有価証券報告書-第51期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 10:09
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180項目
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループでは、下記の4項目を経営ビジョンとして掲げ、経営の基本方針としております。
① 独自技術を保有し、自社ブランド製品を世界に供給する「開発型企業」を目指します。
② 顧客に満足いただける製品を素早く提供する小回りの利いた会社を目指します。
③ 市場に常に「新しさと違い」を提供するイノベーターを目指します。
④ 各人が持っている個性・能力を力一杯発揮できる企業風土を目指します。
(2)中長期的な経営方針及び経営指標
当社グループでは、2025年5月に、2030年3月期を最終年度とする5か年の新中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」を策定いたしました。
①「Mimaki Innovation 30」基本方針と業績目標
安定的な収益性で売上高成長の追求を継続し、資源の積極的な活用により新たな領域にチャレンジすることで、2030年3月期(FY2029)に売上高 1,500億円 を目指す。
1.安定的な収益性の維持・強化
・コア事業の成長と粗利率改善の追求を継続
・売上高成長率(CAGR)10%以上を継続し、2030年3月期に売上高1,500億円、営業利益率8%以上を目指す
・イノベーションに適切な新製品を継続的に市場へ投入し、新製品売上高比率 年30%の達成
2.新たな領域へのチャレンジでInnovationの創出
・塗料・工業用機能材料などの 高粘度領域 にチャレンジ。IP市場向けの飛躍的な拡大を目指し、Digital Paint領域へ
・フレキシブル有機ELシートにチャレンジ
・セカンドブランド「ミマキ ラメカニカ」を立ち上げ、プリンタ・カッティングの周辺機器へ進出
・3Dプリンタ事業の進化を推進、事業拡大で3Dをコア事業の新たな柱とすべく育成
・Mimaki Innovation 30 (2026年3月期~2030年3月期)の5年間は既存の開発投資とは別枠で、新たな領域への投資に売上高の 1~2% を充当
3.技術開発マネジメント体制の確立と人的資本の拡大
・新製品の開発スピードを向上し、競争力のある開発体制を構築
・AIの活用による業務効率化、DXによるプロセス改革、ノーコード化とユーザーインターフェイスの最適化を推進し、経営管理体制の高度化を図る
・技術開発から営業力強化に至るまで、全社的な専門教育の深化で新しさと違いを提供するイノベーターの創出
(3) 中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」重点施策
①新しいMimakiに向けてインクジェット技術と印刷技術の蓄積とノウハウの応用・発展により高粘度領域やフレキシブル有機ELシートなど新しい領域へチャレンジ
②周辺機器への取組みとしてセカンドブランドの立ち上げ
③製品戦略は、定期的かつ革新的な新製品を上市やラインナップの充実を図る
SG(サイングラフィックス)市場
・UVプリンタと環境負荷を低減した最新のUV硬化型サステナブルインクで競争優位性を強化
・多様な顧客ニーズを的確に捉えたハイエンドからエントリーモデルまでのラインナップ戦略で顧客体験価値の向上を図る
・ハイエンド〜エントリーモデル領域に未参入レンジを追加し、ラインナップの充実でさらなる市場シェアの拡大を図る
・高付加価値の印刷ビジネスの創出や製品展開の充実でターゲット市場を開拓、新たな顧客層を獲得
・高画質の実現と優れた操作性に加え、収益性を維持したエントリーモデルの展開で差別化し市場シェアNo.1を奪取
IP(インダストリアルプロダクツ)市場
・小型FB(フラットベッド)市場:自動化・省人化で生産効率を重視し、産業用印刷のデジタル化を推進。No.1シェアを独走し続ける
・大判・ミドル市場:生産性を重視した高付加価値のプロダクトモデルをラインナップ戦略で販売強化し、No.1シェアを維持
・高粘度領域・Digital Paintで新たな分野を開拓
・付加価値の高いサステナブルなUVインクを強みに差別化を推進
TA(テキスタイル・アパレル)市場
・デジタル化の潜在的拡大市場であると捉え、注力市場と位置付け
・昇華転写市場のエントリー・ミドル・フラッグシップモデルのラインナップの拡充と販売チャネルの活用でシェアNo.1を目指す
・デジタル化推進に欠かせない、DTFモデルにさらなる付加価値を加えた製品を展開し圧倒的な差別化を図る
・サステナブル領域への追求・・・環境や印刷作業者に配慮した安心・安全な製品とインク開発の追求を継続
3Dプリンティング事業
・インクジェットプリンタ(IJP)の開発で培った技術を応用し、様々なマルチマテリアルで特性の異なる材料を複合化
・3Dプリンタ技術のプラットフォーム化を推進し、将来的に3Dを次の柱へと成長を図る
・高生産性に注力し色彩表現に優れた高品質の強みとインクコストを抑えた製品開発
・アライアンスパートナーの検討など、販売チャネルマーケティングの強化でユーザーメリットのある商品企画を推進
FA事業
・FA装置事業 自動車関連事業の強化
・半導体事業 未成熟市場であるAI処理に特化した半導体チップの“AIチップ”に注力し対応装置の販売でシェア拡大を図る
ダイボンダ(CIS,LPH)市場に注力
・基板実装機器事業 後工程の挿入・塗布工程装置を提供可能な強みを活かし、販売強化で自動車部品メーカーをターゲットとする
・基板検査事業 大型化需要を捉え高性能を追求した装置の開発で台湾・日本の販売強化のほか中国を強化し重点エリアを拡大
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、2025年5月に公表の中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」の達成に向けて対処すべき課題は以下のとおりと認識し、取り組んでまいります。
① デジタルオンデマンド・プリントソリューションの提供
当社が開発型企業として持続的な成長を実現するためには、サステナビリティへの取り組みを重要な経営課題と位置付け、SDGsに代表される社会的な要請をはじめ、お客様のニーズや課題に的確に応えていく必要があると認識しております。また、技術革新の進展や市場環境の変化の加速により、顧客ニーズは多様化・高度化が進んでおります。ECの普及拡大に伴い、パーソナライズ需要の拡大や過剰在庫問題などの環境負荷低減への意識の高まりから、「オンデマンド」供給への要求が一層強まっており、事業を通じて在庫削減や廃棄抑制に貢献することも重要な役割となっております。
このような環境変化に的確に対応し、持続的な成長の実現のため、当社グループは、独自技術を基盤とした競争優位性の高い製品、ソフトウエア、サービスの展開に加え、デジタルトランスフォーメーションを成長ドライバとして取り込み、産業用印刷市場におけるデジタルオンデマンド・ソリューションの強化を図ってまいります。
具体的な施策として、当社グループは、プリント前後工程を含めた製品・機能性インク・ソフトウエアのノウハウを組み合わせたトータルソリューション対応の強化に取り組んでまいります。蓄積した有形・無形の資産を源泉とし、プリント工程全体のシステム化を推進するとともに、自動化による省人化・無人化への対応を進めます。また、製品、機能性インク、ソフトウエア及び技術知見の組み合せにより、お客様の成果物の品質向上と生産プロセスの効率化を支援してまいります。これらの取り組みにより、産業用印刷分野におけるトータルソリューションプロバイダーとしてのポジションの確立を図ってまいります。以上を踏まえ、特に次の2領域にフォーカスして取り組んでまいります。
a.デジタルプリントのIoT
当社が手掛けているSG(サイングラフィックス)市場、IP(インダストリアルプロダクツ)市場、TA(テキスタイル・アパレル)市場等の産業用インクジェットプリンタ分野における事業機会は、さらに拡大しております。これらの市場に向け、当社が保有するデジタルプリントの前処理装置、プリンタ、インク、カッティングプロッタ、後処理装置に加え、ワークフローソフトまでを含む豊富なラインナップ製品と、プリント成果物制作プロセスの構築ノウハウを基盤に、プリント工程の自動化による省人化・無人化を実現する「デジタルプリントのIoT」の展開を進めてまいります。
また、SG市場やIP市場で使用される機能性インクは、有機溶剤系インクから、環境負荷が低く生産性の高いUV硬化型インクへの転換が進んでおり、市場の拡大が見込まれております。当社は、UV硬化型インク開発と対応プリンタの開発に早期から取り組むとともに、保有の特許技術の活用により競争優位性を確保しています。
今後は、これらの強みを活かし、産業用印刷市場に対してデジタルプリントのIoTとUV硬化型インクを組み合わせた高い生産性を実現するトータルソリューションの提供を通じて、マーケットリーダーとしての地位を確実なものとしてまいります。
b.3Dプリント事業
IP領域における3Dプリントビジネスにおいては、2017年に発売したUV硬化インクジェット方式で1,000万色のフルカラー造形を世界で初めて実現した3DUJ-553を皮切りに、2021年には小型化のエントリーモデル3DUJ-2207を発売する等、着実に製品ラインナップの拡充を図ってまいりました。今後も、お客様の多様なニーズにお応えする製品ラインナップのさらなる充実に取り組むとともに、新たにマルチマテリアルで特性の異なる材料の複合化等に注力してまいります。さらに材料開発においてはアライアンスの検討や有力な3Dソフトウエアメーカー等の幅広いパートナーシップの構築を進め、3D造形の市場成長を加速させるなど、多様な用途やアプリケーションの提案等に取り組み、3Dプリントを当社の次の事業の柱とすべく育成してまいります。
② インクの収益性向上
当社グループにおいて、機能性インクは競争力の源泉であります。ストック性の高いインクの収益性を高めるため、揮発性有機化合物を削減したインクの開発など、印刷作業者や環境に配慮した安心・安全なインクの開発に取り組みつつ、さらなる品質改善やインクのスケールメリットによるコストダウンなどに取り組むことで、収益性の向上を図り競争力強化を図ってまいります。また、市場での品質問題発生時には、情報の早期フィードバックと見える化により、迅速な対応を図るとともに、不具合発生時にも正確かつ迅速な対応と的確な対策を実行できる体制を整備してまいります。これらの取り組みにより、インク品質のさらなる向上を通じて競争力の強化を図ってまいります。
③ 内部統制・コンプライアンスの徹底
企業の社会的責任として、内部統制及びコンプライアンスに徹底して取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守やお客様の情報管理に関するセキュリティーポリシーを確立し、役職員一人ひとりの倫理観の醸成と社会的良識に基づく責任ある行動の徹底に向け、社内教育を実施してまいります。内部統制システムの整備・運用を推進するとともに、独立した内部監査部門による定期的な内部監査により、業務監査及び財務報告の適正性を確保しています。あわせて、各本部・部門において年2回以上のコンプライアンス教育を実施し、法令遵守に関する意識向上を図っています。さらに、「1,000億企業」として成長を見据え、グローバルでのワークフローや規程、マニュアルの整備に努め、本社及び国内外の製造・販売子会社における統制基盤の強化を図ってまいります。具体的には、HSコード(輸出入統計品目番号)の確認・運用を含む貿易管理の見直しや、購買発注ワークフローの改定などに取り組み、複雑化する法規制に適切に対応するための業務プロセスの整備を推進してまいります。また、反社会的勢力に対しては断固たる姿勢で臨み、関係遮断の徹底とともに、コンプライアンスに則った経営を実践してまいります。
④ サプライチェーンの最適化による生産・物流体制の構築
地政学的リスクの高まりなど変化の激しい社会情勢により、原材料の供給制約や調達リスクが顕在化しており、安定的な供給と確保が重要な経営課題となっております。当社グループは、こうした環境変化に対応するため、各生産拠点において調達体制の見直しと強化を進めてまいりました。具体的には、特定地域に偏らない調達体制の構築を進め、生産拠点または近隣地域において原材料を調達できる体制を整備するとともに、主要製品を日本及び中国の双方で生産できる体制を整備しております。今後も体制の維持・高度化を進め、地域ごとの自立性を高めることで外部環境の変化による影響を抑制し、安定的な生産・供給体制の確立を図ってまいります。加えて、販売・生産・調達・物流の連携強化及び在庫マネジメントの最適化により、機会損失の最小化と収益性の向上に取り組んでまいります。
⑤ 研究・開発体制の強化
当社グループは、変化の激しい市場ニーズや顧客志向の変化を捉え、製品開発でイノベーションを起こし、新規市場・新規アプリケーションの開拓に取り組んでまいります。新たな取り組みとして、3年以内に上市した製品を新製品と定義し、新製品売上高比率を30%以上と掲げ、効率的な研究・開発体制のもとで優れた製品をタイムリーに市場投入する取り組みを推進しております。要求機能に対し、製品・ユニット・部品・技術情報より最適化を図り、組合せにより新製品をモジュール開発することにより売上高の拡大とSKU=在庫の削減につなげること等に取り組んでおります。また、基盤となる製品プラットフォームの横展開を通じて、短期間かつ効率的に新製品を投入する開発プロセスを確立し、開発サイクルの短縮化を進めています。これらの活動の結果、2024年3月期から2026年3月期までの3年間においてプリンタ本体は、合計22機種の新製品を市場投入しました。また、開発スペース不足の解消を目的に取得した本社・加沢工場の隣接地に新社屋F棟が竣工し、2026年4月より稼働を開始しました。これらを活用し、エントリーモデルからハイエンドモデルまで多岐にわたる開発体制を増強し、「新しさと違い」を出せる製品の市場投入を進めてまいります。
⑥ CX(コーポレート・トランスフォーメーション)
当社グループは会社の構造変革に取り組んでまいります。固定費の圧縮と事業体質の筋肉質化に向け、生成AIやローコードツール等の導入により業務の棚卸と自動化・AI化を進めてまいります。また、資金効率の向上及び財務体質強化のほか、フリーキャッシュ・フローの最大化を目的としたCCCの短縮活動にも取り組んでまいります。具体的には、全社在庫管理プロジェクト活動により、サプライチェーン全体の在庫適正化を進め、特に滞留在庫・不動在庫の一掃を図るとともに、リードタイムを考慮した適正在庫水準の管理する在庫マネジメントの確立に努めております。さらには、グローバルマネジメント体制の強化が重要課題であると認識し、子会社管理の強化、基幹システムや会計システム、人事制度等の最適化に向け、業務の標準化やルールの明確化等を含めた管理強化に取り組んでまいります。加えて、為替リスクの低減に向けた施策にも取り組んでまいります。
⑦ 営業体制の強化
当社グループはグローバルなお客様の多様なニーズにお応えするため、国内営業拠点及び海外販売子会社において、個々の地域特性に合致した販売戦略のもと、新規ユーザーや販売チャネルの開拓、製品用途の提案、製品導入後のアフターフォローや迅速な保守サービスの提供等、地域密着型の営業活動を推進し、顧客満足度の向上に努めてまいります。また、実際に製品を体験できる機会として、当社独自に開催するミニ展示会による提案・商談の機会を設けることで、効率的・効果的な営業活動を継続実施してまいります。加えて、インサイドセールス機能の強化を通じ、SFAやCRMを活用した営業分析により既存・見込客への営業活動状況を記録・管理して顧客接点を拡大するとともに、顧客からの引き合いプロセスの管理により着実に成約に繋げるなど、生成AIやITを活用した営業活動にも、積極的に取り組んでまいります。また、顧客へ向けての販売チャネルにつきましても、それぞれの領域での販売拡大に適したチャネルの開拓・構築を進めるとともに、自動化・省人化ソリューションの提供に向けたパートナーシップ構築により、産業用印刷のデジタル化提案を一層強化してまいります。
⑧ リスクマネジメントへの取組み
近年の事業環境下では、想定を上回る規模の自然災害や感染症の発生等に加え、地政学的なリスクの顕在化により、事業継続計画(BCP)の重要性が増しています。大規模な自然災害が発生した場合でも、被害を最小限に留めるべく、復旧までの時間を最小限におさえて業務を継続できるよう、業務インフラ、緊急時連絡体制、本社屋をはじめとする各設備の防災対策等の体制強化を行ってまいります。また、感染症等によるパンデミックの発生に際しては社会全体での取り組みのもと、当社グループとしても、役職員を始め地域やステークホルダーの皆様の安全確保と感染症拡大抑止を最優先に、適切な対策を検討・実施してまいります。さらに、地政学的なリスクの顕在化に伴う需要の低迷や部品・原材料等の調達難とコスト上昇、生産の遅延や輸送の混乱によるリードタイムの長期化とコスト上昇等のサプライチェーン全体に係る諸課題に対しても、適切なリスク評価に基づき最適な対策を検討・実施してまいります。
⑨ 知的財産戦略の強化
自社ブランド製品を展開する開発型企業である当社にとって、競争力や独自性の確保となる知的財産戦略は、持続的な成長を実現するうえで重要な要素です。当社は、特許・商標等の権利の適切な取得・管理により、他社による模倣や侵害から自社製品及びブランドを保護しております。今後は、新たな領域を含むイノベーション開発をより戦略的に推進し、差別化や付加価値の向上を図る知的財産の創出に取り組むとともに、事業活動と連動した知財活用により、知的財産を重要な経営資産として保護・活用する好循環の構築に取り組んでまいります。
⑩ サステナビリティへの取組み
当社では、SDGs(持続可能な開発目標)に賛同し、当社グループにおいてさまざまな社会問題に真摯に向き合うとともに、事業を通じて社会や環境に良い影響をもたらすことで、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。
特に、気候変動などの地球環境問題への対応も重要な経営課題として捉え、とりわけ産業印刷市場においては環境や資源への負荷の高い従来のアナログ印刷主体の産業構造から、デジタル化によるオンデマンドプリントに転換させることにより環境負荷を大幅に低減できることから、今後の製品開発を含む事業活動において環境に配慮した製品展開を推進するなど、積極的に取り組んでまいります。
当社の重要な販売市場であるテキスタイル・アパレル市場では、従来からのアナログ方式による素材や商品の生産・捺染に始まり、輸送、在庫、販売、利用、廃棄・焼却という長いサプライチェーンの過程から大量のCO2が排出され、また素材生地の生産・捺染工程においては大量の水資源が使用されています。さらに、商品は未使用品も含め、全生産量の70%以上が廃棄・焼却処分され、リサイクル・リユース率は合わせても僅か15%程度とも言われています。このように、同市場は地球環境への負荷が最も高い産業の一つとされており、世界的に対処すべき重要な問題と認識されています。当社ではこの問題に対処するため、インクジェット技術でのデジタルオンデマンド捺染による「サステナブル・プリントソリューション」を提供しております。かつ従来のデジタル捺染プリント方式と比べ排水の約90%を削減し、環境にも人にも経済的にも優しい次世代捺染システム「TRAPIS(トラピス)」に加えて、最新の印刷脱色技術「ネオクロマト・プロセス」による循環型のアクションなど、今後も世界的にサステナブル・プリントソリューションを普及させることで、サステナブルなテキスタイル・アパレル産業の実現を目指して取り組んでまいります。
社会課題の面では、地元・長野県の障がい者福祉や雇用創出への貢献に積極的に取り組みました。また、印刷工程の自動化・省人化による人手不足へのソリューション提案等、当社ならではの価値を提供しております。CO2排出量削減については、2050年カーボンニュートラルという政府指針も踏まえ、国内の当社グループ主要事業所や欧州拠点において、CO2フリー電力を導入しております。今後もバリューチェーンを意識した省エネ・省資源の徹底や、地域社会や従業員を含むステークホルダーへの貢献等を通じて、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。

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