有価証券報告書-第78期(2024/04/01-2025/03/31)
②指標および目標について
上記①の戦略を前提として、先に挙げた矛盾の解消のために、直近で優先度が高い施策は、公正な評価・報酬とタレントマネジメントの仕組みを通じて育成スピードを上げること、会社主導のタレントマネジメントと当事者意識を持った社員のキャリア自律の同時促進、ウェルビーイング経営の3つだと考えています。

■育成のスピードを上げる
現在、評価・等級・報酬といった人事諸制度の改定を進めております。2025年の4月より、管理職の評価制度のみを先行して改定し、目標管理の再徹底、行動目標設定による管理職層の成長促進、エンゲージメントサーベイのアクションプランと行動目標の連動、フィードバックの徹底などを盛り込みました。いずれも目新しいものではありませんが、高い目標へのチャレンジと絶えざる成長を促すための基礎となる、重要な一歩だと考えています。今後、管理職の他の制度や、一般職の諸制度の改定も検討を進めていきます。先述した専門職に適切な人をアサインし、適切に処遇していく仕組みも検討していきます。
この中で特に意識して進めたいのが、育成のスピードを上げることです。日本では今後急速に労働力が不足していきますが、日本電子は研究開発も製造も日本が中心であり、この点への対応は非常に重要です。従来の制度に残っている年功的な部分を改め、各人の成長スピードに合わせた、より柔軟な制度運用を通して、適所適材の実現に近づけていけると考えています。なお、平均的な昇格スピードを上げるというよりも、特に投資すべき人財を選抜し、その層を重点的に育成していくことを志向します。具体的な内容について、今後検討を進めます。
これら一連の施策をモニタリングしていくための指標ですが、現時点では、結果指標としての性格が強い以下の二つを設定しております。人事諸制度改定の検討と並行して、施策の進捗をモニタリングできるような中間KPIについても、設定していく予定です。
(人事諸制度の改定)
■タレントマネジメントとキャリア自律
タレントマネジメントは会社起点、キャリア自律は個人起点の取り組みですが、世界観や目指すところは共通しています。根底にあるのは「人的資本の所有者は個人であって会社ではない」ということです。会社は、一人ひとりの社員から人的資本を一時的に借り受け、それを運用して資産を増やし、結果として人的バランスシートとでも言うべき人的資本を拡大させていくというのが、人的資本経営の考え方です。この考え方を、日本電子が直面している課題に当てはめ、意欲ある人財が、成長し続けていけるための環境を作ります。
タレントマネジメントは、諸々の人財開発施策を通して、人的資本を拡大させていくための中核であり、具体的には、後継者管理やハイポテンシャル人財の育成に力を入れていきたいと考えています。全社タレントレビューを通して、少なくとも経営陣の中ではキー人財が見える化されている状態を作り出し、戦略的なローテーションなども実施していきたいと考えています。一方で、一人ひとりの社員にはキャリア自律を促し、自らのキャリアについて、上司との話し合いを通じて、オーナーシップを持てるような仕掛けを作っていきます。会社・個人両面からの取り組みを同時に実施していくことで、社内人財を流動化させ、全社的な適所適材の実現を目指します。
並行して、要員管理の仕組みも整えていきます。現状では人員数と労務費の管理までですが、将来的には職種やスキルを追加して解像度を上げ、動的人財ポートフォリオの策定ができるようにしていきたいと考えています。
KPIとしては、タレントマネジメントに関連するものを中心に設定しています。キャリア自律や人財ポートフォリオに関する具体的な施策は目下検討中となりますので、KPIについても、これから検討していきます。
■ウェルビーイング経営
そして最後がウェルビーイング経営です。今後労働力不足が進む日本において、働く場として魅力的であることは、日本電子の持続的な成長の必須要件です。内容としてはDOI(Diversity, Opportunity & Inclusion)とエンゲージメントが中心になります。
DOIについては、当社はこれまで両立支援の取り組みを進め、2023年に「えるぼし(3段階目)」、2024年に「プラチナくるみん」の認定を受けており、引き続き社員が働きやすい環境づくりを推進してまいります。多様な視点での考えや発想は事業成長のためには不可欠な要素であり、更なるイノベーションの創出のためにDOIの推進をより一層進めてまいります。
エンゲージメントについては、2023年度に初めてのエンゲージメントサーベイを実施し、現在その結果に基づいたアクションを実施中であり、2025年度には二回目を実施予定です。DOI、エンゲージメントともに、全社的な数値目標は設けますが、各部署・マネージャー単位の目標はあえて設定しません。これは、エンゲージメントのスコアや登用・配置にバイアスや歪みが入らないようにするためです。代わりに、アクションそのものを着実に実行できるように、数値ではなく、アクションの実施を各人の行動目標に盛り込み、着実な実施に繋げていきます。数値は後からついてくると考えています。
(エンゲージメント向上)
■安全・健康に働くことができる環境の整備
当社は、全ての従業員が活躍できるよう安全・健康に働くことができる環境整備に努めてまいります。
a.健康経営の取り組み
当社は、経営理念を実現するため、社員一人ひとりが心身ともに健康であり、健康づくりを通じて活力ある社員を増やすべく、健康経営に取り組んでいます。健康経営では、「JEOLグループ 健康経営戦略マップ」を策定し、健康上の課題を明確にするとともに、KPI(指標・目標)を設定し推進しています。戦略マップでの「運動」「食事」「こころ」「疾病」「教育」「喫煙」などの課題に対しては、様々な施策を実行し、PDCAサイ
クルを回して改善を図っています。
2025年度は、健康経営推進事務局を新設し、更なる健康経営の推進を図っていきます。喫煙対策では、2025年度より会社敷地内を全面禁煙にするとともに、喫煙者に対して引き続き「禁煙・卒煙」をサポートする「禁煙応援プログラム」を実施していきます。
b.健康経営優良法人取得について
当社は、「健康経営優良法人認定制度」にて2022年度、2023年度、2024年度、2025年度と4年連続で「健康経営優良法人(大規模法人の部)」の認定を取得しております。今後は活動内容をさらに充実させ、健康経営優良法人認定取得を継続させるとともに、2029年度には「ホワイト500」の認定取得を目指してまいります。

(注)指標および目標における取り組みは、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、提出会
社の数値のみ記載しております。
上記①の戦略を前提として、先に挙げた矛盾の解消のために、直近で優先度が高い施策は、公正な評価・報酬とタレントマネジメントの仕組みを通じて育成スピードを上げること、会社主導のタレントマネジメントと当事者意識を持った社員のキャリア自律の同時促進、ウェルビーイング経営の3つだと考えています。

■育成のスピードを上げる
現在、評価・等級・報酬といった人事諸制度の改定を進めております。2025年の4月より、管理職の評価制度のみを先行して改定し、目標管理の再徹底、行動目標設定による管理職層の成長促進、エンゲージメントサーベイのアクションプランと行動目標の連動、フィードバックの徹底などを盛り込みました。いずれも目新しいものではありませんが、高い目標へのチャレンジと絶えざる成長を促すための基礎となる、重要な一歩だと考えています。今後、管理職の他の制度や、一般職の諸制度の改定も検討を進めていきます。先述した専門職に適切な人をアサインし、適切に処遇していく仕組みも検討していきます。
この中で特に意識して進めたいのが、育成のスピードを上げることです。日本では今後急速に労働力が不足していきますが、日本電子は研究開発も製造も日本が中心であり、この点への対応は非常に重要です。従来の制度に残っている年功的な部分を改め、各人の成長スピードに合わせた、より柔軟な制度運用を通して、適所適材の実現に近づけていけると考えています。なお、平均的な昇格スピードを上げるというよりも、特に投資すべき人財を選抜し、その層を重点的に育成していくことを志向します。具体的な内容について、今後検討を進めます。
これら一連の施策をモニタリングしていくための指標ですが、現時点では、結果指標としての性格が強い以下の二つを設定しております。人事諸制度改定の検討と並行して、施策の進捗をモニタリングできるような中間KPIについても、設定していく予定です。
(人事諸制度の改定)
| 項目 | 実施施策 | KPI(原則対前年度改善を目指す) |
| 評価・等級・報酬 | ・評価/等級/報酬制度改定 ・ミドルマネージャー開発支援 | ・エンゲージメントスコア(評価への納得感、給与への納得感):対前年度改善 ・エンゲージメントスコア(やりがい、達成感):対前年度改善 |
■タレントマネジメントとキャリア自律
タレントマネジメントは会社起点、キャリア自律は個人起点の取り組みですが、世界観や目指すところは共通しています。根底にあるのは「人的資本の所有者は個人であって会社ではない」ということです。会社は、一人ひとりの社員から人的資本を一時的に借り受け、それを運用して資産を増やし、結果として人的バランスシートとでも言うべき人的資本を拡大させていくというのが、人的資本経営の考え方です。この考え方を、日本電子が直面している課題に当てはめ、意欲ある人財が、成長し続けていけるための環境を作ります。
タレントマネジメントは、諸々の人財開発施策を通して、人的資本を拡大させていくための中核であり、具体的には、後継者管理やハイポテンシャル人財の育成に力を入れていきたいと考えています。全社タレントレビューを通して、少なくとも経営陣の中ではキー人財が見える化されている状態を作り出し、戦略的なローテーションなども実施していきたいと考えています。一方で、一人ひとりの社員にはキャリア自律を促し、自らのキャリアについて、上司との話し合いを通じて、オーナーシップを持てるような仕掛けを作っていきます。会社・個人両面からの取り組みを同時に実施していくことで、社内人財を流動化させ、全社的な適所適材の実現を目指します。
並行して、要員管理の仕組みも整えていきます。現状では人員数と労務費の管理までですが、将来的には職種やスキルを追加して解像度を上げ、動的人財ポートフォリオの策定ができるようにしていきたいと考えています。
KPIとしては、タレントマネジメントに関連するものを中心に設定しています。キャリア自律や人財ポートフォリオに関する具体的な施策は目下検討中となりますので、KPIについても、これから検討していきます。
| 項目 | 実施施策 | KPI(原則対前年度改善を目指す) |
| タレントマネジメント | ・後継者計画/育成計画 ・若手発掘/育成 ・グローバル人財発掘/育成 | ・キーポジションの後継者計画策定率:対前年度改善 ・後継者およびその他選抜人財の個別育成計画策定率:対前年度改善 |
■ウェルビーイング経営
そして最後がウェルビーイング経営です。今後労働力不足が進む日本において、働く場として魅力的であることは、日本電子の持続的な成長の必須要件です。内容としてはDOI(Diversity, Opportunity & Inclusion)とエンゲージメントが中心になります。
DOIについては、当社はこれまで両立支援の取り組みを進め、2023年に「えるぼし(3段階目)」、2024年に「プラチナくるみん」の認定を受けており、引き続き社員が働きやすい環境づくりを推進してまいります。多様な視点での考えや発想は事業成長のためには不可欠な要素であり、更なるイノベーションの創出のためにDOIの推進をより一層進めてまいります。
| 項目 | 実施施策 | KPI(原則対前年度改善を目指す) |
| DOI | ・ジェンダーダイバーシティ推進(女性積極採用/登用他) ・障がい者雇用 | ・女性管理職比率:2024年度末5.2%→2029年度末10% ・女性新卒採用比率:2025年4月12.5%→2030年4月25% ※女性キャリア採用を含めて2030年4月35%以上を目指す ・男性育児休業取得率:2024年度末55.9%→2029年度末100% ・障がい者雇用率:2025年度末までに2.7%(2025年3月末2.41%) |
エンゲージメントについては、2023年度に初めてのエンゲージメントサーベイを実施し、現在その結果に基づいたアクションを実施中であり、2025年度には二回目を実施予定です。DOI、エンゲージメントともに、全社的な数値目標は設けますが、各部署・マネージャー単位の目標はあえて設定しません。これは、エンゲージメントのスコアや登用・配置にバイアスや歪みが入らないようにするためです。代わりに、アクションそのものを着実に実行できるように、数値ではなく、アクションの実施を各人の行動目標に盛り込み、着実な実施に繋げていきます。数値は後からついてくると考えています。
(エンゲージメント向上)
| 項目 | 実施施策 | KPI(原則対前年度改善を目指す) |
| エンゲージメント | エンゲージメント向上 ・エンゲージメントサーベイの定例化 ・フォローアップアクションと行動評価への紐づけ | ・エンゲージメントサーベイ:総合スコア対前年度改善(2023年度:63pt) ・アクションプラン策定率:90% |
■安全・健康に働くことができる環境の整備
当社は、全ての従業員が活躍できるよう安全・健康に働くことができる環境整備に努めてまいります。
a.健康経営の取り組み
当社は、経営理念を実現するため、社員一人ひとりが心身ともに健康であり、健康づくりを通じて活力ある社員を増やすべく、健康経営に取り組んでいます。健康経営では、「JEOLグループ 健康経営戦略マップ」を策定し、健康上の課題を明確にするとともに、KPI(指標・目標)を設定し推進しています。戦略マップでの「運動」「食事」「こころ」「疾病」「教育」「喫煙」などの課題に対しては、様々な施策を実行し、PDCAサイ
クルを回して改善を図っています。
2025年度は、健康経営推進事務局を新設し、更なる健康経営の推進を図っていきます。喫煙対策では、2025年度より会社敷地内を全面禁煙にするとともに、喫煙者に対して引き続き「禁煙・卒煙」をサポートする「禁煙応援プログラム」を実施していきます。
b.健康経営優良法人取得について
当社は、「健康経営優良法人認定制度」にて2022年度、2023年度、2024年度、2025年度と4年連続で「健康経営優良法人(大規模法人の部)」の認定を取得しております。今後は活動内容をさらに充実させ、健康経営優良法人認定取得を継続させるとともに、2029年度には「ホワイト500」の認定取得を目指してまいります。
| 項目 | 実施施策 | KPI(原則対前年度改善を目指す) |
| 健康経営 | 健康経営の推進 ・「運動」「食事」「こころ」「疾病」「教育」「喫煙」への改善施策 | ・認定取得:①健康経営優良法人(大規模法人の部)認定取得(2022年度~2025年度取得)の継続、②2029年度に「ホワイト500」の認定取得 |

(注)指標および目標における取り組みは、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、提出会
社の数値のみ記載しております。