有価証券報告書-第200期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は,堅調な外需に支えられて輸出や生産活動において持ち直しがありましたが,一方で急激な為替変動や緩慢な個人消費などにより緩やかな回復にとどまりました。世界経済も,欧米を中心に拡大基調が続いたものの,英国のEU離脱問題や米国新大統領の政策など,政治動向の影響により不安定な状況が続きました。
このような経済環境のもと,当社グループは平成28年4月からスタートした3か年の中期経営計画「グループ経営方針2016」に基づいた取組みを進めています。
当連結会計年度の受注高及び売上高は,受注高は前期比13.4%減の1兆3,898億円,売上高は3.4%減の1兆4,863億円となりました。
利益面では,営業利益は,プロセスプラントにおいて北米で遂行中の大型プロジェクトでの採算悪化があった一方で,前期でのボイラ工事における溶接不適合の補修費用の発生が解消したことや,社会基盤・海洋での赤字幅が縮小したことなどにより,前期比114.9%増の473億円となりました。
営業外損益は,営業外収益として,契約納期遅延に係る未払費用の取崩益22億円などを計上した一方で,営業外費用として,持分法による投資損失35億円(前期比:△47億円)や為替差損67億円(前期比:△15億円)に加え,損害賠償金等を含む雑損金206億円(前期比:△79億円)などを計上しました。
その結果,経常利益は,前期比126.5%増の220億円となりました。
特別損益は,特別利益として,江東区豊洲所在のビル底地の売却などによる固定資産売却益235億円や,退職給付信託設定益34億円などを計上した一方で,特別損失として,F-LNG・海洋構造物事業に係わる事業構造改革費用99億円や,納入済みのボイラ設備に係る和解関連費用69億円のほか,本年1月まで当社の関連会社であった株式会社UNIGENの株式譲渡に関連する債権譲渡損98億円などを計上しました。
その結果,親会社株主に帰属する当期純利益は,前期比243.2%増の52億円にとどまりました。
なお,一部の海外連結子会社については,当連結会計年度から会計年度終了日を12月31日から3月31日に変更したため,平成28年1月1日から平成29年3月31日までの15か月間が平成29年3月期の会計年度となっています。
当連結会計年度の報告セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。
(単位:億円)
⦅資源・エネルギー・環境⦆
陸舶用原動機やプロセスプラントでは,原油価格の低迷の影響もあり,オイル&ガス業界における投資の冷え込みからプロジェクトの延期や中止が発生し,需要が減少傾向にあります。ボイラでは,国内市場においては,原発再稼働が遅れている中で,既設設備の継続運用を目的とする改造に対するニーズは高く,海外市場では,新興国を中心に,高効率・環境配慮型設備に対する需要が堅調です。
このような事業環境のもと,受注高は,ボイラやプロセスプラントにおいて前期に大型案件の受注があったことの反動や,原油安の影響によって陸舶用原動機の受注が低迷していることにより,減少しました。
売上高は,ボイラにおいて大型工事の進捗に伴う増収があったものの,プロセスプラントや原動機プラントの減収及び,陸舶用原動機の販売減少により,減収となりました。
営業損益は,ボイラにおいて採算悪化の影響が縮小しましたが,陸舶用原動機の減収に加えて,プロセスプラントにおいて北米で遂行中の大型プロジェクトでの採算悪化の影響などにより,赤字幅が拡大しました。
この事業領域では,エネルギー資源活用技術の拡大・高度化を図るとともに,電源ニーズの多様化(分散化・安定化)や環境負荷低減技術の高度化・早期実用化への取組みを進めていきます。
⦅社会基盤・海洋⦆
橋梁・水門やコンクリート建材では,国内においては,大都市の安全性向上を目的に保全需要が増加すると予想されることに加え,海外でも,老朽橋梁の補修需要や新興国での都市化需要の拡大が期待されます。シールド掘進機では,国内において首都圏を中心に大型のインフラ工事の堅調な推移が期待されます。
受注高は,交通システムの増加や,シールド掘進機の事業統合の影響により,増加しました。
売上高は,事業統合を行なったシールド掘進機の増収があったものの,橋梁・水門でトルコ イズミット湾横断橋建設工事が完成した影響もあり,減収となりました。
営業損益は,F-LNGについては当期で追加コストを計上しましたが,採算悪化の影響は,前期と比べ縮小しました。加えて橋梁・水門で採算が改善したこともあり,赤字幅は縮小しました。
この事業領域では,国土・社会の発展,安全・安心の実現のための製品・システム及びサービスを継続的に提供していくため,インフラの更新・強靭化・防災対策などへの取組みを進めていきます。
⦅産業システム・汎用機械⦆
車両過給機や熱・表面処理では,世界的な自動車需要の増加,世界各国の環境規制強化や低燃費指向を背景に需要は堅調に推移しています。物流・産業システムでは,日本国内における設備投資の持ち直しの動きや,労働力不足に起因するロボット導入等省人化の進展もあり,今後の需要が期待されます。
このような事業環境のもと,受注高は,建機の事業譲渡による影響はあったものの,車両過給機や製紙機械,熱・表面処理の増加により,ほぼ横ばいとなりました。
売上高は,建機の事業譲渡による影響のほか,農機・小型原動機の減収があったものの,報告期間統一の影響や,物流・産業システムの増収により,増収となりました。
営業利益は,上記の増収に加え,パーキング,物流・産業システム及び回転機械の採算改善により,増益となりました。
この事業領域では,継続して事業構造改革を進め,ICT・ロボットを活用した製品・サービスの高度化によるお客さまの価値創造に向けた取組みを加速し,グローバルネットワークの拡大と最適化により収益性の向上を図っていきます。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
民間航空エンジンでは旺盛な旅客需要や原油安の影響によるエアラインの堅調な業績を背景として,民間航空エンジンの需要は安定的に成長を続けています。
このような事業環境のもと,受注高は,ロケットシステム・宇宙利用で増加したものの,前期に防衛省による航空エンジンの一括調達が実施されたことや,為替円高の影響などによる民間向け航空エンジンの減少により,減少しました。
売上高は,民間向け航空エンジンにおいて為替円高の影響を受けたことなどにより,減収となりました。
営業利益は,スペアパーツ販売の増加や,研究開発費が減少したものの,為替影響や量産初期段階のPW1100Gエンジンの立ち上がりにより,減益となりました。
この事業領域では,航空エンジンのスペアパーツの需要の増加への対応や,量産初期段階において採算性が低い新型エンジンPW1100Gのコストダウン施策を着実に進め,出荷台数の増加に伴う採算悪化の影響を最小限に抑える取組みを進めていきます。
なお,文中の将来に関する事項は,当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下,「資金」という。)の残高は,前連結会計年度末と比較して123億円増加し,1,159億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は653億円(前連結会計年度は953億円の獲得)となりました。主な資金の増加項目は,減価償却費の計上で578億円,売上債権の減少で415億円,前受金の増加で303億円,一方で主な資金の減少項目は,未払費用の減少で270億円,たな卸資産の増加で171億円,受注工事損失引当金の減少で161億円,債務保証の履行による支出で102億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は289億円(前連結会計年度は355億円の使用)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出542億円,有形固定資産の売却による収入288億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用された資金は219億円(前連結会計年度は475億円の使用)となりました。これは主に,長期借入れによる収入496億円,長期借入金の返済による支出574億円,社債の償還による支出100億円によるものです。
(注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示し,比率は四捨五入表示しています。
当連結会計年度におけるわが国経済は,堅調な外需に支えられて輸出や生産活動において持ち直しがありましたが,一方で急激な為替変動や緩慢な個人消費などにより緩やかな回復にとどまりました。世界経済も,欧米を中心に拡大基調が続いたものの,英国のEU離脱問題や米国新大統領の政策など,政治動向の影響により不安定な状況が続きました。
このような経済環境のもと,当社グループは平成28年4月からスタートした3か年の中期経営計画「グループ経営方針2016」に基づいた取組みを進めています。
当連結会計年度の受注高及び売上高は,受注高は前期比13.4%減の1兆3,898億円,売上高は3.4%減の1兆4,863億円となりました。
利益面では,営業利益は,プロセスプラントにおいて北米で遂行中の大型プロジェクトでの採算悪化があった一方で,前期でのボイラ工事における溶接不適合の補修費用の発生が解消したことや,社会基盤・海洋での赤字幅が縮小したことなどにより,前期比114.9%増の473億円となりました。
営業外損益は,営業外収益として,契約納期遅延に係る未払費用の取崩益22億円などを計上した一方で,営業外費用として,持分法による投資損失35億円(前期比:△47億円)や為替差損67億円(前期比:△15億円)に加え,損害賠償金等を含む雑損金206億円(前期比:△79億円)などを計上しました。
その結果,経常利益は,前期比126.5%増の220億円となりました。
特別損益は,特別利益として,江東区豊洲所在のビル底地の売却などによる固定資産売却益235億円や,退職給付信託設定益34億円などを計上した一方で,特別損失として,F-LNG・海洋構造物事業に係わる事業構造改革費用99億円や,納入済みのボイラ設備に係る和解関連費用69億円のほか,本年1月まで当社の関連会社であった株式会社UNIGENの株式譲渡に関連する債権譲渡損98億円などを計上しました。
その結果,親会社株主に帰属する当期純利益は,前期比243.2%増の52億円にとどまりました。
なお,一部の海外連結子会社については,当連結会計年度から会計年度終了日を12月31日から3月31日に変更したため,平成28年1月1日から平成29年3月31日までの15か月間が平成29年3月期の会計年度となっています。
当連結会計年度の報告セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。
(単位:億円)
| 報告セグメント | 受注高 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前年度比 | |||||
| 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 前年度比 増減率 (%) | (27.4~28.3) | (28.4~29.3) | 増減率(%) | ||||
| 売上高 | 営業 損益 | 売上高 | 営業 損益 | 売上高 | 営業 損益 | ||||
| 資源・ エネルギー・ 環境 | 5,327 | 3,528 | △33.8 | 4,524 | △22 | 4,273 | △106 | △5.6 | ― |
| 社会基盤・海洋 | 1,285 | 1,501 | 16.8 | 1,681 | △489 | 1,577 | △120 | △6.2 | ― |
| 産業システム・ 汎用機械 | 4,218 | 4,205 | △0.3 | 4,047 | 126 | 4,116 | 175 | 1.7 | 38.1 |
| 航空・宇宙・防衛 | 5,156 | 4,515 | △12.4 | 5,002 | 584 | 4,719 | 530 | △5.6 | △9.3 |
| 報告セグメント 計 | 15,987 | 13,750 | △14.0 | 15,255 | 198 | 14,687 | 478 | △3.7 | 140.7 |
| その他 | 657 | 683 | 4.0 | 698 | 21 | 751 | 25 | 7.6 | 22.1 |
| 調整額 | △591 | △535 | ― | △560 | 0 | △575 | △30 | ― | ― |
| 合計 | 16,053 | 13,898 | △13.4 | 15,393 | 220 | 14,863 | 473 | △3.4 | 114.9 |
⦅資源・エネルギー・環境⦆
陸舶用原動機やプロセスプラントでは,原油価格の低迷の影響もあり,オイル&ガス業界における投資の冷え込みからプロジェクトの延期や中止が発生し,需要が減少傾向にあります。ボイラでは,国内市場においては,原発再稼働が遅れている中で,既設設備の継続運用を目的とする改造に対するニーズは高く,海外市場では,新興国を中心に,高効率・環境配慮型設備に対する需要が堅調です。
このような事業環境のもと,受注高は,ボイラやプロセスプラントにおいて前期に大型案件の受注があったことの反動や,原油安の影響によって陸舶用原動機の受注が低迷していることにより,減少しました。
売上高は,ボイラにおいて大型工事の進捗に伴う増収があったものの,プロセスプラントや原動機プラントの減収及び,陸舶用原動機の販売減少により,減収となりました。
営業損益は,ボイラにおいて採算悪化の影響が縮小しましたが,陸舶用原動機の減収に加えて,プロセスプラントにおいて北米で遂行中の大型プロジェクトでの採算悪化の影響などにより,赤字幅が拡大しました。
この事業領域では,エネルギー資源活用技術の拡大・高度化を図るとともに,電源ニーズの多様化(分散化・安定化)や環境負荷低減技術の高度化・早期実用化への取組みを進めていきます。
⦅社会基盤・海洋⦆
橋梁・水門やコンクリート建材では,国内においては,大都市の安全性向上を目的に保全需要が増加すると予想されることに加え,海外でも,老朽橋梁の補修需要や新興国での都市化需要の拡大が期待されます。シールド掘進機では,国内において首都圏を中心に大型のインフラ工事の堅調な推移が期待されます。
受注高は,交通システムの増加や,シールド掘進機の事業統合の影響により,増加しました。
売上高は,事業統合を行なったシールド掘進機の増収があったものの,橋梁・水門でトルコ イズミット湾横断橋建設工事が完成した影響もあり,減収となりました。
営業損益は,F-LNGについては当期で追加コストを計上しましたが,採算悪化の影響は,前期と比べ縮小しました。加えて橋梁・水門で採算が改善したこともあり,赤字幅は縮小しました。
この事業領域では,国土・社会の発展,安全・安心の実現のための製品・システム及びサービスを継続的に提供していくため,インフラの更新・強靭化・防災対策などへの取組みを進めていきます。
⦅産業システム・汎用機械⦆
車両過給機や熱・表面処理では,世界的な自動車需要の増加,世界各国の環境規制強化や低燃費指向を背景に需要は堅調に推移しています。物流・産業システムでは,日本国内における設備投資の持ち直しの動きや,労働力不足に起因するロボット導入等省人化の進展もあり,今後の需要が期待されます。
このような事業環境のもと,受注高は,建機の事業譲渡による影響はあったものの,車両過給機や製紙機械,熱・表面処理の増加により,ほぼ横ばいとなりました。
売上高は,建機の事業譲渡による影響のほか,農機・小型原動機の減収があったものの,報告期間統一の影響や,物流・産業システムの増収により,増収となりました。
営業利益は,上記の増収に加え,パーキング,物流・産業システム及び回転機械の採算改善により,増益となりました。
この事業領域では,継続して事業構造改革を進め,ICT・ロボットを活用した製品・サービスの高度化によるお客さまの価値創造に向けた取組みを加速し,グローバルネットワークの拡大と最適化により収益性の向上を図っていきます。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
民間航空エンジンでは旺盛な旅客需要や原油安の影響によるエアラインの堅調な業績を背景として,民間航空エンジンの需要は安定的に成長を続けています。
このような事業環境のもと,受注高は,ロケットシステム・宇宙利用で増加したものの,前期に防衛省による航空エンジンの一括調達が実施されたことや,為替円高の影響などによる民間向け航空エンジンの減少により,減少しました。
売上高は,民間向け航空エンジンにおいて為替円高の影響を受けたことなどにより,減収となりました。
営業利益は,スペアパーツ販売の増加や,研究開発費が減少したものの,為替影響や量産初期段階のPW1100Gエンジンの立ち上がりにより,減益となりました。
この事業領域では,航空エンジンのスペアパーツの需要の増加への対応や,量産初期段階において採算性が低い新型エンジンPW1100Gのコストダウン施策を着実に進め,出荷台数の増加に伴う採算悪化の影響を最小限に抑える取組みを進めていきます。
なお,文中の将来に関する事項は,当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下,「資金」という。)の残高は,前連結会計年度末と比較して123億円増加し,1,159億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は653億円(前連結会計年度は953億円の獲得)となりました。主な資金の増加項目は,減価償却費の計上で578億円,売上債権の減少で415億円,前受金の増加で303億円,一方で主な資金の減少項目は,未払費用の減少で270億円,たな卸資産の増加で171億円,受注工事損失引当金の減少で161億円,債務保証の履行による支出で102億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は289億円(前連結会計年度は355億円の使用)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出542億円,有形固定資産の売却による収入288億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用された資金は219億円(前連結会計年度は475億円の使用)となりました。これは主に,長期借入れによる収入496億円,長期借入金の返済による支出574億円,社債の償還による支出100億円によるものです。
(注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示し,比率は四捨五入表示しています。