有価証券報告書-第28期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 10:05
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業績等の概要

(1)業績
当事業年度におけるわが国の経済は、各種政策効果により雇用・所得環境が改善を続けるなど、緩やかな回復基調で推移しているものの、英国の欧州連合離脱問題や米国大統領選の影響等から海外経済の不確実性は依然として高く、景気の先行き不透明感が残る状況となりました。また、広告業界における総広告費についても、天災や先行き不安などから国内消費は低調、円高株安傾向に伴う企業業績の低下など下押し懸念もあったものの、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック、伊勢志摩サミット、インターネット広告のさらなる拡大などにより通年では前年比101.9%となりました。媒体別では、マスコミ四媒体広告費は、前年と同水準となりましたが、インターネット広告費は、モバイル広告市場の成長や動画広告などが伸長し全体を牽引する形となりました。屋外広告費についても前年に引き続き増加しております。
このような環境の下、当社は安定的な収益が確保できる体制を強化するためローコスト体質を維持しながら、ix-boardやDPS-150といった小型表示機を活用した機器リース事業や運営事業の中でもSNS関連事業の拡大を中心に展開することに加え、需要拡大が見込める大型ビジョンの販売展開を図ってまいりました。
当事業年度における事業別の活動と業績は以下のとおりです。
① 機器リース事業
ix-board、DPS-150につきましては、多言語の表現できる看板をコンセプトに、日本国内における外国人観光客向け販促サービスとして飲食店舗などを中心に拡大展開できたことにより契約数が増加しました。なお、これらの契約は、複数年の契約となっておりますので、現時点で次期以降の安定的な売上が見込まれております。大型表示機レンタルにつきましても、長期に亘るレンタル契約となりますが、当事業年度におきましては、レンタル期間満了となる案件が重なったこともあり、レンタルの売上高としては、減少いたしました。
以上により、ix-board、DPS-150および大型表示機レンタル等を合わせた機器リース事業といたしましては、売上高179,002千円と前事業年度と比べ11,909千円の減少となりました。
② 運営事業
簡易映像制作ソフト「TemPo、iTemPo」や当事業年度より本格的に展開をはじめたSNS関連事業が堅調に推移しており、売上高が増加しました。広告媒体収入、その他運営収入につきましても、飲食店等への販促支援サービスが功を奏し、売上高は増加しました。
以上により、映像コンテンツ、SNS関連事業、メンテナンス等を合わせた運営事業といたしましては、売上高376,615千円と前事業年度と比べ9,802千円の増加となりました。
③ 情報機器事業
当事業年度より本格的に中国製LED表示機を取り扱うことになったことから、新規マーケットが拡大したこと、その背景として製品の品質を確保するため、当社スタッフを中国工場に派遣するなどの多くの施策を実施したことにより、売上高については、477,373千円と前事業年度と比べ295,939千円の大幅増加となりました。
なお、引き続き中国製LED表示機を本格的に販売していく方針のもと、製品品質について、一定の水準を保てるようになり、かつ安定的に供給することが可能であると判断したため、当社製品の一部について、国内製造から撤退することといたしました。これにより、国内製造に必要な原材料および製品の評価損38,533千円を特別損失に計上しました。
次に当事業年度の販売費および一般管理費につきましては、人件費は235,215千円と前事業年度と比べ、7,699千円の減少となり、その他の経費としては192,232千円と35,465千円の減少となりました。これは、全社で取組んでいる業務効率化に伴う経費削減が主な要因と考えられます。
販売費および一般管理費の合計といたしましては、43,164千円の減少となりました。
これらの結果、当事業年度における業績は、売上高1,032,990千円(前期比293,832千円増)、営業利益84,469千円(前期は営業損失104,496千円)、経常利益64,801千円(前期は経常損失114,156千円)、当期純利益25,963千円(前期は当期純損失114,460千円)となりました。
(2)財政状態に関する分析
(資産、負債及び純資産の状況)
当期の財政状態の分析は、以下の通りです。
① 流動資産
当期末における流動資産の残高は、1,119,490千円(前期末比33,756千円増)となりました。これは、売掛金の増加(前期末比96,440千円増)と商品及び製品の減少(前期末比15,641千円減)及び原材料及び貯蔵品の減少(前期末比35,048千円減)によるものです。
② 固定資産
当期末における固定資産の残高は、176,405千円(前期末比57,282千円減)となりました。これは、機器リース事業資産の減価償却による減少で、レンタル資産(前期末比21,828千円減)及びリース資産(前期末比18,410千円減)によるものです。
③ 流動負債
当期末における流動負債の残高は、403,067千円(前期末比56,014千円増)となりました。これは、買掛金の増加(前期末比29,490千円増)と未払消費税等の増加(前期末比12,528千円増)によるものです。
④ 固定負債
当期末における固定負債の残高は、435,550千円(前期末比195,929千円減)となりました。これは、長期借入金の減少(前期末比117,400千円減)及び社債の減少(前期末比60,000千円減)によるものです。
⑤ 純資産
当期末における純資産の残高は、457,278千円(前期末比116,389千円増)となりました。これは、株式の発行による資本金の増加(前期末比43,982千円増)及び資本準備金の増加(前期末比43,982千円増)と当期純利益の計上(25,963千円)によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金および現金同等物の当期末残高は674,480千円で前期末と比べて6,468千円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
売上債権の増加額79,804千円があったものの、税引前当期純利益26,268千円の計上や減価償却費65,367千円の計上、仕入債務の増加額26,465千円及びたな卸資産の減少額42,652千円等の影響により、93,511千円の収入(前年同期は25,477千円の支出)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
工具、器具及び備品等の有形固定資産の取得による支出7,112千円と、投資有価証券の取得による支出1,228千円等により、14,299千円の支出(前年同期は14,968千円の支出)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入による収入100,000千円及び株式の発行による収入87,064千円があったものの、長期借入金の返済による支出203,480千円及び社債の償還による支出60,000千円等により、85,680千円の支出(前年同期は35,815千円の支出)となりました。