と連動した評価・報酬体系により、戦略目標と個人の成果との整合性を高めることで、組
織全体の実行力向上を図っています。
2025年10月に実施したエンゲージメントサーベイ(Wevox*1)において、KPIとしている項目について、既に以
下の改善が見られていますが、人事制度改定はまだまだ続くので、今後更なる向上を目指していきます。
*1Wevoxは、株式会社アトラエの登録商標です
項 目FY23FY25
評価への納得感5860(+2pt)
給与への納得感5457(+3pt)
やりがい6062(+2pt)
達成感5860(+2pt)

※FY26の目標はFY25比2ptの改善
戦略的な組織設計の土台となる後継者計画については本部長以上で100%策定済みであり、今後は部長・グループ長層へ拡大し、KPI管理していきます。
■一人ひとりの社員の当事者意識の醸成
全社員に目標管理制度を導入し、中期経営計画と個人業務の連動を図っています。業績目標に加え、行動目標の設定を義務付け、四半期ごとのフィードバックにより実行力と成長を促進しています。
また、今年度中に予定している社内公募制度やキャリア対話の仕組みの導入により、キャリア自律と主体的な行動を促進しています。KPIについては現在検討中です。
■高いエンゲージメントを保つウェルビーイング経営の実践
当社は、組織パフォーマンスの基盤として、社員の状態および働く環境を多面的に把握・改善していくことが重要であると認識しており、エンゲージメント、健康経営、DOI(Diversity, Opportunity and Inclusion)を主要な指標として管理しています。
⦅エンゲージメント⦆
エンゲージメントサーベイ結果を全組織に開示し、ライン長による改善行動の設定を必須化しています。スコア
を細かく見ると、ほぼ全項目に亘って改善が見られる中、「ミッション・ビジョンへの共感」「会社の方針や事業
戦略への納得感」には大きな変化が見られていません。中期経営計画の初年度として様々な施策を打ち出したもの
の、明確な変化を感じていないというコメントも散見されました。社内コミュニケーションも課題の一つと認識し
ており、ライン長任せにせず、トップを含めた全社員の当事者意識を高めつつ、継続してPDCAを回していきま
す。
指 標FY23FY25
総合スコア6365(+2pt)

※FY26の目標はFY25比2ptの改善
⦅安全・健康に働くことができる環境の整備(健康経営)⦆
当社は、全ての従業員が安全かつ健康に働き、その能力を十分に発揮できる環境の整備を重要な経営基盤と位置
付けています。
社員の心身の健康維持・向上に向け、「JEOLグループ健康経営戦略マップ」に基づき、「運動」「食事」「こころ」「疾病」「教育」「喫煙」等の課題に対する施策を推進し、KPI設定のもとPDCAサイクル
による改善を図っています。
2026年度は「健康経営推進室」へ体制を強化し、敷地内全面禁煙の継続および禁煙支援プログラムの実施を進め
ています。
健康経営については、以下のKPIにより管理しています。
項 目実施施策KPI(原則対前年度改善)
健康経営健康経営の推進(運動・食事・こころ・疾病・教育・喫煙)・健康経営優良法人認定の継続(2022~2026年度)
・2029年度「ホワイト500」認定
・従業員の健康状態および行動変容に関する指標の
把握・改善

当社は2026年度も「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定を取得しており、今後も継続的な取り組みの高
度化を進めていきます。
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⦅DOI(Diversity, Opportunity and Inclusion)⦆
DOIについては、全ての項目が改善しているのは喜ばしいですが、偶然が重なっただけの可能性も十分あるの
で、全く楽観視していません。特に重視している女性管理職については、候補者の特定と育成計画により底上げを
図ります。一方で公正な登用を前提とし、制度の信頼性と組織の持続性を重視します。
項 目FY24FY25FY29目標
女性管理職比率5.2%6.3%10%
女性新卒採用比率12.5%24.2%25%
男性育休取得率55.9%88%100%
障がい者雇用率2.4%2.5%2.7%

※女性新卒採用比率はFY24は25年4月1日実績、FY25は26年4月1日実績。
④今後の検討項目
当社はKPIの継続性を重視しつつ、戦略実行フェーズに応じて柔軟に見直しを行っていきます。
現状では、人的資本施策の進捗および組織パフォーマンスの改善状況を中心に管理を行っていますが、今後は人
的資本の投入と成果との関係性についても、より適切に把握していくことが重要であると認識しています。
そのため、人的資本の効率性および生産性を示す観点から、指標の高度化に向けた検討を進めていきます。
これらについては、当社の事業特性や経営管理の枠組みとの整合性を踏まえたうえで、段階的に開示の充実を図っていきます。
(注)人的資本に関する指標及び目標については、現時点では連結グループ全体でのデータ管理・把握が困難であ
るため、主要な事業を営む提出会社単体の数値を記載しております。今後は、連結グループ全体でのデータ
整備・開示に向けて取り組んでいきます。
  • 有価証券報告書-第79期(2025/04/01-2026/03/31)

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