有価証券報告書-第51期(2025/04/01-2026/03/31)
① 戦略
全社横断体制で気候変動に関する議論を深める必要性から、2023年度には全本部より選出したメンバーによる「TCFDプロジェクト」を実施しました。全社的な視点で気候変動関連課題の分析、財務的影響の算定等を実施し、多角的に当社グループの状況を把握したことで、中・長期的に取り組むべき課題が明確になりました。当期は当社グループ全体のマテリアリティ特定作業を行うにあたり、このTCFDプロジェクトの結論と最新の動向を踏まえ、各本部の意見を反映しました。
具体的には下記の手順で、事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク・機会特定と財務的影響の算定、インパクトの特定、対応策の検討を行いました。引き続き、特定した内容への対応を継続し、新たなリスク・機会・インパクトに関する対応策の検討を行ってまいります。
A. 採用シナリオ
TCFDプロジェクトにおける分析には、移行リスクの面で国際エネルギー機関(IEA)によるSTEPSならびにSDSシナリオ、物理リスクの面で気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によるRCP8.5及び2.6シナリオ*1を採用いたしました。
*1 RCP8.5及び2.6シナリオ:IPCC 第5次報告書の気候モデル予測で用いられる、温室効果ガスの代表的な濃度の仮定(シナリオ)

*2 GHG:温室効果ガス
出典:環境省「IPCC第5次評価報告書の概要 -第1作作業部会(自然科学的根拠)- (2014年12月版)」
IPCC「第5次評価報告書」のRCP8.5シナリオ、RCP2.6シナリオ
IEA「世界エネルギー見通し2021年版(WEO-2021)」のSDSシナリオ、STEPSシナリオ
B. シナリオ分析結果と、対応するマテリアリティ
*分析対象: 本社地区 / マシン本体(プリンタ・プロッタ)
*財務的影響の尺度: 小… ~5,000万円 / 中… 5,000万円~5億円 / 大… 5億円~(売上高との比率として考慮の上で決定)
*想定時間軸: 短期… 0~3年 / 中期… 3~10年 / 長期… 10年~
a.レジリエンスの向上
シナリオ分析を通じて認識している今後の大きな気候変動関連リスクとして、コストの上昇(レピュテーション低下による人財不足対応を含む)、異常気象による調達難、そして機会としてはデジタル・オンデマンド印刷需要の増加があります。
具体的には、炭素税の導入やそれに伴う材料・エネルギーの価格高騰など、製品コストにかかわるリスクの発生が予想されます。対策として、製品自体の原価率低減のほか、製品の容器・梱包等におけるコスト削減及び資源利用量の削減を継続しております。また気候変動の影響に限らず、昨今のコスト上昇に対応すべく販売価格を適切に見直すなど、取り得る選択肢を柔軟に検討してコスト上昇リスクに対処しております。
加えて、調達難を含む想定外の事態の影響を最小限に留めるために備えております。管理部門においては、緊急時の基本的対応に用いる安否確認システムの導入徹底や、地政学リスクへの対応も考慮して、各工場間における生産品目の移管等も適宜行っております。
最後に、気候変動対応の緊急性が叫ばれる今、当社グループの強みであるインクジェットプリンタと関連技術がもたらす価値は向上し続けると推測しております。多品種生産のニーズに応えるこの製品・技術は、大量生産による過剰在庫や廃棄物の削減に資するものであります。この技術・製品の普及により、当社グループはお客様先のビジネスの支援と同時に、環境負荷の削減、管理面の負担軽減をもサポートしております。お客様の持続可能なデジタル・プリンティングビジネスを支え、各本部によるリスクの低減・緩和、機会の最大化を通じて統合的なサステナビリティ向上を目指すことが、全社的なレジリエンス強化に繋がると考えております。
全社横断体制で気候変動に関する議論を深める必要性から、2023年度には全本部より選出したメンバーによる「TCFDプロジェクト」を実施しました。全社的な視点で気候変動関連課題の分析、財務的影響の算定等を実施し、多角的に当社グループの状況を把握したことで、中・長期的に取り組むべき課題が明確になりました。当期は当社グループ全体のマテリアリティ特定作業を行うにあたり、このTCFDプロジェクトの結論と最新の動向を踏まえ、各本部の意見を反映しました。
具体的には下記の手順で、事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク・機会特定と財務的影響の算定、インパクトの特定、対応策の検討を行いました。引き続き、特定した内容への対応を継続し、新たなリスク・機会・インパクトに関する対応策の検討を行ってまいります。
| 1 | 前提条件の設定 | 分析対象範囲(地域、事業)、時間軸の設定 |
| 2 | リスク・機会の特定 事業インパクト評価 | TCFD提言で挙げられている、低炭素経済への移行に伴う4分野のリスクと、気候変動の物理的影響に関連した2分野のリスク、そして気候変動への適応・緩和策に関する5分野の機会から事業継続において想定される影響を特定。「影響を受ける可能性」と「影響の大きさ」を点数化し、事業インパクトの大きいリスク・機会を抽出し、重要度を評価 |
| 3 | シナリオ分析 | 2で特定したリスク・機会のうち、影響度が高いと推定されるものについて 2℃以下・2℃以上の各シナリオにおける当社グループ事業への財務的影響を算定 |
| 4 | 対応策の検討 | 3の結果、事業インパクトの大きいリスク・機会について対応策や方針を検討 |
| 5 | インパクトも踏まえた再検討 | 気候変動を含むサステナビリティ関連リスク・機会ならびに当社グループが及ぼす正負のインパクトを検討。重要度を評価し、重要と判断したIROをマテリアリティに位置づけ、サステナビリティ領域において高い優先順位で取り組むことを決定。 |
A. 採用シナリオ
TCFDプロジェクトにおける分析には、移行リスクの面で国際エネルギー機関(IEA)によるSTEPSならびにSDSシナリオ、物理リスクの面で気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によるRCP8.5及び2.6シナリオ*1を採用いたしました。
*1 RCP8.5及び2.6シナリオ:IPCC 第5次報告書の気候モデル予測で用いられる、温室効果ガスの代表的な濃度の仮定(シナリオ)

*2 GHG:温室効果ガス出典:環境省「IPCC第5次評価報告書の概要 -第1作作業部会(自然科学的根拠)- (2014年12月版)」
IPCC「第5次評価報告書」のRCP8.5シナリオ、RCP2.6シナリオ
IEA「世界エネルギー見通し2021年版(WEO-2021)」のSDSシナリオ、STEPSシナリオ
B. シナリオ分析結果と、対応するマテリアリティ
*分析対象: 本社地区 / マシン本体(プリンタ・プロッタ)*財務的影響の尺度: 小… ~5,000万円 / 中… 5,000万円~5億円 / 大… 5億円~(売上高との比率として考慮の上で決定)
*想定時間軸: 短期… 0~3年 / 中期… 3~10年 / 長期… 10年~
a.レジリエンスの向上
シナリオ分析を通じて認識している今後の大きな気候変動関連リスクとして、コストの上昇(レピュテーション低下による人財不足対応を含む)、異常気象による調達難、そして機会としてはデジタル・オンデマンド印刷需要の増加があります。
具体的には、炭素税の導入やそれに伴う材料・エネルギーの価格高騰など、製品コストにかかわるリスクの発生が予想されます。対策として、製品自体の原価率低減のほか、製品の容器・梱包等におけるコスト削減及び資源利用量の削減を継続しております。また気候変動の影響に限らず、昨今のコスト上昇に対応すべく販売価格を適切に見直すなど、取り得る選択肢を柔軟に検討してコスト上昇リスクに対処しております。
加えて、調達難を含む想定外の事態の影響を最小限に留めるために備えております。管理部門においては、緊急時の基本的対応に用いる安否確認システムの導入徹底や、地政学リスクへの対応も考慮して、各工場間における生産品目の移管等も適宜行っております。
最後に、気候変動対応の緊急性が叫ばれる今、当社グループの強みであるインクジェットプリンタと関連技術がもたらす価値は向上し続けると推測しております。多品種生産のニーズに応えるこの製品・技術は、大量生産による過剰在庫や廃棄物の削減に資するものであります。この技術・製品の普及により、当社グループはお客様先のビジネスの支援と同時に、環境負荷の削減、管理面の負担軽減をもサポートしております。お客様の持続可能なデジタル・プリンティングビジネスを支え、各本部によるリスクの低減・緩和、機会の最大化を通じて統合的なサステナビリティ向上を目指すことが、全社的なレジリエンス強化に繋がると考えております。