有価証券報告書-第80期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 14:00
【資料】
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【項目】
178項目
(2) 戦略
<ミツバビジョン2030とマテリアリティ(重要課題)>当社グループは、「ミツバは、ミツバを愛しささえる人々とともに、社会と環境に調和した技術の創造を通して、世界の人々に喜びと安心を提供する」を企業理念として掲げ、数多くの車載電装品を開発・製造・販売し、モビリティ社会の発展とともに、世界の人々に喜びと安心を提供してきました。
この理念に基づき、「ミツバビジョン2030」を策定し、電動化への最適ソリューションで、脱炭素社会の実現に貢献し、共に成長し続ける企業グループを目指しています。

また、サステナビリティに関する課題は、社会や企業のリスクを減少するだけでなく、収益向上の機会につながる重要な経営課題であると認識しております。そのため当社グループの事業及びステークホルダーの双方の観点から様々な社会課題の重要度を検討し、マテリアリティ(重要課題)を特定しております。
このマテリアリティに基づき、着実に取り組みを推進し、企業としての持続的な成長と、社会課題の解決・社会的責任を果たすことを両立させてまいります。
詳細は、当社グループのウェブサイトをご確認ください。
https://www.mitsuba.co.jp/jp/sustainability/group_sustainability.html
・マテリアリティ特定プロセス
GRIスタンダード等が重視する項目のうち、当社グループに関わる社会課題及び自主的に取り組んできた社会課題を抽出
ステークホルダーの重要度及び当社グループの重要度から、マテリアリティを特定

副社長執行役員を議長とするESG会議にて特定したマテリアリティを決裁
① 気候変動
当社グループでは、気候変動対策を最も重要な社会課題と認識しており、マテリアリティにも特定しております。当社グループが将来にわたって持続的に発展していくためには、気候変動の視点を取り入れた経営の更なる推進が必要になると考え、「ミツバ環境ビジョン2046」におけるCO2排出量の削減をさらに発展させた「ミツバカーボンニュートラル方針」を制定しております。

さらに、気候変動の視点を取り入れた経営のさらなる推進を目的として、TCFD提言に基づく分析を実施しました。
・シナリオ分析の前提
名称1.5℃/2℃シナリオ4℃シナリオ
シナリオの概要・脱炭素社会に向けた移行が加速することにより、気温上昇が産業革命前の水準から1.5℃/2℃にとどまるシナリオ
・主に脱炭素社会への移行リスクが顕在化
・脱炭素社会に向けた現状を上回る施策が取られないことで地球温暖化が進展し、気温上昇が産業革命前の水準から4℃となるシナリオ
・主に気候変動による物理リスクが顕在化
世界観の概要・炭素税の導入や再生可能エネルギーの拡大等、脱炭素社会への移行に向けた政策及び法規制等の変化により、企業の対応コストや追加投資が増加する
・四輪車や二輪車市場の電動化が急速に進展し、モビリティに対する顧客の嗜好も変化する
・脱炭素社会への移行に向けた政策及び法規制の導入は限定的
・四輪車や二輪車市場の電動化は一定程度進むも、その進捗は限定的
・気候変動の進展に伴い、気候パターンの変化、異常気象の激甚化・頻発化等により操業への影響が生じ、サプライチェーンリスク管理やBCPの見直しの重要性が高まる
主な参照シナリオ・IEA World Energy Outlook 2022, Announced Pledges Scenario(APS, パリ協定の目標達成シナリオ), Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE, ネットゼロ達成シナリオ)
・IPCC第6次評価報告書 SSP1-2.6
・IEA World Energy Outlook 2022, Stated Policies Scenario(STEPS, 現状の政策シナリオ)
・IPCC第6次評価報告書 SSP5-8.5

・気候変動に関するリスクと機会の特定、影響度の評価
重要な項目リスク時間軸影響度機会時間軸影響度主に関連するシナリオ
脱炭素社会への移行に向けた
政策及び法規制
カーボンプライシング炭素税導入・国境炭素税導入によるコストの増加短期~
長期
エネルギー効率の高い生産設備への切り替えによる事業運営コストの低減
生産・物流の効率化による事業運営コストの低減
短期~
長期
1.5℃/2℃
サプライチェーン全体でのCO2削減要求の高まりによる調達コスト・対応コストの増加短期~
長期
エネルギー各国での再生可能エネルギー拡大によるエネルギーコストの増加短期~
長期
省エネ・再エネ設備の開発・導入等による対応コスト・追加投資の増加短期~
長期


重要な項目リスク時間軸影響度機会時間軸影響度主に関連するシナリオ
四輪車や二輪車市場の電動化の
進展
(技術、市場、評判)
燃費・ZEV規制等の強化によるICE販売台数の減少、及びICE向け商品需要の減少短期~長期ICEの低燃費化、CO2排出量削減を目的に、車両の軽量化、エンジンの負荷軽減等への貢献短期~中期1.5℃/2℃
電動化等のCASEの進展によるOEM及び消費者の変化に対応できないことによる売上の減少短期~長期ユーザーへの価値提供を目的とした電動化商品の増加
CASEの進展に伴うモーターの電子制御化による商品付加価値の向上
短期~長期1.5℃/2℃
脱炭素化に伴う軽量化や省電力に対応した新商品の拡大長期1.5℃/2℃
脱炭素社会への対応遅れによる、投資家や従業員、顧客等、ステークホルダーからの選好・ブランドイメージの低下短期~長期脱炭素化への貢献に関する効果的なステークホルダーコミュニケーションを通じた、ESG投資家の支持拡大、優秀な人材の獲得、顧客層の維持・拡大短期~長期1.5℃/2℃
異常気象等の物理リスク異常気象(大雨・洪水等)による本社・生産拠点の被害、操業への影響長期災害時における安定供給の確保による顧客からの信頼長期4℃
異常気象によるサプライチェーンの寸断により、生産・販売が停止、売上が減少、及び原材料、部品の代替調達、並びに異常気象による世界的なパンデミック拡大等、対応コストが増加長期

当社グループにとって、特に「四輪車や二輪車市場の電動化の進展」については、リスク・機会両面において事業への影響が大きいものと認識しています。このリスク・機会への対応方針としては、短・中期では、電動化への移行期に重要となるICEの低燃費化、CO2排出量削減ニーズに着実に対応して、事業環境の変化に耐え得る財務基盤を強化するとともに、電動車向け新製品の開発投資を積極化し、顧客の多様化など拡販戦略を実行します。
長期では、電動車向け製品ポートフォリオを売上・収益の中核に育てる等の取り組みを進めていきます。
「脱炭素社会への移行に向けた政策及び法規制(カーボンプライシング及びエネルギー)」と「異常気象等の物理リスク」については、下表のとおりいずれもサプライチェーン全体を意識した対応を進めていきます。
・対応策
重要な項目対応策
脱炭素社会への移行に向けた政策及び法規制カーボンプライシング<サプライチェーン全体でのCO2排出量の削減>・省エネ設備への計画的な更新を継続
・設備の電動化や加熱工程の削減、リサイクル材活用等、生産設備の製作・工程設計の段階から源流にさかのぼった改善活動を継続
・再生可能エネルギー活用(太陽光発電等)の積極推進を継続
・環境マネジメントシステム(EMS)を調達先等サプライチェーン全体に拡大
・調達先のCO2排出量の調査や削減策の特定、及びグループ拠点間の輸送に関わるCO2排出量の調査や削減等、サプライチェーンマネジメント全体での取り組みを推進
エネルギー
重要な項目対応策
四輪車や二輪車市場の電動化の進展<電動化への移行期に重要となるICEの低燃費化、CO2排出量削減ニーズへの対応>・短・中期では、四輪・二輪ICEの低燃費化、CO2排出量削減ニーズを着実に捉え、各地域によって異なる脱炭素社会への移行過程を支えるとともに、製品の高収益化を通じて財務基盤を強化する(成長ポテンシャルのある「四輪:熱マネジメント系、シャーシ系(循環系等)」「二輪:エンジン補器系」等)
・二輪事業においては、ZEVの前段階として見込まれる高濃度エタノール車、FFM車(フレキシブル・フューエル・モーターサイクル)向け製品ニーズへ貢献
<電動化の進展に対応した新分野、新製品の開発・販売拡張>・電子制御化ニーズの増加に伴い拡大するモーター需要に対し安定供給を通じて貢献
・事業ポートフォリオの多くを占める駆動方式によらない既存製品群を四輪・二輪電動車向けにカスタマイズし、新たな市場を開拓
・電動化ソリューション事業による四輪電動車向け製品(熱マネジメント/ADAS/自動運転向け)等、電動化に対応した高付加価値製品の開発・販売を加速
・中国・インドのEV・OEMの新規市場を開拓
・MaaS対応の次世代モビリティ関連への商品やサービス等
異常気象等の物理リスク<サプライチェーン全体での災害対策の高度化>・BCP(事業継続計画)及びBCM(事業継続マネジメント)の構築・実践
・異常気象等の物理リスク(本社・生産拠点の被害、操業への影響、サプライチェーンの寸断等)に備えた設備投資
・サプライチェーンマネジメントの強化
・異常気象によるパンデミック等への対応として、従業員の健康管理や感染症予防など健康経営施策のさらなる推進

② 人的資本
当社グループでは、「人を活かし、人に生かされる企業となる」を経営理念の一つとして掲げています。組織は人によって成り立ち、個人の成長なくして組織の成長はありません。「ミツバビジョン2030」で目指す新たな価値や喜びを創出するためには、多様な属性や価値観を受け入れ、尊重し、立場や組織にとらわれない闊達な交流を含む多様性(ダイバーシティ)の実現が不可欠であると考えています。これら考えのもと、当社グループでは人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、ミツバグループ人権労働方針を制定しております。
・ミツバグループ人権労働方針
ミツバグループは、「世界の人々に喜びと安心を提供する」という基本理念に基づき、多様性を受け容れ、各自の基本的人権を尊重します。
1.労働基本権の尊重
ミツバグループは、労働者の権利を尊重し、労使との対話のなかで、働く上でのさまざまな課題解決に努めます。
2.差別とハラスメントの防止
ミツバグループは、出生、国籍、信条、宗教、性別、人種、民族、年齢、知的・身体的障がい、病歴、趣味、学歴、社会的地位などによる一切の差別を認めません。また、ハラスメントなどによる非人道的な扱いを行いません。
3.児童労働・強制労働の禁止
ミツバグループは、各国・各地域の法令等に準拠して人の雇用を行い、児童労働・強制労働は認めません。
4.働きやすい労働環境の提供
ミツバグループは、労働時間や賃金等の労働基準に準拠し、各国・各地域の法令等の遵守に努めます。また、効率のよい労働環境を目指し、ワークライフバランスの実現を支援します。
5.安全衛生
ミツバグループは、すべての人々が安心して働けるように安全で衛生的な職場づくりに努めます。
6.ダイバーシティの推進
ミツバグループは、女性、外国人、障がい者など、多様な人材の採用や登用、環境整備を積極的に進めてきました。今後は、これまでの取り組みに加え、さらなるキャリア支援・働き方改革を推進し、社員の多様性を事業活動や社内風土改革へ活かすための人事施策を実行していきます。
7.健康増進
ミツバグループは、社員一人ひとりが豊かで充実した人生を送れるよう、いきいきと長く働ける職場をつくることが重要だと捉えています。そのために、心身の健康の維持・向上だけでなく、ライフイベント(ケガや病気)の際にも安心できる職場環境と体制づくりを推進していきます。
8.エンゲージメント
ミツバグループは、「人を活かし、人に生かされる」という経営理念の浸透を通じて、個人の価値観と企業の価値観の重なりが最大となるように取り組みます。会社が目指す方向について、社員同士が相互に理解し、互い認め合える仕組みや環境を整備していきます。

当方針を受け、安全衛生や健康経営については安全衛生・防災委員会及び健康経営推進委員会を通じて、職場環境の整備に取り組み、人材育成や多様性等については人事機能が戦略や計画を議論しております。
詳細は、当社ウェブサイトをご確認ください。
https://www.mitsuba.co.jp/jp/sustainability/index_human.html

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