有価証券報告書-第53期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 16:03
【資料】
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【項目】
170項目
<戦略>気候変動に関連する当社事業へのリスクと機会を分析しております。分析にあたっては下表に記載したシナリオを想定して行っております。
TCFDにおいてのシナリオ分析は、当社グループの主要事業を対象範囲として実施しております。「情報システム事業」については当社、「アミューズメント事業」については当社及び連結子会社であるDAXEL株式会社を対象として検討しました。「情報システム事業」は当社グループの主要な事業領域であり売上高に占める割合が大きく、「アミューズメント事業」は遊技機の企画・開発から製造・販売までを行っていることから、両事業とも世界的な脱炭素化への動きによる影響を受けやすい事業として、シナリオ分析の対象事業に選定しております。
温度シナリオ参照シナリオ概要
2℃以下
シナリオ
IEA「WEO2024」NZE,APSシナリオ
IEA「WEO2019」SDSシナリオ
IPCC「第5次報告書RCP2.6シナリオ」
持続可能な世界に向けて、積極的に気候変動に関わる政策が実施されることを前提としたシナリオ。低炭素社会に移行していくにあたり炭素排出コストや、電力価格の支出が増加することが想定される。
4℃シナリオIEA「WEO2024」STEPSシナリオ
IPCC「第5次報告書RCP8.5シナリオ」
現在公表されている政策のみが達成される気候変動対策が積極的でないことを前提としたシナリオ。移行リスクは限定的と想定される一方で、物理リスクは顕在化し、対応に関わる支出、被害による損害が発生する可能性がある。

<前年度比・変動要因>前年度(2025年3月期)との比較および主な変動要因は以下のとおりです。
・Scope1(371.52t-CO2):前年度411t-CO2に対し39.48t-CO2の減少。テレワークの定着および事業活動のDX化等により、社用車の走行距離が縮減されたことが主な要因です。
・Scope2 マーケット基準(1,325t-CO2):前年度1,369t-CO2に対し44t-CO2の減少。春日井事業所のソーラーパネル稼働による再生可能エネルギー利用拡大が寄与しました。
・Scope2 ロケーション基準(1,235t-CO2):前年度1,317t-CO2に対し82t-CO2の減少。春日井事業所のソーラーパネル稼働による再生可能エネルギー利用拡大が寄与しました。
・Scope3 カテゴリ1(48,602.7t-CO2):前年度49,668t-CO2に対し1065.3t-CO2の減少。主な要因は情報システム事業の仕入高変動によるものです。
・Scope3 カテゴリ11(157,822.31t-CO2):前年度131,446t-CO2に対し26,376.31t-CO2の増加。主な要因は販売台数および販売製品構成の変化によるものです。
当社は、開示情報の信頼性を確保するため、以下のプロセスによりCO2排出量データを集計・確認・承認しています。
① データ収集:各事業所(本社・春日井事業所・坂下事業所、その他各支店・営業所)の電力使用量・燃料使用量・仕入実績データを担当部門(総務・経理・購買部署)が収集します。
② 集計・算定:サステナビリティ部会が各部門のデータを取りまとめ、環境省の算定ガイドラインおよび上記算定方法に基づいてScope1〜3の排出量を算定します。
③ 確認・精査:サステナビリティ部会において算定結果の妥当性確認・前年比検証・異常値の精査を実施します。
④ 承認:サステナビリティ委員会において内容を最終確認・承認のうえ取締役会に報告します。
なお、当期においては外部機関による第三者検証(保証)は実施していません。今後、開示情報の信頼性向上に向けて第三者検証の取得を検討してまいります。
■リスク・機会一覧表
気候変動関連のリスクおよび機会について、移行リスク・物理リスクに分けてリスク(支出の増加、収益の減少につながるもの)・機会(支出の減少、収益の増加につながるもの)を評価・分析しております。
移行リスクは脱炭素社会に移行していくことにより生じるリスク・機会で2℃以下シナリオの影響が大きくあると想定されます。一方、物理リスクは気候変動が今以上に深刻化した際に起きるリスク・機会で4℃シナリオの影響が大きくなると想定されます。
当社は、サステナビリティ関連のリスクだけでなく、成長機会となる要素も識別・評価しています。主な機会については、関係部門が連携し、経営会議等で対応を検討しています。
下表に、認識している主要な機会とその評価を示します。
リスク項目事業インパクト評価対応策
大分類中分類小分類時間軸バリューチェーン段階考察:リスク考察:機会リスク機会
移行政策規制炭素価格
(炭素税)
中期全行程炭素税の導入により、CO2排出量に応じてコストが増加。--社内におけるペーパーレス化
排出権取引長期全行程自社に割り当てられた排出枠を超過すると排出権を他社から購入するコストが発生。
また、超過分を削減するための対応コストが発生。
排出削減活動により創出した余剰排出枠を売却することで、収益を得る。製造工程の見直し
プラスチック規制中期製造工程プラスチック規制によりパチンコおよびパチスロ筐体に使われるプラスチックを代替する必要が生じた場合にコストが増加。また代替に伴う製品開発費も増加。--バイオプラスチックやリユース可能な部品を採用
リサイクル規制短期下流工程リサイクル関連法令の厳格化により、既存製品リサイクルのコストが増加。また、リサイクル可能な製品開発費用および対応コストも増加。使用済機器のリサイクルや、部品のリサイクル・リユースの促進による外部評価(ブランドイメージ)や付加価値による製品競争力が向上。センドバック修理品の輸送にリサイクル素材を採用
省エネ政策短期製造工程政策の推進を踏まえて顧客からの要望が強まり、既存商品より省電力が可能な製品の開発費が増加。--エネルギーマネジメント可能な製品の開発
情報開示義務長期全行程サステナビリティ情報開示要請の拡大により開示に関わる費用が増加。--TCFD・CDPの取組
市場エネルギーコストの変化再エネ政策中期製造工程再エネ賦課金、揮発油税などエネルギー諸税の増大に伴う構造的な電力コストの上昇により、本社や工場のエネルギーコストが上昇。顧客からのエネルギーコスト軽減要望により、省電力液晶ユニットや物理的駆動部品の少ない省電力製品需要増加。再エネ導入割合の増加LED照明の活用拡大太陽光システム導入の拡大
原材料コストの変化中期上流~
製造工程
環境規制強化に伴う需要増加に加え、サプライヤーにおける製造コスト上昇が価格に転嫁されることにより、再生可能原材料の調達価格が上昇し、原材料コストが増加。--環境負荷の低い素材の使用検討サービスのソフトウェア化の促進
評判顧客の評判変化投資家の評判変化中期全行程環境への取組が十分でないと、顧客企業より評判が低下し、製品の売上が減少。環境への取組が不十分であると判断された場合、株価下落や資金調達コスト増加。--業界団体を通じた啓蒙活動全国クリーンデーを企画・推進 TCFD・CDP取組


リスク項目事業インパクト評価対応策
大分類中分類小分類時間軸バリューチェーン段階考察:リスク考察:機会リスク機会
物理急性異常気象の激甚化(台風、豪雨、土砂、高潮等)中期~長期全行程台風や局所的豪雨により洪水による浸水、高潮被害が各拠点で発生することによる工場の生産停止による売上が減少。防災対策費用、復旧コストが発生。サプライチェーンの寸断により、部品の供給が停止。自然災害の激甚化は顧客店舗の設備損壊リスクを高める一方で、遊技機や周辺機器の修理・リペア需要が増加。また、早期復旧対応をすることで信頼獲得の機会となる。防災・BCP対策
の強化
慢性平均気温の上昇中期~長期全工程平均気温の上昇により空調コストが増加。--建物の遮熱・断熱 環境性能の高いビル(ZEB)に入居 エネルギー管理 クールビズの採用
感染症の増加長期下流工程気温上昇に起因する感染症による外出控えにより、パチンコホールの客足が減少。--テレワークの推奨 製品への感染症対策機能追加

※「時間軸」については下記を想定して検討しています。
短期:2025~2027年 3カ年の中期経営計画を短期としています。
中期:2027~2030年 2030年ビジョン「Make CX Amazing ~未知の顧客体験を世界に~」までを中期としています。
長期:2030年以降 2030年ビジョン以降を長期としています。
※「評価」については財務的インパクトの結果を参考に、下記の通り設定しています。
大:影響金額が300万円以上の場合
中:100~300万円の場合
小:100万円未満または影響金額が不明の場合
4℃シナリオにおいては、異常気象の激甚化が予想される世界観において洪水被害や営業停止など物理リスクの影響が大きく、移行リスクの影響は軽微という試算結果となりました。異常気象の激甚化については、防災・BCP対策の強化を図っております。BCP対策の一環として防災グッズの販売や寄付も行ってまいります。また、今後の平均気温の上昇に対しては、従業員に向けてクールビズを促し、テレワークを推奨するなど働く環境を整備しています。
2℃以下シナリオにおいては、移行リスクとしてIEA WEO2024等による予測パラメータでは炭素税が増加、再生可能エネルギーの普及により電力価格が上昇するとの予測があり、それらの影響により支出が増加するものと想定しています。物理リスクの影響については4℃シナリオと比較すると影響は小さいという試算結果となりました。
対応策としては、当社春日井事業所において太陽光発電システムを導入しGHG排出量に伴う炭素税・排出権取引に関わる支出の削減を行うなど、対応を進め今後範囲を拡大していきます。現在、当社webサイトトップページにおいて、春日井事業所に設置した太陽光発電の1か月当たりの積算発電量と前月の積算発電量を公表しています。https://www.daikoku.co.jp/
また、プラスチック規制やリサイクル規制など原材料・製品の環境負荷の低減にも取り組んでまいります。AI、クラウドを活用した製品・サービスなどホール運営のDX化の浸透や、製品のソフトウェア化も推進しています。

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