有価証券報告書-第64期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 9:10
【資料】
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【項目】
102項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における各地域の経済・市場概況は、日本では企業収益や設備投資の一部に緩やかな改善が見られるものの、海外においては、新興国経済の減速や米国の政権移行等による世界情勢の不安定感、英国のEU離脱問題など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当連結会計年度の売上高は69億9千7百万円(前年同期比8.2%減)、営業損失は2億7千4百万円(前年同期は2億8千9百万円の営業利益)、経常損失は為替差損が8千9百万円発生したこと等により3億2千9百万円(前年同期は2億3千7百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は6億円(前年同期は8千7百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
しかしながら当社グループは、平成26年度から平成28年度の3ヵ年の中期経営計画「Accomplish 100」の中で、市場の「変化」に対し、様々な「変化」を実現させてまいりました。販売面においては米国市場での販売体制の抜本的見直しによる流通在庫の圧縮、中国市場でのチャネルを強化すべく中国Eコマースの開始、またそれに伴う中国倉庫の新設など、それぞれの拠点において体質強化策もあわせて展開しております。生産面においては、第3の生産拠点となるフィリピンのマクタン工場が当連結会計年度より本格稼働、またいわき工場のタッチパネル専門工場化、さらに開発面においては、高付加価値商品をタイムリーに市場へ投入するための3DCAD・3Dプリンター・構造解析・流体解析システム導入などによる研究開発環境の整備、3Dプリンターを活用した試作サービスの開始、品質面では当社グループの武器である品質をさらに強化するための「品質情報一元化システム」の導入など、グローバル市場における競争力を確固たるものにするための積極的な施策を行っております。このような環境変化に対応しうる、次世代を意識した積極的な投資が近い将来実を結ぶよう努力を続けてまいります。
なお、セグメントの概況は次のとおりであります。
① 日本
為替は円安水準が続いているものの、米国の保護主義的な政策運営や欧州政治情勢など海外動向に不透明感が残る中、国内経済は力強さを欠く状態が続いております。こうした中、当社グループ販売強化項目を中心に積極的に展開して取り組みましたが、当連結会計年度の外部顧客向売上高は41億2千2百万円(前年同期比5.0%減)、グループ間の取引を含んだ売上高は61億1千2百万円(同10.3%減)となりました。
② 米国
新政権発足後、雇用・所得環境の改善は見られるものの政策の不確実性が増しており、先行き不透明な状況で推移しております。こうした中、販売チャネルとの取引形態の見直しを進めることにより、流通在庫の大幅削減を実行いたしました。さらには、当社グループ販売強化項目の一つであるカタログディストリビューターを中心とする「ネットセールス」に取り組むなど、積極的に施策を展開してまいりましたが、現地通貨ベースでは前年同期比3.0%減となりました。更に為替の影響により、当連結会計年度の売上高は22億2千3百万円(前年同期比12.5%減)となりました。
③ アジア
景気減速の動きは緩やかになったものの中国経済は引続き回復基調にはないことから、その影響が中国だけにとどまらず、アジア市場全体についても弱含みに推移しております。こうした中、当社グループ販売強化項目の一つである「特定市場」を中心に市場開拓を行うとともに中国をはじめとする代理店網の強化策などに積極的に取り組んでまいりましたが、外部顧客向売上高は現地通貨ベースで前年同期比2.2%減となりました。更に為替の影響により当連結会計年度の売上高は33億1千4百万円(前年同期比22.0%減)、外部顧客向売上高は6億5千1百万円(同11.8%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により6億1千5百万円の増加、投資活動により1億5千6百万円の減少、財務活動により6千6百万円の減少となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、55億8千2百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により獲得した資金は6億1千5百万円となりました。
主な増加要因は、たな卸資産の減少5億4千7百万円、減価償却費4億2千7百万円であり、主な減少要因は、税金等調整前当期純損失3億8千1百万円、法人税等の支払額1億5千1百万円等によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は1億5千6百万円となりました。
主な要因は、有形固定資産の取得5億9百万円、定期預金の払戻による収入3億円等によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により使用した資金は6千6百万円となりました。
主な要因は、配当金の支払額6千5百万円によるものであります。