有価証券報告書-第67期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 16:08
【資料】
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【項目】
124項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続き、設備投資等にも持ち直しの動きが見られるなど景気は緩やかな回復傾向のうちに推移しました。また、海外経済においては、英国のEU離脱や米国大統領選等の影響により不透明な部分があったものの、米国景気が緩やかに回復し、中国を始めとするアジア地域にも持ち直しの動きがみられました。
当社企業グループを取り巻く事業環境につきましては、宇宙・防衛市場では、防衛省の海外調達が増加し、国内調達は減少しました。また、民需市場においては、主に海外のスマートフォン向けや電装化が進展する自動車向け小型部品製造市場における設備投資が活発だったものの、総じて力強さを欠く状況で推移しました。
このような状況の中、当社企業グループは、海外民需市場の開拓を進めるとともに、国内外の展示会への出展を推進し新製品の投入を進めるなどの諸施策を展開しました。なお、東海旅客鉄道株式会社(以下、「JR東海」といいます。)のリニア中央新幹線計画に協力するため、プリント配線板の製造を分担している連結子会社の山梨アビオニクス株式会社の敷地の一部をJR東海に譲渡し、当該敷地から建物等を収去する補償としてJR東海から補償金を収受すること、及びプリント配線板事業を沖電気工業株式会社グループに事業移管することとし、現在移管を進めております。
この結果、連結売上高は前期比14億78百万円減少の214億42百万円(前年同期比6.5%減)となりました。連結損益は、費用削減等に努めたものの売上高が減少したことから、営業利益が前期比5億54百万円悪化の20百万円、経常損失が前期比5億40百万円悪化の60百万円となりました。また、JR東海から当期受領した補償金36億94百万円を特別利益に計上し、また、プリント配線板事業の移管に係る費用等17億76百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比13億95百万円改善の15億10百万円となりました。
なお、収去する資産等に対する補償金に関しましては、上記特別利益の計上額の他に、平成29年度に14億77百万円、土地の引渡時に22億16百万円を計上する予定です。
また、剰余金の配当につきましては、なお累積損失が存在することから、まことに遺憾ながら普通株式、第1種優先株式及び第2種優先株式は無配とさせていただきます。
セグメントの状況は、次のとおりです。
情報システム
情報システムについては、防衛省の海外調達が増加し国内調達が減少している影響により、売上高は減少しました。セグメント利益は、諸経費削減に努めたものの売上高の減少、原価率の悪化により減少しました。
この部門の当期の売上高は121億49百万円(前年同期比7.2%減)となりました。セグメント利益は、前期比3億98百万円悪化の45百万円となりました。
電子機器
電子機器は、接合機器がスマートフォン等情報機器に使用される電子部品の小型化に対応する生産設備の需要の取り込み、アジア地域におけるスマートフォン向け設備の需要増により輸出も好調に推移したものの、前期の計測事業の譲渡による減収及び感染症対策等特定需要向け機器の減少等による影響で赤外線機器が減収となったことから、売上高は減少しました。セグメント利益は、プロダクトミックスの変動による利益の増加及び諸経費の削減に努めた結果、改善しました。
この部門の当期の売上高は66億30百万円(前年同期比1.9%減)となりました。セグメント利益は、前期比1億84百万円改善の5億6百万円となりました。
プリント配線板
プリント配線板は、車載向けの半導体高温スクリーニングテスト用プリント配線板が好調に推移しましたが、平成28年7月7日に公表いたしました「プリント配線板事業の移管」により沖電気工業株式会社グループへの受注切替えが進み、売上高は大幅に減少しました。セグメント利益は、売上高の減少により悪化しました。
この部門の当期の売上高は26億62百万円(前年同期比13.4%減)となりました。セグメント損失は、前期比3億40百万円悪化の5億32百万円となりました。
(2)連結キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ4億86百万円減少し、16億58百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」
営業活動の結果獲得した資金は、40億30百万円となりました。これは主にたな卸資産は増加したものの、税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の計上及び仕入債務の増加によるものであります。
前連結会計年度比では、売上債権は増加したものの、受取補償金並びに税金等調整前当期純利益の計上等により39億6百万円増加しております。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」
投資活動の結果使用した資金は、4億10百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
前連結会計年度比では、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等により1億85百万円使用が増加しております。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」
財務活動の結果使用した資金は、41億6百万円となりました。これは主に借入金の返済による支出によるものであります。
前連結会計年度比では借入金の返済等により40億97百万円支出が増加しております。
なお、当連結会計年度末における借入金残高は、前連結会計年度末に比べ41億5百万円減少し、45億33百万円となりました。