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有価証券報告書-第53期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/09/30 15:50
【資料】
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【項目】
159項目
43.追加情報
(不適切な会計処理等について)
(1)第三者委員会による調査について
当社は、当連結会計年度において、当社及び当社グループ会社の経営陣の関与又は認識の下で、資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等の連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、当社から独立した第三者委員会による客観性のある調査を行う必要があると判断し、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置しました。当社は、同第三者委員会に対して、不適切な会計処理の疑義に係る事実関係の調査、不適切な会計処理が判明した場合の影響額の算定、不適切な会計処理が判明した場合の原因の究明及び再発防止策の提言、その他、第三者委員会が必要と認めた事項の調査を委嘱しました。
また、当社は第三者委員会の管理・監督の下、外部専門家が各手続内容を確認して客観性を担保する仕組みを確保した上で、当社及び当社グループ会社のうち、地域の統括会社、休眠会社、清算中の会社、シェアードサービスといった、当社による業績管理の対象とならない一部の拠点を除く288社を対象として、2019年度から2025年度第1四半期までの会計処理の適切性を調査する自己点検を実施しました。自己点検は、第三者委員会の調査の過程において識別された、売上の早期計上、引当金の過少計上、棚卸資産の過大計上や固定資産の減損回避およびコストの資産計上といった不適切な会計処理の類型、一般的に想定される不適切会計の論点、及びニデックグループにおける過去の会計不正又は不適切会計の事案の手法を踏まえた手続チェックリストの作成、それをもとに各拠点担当者による点検、他拠点担当者によるクロスチェック及び外部専門家による確認作業であり、保守的な観点から、第三者委員会の調査対象期間(2020年度から2025年度第1四半期まで)から更に1年遡る形で実施しました。
当社は、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書を受領し、同年4月17日に、最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。
調査報告書において、当社及び当社グループ会社において多岐にわたる拠点で不正及び誤謬による多数の不適切な会計処理が指摘されており、当社は、自己点検の結果を含む第三者委員会の最終報告、品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査及びその他の社内調査等を踏まえ、過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった事項や調査の過程で追加的に判明した事項に関連する誤謬の訂正も含め、これらの不適切な会計処理等に伴う虚偽表示を遡って修正再表示しております。また、当連結会計年度の連結財務諸表等における虚偽表示を修正しております。
当該虚偽表示の修正に係る営業利益の影響額は、当連結会計年度66,201百万円、前連結会計年度△109,615百万円であり、2025年度第2四半期末の連結財務諸表の純資産に与える累積影響額は△482,457百万円であります。
また、当社財務諸表におけるこれらの修正による影響を勘案すると、2022年3月期に実施した自己株式取得31,413百万円、2023年3月期に実施した剰余金の配当及び自己株式取得の総額94,014百万円、2024年3月期に実施した剰余金の配当及び自己株式取得の総額41,244百万円、2025年3月期に実施した剰余金の配当及び自己株式取得の総額53,793百万円、2026年3月期に実施した剰余金の配当22,960百万円は、いずれも会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超過していたことが判明しました。
なお、当社は、当該虚偽表示の修正に関連して、金融商品取引法に基づく開示規制違反に該当するとして、当局による調査や課徴金納付命令の対象になる可能性があり、調査が行われる場合には、調査への協力など適切に対応してまいります。一方、現時点では、当該事項が当社及び当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響を合理的に見積もることは困難なため、連結財務諸表には反映しておりません。
(2)品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査について
2025年10月30日付で設置した「ニデック再生委員会」による内部管理体制の改善の一環として、各生産拠点における従業員へのヒアリング、工程変更・設計変更等に関する記録の照合、及び全従業員を対象とした品質管理に関する懸念の情報提供を受け付ける通報窓口(品質意見箱)の開設等の方法により実施した品質総点検の結果、当社及び当社グループ会社が製造する一部の製品について、顧客の確認を受けずに行われた部材・工程・設計等の変更等の不適切行為の疑義が判明いたしました。
複数の拠点において不適切行為の疑義が報告されたことから、より詳細な事実関係の解明、原因の究明及び製品品質へのコミットメントを強化するための実効的な改善策の検討のために、同種事案の調査に豊富な経験や専門性を有する外部専門家によって構成される調査委員会を2026年5月13日に設置し、2026年9月2日に調査報告書を受領しました。
調査委員会による調査の結果、当連結会計年度末までに判明している品質に関する不適切行為に係る点検・是正措置に係る費用等については、合理的に見積り、当連結会計年度に製品保証引当金として計上していますが、連結財務諸表への影響額は限定的であります。また、顧客との協議は継続中であり、今後の協議の結果次第では、顧客補償、損害賠償、点検・是正措置に係る費用等の費用が発生し、将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、偶発負債として注記を行っています。(注記「27.引当金」、注記「41.偶発負債」参照)
(3)その他の社内調査等について
当社は、以下のような事案(貿易取引及び関税に係る諸問題等)について国際貿易法及び関税法の経験を有する外部専門家への依頼を含む社内調査等を実施し、その影響額を適切に連結財務諸表に反映しています。
①関税問題に関する社内調査
当社は、当社のイタリア連結子会社であるNIDEC FIR INTERNATIONAL S.R.L.FIR社(以下「FIR社」といいます。)において、関税分類、原産地国、通商優遇協定に基づく特恵適用及び輸入価格に関する米国への輸入申告において誤謬があった可能性が高い件について、社内調査の一環として外部専門家による調査を実施しました。当該調査は完了しており、2021年4月1日から2025年9月30日までの期間を対象として、利息を含め6.8百万ドル(約991百万円)の追加納税を行い、2025年12月2日に米国関税庁より、自主申告の審査が終了したとの連絡を受領しました。なお、当該事項については、連結財務諸表に適切に反映しています。
また、FIR社以外における貿易コンプライアンス上の類似問題の有無等について外部専門家に委嘱して調査を行ったところ、当社グループの対米輸出において原産地国表示の誤りが発見されました。これを受けて、当社各拠点からの対米輸出(過去5年間)に係る主要な輸入拠点の全取引を対象として統計的サンプリング調査を実施した結果、米国への輸入申告における関税分類、原産地国、通商優遇協定に基づく特恵適用及び輸入価格に関し、一部に誤りがあることが判明しました。その結果、米国の主要拠点であるNIDEC MOTOR CORPORATION及びNIDEC GLOBAL APPLIANCE NORTH AMERICAをIOR(Importer of Record)とする輸入取引に関する追加関税については、利息を含めて70.7百万ドル(約10,667百万円)と算定され、2026年8月に自主申告を行いました。当該自主申告については、米国税関当局による審査が完了していないため、当社は、外部専門家による調査結果に基づき、利息を含めて70.7百万ドル(約10,667百万円)と算定され、連結財務諸表に適切に反映しています。その他の米国輸入拠点については、財務的影響の重要性を踏まえて選定した5拠点を対象としてNMC及びNGANAと同様に統計的サンプリング調査を実施し、抽出された取引において識別された申告誤りを対象取引に反映する方法により、影響額を16.6百万ドル(約2,502百万円)と見積もり、連結財務諸表に適切に反映しています。21拠点についてもサンプル調査を進めており、現時点で合理的に見積もられる影響額を連結財務諸表に適切に反映しています。今後、これら26拠点について追加関税に係る自主申告を行う予定です。
さらに、対米輸出取引にとどまらず、米国向け輸入取引以外のグループ内取引についても、関税リスクの有無を確認するための調査・分析を実施しました。具体的には、対象取引を整理した上で、取引内容の分析やアンケート・インタビュー等による詳細調査を行い、確認された事項について会計・税務・法務の観点から影響を分析しております。その結果、重大な財務影響を及ぼす事案は確認されませんでした。
②ニデックエレシス株式会社に関する社内調査
当社の連結子会社であるニデックエレシス株式会社(現ニデック株式会社車載事業本部インバータ事業部)において、過年度の中国への輸出取引に際して、中古品の無償取引における申告価格を正当な理由なく適正金額より低く関税申告していたことが疑われる事案について、社内調査の一環として外部専門家による追加調査を実施しました。当該調査は完了しており、連結財務諸表への影響は限定的であります。
③スイス連結子会社に関する社内調査
当社のスイス連結子会社が必要な登録をせずに輸出取引を行っていた事案について、社内調査の一環として外部専門家による追加調査を実施しました。当該調査は完了しており、連結財務諸表への影響はありません。
④中国連結子会社に関する社内調査
内部通報により、当社の中国連結子会社が過年度を含む連結会計年度に源泉所得税を意図的に過少申告していた疑いを認識したため、社内調査の一環として外部専門家による調査を実施しました。当該調査は完了しており、調査の結果、従業員(管理職)による源泉所得税の意図的な過少申告及び根拠不明の引当金計上が確認されましたが、これらの問題による連結財務諸表への影響は限定的であります。
(4)不適切な会計処理等が行われた背景及び再発防止策について
上述の通り、第三者委員会による調査及びその他の社内調査の結果、ニデックグループにおいて多岐にわたる拠点で不正及び誤謬による多数の不適切な会計処理が発見されました。
発見された会計不正の内容としては、将来の使用見込み及び販売見込みが極めて低く、資産性がない原材料及び製品等に資産性が認められると偽って、棚卸資産の評価損を計上しなかった事案、固定資産に関する減損テストの前提とされた売上計画の中に、実現確度が低い案件を含め、減損を回避した事案、付随費用として固定資産に計上することが適切ではない人件費を固定資産に計上し、減価償却を通じて費用化することにより、費用計上時期を先延ばしにしていた事案、ニデックの連結決算に際して、子会社が個別財務諸表で計上していた政府補助金の返還等に係る引当金を、連結財務諸表において不正に戻し入れていた事案、本来収益計上が許されない性質の補助金であるにもかかわらず、その性質を偽り収益計上した事案、不良債権の貸倒引当金を適切に計上しなかった事案など、誤謬による不適切な会計処理も含め多岐に及んでいます。
第三者委員会の調査の結果、発見された会計不正はいずれも、業績目標、特に営業利益目標の達成に向けた強すぎるプレッシャーを背景に行われた不正であると結論づけられました。ニデックグループにおいては、創業者である永守氏の強力なリーダーシップの下、長年にわたり「赤字は悪」であるとの考え方が徹底され、業績目標が必達のものとして捉えられていたことが企業文化としてあり、ニデックグループの業績目標は、長年にわたり、永守氏によるトップダウンで決定され、各事業部門や子会社に割り当てられていたが、それは、投資家目線でどの程度の成長が求められているかといった観点から決められた目標であり、事業部門や子会社の実力を超えるものでありました。その上で、永守氏は、事業部門や子会社を所管するニデック本社の執行役員やCFOに対して、業績目標を達成するよう強いプレッシャーをかけており、ニデック本社の執行役員らに対する業績プレッシャーは、そのまま事業部門や子会社の幹部に対する業績プレッシャーへと繋がっていきました。また、このような状況下において、内部監査部門や経理部門等の管理部門による牽制機能も十分に果たされていませんでした(内部統制の機能不全)。このように、強すぎる業績プレッシャーがニデックグループ全体にかかることにより、また内部統制が十分に機能しないことにより、多岐にわたる拠点で多数の会計不正が行われました。
当社は、再発防止及び内部管理体制等の抜本的な改善を目的として、改善計画・状況報告書(以下「改善計画書」といいます。)を作成し、2026年1月28日付で株式会社東京証券取引所へ提出しました。
その後、当社は改善計画書に基づいて是正措置の整備・運用に取り組んできましたが、2026年2月27日及び4月17日に第三者委員会より受領した調査報告書並びにその他の社内調査結果を踏まえて、改善計画の再検討・見直しを実施しました。これらの内容と是正措置の進捗状況を反映した改善計画書(改訂版)を作成し、株式会社東京証券取引所へ提出いたしました。
当社は、内部管理体制等の改善並びにガバナンス及び組織風土の改革を実行し、その実行状況を継続的にモニタリングするとともに、当社の役職員一丸となってこの改善計画(改訂版)を実行してまいります。
改善計画の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において記載しています。
(5)修正再表示に伴う主な影響
前連結会計年度(第52期)影響額
(修正再表示前)(修正再表示後)
売上高(百万円)2,607,8132,606,347△1,466
営業利益(百万円)237,837128,222△109,615
税引前当期利益(百万円)233,030124,576△108,454
親会社の所有者に帰属
する当期利益
(百万円)164,15984,672△79,487
親会社の所有者に帰属
する当期包括利益
(百万円)139,22263,001△76,221
親会社の所有者に帰属
する持分
(百万円)1,716,9471,239,815△477,132
資産合計(百万円)3,315,2532,919,765△395,488
基本的1株当たり
当期利益
(円)142.8873.69△69.19
希薄化後1株当たり
当期利益
(円)-73.6973.69
親会社所有者帰属持分比率(%)51.842.5△9.3
営業活動による
キャッシュ・フロー
(百万円)284,428272,471△11,957
投資活動による
キャッシュ・フロー
(百万円)△147,255△135,62811,627
財務活動による
キャッシュ・フロー
(百万円)△80,193△80,387△194
現金及び現金同等物の
期末残高
(百万円)246,239246,25415

(6)表示期間より前の期間に与える主な累積的な影響額
上記の不適切な会計処理等について、前連結会計年度(第52期)の期首より前の期間に係るもの(自己点検の対象期間である第46期を含む。)については、その累積的影響額を前連結会計年度の期首の利益剰余金に反映しております。この結果、前連結会計年度の期首の利益剰余金が356,433百万円減少しております。
(特別調査費用等)
当社グループでは、2025年度第2四半期までに不適切な会計処理が行われていたことが判明いたしました。
これらの不適切会計事案等について、第三者委員会及び社外の独立した弁護士及び公認会計士等の外部専門家による調査費用、その調査結果を踏まえた適切な会計処理への修正のための決算対応費用、過年度を含む複数の会計期間にわたる連結財務諸表等及び財務諸表等に対する追加監査報酬等が発生し、当連結会計年度及び当事業年度に30,522百万円を販売費及び一般管理費に計上しています。ただし、外部専門家から支援される改善活動は継続しているため、最終的な計上額は増加する見込みです。
  • 有価証券報告書-第53期(2025/04/01-2026/03/31)

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