半期報告書-第34期(2026/01/01-2026/12/31)
(継続企業の前提に関する事項)
当社グループは、前連結会計年度において、工場稼働率の調整が長引いたことの影響を受け、売上高は429,053千円にとどまり、持続的な成長基盤を強化する戦略的な判断として棚卸資産評価損を計上したことにより損失が増加し、営業損失1,218,662千円、経常損失1,217,996千円、親会社株主に帰属する当期純損失1,242,428千円となりました。また、営業キャッシュ・フローは、751,167千円のマイナスとなりました。
前連結会計年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)における世界半導体市場は、生成AI関連需要の急拡大を背景に大きく成長しました。一方で、その成長はAIサーバ向けのGPU、HBMをはじめとするメモリー及び先端ロジック製品に集中し、民生・産業・車載向けを中心とする非AI分野では、需要回復や設備投資の再開にばらつきが見られるなど、用途による市場の二極化が続きました。この影響により、当社の主要市場である中国及び台湾においても、多くの半導体メーカーが生産調整や新規設備投資の抑制を継続しました。
当中間連結会計期間(2026年1月1日から2026年6月30日まで)においても、世界半導体市場はAI関連製品を中心に高い成長を維持しました。SIA(米国半導体工業会)によると、第1四半期の世界半導体売上高は2,985億米ドルとなり、2025年第4四半期比で25.0%増加しました。また、2026年5月には、米州、中国、アジア・太平洋、欧州及び日本の全地域で前年同月を上回り、市場の成長が地域的にも広がりつつあります。
しかし、当社が主力とする民生・産業向け半導体分野では、上半期においても新規設備投資に対する慎重な姿勢が残り、本格的な回復にはなお時間を要する状況が続きました。特に上半期前半は、AI関連分野への投資が引き続き優先され、当社が取り扱うDDIC(ディスプレイ・ドライバーIC)や汎用ロジックIC関連の設備投資については、工場稼働率の改善が見られた一方、新規装置の導入には慎重な顧客が多く、力強さに欠ける状況で推移しました。
一方、上半期後半からは、スマートフォン、パソコン、家電、車載機器などの需要回復を見据え、生産設備の更新や増強を検討する動きが徐々に見られるようになりました。当社においても、第2四半期以降、中国及び台湾の顧客を中心に、DDIC検査装置や汎用ロジックIC検査装置に関する問い合わせ、仕様確認及び商談の機会が増加しております。これらの動きから、AI関連分野が市場を牽引する構造は当面継続するものの、これまで低迷していた民生・産業向け半導体市場にも、緩やかながら回復の兆しが現れ始めているものと認識しております。
以上より、当中間連結会計期間の売上高は175,055千円にとどまり、営業損失393,098千円、経常損失380,519千円、親会社株主に帰属する中間純損失406,919千円を計上しております。また、営業キャッシュ・フローは、267,763千円のマイナスとなりました。
上記のとおり、継続的な営業損失及び営業キャッシュフローのマイナスが発生している状況にあり、当社グループには継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループはこうした状況を早期に解消又は改善すべく、以下の対応策を継続して実施しております。
事業施策
1.市場動向と中国市場での営業活動について
2024年から2025年にかけて、世界半導体市場は生成AI関連半導体が大きく市場を牽引しました。一方、民生・産業向け半導体市場については、2026年には回復が期待されていたものの、当中間連結会計期間においても当社が事業を展開する非AI領域では、本格的な回復には至らず、依然として力強さを欠く状況が続きました。半導体製造工場の装置稼働率は前年と比較して改善傾向にあるものの、その回復は限定的であり、新規設備投資についても慎重な姿勢が継続しております。
また、AI関連分野は引き続き堅調に推移した一方、民生・産業分野に加え、車載市場でもEV需要の伸びが鈍化したことなどから、関連半導体メーカーの設備稼働率も低調に推移いたしました。しかしながら、下半期に入り、次世代スマートフォンやパソコンなど新製品の投入を背景に、非AI向け半導体の需要は緩やかな回復基調を示しており、顧客各社からも設備更新や新規投資に関する引き合い、情報交換及び商談の機会が増加するなど、市場環境には改善の兆しが見られるようになっております。
当社グループの主力製品であるDDIC(ディスプレイ・ドライバーIC)検査装置は、液晶・有機ELディスプレイ向けドライバーICの検査に使用されるほか、スマートフォン、タブレット、パソコンなどの情報機器に搭載されるCMOSイメージセンサー、制御用ロジックICなど、当社が強みを有する周辺半導体デバイスの検査分野とも高い親和性を有しております。短期的には設備投資の慎重姿勢が続くものの、中長期的には情報端末の高機能化や車載機器の高度化を背景に、需要の拡大が期待される市場と認識しております。
また、世界経済は米国の関税政策や地政学的リスクなど、不透明な要因を抱えておりますが、半導体の製造能力及び生産規模の両面から見ても、中国市場は引き続き世界最大級の市場であり、当社にとって最も重要な販売市場であるとの認識に変わりはありません。当社は、中国市場を中心とした販売戦略を継続するとともに、2025年より進めている中国グループ企業との開発・製造・営業の連携をさらに強化し、顧客の設備投資再開のタイミングを的確に捉え、受注拡大に努めてまいります。
また、当社グループは、半導体市場の景気変動による影響を低減し、持続的な成長を実現するため、既存の半導体検査装置事業に加え、IoTヘルスケア、AIデータセンター向け監視システム、液体レンズ、環境・省エネルギー関連製品など複数の新規事業の事業化を推進しております。これらの新規事業については、当期より順次市場投入を開始しており、中長期的には収益源の多様化と企業価値の向上に寄与するものと考えており、半導体検査装置事業を中核としながら、その技術資産を活用できる周辺分野への事業展開を進めることで、景気変動に左右されにくい事業ポートフォリオの構築を目指しております。
上述のような理由から、当中間連結会計期間においては、受注は低迷いたしましたが、当社のハイエンド主力検査装置「WTS-577SX」並びに普及版の「WTS-577SR」、そしてフラッグシップとなる最大3,584チャンネルを搭載可能な能力を持つ「WTS-9000」を主軸として市場攻略を行い、新規事業の加速をも進め、下半期以降に増加しつつある顧客からの引き合いを着実に受注へ結び付けることで、業績の回復と企業価値の向上に努めてまいります。
2.技術開発の強化
先端ロジック半導体検査装置に搭載される先進機能(I/O 1024チャンネル、デジタルスピード1.6Gbps)に関しては、市場からの要求が高まっておりました、ハイパワーチャンネルオプション(別途開発中)の搭載を意識し、2026年第3四半期より構想を詰め、2027年末に向けリリースを予定します。また開発中であるDDIC(ディスプレイ・ドライバーIC)用検査装置、WTS-577SX、WTS-9000次世代DDIC向け「高速多チャンネルデータキャプチャーボード」は第3四半期に完成リリースいたします。また、引続き次世代向け機能として超高速デジタルパターンスピード発生装置USDRとして4.0Gbpsを発生する高速リソースの開発は現在継続中ですが、2026年末で開発を終了し、顧客への提供を開始する計画です。
また、新たな半導体検査領域の拡大成長戦略として、AI関連分野に直接結びつき引続き、市場拡大が見込まれるシステムオンチップ(SoC)市場に進出するために、これまで培ってきたWTS-3000の機能を拡張し当社の検査技術や画像処理技術、高精度センサー技術、データ解析技術を応用し、小型低コストで運用可能なSoC(AI周辺半導体)向けロジックIC検査装置の開発を行います。開発には、当社横浜本社、大阪事業所及び、当社100%子会社偉恩測試技術(武漢)有限公司の技術陣を加え、グループ企業との開発連携を行い開発期間の短縮をいたします。
パワー半導体向け検査装置の市場は一時的なEV離れにより停滞気味ですが、中長期的には、今後とも安定的な伸びが期待できる分野です。現在2026年末を目途にプロトタイプの設計と開発に日々邁進しております。
また国内市場に目を向けると、汎用デジタル市場の検査分野、ハイエンドCMOSイメージセンサー分野、そして2027年には、デバイス検査の新たなアプローチとして注目の集まるSLT(システムレベルテスト)に対応する検査装置の開発を有力顧客との連携のもとに開始いたします。
3.隣接領域の展開と製品化
特許である自重補償機構技術(以後、「MGC技術」と言う)を使ったトラック用テールゲートリフターについては、慶應義塾先端科学技術研究センターと共同開発を進めており、第3四半期より複数のお客様、複数の架装業者様よりデモのご依頼を頂いております。これは、2024年問題で揺れる「物流業界」において、主流となっているテールゲートパワーリフター(重量物荷役補助装置)に代えて、モーターや油圧を利用せず安価に利用できる荷役装置としての実用化を行うものです。並びにMGC技術を応用し、油圧など大きい機構が使いづらい鉄道保線関連業界、緊急作業が求められる消防車業界などへも提案を続けております。2026年5月に開催されたジャパントラックショー2026(パシフィコ横浜)に展示し、多くのご来場とお引き合いを頂き、順番にご訪問をしております。
株式会社TAOS研究所と連携のもと進めております脈波(BCG,ECG)を利用したヘルスケア管理システムは、バイタルセンサー部分に新型のものを採用し改善を行い、病院で取る心電図相当のデータ取得を可能とするなど、検査精度の向上、分析機能の改善改良を行いました。なお、販売開始後からのお客様の声を生かした新開発ユーザーインターフェース(GUI)の開発を行っており、第3四半期にはアップデートの形でお客様にご提供を開始いたします。現在、量産は主に当社大阪事業所で行っておりますが、数量が増えてきた場合、製造委託なども行います。製造数量の関係から医療福祉機関など一部の代理店を通じた販売方式としておりましたが、今後の販売方法に関しましては、大手ECサイト、家電量販店並びに大手流通企業とのタイアップを計画してまいります。
次にナノバブルイオン洗浄水製造装置に関しましては、2025年6月19日付「株式会社レドックステクノロジーとの開発協業開始のお知らせ」にてお知らせいたしましたように、同社の特許技術が入った高性能電解槽を当社装置に使った新バージョンに移行し、大幅に精製能力と洗浄水の品質の向上を図ることができました。製品として、アルカリ水(pH12.6)と酸性水(pH2.6)の両方が生成可能なALKALIS DUALとアルカリ水の生成に特化したALKALIS MONO(pH13.2)の2機種としております。なお、DUALは、特許となる電解槽が3室構造をとっており、生成水に電解促進剤が一切混じらない純粋な生成水生成が可能であり、塩基など不純物を嫌う半導体工程でも使用可能です。MONOは、生成水中に電解促進剤が混じることとなり、機械加工工場などの加工油洗浄(脱脂)などに有効であると考えております。また当生成装置の前段である純水(RO水)のフィルター部分を切り離し、純水に当社独自のナノバブルを含有させた水を使ったエアコンなどの冷却装置としてALKALIS-PUREの販売を開始いたしました。
2025年7月17日付「先端技術を駆使した液体レンズ「RYUGU」正式販売開始のお知らせ」で販売の開始をいたしました液体レンズ「RYUGU」は、6月10日から3日間開催された「画像センシング展 2026」など展示会への積極参加を行い多くのご来場様から訪問デモンストレーションのご依頼を頂き受注に至っております。これは従来のガラスなどで作られるレンズに代えて特殊な液体を組み合わせたレンズ構造とし、プログラムされた電圧を加えることで厚さ(焦点)を瞬時に制御できる製品となります。デモ製品はテレセントリックレンズに組込み販売しております。
「WTS-CT130」 マイクロCT、X線照射3D断層撮影検査装置に関しまして、この度大幅なコストの見直しを行い、販売価格の低減を図りました。また6月10日から3日間開催された「画像センシング展 2026」にもRYUGUとともに展示を行い実際の画像を見て頂くことができました。第3四半期からは販売に加え、X線検査受託サービスを開始することとし新しいサービスを開始しました。また顧客による「持込み試料」についても並行して、お受けする方向です。
4.財務施策
財務面については、事業拡張を考えた財務戦略として財務基盤を強化する目的のため、2025年12月26日開催の取締役会の決議において、abc株式会社を割当先とする70,000個の第三者割当による第13回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行を決議し、2026年1月13日付で第三者割当による第13回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行に係る払込完了が行われ、順調に行使が進み2026年6月末現在で、5割を超える行使が完了しております。なお、一部資金の支出予定時期の見直しを行い2026年6月25日付「資金使途支出予定時期の変更に関するお知らせ」にて開示しております。今後とも新規開発、営業並びに新規事業方面での資金需要を鑑み、機動的なファイナンスを計画するとともに有力半導体検査周辺機器メーカーやパワー半導体専門メーカーなどのM&Aも計画し、日本市場においても注目を集める検査分野への進出を目指し、資本提携や協力体制を積極的に進め、新規市場参入を加速し対応可能検査範囲の拡充、収益基盤固めに取り組んでまいります。
また必要に応じ当社のグループ企業あるいは金融機関等からの借入を計画し、事業成長に資する資金確保についての施策を継続的に検討実施してまいります。
しかしながら、事業施策及び財務施策の実現可能性は市場の状況、需要動向等の今後の外部環境の影響を受けることから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
なお、当中間連結財務諸表は、継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を当中間連結財務諸表に反映しておりません。
当社グループは、前連結会計年度において、工場稼働率の調整が長引いたことの影響を受け、売上高は429,053千円にとどまり、持続的な成長基盤を強化する戦略的な判断として棚卸資産評価損を計上したことにより損失が増加し、営業損失1,218,662千円、経常損失1,217,996千円、親会社株主に帰属する当期純損失1,242,428千円となりました。また、営業キャッシュ・フローは、751,167千円のマイナスとなりました。
前連結会計年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)における世界半導体市場は、生成AI関連需要の急拡大を背景に大きく成長しました。一方で、その成長はAIサーバ向けのGPU、HBMをはじめとするメモリー及び先端ロジック製品に集中し、民生・産業・車載向けを中心とする非AI分野では、需要回復や設備投資の再開にばらつきが見られるなど、用途による市場の二極化が続きました。この影響により、当社の主要市場である中国及び台湾においても、多くの半導体メーカーが生産調整や新規設備投資の抑制を継続しました。
当中間連結会計期間(2026年1月1日から2026年6月30日まで)においても、世界半導体市場はAI関連製品を中心に高い成長を維持しました。SIA(米国半導体工業会)によると、第1四半期の世界半導体売上高は2,985億米ドルとなり、2025年第4四半期比で25.0%増加しました。また、2026年5月には、米州、中国、アジア・太平洋、欧州及び日本の全地域で前年同月を上回り、市場の成長が地域的にも広がりつつあります。
しかし、当社が主力とする民生・産業向け半導体分野では、上半期においても新規設備投資に対する慎重な姿勢が残り、本格的な回復にはなお時間を要する状況が続きました。特に上半期前半は、AI関連分野への投資が引き続き優先され、当社が取り扱うDDIC(ディスプレイ・ドライバーIC)や汎用ロジックIC関連の設備投資については、工場稼働率の改善が見られた一方、新規装置の導入には慎重な顧客が多く、力強さに欠ける状況で推移しました。
一方、上半期後半からは、スマートフォン、パソコン、家電、車載機器などの需要回復を見据え、生産設備の更新や増強を検討する動きが徐々に見られるようになりました。当社においても、第2四半期以降、中国及び台湾の顧客を中心に、DDIC検査装置や汎用ロジックIC検査装置に関する問い合わせ、仕様確認及び商談の機会が増加しております。これらの動きから、AI関連分野が市場を牽引する構造は当面継続するものの、これまで低迷していた民生・産業向け半導体市場にも、緩やかながら回復の兆しが現れ始めているものと認識しております。
以上より、当中間連結会計期間の売上高は175,055千円にとどまり、営業損失393,098千円、経常損失380,519千円、親会社株主に帰属する中間純損失406,919千円を計上しております。また、営業キャッシュ・フローは、267,763千円のマイナスとなりました。
上記のとおり、継続的な営業損失及び営業キャッシュフローのマイナスが発生している状況にあり、当社グループには継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループはこうした状況を早期に解消又は改善すべく、以下の対応策を継続して実施しております。
事業施策
1.市場動向と中国市場での営業活動について
2024年から2025年にかけて、世界半導体市場は生成AI関連半導体が大きく市場を牽引しました。一方、民生・産業向け半導体市場については、2026年には回復が期待されていたものの、当中間連結会計期間においても当社が事業を展開する非AI領域では、本格的な回復には至らず、依然として力強さを欠く状況が続きました。半導体製造工場の装置稼働率は前年と比較して改善傾向にあるものの、その回復は限定的であり、新規設備投資についても慎重な姿勢が継続しております。
また、AI関連分野は引き続き堅調に推移した一方、民生・産業分野に加え、車載市場でもEV需要の伸びが鈍化したことなどから、関連半導体メーカーの設備稼働率も低調に推移いたしました。しかしながら、下半期に入り、次世代スマートフォンやパソコンなど新製品の投入を背景に、非AI向け半導体の需要は緩やかな回復基調を示しており、顧客各社からも設備更新や新規投資に関する引き合い、情報交換及び商談の機会が増加するなど、市場環境には改善の兆しが見られるようになっております。
当社グループの主力製品であるDDIC(ディスプレイ・ドライバーIC)検査装置は、液晶・有機ELディスプレイ向けドライバーICの検査に使用されるほか、スマートフォン、タブレット、パソコンなどの情報機器に搭載されるCMOSイメージセンサー、制御用ロジックICなど、当社が強みを有する周辺半導体デバイスの検査分野とも高い親和性を有しております。短期的には設備投資の慎重姿勢が続くものの、中長期的には情報端末の高機能化や車載機器の高度化を背景に、需要の拡大が期待される市場と認識しております。
また、世界経済は米国の関税政策や地政学的リスクなど、不透明な要因を抱えておりますが、半導体の製造能力及び生産規模の両面から見ても、中国市場は引き続き世界最大級の市場であり、当社にとって最も重要な販売市場であるとの認識に変わりはありません。当社は、中国市場を中心とした販売戦略を継続するとともに、2025年より進めている中国グループ企業との開発・製造・営業の連携をさらに強化し、顧客の設備投資再開のタイミングを的確に捉え、受注拡大に努めてまいります。
また、当社グループは、半導体市場の景気変動による影響を低減し、持続的な成長を実現するため、既存の半導体検査装置事業に加え、IoTヘルスケア、AIデータセンター向け監視システム、液体レンズ、環境・省エネルギー関連製品など複数の新規事業の事業化を推進しております。これらの新規事業については、当期より順次市場投入を開始しており、中長期的には収益源の多様化と企業価値の向上に寄与するものと考えており、半導体検査装置事業を中核としながら、その技術資産を活用できる周辺分野への事業展開を進めることで、景気変動に左右されにくい事業ポートフォリオの構築を目指しております。
上述のような理由から、当中間連結会計期間においては、受注は低迷いたしましたが、当社のハイエンド主力検査装置「WTS-577SX」並びに普及版の「WTS-577SR」、そしてフラッグシップとなる最大3,584チャンネルを搭載可能な能力を持つ「WTS-9000」を主軸として市場攻略を行い、新規事業の加速をも進め、下半期以降に増加しつつある顧客からの引き合いを着実に受注へ結び付けることで、業績の回復と企業価値の向上に努めてまいります。
2.技術開発の強化
先端ロジック半導体検査装置に搭載される先進機能(I/O 1024チャンネル、デジタルスピード1.6Gbps)に関しては、市場からの要求が高まっておりました、ハイパワーチャンネルオプション(別途開発中)の搭載を意識し、2026年第3四半期より構想を詰め、2027年末に向けリリースを予定します。また開発中であるDDIC(ディスプレイ・ドライバーIC)用検査装置、WTS-577SX、WTS-9000次世代DDIC向け「高速多チャンネルデータキャプチャーボード」は第3四半期に完成リリースいたします。また、引続き次世代向け機能として超高速デジタルパターンスピード発生装置USDRとして4.0Gbpsを発生する高速リソースの開発は現在継続中ですが、2026年末で開発を終了し、顧客への提供を開始する計画です。
また、新たな半導体検査領域の拡大成長戦略として、AI関連分野に直接結びつき引続き、市場拡大が見込まれるシステムオンチップ(SoC)市場に進出するために、これまで培ってきたWTS-3000の機能を拡張し当社の検査技術や画像処理技術、高精度センサー技術、データ解析技術を応用し、小型低コストで運用可能なSoC(AI周辺半導体)向けロジックIC検査装置の開発を行います。開発には、当社横浜本社、大阪事業所及び、当社100%子会社偉恩測試技術(武漢)有限公司の技術陣を加え、グループ企業との開発連携を行い開発期間の短縮をいたします。
パワー半導体向け検査装置の市場は一時的なEV離れにより停滞気味ですが、中長期的には、今後とも安定的な伸びが期待できる分野です。現在2026年末を目途にプロトタイプの設計と開発に日々邁進しております。
また国内市場に目を向けると、汎用デジタル市場の検査分野、ハイエンドCMOSイメージセンサー分野、そして2027年には、デバイス検査の新たなアプローチとして注目の集まるSLT(システムレベルテスト)に対応する検査装置の開発を有力顧客との連携のもとに開始いたします。
3.隣接領域の展開と製品化
特許である自重補償機構技術(以後、「MGC技術」と言う)を使ったトラック用テールゲートリフターについては、慶應義塾先端科学技術研究センターと共同開発を進めており、第3四半期より複数のお客様、複数の架装業者様よりデモのご依頼を頂いております。これは、2024年問題で揺れる「物流業界」において、主流となっているテールゲートパワーリフター(重量物荷役補助装置)に代えて、モーターや油圧を利用せず安価に利用できる荷役装置としての実用化を行うものです。並びにMGC技術を応用し、油圧など大きい機構が使いづらい鉄道保線関連業界、緊急作業が求められる消防車業界などへも提案を続けております。2026年5月に開催されたジャパントラックショー2026(パシフィコ横浜)に展示し、多くのご来場とお引き合いを頂き、順番にご訪問をしております。
株式会社TAOS研究所と連携のもと進めております脈波(BCG,ECG)を利用したヘルスケア管理システムは、バイタルセンサー部分に新型のものを採用し改善を行い、病院で取る心電図相当のデータ取得を可能とするなど、検査精度の向上、分析機能の改善改良を行いました。なお、販売開始後からのお客様の声を生かした新開発ユーザーインターフェース(GUI)の開発を行っており、第3四半期にはアップデートの形でお客様にご提供を開始いたします。現在、量産は主に当社大阪事業所で行っておりますが、数量が増えてきた場合、製造委託なども行います。製造数量の関係から医療福祉機関など一部の代理店を通じた販売方式としておりましたが、今後の販売方法に関しましては、大手ECサイト、家電量販店並びに大手流通企業とのタイアップを計画してまいります。
次にナノバブルイオン洗浄水製造装置に関しましては、2025年6月19日付「株式会社レドックステクノロジーとの開発協業開始のお知らせ」にてお知らせいたしましたように、同社の特許技術が入った高性能電解槽を当社装置に使った新バージョンに移行し、大幅に精製能力と洗浄水の品質の向上を図ることができました。製品として、アルカリ水(pH12.6)と酸性水(pH2.6)の両方が生成可能なALKALIS DUALとアルカリ水の生成に特化したALKALIS MONO(pH13.2)の2機種としております。なお、DUALは、特許となる電解槽が3室構造をとっており、生成水に電解促進剤が一切混じらない純粋な生成水生成が可能であり、塩基など不純物を嫌う半導体工程でも使用可能です。MONOは、生成水中に電解促進剤が混じることとなり、機械加工工場などの加工油洗浄(脱脂)などに有効であると考えております。また当生成装置の前段である純水(RO水)のフィルター部分を切り離し、純水に当社独自のナノバブルを含有させた水を使ったエアコンなどの冷却装置としてALKALIS-PUREの販売を開始いたしました。
2025年7月17日付「先端技術を駆使した液体レンズ「RYUGU」正式販売開始のお知らせ」で販売の開始をいたしました液体レンズ「RYUGU」は、6月10日から3日間開催された「画像センシング展 2026」など展示会への積極参加を行い多くのご来場様から訪問デモンストレーションのご依頼を頂き受注に至っております。これは従来のガラスなどで作られるレンズに代えて特殊な液体を組み合わせたレンズ構造とし、プログラムされた電圧を加えることで厚さ(焦点)を瞬時に制御できる製品となります。デモ製品はテレセントリックレンズに組込み販売しております。
「WTS-CT130」 マイクロCT、X線照射3D断層撮影検査装置に関しまして、この度大幅なコストの見直しを行い、販売価格の低減を図りました。また6月10日から3日間開催された「画像センシング展 2026」にもRYUGUとともに展示を行い実際の画像を見て頂くことができました。第3四半期からは販売に加え、X線検査受託サービスを開始することとし新しいサービスを開始しました。また顧客による「持込み試料」についても並行して、お受けする方向です。
4.財務施策
財務面については、事業拡張を考えた財務戦略として財務基盤を強化する目的のため、2025年12月26日開催の取締役会の決議において、abc株式会社を割当先とする70,000個の第三者割当による第13回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行を決議し、2026年1月13日付で第三者割当による第13回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行に係る払込完了が行われ、順調に行使が進み2026年6月末現在で、5割を超える行使が完了しております。なお、一部資金の支出予定時期の見直しを行い2026年6月25日付「資金使途支出予定時期の変更に関するお知らせ」にて開示しております。今後とも新規開発、営業並びに新規事業方面での資金需要を鑑み、機動的なファイナンスを計画するとともに有力半導体検査周辺機器メーカーやパワー半導体専門メーカーなどのM&Aも計画し、日本市場においても注目を集める検査分野への進出を目指し、資本提携や協力体制を積極的に進め、新規市場参入を加速し対応可能検査範囲の拡充、収益基盤固めに取り組んでまいります。
また必要に応じ当社のグループ企業あるいは金融機関等からの借入を計画し、事業成長に資する資金確保についての施策を継続的に検討実施してまいります。
しかしながら、事業施策及び財務施策の実現可能性は市場の状況、需要動向等の今後の外部環境の影響を受けることから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
なお、当中間連結財務諸表は、継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を当中間連結財務諸表に反映しておりません。