このように経営環境が厳しいなか、当社グループは、コストの優先順位を明確にし、販売の質向上、あるいは「手取り改善活動」に注力しました。しかし、修正した見通しには、若干届かない結果となりました。
結果、通期販売台数はグローバルで前年度比2%減の81万5千台、通期売上高は前年度比13%増の2兆7,896億円となりました。通期営業利益は、アセアン一部地域での全需低迷や、車両供給制約緩和に伴う競争激化、資材費・輸送費悪化を、販売の質向上に伴う売価改善や為替好転により打ち返し、1,910億円(前年度比+5億円)となりました。なお、経常利益は2,090億円(前年度比+270億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,547億円(前年度比△140億円)となりました。
当連結会計年度は、中期経営計画「Challenge 2025」の初年度でしたが、中国やロシアを含む地域ポートフォリオの見直し、アライアンスパートナーからの車種導入を含む新型車の投入・商品構成の見直し、当社グループ初めてとなるHEV車の投入など、過去からの流れを大きく変える起点となる年となりました。車種入れ替えの端境期となったことに、アセアン市場の景気低迷が重なり、対応に苦慮した面があった一方、手取り戦略は確実に進捗し、三菱自動車らしさを体現した『デリカミニ』や『トライトン』のヒット、ここ数年開発を進めてきたHEV車のヒット等で一定の収益を上げるとともに、次の成長に向けた手応えを掴んだ年でもありました。
2024/07/29 16:50