有価証券報告書-第47期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
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- 2020/06/18 15:46
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注記事項-企業結合、連結財務諸表(IFRS)
7.企業結合及び支配の喪失
2019年7月1日(ブラジル時間)にNIDECはワールプール社の保有するエンブラコ社の株主からエンブラコ社の株式100%を現金122,401百万円で取得致しました。エンブラコ社は、冷蔵庫用コンプレッサー及び電気部品の開発・製造・販売を行っております。本件取引により、当社の冷蔵庫用コンプレッサー事業の更なる強化及び製品ラインナップや販売地域の拡大が可能となります。また、エンブラコ社が保有するDCコンプレッサーにおける高い技術力に加え、当社が保有するブラシレスDCモータ技術を大いに活用することができます。
2019年10月31日にNIDECはオムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社(以下、「日本電産モビリティ」)の株式、取得対象海外子会社の株式等並びに取得対象海外事業を現金88,111百万円で取得致しました。日本電産モビリティは、自動車向け車載電装部品の製造・販売を行っております。本件取引により、日本電産モビリティの電子制御ユニット(ECU)をはじめとした各種エレクトロニクス製品と当社グループのモータ、ポンプ、ギア等を組み合わせることにより、新たなモジュール化製品、システム製品を生み出していくことが可能となります。また、レーザーレーダー及びドライバモニターシステム関係製品に強みをもつ日本電産モビリティと日本電産エレシスが協力し、自動運転技術をサポートする多様なセンサー製品群を提供できると考えております。
2019年11月27日にNIDECは米国のRoboteq,Inc.(以下、「ロボテック社」)の株主から、ロボテック社の株式90%を現金1,744百万円で取得致しました。ロボテック社は、超低電圧ドライブ(ULVドライブ)の設計・開発・販売を行っております。本件取引により、AGVメーカーに、サーボモータと精密ギアボックス製品に加えてULVドライブを提供できるようになることに加え、モータ制御システムの完全なサポートをワンストップで提供することが可能となります。この企業結合によるNIDECの財政状態及び経営成績に与える重要な影響はありません。
取得日における対象事業の取得資産及び引受負債の公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
のれんは、主に今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映したものであります。
上記の取得した資産、引き受けた負債は現在評価中であり、取得日時点の予備的見積りに基づいております。この評価の対象は主に棚卸資産、有形固定資産、無形資産です。
当連結会計年度の売上高及び親会社の所有者に帰属する当期利益には、エンブラコ社の対象事業の2019年7月1日以降の売上高91,264百万円及び親会社の所有者に帰属する当期利益2,460百万円が含まれております。また、日本電産モビリティの対象事業の2019年10月31日以降の売上高43,689百万円及び親会社の所有者に帰属する当期利益2,820百万円が含まれております。
のれんは、税務上損金算入可能な金額はありません。
なお、当企業結合に係る取得関連費用としてそれぞれ1,261百万円、579百万円を「販売費及び一般管理費」として費用処理しております。
当該買収が2019年4月1日に行われたと仮定した場合の補足情報は次のとおりです(非監査情報)。
(注)当社は、2020年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。当連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、「1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益」を算定しております。
買収価額の資産負債への配分
前連結会計年度のChaun-Choung Technology Corp.の株式取得とMS-Graessner GmbH & Co.KG及び関連グループ会社の買収により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が第2四半期連結会計期間に完了致しました。また、前連結会計年度のSysteme + Steuerungen GmbH及び同関連会社(現日本電産エスワイエス有限会社)の買収により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が第3四半期連結会計期間に完了致しました。さらに、前連結会計年度のDESCH Antriebstechnik GmbH & Co. KG及び同関連会社の買収により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が当第4四半期連結会計期間に完了致しました。これにより前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による前連結会計年度の連結財政状態計算書への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
のれんの増減については、注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。なお、上記無形資産は下記で構成されております。
(単位:百万円)
前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による前連結会計年度の連結損益計算書への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による当連結会計年度の連結損益計算書への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
その他、当連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債のうち、現在評価中の資産、負債については、当連結会計年度末日時点の予備的見積りに基づいております。
支配の喪失
当社は、エンブラコ社の買収の条件として、コンプレッサー事業(セコップ社)の売却を欧州委員会から命じられました。当社は欧州委員会からの命令に従い、セコップ社に対する実効的な支配権を経営の独立執行者(Hold Separate Manager)及び監視機関(Monitoring Trustee)へ2019年4月12日に譲渡致しました。この結果、当社はセコップ社に対する実効的な支配権を喪失したことにより、セコップ社を連結の範囲から除外し、これによる損失を連結損益計算書上、継続事業から分離し非継続事業に分類致しました。なお、当社は2019年9月9日にセコップ社の株式譲渡を完了し、当連結会計年度に「非継続事業からの当期損失」15,707百万円を計上致しました。当連結会計年度において支配権の喪失に伴って認識した売却損失額は14,167百万円であり、連結損益計算書上、「非継続事業からの当期損失」に含めて計上されております。
支配権の喪失日におけるセコップ社の資産及び負債の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
のれんの増減については、注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。
また、支配の喪失に伴うキャッシュ・フローは5,065百万円であり、連結キャッシュ・フロー計算書の投資活動によるキャッシュ・フロー「非継続事業の売却による収入」に含めております。
2019年7月1日(ブラジル時間)にNIDECはワールプール社の保有するエンブラコ社の株主からエンブラコ社の株式100%を現金122,401百万円で取得致しました。エンブラコ社は、冷蔵庫用コンプレッサー及び電気部品の開発・製造・販売を行っております。本件取引により、当社の冷蔵庫用コンプレッサー事業の更なる強化及び製品ラインナップや販売地域の拡大が可能となります。また、エンブラコ社が保有するDCコンプレッサーにおける高い技術力に加え、当社が保有するブラシレスDCモータ技術を大いに活用することができます。
2019年10月31日にNIDECはオムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社(以下、「日本電産モビリティ」)の株式、取得対象海外子会社の株式等並びに取得対象海外事業を現金88,111百万円で取得致しました。日本電産モビリティは、自動車向け車載電装部品の製造・販売を行っております。本件取引により、日本電産モビリティの電子制御ユニット(ECU)をはじめとした各種エレクトロニクス製品と当社グループのモータ、ポンプ、ギア等を組み合わせることにより、新たなモジュール化製品、システム製品を生み出していくことが可能となります。また、レーザーレーダー及びドライバモニターシステム関係製品に強みをもつ日本電産モビリティと日本電産エレシスが協力し、自動運転技術をサポートする多様なセンサー製品群を提供できると考えております。
2019年11月27日にNIDECは米国のRoboteq,Inc.(以下、「ロボテック社」)の株主から、ロボテック社の株式90%を現金1,744百万円で取得致しました。ロボテック社は、超低電圧ドライブ(ULVドライブ)の設計・開発・販売を行っております。本件取引により、AGVメーカーに、サーボモータと精密ギアボックス製品に加えてULVドライブを提供できるようになることに加え、モータ制御システムの完全なサポートをワンストップで提供することが可能となります。この企業結合によるNIDECの財政状態及び経営成績に与える重要な影響はありません。
取得日における対象事業の取得資産及び引受負債の公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
エンブラコ社 | 日本電産モビリティ | その他 | |
流動資産 | |||
現金及び現金同等物 | 12,801 | 24,311 | 111 |
営業債権及びその他の債権 | 36,270 | 18,108 | 40 |
棚卸資産 | 22,462 | 11,663 | 101 |
その他の流動資産 | 3,418 | 4,751 | 2 |
非流動資産 | |||
有形固定資産 | 42,225 | 30,741 | 26 |
その他の非流動資産 | 2,387 | 4,311 | 73 |
取得資産の公正価値 | 119,563 | 93,885 | 353 |
流動負債 | |||
短期借入金 | 8,144 | 6,861 | - |
営業債務及びその他の債務 | 42,497 | 19,905 | 19 |
その他の流動負債 | 12,492 | 23,113 | 33 |
非流動負債 | |||
その他の非流動負債 | 3,767 | 4,718 | 77 |
引受債務の公正価値 | 66,900 | 54,597 | 129 |
取得資産及び引受債務の公正価値(純額) | 52,663 | 39,288 | 224 |
非支配持分 | - | - | 25 |
のれん | 69,738 | 48,823 | 1,545 |
のれんは、主に今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映したものであります。
上記の取得した資産、引き受けた負債は現在評価中であり、取得日時点の予備的見積りに基づいております。この評価の対象は主に棚卸資産、有形固定資産、無形資産です。
当連結会計年度の売上高及び親会社の所有者に帰属する当期利益には、エンブラコ社の対象事業の2019年7月1日以降の売上高91,264百万円及び親会社の所有者に帰属する当期利益2,460百万円が含まれております。また、日本電産モビリティの対象事業の2019年10月31日以降の売上高43,689百万円及び親会社の所有者に帰属する当期利益2,820百万円が含まれております。
のれんは、税務上損金算入可能な金額はありません。
なお、当企業結合に係る取得関連費用としてそれぞれ1,261百万円、579百万円を「販売費及び一般管理費」として費用処理しております。
当該買収が2019年4月1日に行われたと仮定した場合の補足情報は次のとおりです(非監査情報)。
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
継続事業からの売上高 | 1,633,354百万円 |
親会社の所有に帰属する当期利益 | 62,857百万円 |
1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益 | |
基本的 | 106円 84銭 |
希薄化後 | - |
(注)当社は、2020年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。当連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、「1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益」を算定しております。
買収価額の資産負債への配分
前連結会計年度のChaun-Choung Technology Corp.の株式取得とMS-Graessner GmbH & Co.KG及び関連グループ会社の買収により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が第2四半期連結会計期間に完了致しました。また、前連結会計年度のSysteme + Steuerungen GmbH及び同関連会社(現日本電産エスワイエス有限会社)の買収により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が第3四半期連結会計期間に完了致しました。さらに、前連結会計年度のDESCH Antriebstechnik GmbH & Co. KG及び同関連会社の買収により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が当第4四半期連結会計期間に完了致しました。これにより前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による前連結会計年度の連結財政状態計算書への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
遡及修正額 | |
非流動資産 | |
有形固定資産 | 3,030 |
無形資産 | 17,048 |
その他の非流動資産 | 157 |
取得資産の公正価値 | 20,235 |
非流動負債 | |
繰延税金負債 | 5,025 |
引受債務の公正価値 | 5,025 |
取得資産及び引受債務の公正価値(純額) | 15,210 |
のれん | △11,371 |
のれんの増減については、注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。なお、上記無形資産は下記で構成されております。
(単位:百万円)
加重平均償却年数 | 遡及修正額 | |
商標権 | 非償却対象 | 1,881 |
顧客関係 | 17年 | 13,693 |
専有技術 | 9年 | 1,474 |
前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による前連結会計年度の連結損益計算書への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
遡及修正額 | |
営業利益 | △1,242 |
税引前利益 | △1,242 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | △838 |
前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による当連結会計年度の連結損益計算書への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
遡及修正額 | |
営業利益 | △276 |
税引前利益 | △276 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | △188 |
その他、当連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債のうち、現在評価中の資産、負債については、当連結会計年度末日時点の予備的見積りに基づいております。
支配の喪失
当社は、エンブラコ社の買収の条件として、コンプレッサー事業(セコップ社)の売却を欧州委員会から命じられました。当社は欧州委員会からの命令に従い、セコップ社に対する実効的な支配権を経営の独立執行者(Hold Separate Manager)及び監視機関(Monitoring Trustee)へ2019年4月12日に譲渡致しました。この結果、当社はセコップ社に対する実効的な支配権を喪失したことにより、セコップ社を連結の範囲から除外し、これによる損失を連結損益計算書上、継続事業から分離し非継続事業に分類致しました。なお、当社は2019年9月9日にセコップ社の株式譲渡を完了し、当連結会計年度に「非継続事業からの当期損失」15,707百万円を計上致しました。当連結会計年度において支配権の喪失に伴って認識した売却損失額は14,167百万円であり、連結損益計算書上、「非継続事業からの当期損失」に含めて計上されております。
支配権の喪失日におけるセコップ社の資産及び負債の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
流動資産 | |
現金及び現金同等物 | 601 |
営業債権及びその他の債権 | 9,655 |
その他の金融資産 | 2,661 |
未収法人所得税 | 12 |
棚卸資産 | 4,347 |
その他の流動資産 | 1,664 |
非流動資産 | |
有形固定資産 | 13,394 |
のれん | 9,946 |
その他の無形資産 | 2,945 |
資産合計 | 45,225 |
流動負債 | |
1年以内返済予定長期債務 | 1,284 |
営業債務及びその他の債務 | 8,090 |
未払法人所得税 | 287 |
引当金 | 1,094 |
その他の流動負債 | 1,197 |
非流動負債 | |
長期債務 | 2,024 |
その他の金融負債 | 21 |
退職給付に係る負債 | 501 |
引当金 | 405 |
繰延税金負債 | 2,819 |
その他の非流動負債 | 1 |
負債合計 | 17,723 |
のれんの増減については、注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。
また、支配の喪失に伴うキャッシュ・フローは5,065百万円であり、連結キャッシュ・フロー計算書の投資活動によるキャッシュ・フロー「非継続事業の売却による収入」に含めております。