有価証券報告書-第74期(平成28年11月1日-平成29年10月31日)

【提出】
2018/01/29 11:51
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130項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は実体経済が好調な米国を中心に緩やかな成長が継続する一方、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念や英国のEU離脱、保護主義政策の拡大懸念等、今後の実体経済の先行きに対する不透明感が続いており全体的に勢いを欠く状況となっております。日本経済においては、個人消費が底堅く推移し、企業収益の改善により設備投資が持ち直すなど緩やかな景気回復基調で推移しました。
自動車業界におきましては、国内の自動車生産台数は前年同期比6.5%増の971万台となりました。海外におきましては、米国では前年同期比6.6%減の1,143万台となり、中国では前年同期比8.5%増の2,900万台となりました。
当連結会計年度の業績は、主に日本及びアジアでの販売が堅調に推移したことと、欧州の新規連結子会社の売上計上により、売上高は2,572億8千4百万円(前年同期比215億7千4百万円増、9.2%増)となりました。営業利益は、コストダウンの徹底による収益確保に努めましたが、原材料コストの上昇、生産能力増強に伴う設備償却費の増加、のれん償却費用の発生等の影響もあり、145億8百万円(前年同期比23億7千4百万円減、14.1%減)となりました。経常利益は、受取配当金5億4千5百万円、受取利息5億円及び為替差益4億9千1百万円等により、167億4千4百万円(前年同期比1千7百万円増、0.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、貸倒引当金繰入額19億1千5百万円等により87億1千5百万円(前年同期比22億6百万円減、20.2%減)となりました。
設備投資につきましては、米国及びハンガリー子会社での工場拡張及び生産設備増強、韓国子会社の新工場への移転、日本とチェコでの新設子会社の工場建設を中心に、総額123億2千4百万円を実施いたしました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
当連結会計年度よりブラジル子会社2社を連結の範囲に含めたことから、同地域を「南米」として区分しております。
① 日本
日本におきましては、主に顧客への販売が堅調に推移したことにより、売上高は604億5千8百万円(前年同期比71億5千6百万円増、13.4%増)となりました。営業利益は、販売の増加に伴う操業度効果の影響等により、66億6千1百万円(同8億9千2百万円増、15.5%増)となりました。
② 北米
北米におきましては、顧客への販売が伸び悩んだことから、売上高は892億4千5百万円(同41億7千万円減、4.5%減)となり、営業利益は、原価低減と生産性改善に取り組んだものの、45億1千8百万円(同23億7千7百万円減、34.5%減)となりました。
③ 中国
中国におきましては、ローカル自動車メーカー向け販売が堅調に推移したものの、中国での韓国製品不買運動の影響もあり、売上高は483億9千3百万円(同12億8千6百万円減、2.6%減)となりました。営業利益は、現調化等のコストダウンの推進に取り組んだものの、生産量の低下に伴う利益減少、開発費用の増加及び為替変動(元安)による材料費上昇等の影響で、35億7千9百万円(同3億6千8百万円減、9.3%減)となりました。
④ アジア
アジアにおきましては、主に韓国、インド及びインドネシアの顧客への販売が堅調に推移し、売上高は604億円(同60億9千4百万円増、11.2%増)となりました。営業利益は、韓国及びインドネシア子会社の業績が好調に推移し、30億3千2百万円(同4億1千3百万円増、15.8%増)となりました。
⑤ 欧州
欧州におきましては、イタリア・スペイン子会社の新規連結と、ハンガリー子会社において販売が堅調に推移したこと等により、売上高は214億9百万円(同143億7千2百万円増、204.2%増)となりました。利益面では、ハンガリー子会社の業績が伸張したものの、スペインにおける生産減少及びチェコ新工場の立ち上げ費用の増加の影響等もあり、5億6千9百万円の営業損失(前年同期は2億9百万円の営業損失)となりました。
⑥ 南米
南米におきましては、ブラジル子会社の新規連結により、売上高は、1億5千4百万円となりました。利益面では、原価低減と生産性改善に取り組んだものの、ブラジル自動車市場の低迷による生産の伸び悩みによる影響もあり、8千5百万円の営業損失となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が170億1千2百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの支出が72億6千3百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの支出が31億7千2百万円となり、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額21億1百万円及び連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額14億6千5百万円を調整した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ101億4千3百万円増加し、474億6千2百万円(前年同期比27.2%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ16億6千2百万円(同10.8%)増加し、170億1千2百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期利益146億1千5百万円に加え、減価償却費67億7百万円による増加、法人税等の支払額41億2千1百万円による減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ92億6千万円(同56.0%)減少し、72億6千3百万円となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入33億円に加え、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入5億8百万円による増加、有形固定資産の取得による支出116億4千4百万円による減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ20億4千5百万円(同181.5%)増加し、31億7千2百万円となりました。これは主に、短期借入金の純減少額11億8千8百万円に加え、配当金の支払額20億1千4百万円の支出等によるものであります。