有価証券報告書-第50期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/18 12:47
【資料】
PDFをみる
【項目】
178項目
① 戦略
全社横断体制で気候変動に関する議論を深める必要性から、2023年度には全本部より選出したメンバーによる「TCFDプロジェクト」を実施いたしました。全社的な視点で気候変動関連課題の分析、財務的影響の算定等を実施し、多角的に当社グループの状況を把握したことで、中・長期的に取り組むべき課題が明確になりました。当期は当社グループ全体のマテリアリティー特定作業を行うにあたり、このTCFDプロジェクトの結論と最新の動向をふまえ、各本部の意見を反映いたしました。
具体的には下記の手順で、事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク・機会特定と財務的影響の算定、インパクトの特定、対応策の検討を行いました。引き続き、特定した内容への対応を継続し、新たなリスク・機会・インパクトに関する対応策の検討を行ってまいります。
1前提条件の設定分析対象範囲(地域、事業)、時間軸の設定
2リスク・機会の特定
事業インパクト評価
TCFD提言で挙げられている、低炭素経済への移行に伴う4分野のリスクと、気候変動の物理的影響に関連した2分野のリスク、そして気候変動への適応・緩和策に関する5分野の機会から事業継続において想定される影響を特定。「影響を受ける可能性」と「影響の大きさ」を点数化し、事業インパクトの大きいリスク・機会を抽出し、重要度を評価
3シナリオ分析2で特定したリスク・機会のうち、影響度が高いと推定されるものについて
2℃以下・2℃以上の各シナリオにおける当社グループ事業への財務的影響を算定
4対応策の検討3の結果、事業インパクトの大きいリスク・機会について対応策や方針を検討
5インパクトもふまえた再検討(当期の追加対応事項)
気候変動を含むサステナビリティ関連リスク・機会ならびに当社グループが及ぼす正負のインパクトを検討。重要度を評価し、重要と判断したIROをマテリアリティーに位置づけ、サステナビリティ領域において高い優先順位で取り組むことを決定

A. 採用シナリオ
TCFDプロジェクトにおける分析には、移行リスクの面で国際エネルギー機関(IEA)によるSTEPSならびにSDSシナリオ、物理リスクの面で気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によるRCP8.5及び2.6シナリオ*1を採用いたしました。
*1 RCP8.5及び2.6シナリオ:IPCC 第5次報告書の気候モデル予測で用いられる、温室効果ガスの代表的な濃度の仮定(シナリオ)
*2 GHG:温室効果ガス
0102010_005.png0102010_006.png
出典:環境省「IPCC第5次評価報告書の概要 -第1作作業部会(自然科学的根拠)- (2014年12月版)」
IPCC「第5次評価報告書」のRCP8.5シナリオ、RCP2.6シナリオ
IEA「世界エネルギー見通し2021年版(WEO-2021)」のSDSシナリオ、STEPSシナリオ
B. シナリオ分析結果と、対応するマテリアリティー
0102010_007.png
a.気候変動関連対応に関する特筆すべき当期の取組
当期においては、欧州の企業サステナビリティ報告指令(以下、CSRD)の対象に当社の欧州子会社であるMimaki Europe B.V.が該当する見込みであると考え、全本部からメンバーを選出した「CSRDプロジェクト」を組織し、同指令に即したサステナビリティ開示の準備・対応を進めました。同指令が網羅するトピックのひとつである気候変動は、当社グループの事業活動に影響を与える課題であり、同指令に則った適切な気候変動関連開示をできない場合、法令遵守の不履行やレピュテーション低下の恐れがあると考えます。そのためCSRDプロジェクトにおいては、気候変動を含めたサステナビリティ・トピックにおけるリスク・機会・インパクトについて各本部メンバーで協議・評価を行いました。最終的には当社グループのマテリアリティーの1つに気候変動対策を包含し、今後も取組を強化することを結論付けました。
なお当期末時点で、欧州議会ではCSRD対応による企業の負担軽減を目的としたオムニバス法案が提出され、サステナビリティ報告の義務化については適用時期の延期が見込まれております。また開示義務の適用対象縮小に関する法案が議会を通過した場合には、Mimaki Europe B.V.は同指令の適用対象外となる可能性があります。対象外となった場合でも、マテリアリティーへの対応を通じてサステナビリティ向上の努力を続け、それに伴って開示情報も一層の充実を図ります。
b. レジリエンスの向上
シナリオ分析を通じて認識している、今後の大きな気候変動関連リスクとしてコストの上昇(レピュテーション低下による人財不足対応を含む)、異常気象による調達難、そして機会としてはデジタル・オンデマンド印刷需要の増加があります。
具体的には、炭素税の導入やそれに伴う材料・エネルギーの価格高騰など、製品コストにかかわるリスクの発生が予想されます。対策として、製品自体の原価率低減のほか製品の容器・梱包等におけるコスト削減及び資源利用量の削減を継続しております。また気候変動の影響に限らず、昨今のコスト上昇に対応すべく販売価格を適切に見直すなど、取り得る選択肢を柔軟に検討してコスト上昇リスクに対処しております。
加えて、調達難を含む想定外の事態の影響を、最小限に留めるために備えております。管理部門においては、緊急時の基本的対応に用いる安否確認システムの導入徹底や、地政学リスクへの対応も考慮して、各工場間における生産品目の移管等も適宜行っております。
ESG課題に対する当社グループの取組をさらに効率的・効果的に進めるため、マテリアリティーを特定し、サステナビリティ方針を策定いたしました。これにより、社内におけるサステナビリティ施策の重要性が明確になっただけでなく、社内外にむけて当社グループがなぜ、どのようにサステナビリティに取り組んでいるかをより明確に発信できるようになりました。2025年度からは従業員に対するサステナビリティ教育も開始しており、今後も社内外に当社グループのサステナビリティ対応への姿勢を発信していきます。
最後に、気候変動対応の緊急性が叫ばれる今、当社グループの強みであるインクジェットプリンタと関連技術がもたらす価値は向上し続けると推測しております。多品種生産のニーズに応えるこの製品・技術は、大量生産による過剰在庫や廃棄物の削減に資するものであります。この技術・製品の普及により、当社グループはお客様先のビジネスの支援と同時に、環境負荷の削減、管理面の負担軽減をもサポートしております。お客様の持続可能なデジタル・プリンティングビジネスを支え、各本部によるリスクの低減・緩和、機会の最大化を通じて統合的なサステナビリティ向上を目指すことが、全社的なレジリエンス強化に繋がると考えております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。