有価証券報告書-第100期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/23 13:16
【資料】
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【項目】
140項目
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループの連結財務諸表は、経営者の見積り及び仮定を含みます。これらの見積り及び仮定は過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づきますが、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある、主な見積り及び仮定は以下のとおりです。
(1) 法人所得税
当社グループは、複数の租税区域の法人所得税の影響を受けます。世界各地における法人所得税の見積額を決定する際には、重要な判断が必要です。取引及び計算方法によっては、最終的な税額に不確実性を含むものも多くあります。当社グループは追加徴収が求められるかどうかの見積りに基づいて、予想される税務調査上の問題について負債を認識します。これらの問題に係る最終税額が当初に認識した金額と異なる場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識します。繰延税金資産の認識に際しては、課税所得が生じる可能性の判断において、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定します。将来獲得しうる課税所得は、取締役会で承認された最新の事業計画を基に見積りを行っております。なお、当連結会計年度の繰延税金資産に計上した金額は1,916百万円です。
当連結会計年度において、事業計画は顧客の生産計画を基礎として作成しており、新規製品の販売見込みや外部機関による市場の成長率の予測等の一定の仮定を加味しています。ただし、課税所得が生じる時期及び金額は、当社製品の主要な需要先の市場環境には高い不確実性を伴うため、見直しが必要になった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 引当金及び偶発負債
当社グループは、製品保証引当金等、種々の引当金を連結財政状態計算書に計上しています。これらの引当金は、決算日における債務に関するリスク及び不確実性を考慮に入れた、債務の決済に要する支出の最善の見積りに基づいて計上されます。
債務の決済に要する支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の支払額が見積りと異なった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
また、偶発負債については、決算日におけるすべての利用可能な証拠を勘案し、その発生可能性及び金額的影響を考慮した上で開示します。
免震・制振用オイルダンパーの不適切行為に係る製品保証引当金に関しては、当社グループは、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの製作費用、交換工事に要する費用、及び補償等について製品保証引当金を計上しております。本件に関する当連結会計年度の製品保証引当金の残高は13,581百万円です。
本製品保証引当金に関する会計上の見積りの内容の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 16.引当金」をご参照ください。
今後の交換工事の進捗等の状況により、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 固定資産の減損損失の認識の要否
当社グループは、原則として、会社別・事業別に資金生成単位としてグルーピングを行っております。減損の兆候があると認められる場合には、資産の回収可能価額を見積ります。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定します。売却費用控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用します。また、使用価値の評価における将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割り引きを行います。資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産又は資金生成単位について減損損失を認識いたします。
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した有形固定資産、のれん及び無形資産の金額はそれぞれ、159,803百万円、266百万円及び3,549百万円であり、減損損失は839百万円であります。
なお、将来キャッシュ・フローは、取締役会で承認された最新の事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見込額、および資産の使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローを用いております。また、事業計画には新規製品の販売見込みや外部機関による市場の成長率の予測等の一定の仮定を加味しております。これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定しますが、将来の不確実な経済状況の変動の結果によっては影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 棚卸資産の評価
当社グループは、棚卸資産については、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しており、正味実現可能価額が帳簿価額より下落している場合には、当該正味実現可能価額で測定し、帳簿価額との差額を原則として売上原価に認識しております。
なお、上記の売上原価には、2022年2月8日開催の取締役会において、航空機器事業から撤退する基本方針を決議したことに伴う棚卸資産評価損が含まれています。
当連結会計年度の売上原価に計上した棚卸資産の評価損の金額は5,685百万円であり、棚卸資産の金額は66,114百万円であります。
当社製品の主要な需要先の市場環境には高い不確実性を伴うため、市場環境が悪化して正味実現可能価額等の見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。