有価証券報告書-第74期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/02/27 12:52
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154項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
企業は社会的な存在であります。当社は社会に受け入れられる高品質の製品と最高のサービスを提供し、顧客の満足を得ることに全力を尽くしてまいります。同時に事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、地域社会の一員として教育文化等地域社会の発展に役立つ活動を積極的に支援してまいります。これらを実現するために、先進の研究開発と新分野の確立に挑戦する研究開発型企業を目指し、自主的な成長発展を図ってまいります。
また、適正な利益を確保し、会社の成長発展の原資とするとともに、株主、社員そして社会へ還元したいと考えております。
(2)目標とする経営指標
当連結会計年度には、資本コストの見直しを含む経営指標の再定義を行い、株主資本コストの推計値を従来の7%前後(6~8%)から10%前後へと引き上げました。この見直しに伴い、自己資本当期純利益率(ROE)の目標を従来の10%以上から15%以上へと改定し、資本収益性向上を重要な経営課題として認識しました。具体的な目標として、「売上高営業利益率20%」、「海外売上高比率70%以上」、及び「自己資本当期純利益率(ROE)を2030年までに15%以上とすること」を設定しました。
これらの目標を達成するため、新製品投入による新市場の開拓や海外市場の拡大を通じた売上高の増加、さらに経営効率の向上に注力しました。また、ROEの構成要素である売上高当期純利益率と総資産回転率の改善を目的に、各部門の事業計画と連動した取り組みを進め、全社的な努力を重ねてきました。
目標達成状況としては、「売上高営業利益率20%」に対する当連結会計年度の実績は16.8%であり、目標には届きませんでした。また、「ROE15%以上」の目標に対して、実績は13.0%と未達でした。同様に、「海外売上高比率70%以上」の目標に対しても、実績は63.6%に留まりました。しかしながら、海外売上高は257億94百万円に達し、前年度の247億83百万円を上回り、過去最高水準を維持するなど一定の成果を挙げることができました。
さらに、目標達成に向けての経営指針として、連結貸借対照表(B/S)に関する新たなガイドラインを設定しました。具体的には、連結貸借対照表上に占める「現金及び預金」の比率を20%以内に収めることを目指し、当面は年間平均で25%~30%以内に管理する方針を定めました。また、当社の最適資本構成を考慮し、加重平均資本コスト(WACC)最小化を目指しつつ、連結自己資本比率を60%前後とすることを目標に掲げ、当面は70%前後に管理する方針です。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は創業以来、「HIOKIの理念」である「人間性の尊重」と「社会への貢献」をベースに産業のマザーツールと呼ばれる電気計測器の開発、生産、販売・サービスを事業としてまいりました。
現在、持続可能な社会の実現に向け「脱炭素化」が叫ばれ、世界規模で「化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギー源転換」という大きな変革が起きています。
このような社会の変化に対し、当社は2030年までの長期経営方針「ビジョン2030」を策定し、取り組みを進めてまいりました。このビジョンに基づき、これまで培ってきた電気計測のノウハウと海外販売会社を中心にグローバル展開している顧客密着型の課題解決スタイルによって、あらゆる産業の脱炭素化及び電動化シフトを後押ししてまいります。
電気を安全に供給し、エネルギーを有効に活用するために、「測る」という計測ソリューションから、新たな検査や試験の基準を創出し提供することで、顧客と共に持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。
各分野における取り組みは以下のとおりです。
研究開発面におきましては、顧客に密着し顧客の要望をいち早くつかみ、他社にないオンリーワンの製品を提供することを目指してまいります。また、将来の需要を見越して研究開発を進め、新しい価値を顧客に提案することにより新分野の確立を目指してまいります。
販売面におきましては、グローバル化の方針のもと、中国、韓国、台湾、東南アジア、インドを中心にアジア地域を最重要ターゲット市場として開拓するとともに、米国市場及び欧州市場の開拓も積極的に進め輸出を強化してまいります。
生産面におきましては、品質の向上及びコストダウンを進め、国際市場において活躍できる製品づくりを目指してまいります。また、競合他社に対する優位性の一つとして、短納期化を進めてまいります。
また、当社はコーポレート・ガバナンスを経営戦略の重要な柱の一つと考えており、コーポレート・ガバナンスを企業価値向上のための経営体制の確立と認識しております。コンプライアンスを最重要視し、経営の効率化に取り組み、適正な利益を確保すると同時に、経営情報の積極的な開示により経営の透明性を高め、株主(投資家)、顧客、社員等全てのステークホルダーに対して、その社会的な責任を果たしてまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
世界経済は、当連結会計年度においても地政学的リスクの高止まりや米国の政策不確実性の高まり、一部通貨のボラティリティの高まりなどの影響で、不透明な状況が続きました。一方で、主要国による利下げを含む広範な金融緩和が景気の底割れを防ぎ、地域によっては回復の兆しが見え始めております。脱炭素化の世界的な潮流は、企業の設備投資を牽引し、2025年のクリーンエネルギー関連投資は過去最高水準に達すると見込まれております。また、自動車の電動化がさらに進展し、EVの普及が進んでおります。この変化に伴い、電源技術には高効率化が求められ、小型・軽量化が進む一方、コスト削減や信頼性確保が次の焦点となっております。
当社グループは、この市場変化を大きなビジネスチャンスと捉え、新たな顧客価値を創造し、独自のセンシング技術をより高めるとともに、培ってまいりました計測技術を組み合わせ、高付加価値製品を提供してまいります。海外販売子会社を通じてHIOKIブランドを浸透させ、売上高を伸長させるとともに、世界中のお客様に安心して当社製品をお使いいただくためのグローバルアフターサービス体制の構築に引き続き取り組んでまいります。また、「海外売上高比率70%以上」を目標に、特定の地域に依存しない売上高構成を目指してまいります。従来から生産能力の強化に努めてまいりましたが、生産の増大に対処しつつ、棚卸資産を適正な水準に保ち、生産体制の最適化と生産性の向上を図ってまいります。さらに、サステナビリティ基本方針に基づき、グループ一体となってサステナビリティ活動を推進すると同時に、情報セキュリティの向上やデジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みも進めてまいります。
現在、インフレーションの影響により売上原価が増加しており、また、DX推進に伴う計画的な投資などにより販売費及び一般管理費も増加しておりますが、次期も製品価格の見直しを機動的に行い、収益性の改善を図ってまいります。
当社は、自社の株主資本コストを7%前後(6~8%)と推計しておりました。その後、株主・投資家との間で資本コストや資本収益性について対話を重ね、その対話内容をもとに経営会議及び取締役会で議論してまいりました。それを踏まえ、2024年8月に当社は、自社の株主資本コストの推計値を10%前後といたしました。これを受け、当連結会計年度から目標とする経営指標を「自己資本当期純利益率(ROE)15%以上」にいたしました。引き続き、保有する資本を有効に経営に投下し、売上高当期純利益率と総資産回転率を一層高め、10%前後と推計する株主資本コストを上回るROEを実現してまいります。また、「売上高営業利益率20%」につきましても、引き続き目標の達成を実現してまいります。
こうした取り組みのもと、2030年までの長期経営方針「ビジョン2030」の施策を通じ社会に貢献すると同時に、継続的に成長発展できる体制を構築してまいります。

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