有価証券報告書-第116期(2023/04/01-2024/03/31)
(3)戦略・指標と目標
a.気候変動対応について
気候変動が当社グループ事業へ及ぼす影響を把握するため、当社グループ全事業を対象とし、以下の2種類のシナリオを用いて「リスク」と「機会」の分析を行いました。
●21世紀末の気温上昇が1.5℃以下に抑えられ、脱炭素社会への移行を実現する「1.5℃シナリオ」
●現状を上回る温暖化対策がとられず、物理的な影響が想定される「4℃シナリオ」
(重要なリスクと機会)
気候変動に対するリスクと機会の洗い出しを行い、当社グループにとっての重要度と発生する可能性のある時期について検証を行いました。
●時間軸(発生時期)・・・短期:2025年頃まで、中期:2030年頃まで、長期:2050年頃まで
●重要度(戦略・財務計画等に及ぼす影響)・・・大:影響範囲が大、中:影響範囲が中程度、小:自社に影響がほとんどない
※ZEV・・・走行時に二酸化炭素等の排出ガスを出さない電気自動車(BEV)や燃料電池自動車(FCV)など
(気候変動リスク及び機会への対応方針)
当社グループは、シナリオ分析を用いた中長期のリスクと機会の洗い出しにより、経営戦略や財務面の影響について分析を行い、リスクへの適切な対応及び機会に対する競争力の強化や新たな事業機会の獲得に向けて対策を進めてまいります。その結果については、当社ウェブサイトや統合報告書などの媒体を通じてステークホルダーの皆様に開示・報告いたします。
(今後の経営の方向性)
当社グループは、主力事業であります自動車業界においてEV化の進展が加速していることから、これらのビジネス環境の大きな変化に従来以上に迅速に対応し、「新規事業の創出・育成」を強力に推進するための組織として「新規ビジネス開発推進ユニット」を設置し、EV化への対応のみならず、CN燃料を使用する内燃機関を搭載した自動車(水素燃料車等)への対応等、自動車業界におけるニーズを新規ビジネスに結びつけるべく取り組んでおります。その他にも、EV用部品(モーターなど)製造設備向け特殊軸受の拡販など、既存製品・技術を生かした取り組みも進めております。
また、当社グループは、グリーンエネルギーへの貢献として、永年培ったコア技術を最大限に活用し、再生可能エネルギー分野で今後需要が見込まれる風力発電用軸受の積極的な市場開拓に継続して取り組んでおります。2023年5月には、欧州で開発中の洋上風力発電機向けに主軸受供給契約を締結しました。これに伴い欧米市場に洋上風力発電機用軸受を供給することを目的として新工場の建設を進めております。2025年に生産を開始予定で、年間数百基の発電機用軸受の生産能力を確保、将来的な需要拡大にも対応していきます。以上の施策の推進等により、カーボンニュートラルの実現に貢献いたします。
引き続き、既存ビジネスの事業の磨き上げによる収益力の強化(売上・シェア拡大)を図る一方で、新規事業の創出・育成等により、事業環境の変化に対応してまいります。
(指標と目標)
当社グループは、昨今の環境意識の高まり、日本政府の2050年における「カーボンニュートラル実現」などの動きを踏まえ、当社グループの「カーボンニュートラル方針」を策定しました。地球社会の一員としての責任を果たすため、当社グループ全体で2050年のカーボンニュートラル(スコープ1、2、3)を目指すという長期目標を掲げました。また、当社グループ全体で2030年の中間目標を、CO2実質排出量2019年度比35%削減(スコープ1、2)として設定しました。2050年カーボンニュートラルの目標達成に向けてロードマップを作成し、段階的にCO2削減に取り組んでまいります。
具体的には、省エネ対応や再生可能エネルギーの利用拡大を推進するとともに、事業所、工場、設備ごとのCO₂排出量の見える化を進め、設備的な対策等のコストを算定した上で優先順位、ターゲットを絞り、取り組みを進めてまいります。また、自社からのCO2排出量(スコープ1、2)だけでなく、サプライチェーン全体(スコープ3)での排出削減についても、まずは排出量の算定範囲の拡大を進め、お取引先さまとともに取り組んでまいります。CO2排出量(スコープ1、スコープ2)の実績については、当社ウェブサイトのESGデータ内(https://www.daidometal.com/jp/sustainability/esg-data/)に記載しておりますのでご参照ください。なお、当該サイトは2024年10月に更新予定です。
b.人的資本・多様性
(人事戦略の基本方針)
当社は既存事業を磨き上げて「真のトライボロジーリーダー」を目指すとともに、自動車業界の変革期を大きなチャンスと捉え、新事業の創出・育成に注力して新たな事業の柱を築いてまいります。これらを実現するための人事戦略を「Daido Spirit(高い志、改善・改革する意欲、挑戦する心)を根底に、自らの能力やスキルを高めながら、メンバーと自由闊達な議論を行い、創造性を発揮してイノベーションを起こすことができる人材の育成及び職場環境の構築」と定めております。さらに、会社の持続的成長・生産性向上のためには、そこで働く従業員一人一人が、働きがい(働きやすさ+やりがい)を高め、その能力を最大限発揮できる機会と環境を提供することが必要と考えております。これらを追求することが、当社の企業理念でもある「社員の幸せをはかり、地球社会に貢献する」に繋がるものと考えております。人事戦略の中でも優先的に課題解決すべきものは、当社のマテリアリティにも挙げている「働きやすい職場環境」、「人材育成」、「ダイバーシティ・インクルージョン」であり、これらに関する施策を着実に実行してまいります。
なお、人的資本・多様性についての記載内容は、提出会社(一部の指標については国内主要関係会社を含む)を対象としております。
① 「働きやすい職場環境」について
(1)基本方針
職場の心理的安全性を確保し、「組織・コミュニケーションの活性化」を実現することで、活力ある組織づくりと従業員のモチベーションと生産性の向上を図ります。
(2)管理職教育
急激に変化する環境下においては、多様な価値観を持つメンバーと共にイノベーションを起こし、新たな価値を創造する「共創型リーダーシップ」が必要であると考えております。経験や勘ではなく、現代に求められるマネジメントスキルを習得する研修を継続してまいります。
(3)健康経営の推進
当社は、従業員が活き活きと働くためには、自身の心身の健康を保つことが非常に重要であると考えており、2018年3月に「大同メタルグループ健康経営宣言」を制定し活動を行っております。その結果、昨年に引き続き2024年度(2023年申請)も健康経営優良法人に認定されております。現在は2021年度の健康データ(健康診断結果等)をベースに、5年間の中期的な健康目標を策定し、従業員の健康増進に努めております。
(4)働き方改革
2016年より労使一体となって「ワークスタイル改革」と称した活動を継続しております。今後も効率的な働き方を追求して、アウトプットの最大化を図ります。取組み内容は以下のとおりであり、今後も活動を継続してまいります。
② 「人材育成」について
(1)基本方針
労働力減少・社員の働く価値観の変化・リモートワークの浸透・兼業や副業の推進といった労働スタイルの変化と環境が大きく変わる中、多様なキャリアパスを構築し、高いモチベーションを保ちながら自律的、主体的に行動するための人材育成に取り組みます。また、これまでの会社主導の教育・研修から、社員の自律的・主体的なキャリア形成の支援へ方針を転換し、仕事を通じて成長できるような機会の確保や支援を行います。
(2)教育制度
社員の成長を支援するため、様々な教育制度を整備しております。期待される役割に応じた各階層別の研修やグローバル化のための語学学習支援など、研修での学びを職場で実践しながら、社員が自律的に仕事の価値を高めるような意識・行動の変革を促します。
(3)キャリア支援制度
③ 「ダイバーシティ・インクルージョン」について
(1)基本方針
企業発展の力の源となるのは、多様な属性や能力、専門性、経験、価値観、感性を持った従業員であると考えております。計画的に多様な人材の採用を進め、その個性と能力を十分に発揮できる、働きがい(働きやすさ+やりがい)のある職場環境の整備に取り組みます。
(2)女性の活躍支援(女性活躍推進法の行動計画)
・総合職採用における女性比率
事務系20%、技術系10%以上にすることを目指しております。
・育児と仕事の両立、職場環境と風土の醸成
当社では、女性に限らず自分のありたい姿に向けて働き続けるためには、柔軟な働き方が必要と考え、ライフイベントと仕事の両立のために以下の制度を導入して、長く働き続けることができる環境の整備を進めております。今後も、必要な制度の導入や拡充を進め、制度利用者が少しでも増加するよう取り組んでおります。
(注)対象者のいない拠点については―を記載しております。
・女性総合職の10年後の継続雇用割合
男性比0.8以上とすることを目指しております。
・女性管理職比率
女性が活躍することにより、「ダイバーシティ・インクルージョン」の考え方がさらに浸透し、さまざまな視点を持つ人材が活躍できる企業風土の醸成につながります。また、女性だけでなく、ライフステージやライフイベントに応じて誰もが利用できる制度を設けることにより、労働環境の改善につなげてまいります。
(注)当社グループ全体の2023年度実績は15.7%です。
・男女間の賃金格差
「第1 企業の概況、5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び男女の賃金の差異」をご参照ください。
賃金格差の主な要因と今後の取り組み
1.基本給の格差
現状、女性の管理職や役職者が少ないことが要因と考えられます。女性従業員の割合を増やし、かつ長く働き続けられる職場環境を整え、女性の中核人材を育成してまいります。また、昨年はアンコンシャスバイアスに関する研修等を実施しましたが、女性は管理職に向いていないといった誤ったイメージや、そもそも女性は管理職を希望しないだろうという意識の解消を引き続き図ってまいります。
2.勤続年数の格差
女性社員は男性社員に比べて相対的に勤続年数が短く、熟練労働者や高度専門職、管理職の比率が少ないことが、女性の平均賃金を低くしている要因と考えられます。女性社員のキャリア研修の実施や既に導入している「ジョブリターン制度(配偶者転勤への帯同、介護、出産・育児等で退職した正社員を再雇用する制度)」の更なる活用を進め、女性が安定的に長く働き続ける職場環境の整備を進めてまいります。
3.残業手当の格差
育児や介護を理由とした時短勤務制度を利用しているのが主に女性社員であり、残業手当を受給していない女性の割合が多いことが要因と考えられます。男性の育児休業取得率を向上させる取組を行い、男性の家事や育児への参加を推進してまいります。
(3)キャリア採用
ビジネス環境の変化に伴い企業価値を高めるイノベーションが重視される中で、社内の人的資源だけではなく、新たな視点や発想力、豊富な経験を持つ即戦力の採用・活用を必要に応じて積極的に進めてまいります。
(4)障がい者雇用
貴重な戦力として、また、企業としての社会的責任と地域貢献活動を目的に障がい者雇用率の向上を進めてまいります。
a.気候変動対応について
気候変動が当社グループ事業へ及ぼす影響を把握するため、当社グループ全事業を対象とし、以下の2種類のシナリオを用いて「リスク」と「機会」の分析を行いました。
●21世紀末の気温上昇が1.5℃以下に抑えられ、脱炭素社会への移行を実現する「1.5℃シナリオ」
●現状を上回る温暖化対策がとられず、物理的な影響が想定される「4℃シナリオ」
(重要なリスクと機会)
気候変動に対するリスクと機会の洗い出しを行い、当社グループにとっての重要度と発生する可能性のある時期について検証を行いました。
●時間軸(発生時期)・・・短期:2025年頃まで、中期:2030年頃まで、長期:2050年頃まで
●重要度(戦略・財務計画等に及ぼす影響)・・・大:影響範囲が大、中:影響範囲が中程度、小:自社に影響がほとんどない
| 項目 | 内容 | 対応 | 時期・重要度 | |||||
| 短期 | 中期 | 長期 | ||||||
| 移 行 リ ス ク | 1 . 5 ℃ シ ナ リ オ | 炭素排出規制 | ・炭素税・国境炭素税の導入、化石燃料への規制強化等による 原油価格上昇などの操業に伴う エネルギー関連費用の増加 ・脱炭素目標の達成が求められ、 設備投資や再エネ電力など代替 エネルギーへの転換等の対応 コストが増加 | ・エネルギー使用量の削減など 省エネ活動の継続 ・CO2排出量の見える化を進め、 エネルギー効率のよい設備への 切り換え等の対策推進 | 大 | 大 | 大 | |
| EV化の進展 | ・EV化への移行が進み、内燃機関 向け製品の需要低下に伴う売上 減少 | ・EV向け・代替燃料向け製品の開発・ 拡販、非自動車分野の収益力強化 | 小 | 大 | 大 | |||
| 原材料価格の 上昇 | ・脱炭素化対応に伴う原材料価格 の上昇による調達コストの増加 | ・材料の使用量の削減、原材料 調達先の拡大/集約の検討、原材料価格高騰に対する、顧客 との価格改定交渉の継続 | 中 | 大 | 大 | |||
| 投資家の評判 変化 | ・脱炭素化、情報開示しない企業 への評価低下、取引停止 | ・脱炭素化対応の推進 ・開示情報の充実、ステーク ホルダーとの対話の推進 | 小 | 中 | 中 | |||
| 物理リスク | 4 ℃ シ ナ リ オ | 異常気象の 激甚化 | ・異常気象の激甚化による大雨や 洪水等のため、サプライヤー 拠点や生産拠点が被害に遭い、工場の操業停止による売上機会 の減少 | ・建物・設備等への災害対策の実施 ・主要なサプライヤー拠点や生産 拠点のリスク把握と継続的な 事業継続計画(BCP)の見直し | 小 | 中 | 大 | |
| 平均気温の 上昇 | ・気温上昇による従業員(主に 現場作業者)の熱中症発生頻度 増加により工場の操業に影響が 出て売上機会の減少 | ・暑熱職場対策の実施(設備対応、 空調設備、体調管理の徹底) | 小 | 中 | 大 | |||
| 機会 | 1 . 5 ℃ シ ナ リ オ/ 4 ℃ シ ナ リ オ | 再エネ需要の 拡大 | ・風力発電の需要増により洋上 風力発電向けすべり軸受の需要 が拡大し売上が増加 | ・風力発電向けすべり軸受 の市場開拓の継続 ・風車の大型化に対応する 次世代風車要素技術の 開発の推進 | 1.5℃ | 小 | 大 | 大 |
| 4℃ | 小 | 中 | 中 | |||||
| EV化の進展 | ・ZEV※向けの製品需要増により 開発が進み売上が増加 | ・EV向け製品の開発と拡販 (アルミダイカスト製品 ウォーターポンプ向け 製品、エアコン向け 製品他) ・トライボロジーを 生かした摺動部品など 当社コアテクノロジーの 転用による市場参入 (Eアクスル他) | 1.5℃ | 小 | 大 | 大 | ||
| 4℃ | 小 | 中 | 中 | |||||
| 舶用軸受の 需要拡大 | ・脱炭素対応として代替燃料への シフトが進み船舶の更新が拡大 し、内燃機関向け軸受の需要が 拡大し売上が増加 | ・代替燃料対応製品の拡充 取り組み強化 | 1.5℃ | 小 | 中 | 大 | ||
| 4℃ | 小 | 中 | 中 | |||||
| CN燃料使用 内燃機関の 需要拡大 | ・再生可能エネルギー由来のCN 燃料を使用した自動車の内燃 機関向けの軸受需要が拡大し 売上が増加(水素エンジン、バイオ燃料エンジン他) | ・CN燃料を使用した内燃 機関に関する情報収集や 技術の開発及びPR ・バイオ燃料エンジン向け 軸受の拡販 | 1.5℃ | 小 | 中 | 中 | ||
| 4℃ | 小 | 中 | 中 | |||||
| 空調設備需要 の拡大 | ・気温上昇により空調設備向け 軸受製品の需要拡大による売上 増加 | ・需要動向の積極的な情報 収集とターゲット製品の 着実な受注 ・温暖化係数の低い冷媒 条件化で性能を発揮 できる軸受の拡販 | 1.5℃ | 小 | 中 | 中 | ||
| 4℃ | 小 | 中 | 大 | |||||
※ZEV・・・走行時に二酸化炭素等の排出ガスを出さない電気自動車(BEV)や燃料電池自動車(FCV)など
(気候変動リスク及び機会への対応方針)
当社グループは、シナリオ分析を用いた中長期のリスクと機会の洗い出しにより、経営戦略や財務面の影響について分析を行い、リスクへの適切な対応及び機会に対する競争力の強化や新たな事業機会の獲得に向けて対策を進めてまいります。その結果については、当社ウェブサイトや統合報告書などの媒体を通じてステークホルダーの皆様に開示・報告いたします。
(今後の経営の方向性)
当社グループは、主力事業であります自動車業界においてEV化の進展が加速していることから、これらのビジネス環境の大きな変化に従来以上に迅速に対応し、「新規事業の創出・育成」を強力に推進するための組織として「新規ビジネス開発推進ユニット」を設置し、EV化への対応のみならず、CN燃料を使用する内燃機関を搭載した自動車(水素燃料車等)への対応等、自動車業界におけるニーズを新規ビジネスに結びつけるべく取り組んでおります。その他にも、EV用部品(モーターなど)製造設備向け特殊軸受の拡販など、既存製品・技術を生かした取り組みも進めております。
また、当社グループは、グリーンエネルギーへの貢献として、永年培ったコア技術を最大限に活用し、再生可能エネルギー分野で今後需要が見込まれる風力発電用軸受の積極的な市場開拓に継続して取り組んでおります。2023年5月には、欧州で開発中の洋上風力発電機向けに主軸受供給契約を締結しました。これに伴い欧米市場に洋上風力発電機用軸受を供給することを目的として新工場の建設を進めております。2025年に生産を開始予定で、年間数百基の発電機用軸受の生産能力を確保、将来的な需要拡大にも対応していきます。以上の施策の推進等により、カーボンニュートラルの実現に貢献いたします。
引き続き、既存ビジネスの事業の磨き上げによる収益力の強化(売上・シェア拡大)を図る一方で、新規事業の創出・育成等により、事業環境の変化に対応してまいります。
(指標と目標)
当社グループは、昨今の環境意識の高まり、日本政府の2050年における「カーボンニュートラル実現」などの動きを踏まえ、当社グループの「カーボンニュートラル方針」を策定しました。地球社会の一員としての責任を果たすため、当社グループ全体で2050年のカーボンニュートラル(スコープ1、2、3)を目指すという長期目標を掲げました。また、当社グループ全体で2030年の中間目標を、CO2実質排出量2019年度比35%削減(スコープ1、2)として設定しました。2050年カーボンニュートラルの目標達成に向けてロードマップを作成し、段階的にCO2削減に取り組んでまいります。
具体的には、省エネ対応や再生可能エネルギーの利用拡大を推進するとともに、事業所、工場、設備ごとのCO₂排出量の見える化を進め、設備的な対策等のコストを算定した上で優先順位、ターゲットを絞り、取り組みを進めてまいります。また、自社からのCO2排出量(スコープ1、2)だけでなく、サプライチェーン全体(スコープ3)での排出削減についても、まずは排出量の算定範囲の拡大を進め、お取引先さまとともに取り組んでまいります。CO2排出量(スコープ1、スコープ2)の実績については、当社ウェブサイトのESGデータ内(https://www.daidometal.com/jp/sustainability/esg-data/)に記載しておりますのでご参照ください。なお、当該サイトは2024年10月に更新予定です。
b.人的資本・多様性
(人事戦略の基本方針)
当社は既存事業を磨き上げて「真のトライボロジーリーダー」を目指すとともに、自動車業界の変革期を大きなチャンスと捉え、新事業の創出・育成に注力して新たな事業の柱を築いてまいります。これらを実現するための人事戦略を「Daido Spirit(高い志、改善・改革する意欲、挑戦する心)を根底に、自らの能力やスキルを高めながら、メンバーと自由闊達な議論を行い、創造性を発揮してイノベーションを起こすことができる人材の育成及び職場環境の構築」と定めております。さらに、会社の持続的成長・生産性向上のためには、そこで働く従業員一人一人が、働きがい(働きやすさ+やりがい)を高め、その能力を最大限発揮できる機会と環境を提供することが必要と考えております。これらを追求することが、当社の企業理念でもある「社員の幸せをはかり、地球社会に貢献する」に繋がるものと考えております。人事戦略の中でも優先的に課題解決すべきものは、当社のマテリアリティにも挙げている「働きやすい職場環境」、「人材育成」、「ダイバーシティ・インクルージョン」であり、これらに関する施策を着実に実行してまいります。
なお、人的資本・多様性についての記載内容は、提出会社(一部の指標については国内主要関係会社を含む)を対象としております。
① 「働きやすい職場環境」について
(1)基本方針
職場の心理的安全性を確保し、「組織・コミュニケーションの活性化」を実現することで、活力ある組織づくりと従業員のモチベーションと生産性の向上を図ります。
(2)管理職教育
急激に変化する環境下においては、多様な価値観を持つメンバーと共にイノベーションを起こし、新たな価値を創造する「共創型リーダーシップ」が必要であると考えております。経験や勘ではなく、現代に求められるマネジメントスキルを習得する研修を継続してまいります。
| 項目 | 内容 | 実績及び計画 |
| マネジメントプログラム (年間教育) | マネジメントに関する基礎知識の習得及び職場での実践 活動を行い、初級管理職としてのレベルアップを図る。 | 12名受講(2023年) |
| 目的別研修 | ・ハラスメント研修 | 195名受講(2021年) |
| ・コミュニケーション研修(若手社員の意識・行動) | 203名受講(2022年) | |
| ・アンコンシャスバイアス研修 | 180名受講(2023年) | |
| コンプライアンス教育 | コンプライアンス基礎教育の実施(WEBテスト) | 212名受講(2023年) |
(3)健康経営の推進
当社は、従業員が活き活きと働くためには、自身の心身の健康を保つことが非常に重要であると考えており、2018年3月に「大同メタルグループ健康経営宣言」を制定し活動を行っております。その結果、昨年に引き続き2024年度(2023年申請)も健康経営優良法人に認定されております。現在は2021年度の健康データ(健康診断結果等)をベースに、5年間の中期的な健康目標を策定し、従業員の健康増進に努めております。
(4)働き方改革
2016年より労使一体となって「ワークスタイル改革」と称した活動を継続しております。今後も効率的な働き方を追求して、アウトプットの最大化を図ります。取組み内容は以下のとおりであり、今後も活動を継続してまいります。
| 項目 | 概要 |
| 定時退社日の徹底 | 毎週水曜日を定時退社日とし残業を行う場合は人事部門への申請を義務化しております。 |
| 有給休暇の計画的取得 | 年間13日を目標に労使による計画的取得の取組みを実施しております。 |
| 時間外労働(年間)の限度時間数の 引き下げ | 当初600時間でしたが、2017年に570時間、2019年に540時間と段階的に引き下げております。 |
| 長時間残業者の健康チェック | 超過勤務時間が2か月連続で45時間超/月の場合は希望者のみ、3か月連続で45時間超/月の場合は全員が産業医と面談を実施して健康管理を行っております。 |
② 「人材育成」について
(1)基本方針
労働力減少・社員の働く価値観の変化・リモートワークの浸透・兼業や副業の推進といった労働スタイルの変化と環境が大きく変わる中、多様なキャリアパスを構築し、高いモチベーションを保ちながら自律的、主体的に行動するための人材育成に取り組みます。また、これまでの会社主導の教育・研修から、社員の自律的・主体的なキャリア形成の支援へ方針を転換し、仕事を通じて成長できるような機会の確保や支援を行います。
(2)教育制度
社員の成長を支援するため、様々な教育制度を整備しております。期待される役割に応じた各階層別の研修やグローバル化のための語学学習支援など、研修での学びを職場で実践しながら、社員が自律的に仕事の価値を高めるような意識・行動の変革を促します。
| 項目 | 概要 |
| 階層別教育 | 入社後は、新入社員から管理職に至るまで、階層ごとに必要なビジネススキルを習得する教育体系を整えております。 |
| 品質管理選抜教育制度 | 6カ月間、業務を離れて品質管理に関する専門教育を実施しております。 これまで延べ36人が修了しております。 |
| 海外語学研修制度 | 中堅社員を対象に海外の語学学校に派遣する制度であり、2016年よりスタートして延べ7人派遣しております。新型コロナウイルスの感染拡大により2020年以降中断しておりましたが、2024年度より再開を予定しております。 |
| 自己啓発講座の提供 | 2024年度より、約380の講座を提供し、自らの意思で仕事の幅を広げ、専門性を高めることができるよう支援を行っております。 |
(3)キャリア支援制度
| 項目 | 概要 |
| 専門職制度 | 特定分野において高度な専門的知識・技術を有している社員の能力と意欲を有効に活用するため制度を導入しております。これまで延べ4名を専門職として認定しております。 |
| 副業制度 | 本業である当社グループの業務遂行に支障が出ないことを前提に、許可制のもと社員の副業を認める制度を導入して運用しております。 |
| 社内キャリアプランの明確化 | 職種別のキャリアプランを公開することで、目指すべき姿を描き、自ら必要なスキルを描くことが出来るよう2024年度の運用を目指しております。 |
③ 「ダイバーシティ・インクルージョン」について
(1)基本方針
企業発展の力の源となるのは、多様な属性や能力、専門性、経験、価値観、感性を持った従業員であると考えております。計画的に多様な人材の採用を進め、その個性と能力を十分に発揮できる、働きがい(働きやすさ+やりがい)のある職場環境の整備に取り組みます。
(2)女性の活躍支援(女性活躍推進法の行動計画)
・総合職採用における女性比率
事務系20%、技術系10%以上にすることを目指しております。
| 項目 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 目標 | |
| 事務系採用 女性比率 | 66.7% | 25.0% | 40.0% | 75.0% | 50.0 | % | 20%以上 |
| 技術系採用 女性比率 | 9.1% | 5.5% | 8.3% | 11.1% | 0 | % | 10%以上 |
・育児と仕事の両立、職場環境と風土の醸成
当社では、女性に限らず自分のありたい姿に向けて働き続けるためには、柔軟な働き方が必要と考え、ライフイベントと仕事の両立のために以下の制度を導入して、長く働き続けることができる環境の整備を進めております。今後も、必要な制度の導入や拡充を進め、制度利用者が少しでも増加するよう取り組んでおります。
| 制度 | 概要 | 制度利用者 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 時短勤務 | 小学校6年生の年度末まで所定就業時間を短縮できる | 33人 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ジョブリターン制度 | 結婚や出産、育児等による退職者を再雇用する制度 | 2人 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 男女別の育児休業取得率 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(注)対象者のいない拠点については―を記載しております。
・女性総合職の10年後の継続雇用割合
男性比0.8以上とすることを目指しております。
| 入社年度 (継続雇用年数) | 2012年度 (12年) | 2013年度 (11年) | 2014年度 (10年) | 2015年度 (9年) | 2016年度 (8年) |
| 男性 | 3人(33%) | 6人(42%) | 10人(58%) | 13人(46%) | 11人(61%) |
| 女性 | 1人(33%) | 4人(57%) | 2人(100%) | 1人(12%) | 2人(40%) |
| 男性比 | 1.00 | 1.35 | 1.72 | 0.26 | 0.65 |
・女性管理職比率
女性が活躍することにより、「ダイバーシティ・インクルージョン」の考え方がさらに浸透し、さまざまな視点を持つ人材が活躍できる企業風土の醸成につながります。また、女性だけでなく、ライフステージやライフイベントに応じて誰もが利用できる制度を設けることにより、労働環境の改善につなげてまいります。
| 会社名 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 (目標) |
| 提出会社 | 4.9% | 4.9% | 5.3% | 5.7% | 5.7% | 7.0% |
| 大同プレーンベアリング㈱ | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% | - |
| エヌデーシー㈱ | 0% | 5.5% | 5.5% | 5.8% | 10.0% | - |
| 大同インダストリアル ベアリングジャパン㈱ | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% | - |
| ㈱飯野製作所 | 0% | 0% | 3.5% | 6.6% | 6.7% | - |
(注)当社グループ全体の2023年度実績は15.7%です。
・男女間の賃金格差
「第1 企業の概況、5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び男女の賃金の差異」をご参照ください。
賃金格差の主な要因と今後の取り組み
1.基本給の格差
現状、女性の管理職や役職者が少ないことが要因と考えられます。女性従業員の割合を増やし、かつ長く働き続けられる職場環境を整え、女性の中核人材を育成してまいります。また、昨年はアンコンシャスバイアスに関する研修等を実施しましたが、女性は管理職に向いていないといった誤ったイメージや、そもそも女性は管理職を希望しないだろうという意識の解消を引き続き図ってまいります。
2.勤続年数の格差
女性社員は男性社員に比べて相対的に勤続年数が短く、熟練労働者や高度専門職、管理職の比率が少ないことが、女性の平均賃金を低くしている要因と考えられます。女性社員のキャリア研修の実施や既に導入している「ジョブリターン制度(配偶者転勤への帯同、介護、出産・育児等で退職した正社員を再雇用する制度)」の更なる活用を進め、女性が安定的に長く働き続ける職場環境の整備を進めてまいります。
3.残業手当の格差
育児や介護を理由とした時短勤務制度を利用しているのが主に女性社員であり、残業手当を受給していない女性の割合が多いことが要因と考えられます。男性の育児休業取得率を向上させる取組を行い、男性の家事や育児への参加を推進してまいります。
(3)キャリア採用
ビジネス環境の変化に伴い企業価値を高めるイノベーションが重視される中で、社内の人的資源だけではなく、新たな視点や発想力、豊富な経験を持つ即戦力の採用・活用を必要に応じて積極的に進めてまいります。
| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||
| 採用人数 | 6人 | 10人 | 7人 | 20人 | 36 | 人 |
(4)障がい者雇用
貴重な戦力として、また、企業としての社会的責任と地域貢献活動を目的に障がい者雇用率の向上を進めてまいります。
| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 (目標) | ||
| 雇用率 | 2.07% | 2.45% | 2.71% | 2.79% | 2.77 | % | 2.7%以上 (法定雇用率2.5%) |