有価証券報告書-第89期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 14:11
【資料】
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)を取り巻く経済情勢は、米国や欧州など先進国では個人消費を中心に緩やかな景気回復が続きましたが、中国をはじめとした新興国では経済成長の鈍化や通貨安などの影響により先行き不透明な状況が継続しました。一方、国内では、個人消費は伸び悩んだものの、雇用環境の安定を通じ、景気は回復基調で推移しました。
自動車業界においては、グローバルな市場拡大が継続する中、環境及び安全への意識の高まりを受け、技術開発への取組みが活発化してきました。
当社グループは、このような環境変化をチャンスと捉え、グローバル生産体制の拡充、最適なオペレーションの構築、そして新規商品開発に注力いたしました。
まず、生産面においては、2015年10月、世界最大の市場である中国において2拠点目となる武蔵精密汽車零部件(南通)有限公司で量産を開始いたしました。また、販売好調な北米市場においては、メキシコのムサシオートパーツメキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイにおいて生産能力拡大に着手しました。
商品開発面においては、小型・軽量化により低燃費を実現するデファレンシャル※1、変速機構の変化により重要性を増すプラネタリィ※2などのユニット商品をグローバル市場に投入し、お客様からの高い評価を頂いております。
また、長期ビジョン「ムサシ・グローバル・ビジョン2020」の具現化の加速及び更なる競争力強化に向けて、各事業でグローバル戦略を立案・推進する事業部別組織体制としました。既存の二輪事業部に加え「PT事業部※3」、「L&S事業部※4」を新設いたしました。
お客様ニーズに対して、事業単位で各機能を集約し、高い質やスピードを持った体制の構築をしていきます。
※1=自動車走行のコーナリング時に左右輪に発生する回転差を吸収し、トルク配分を行う機構部品
※2=エンジンの高速回転を自動車が走りやすい回転数に変換する機構部品
※3=Power Train:パワートレイン(自動車の駆動系部品事業)
※4=Linkage & Suspension:リンケージ&サスペンション(自動車のフレーム連結部・足回り部品の事業)
このような状況の中、当連結会計年度における連結売上高は164,397百万円(前連結会計年度比3.9%増)、連結営業利益は13,398百万円(同15.6%増)となりました。
セグメント別の状況につきまして、日本地域は国内需要の停滞により、売上高は27,717百万円(同11.0%減)、セグメント利益は2,517百万円(同109.1%増)となりました。
北米地域は、好調な市場環境により、売上高は46,925百万円(同28.1%増)、セグメント利益は2,944百万円(同25.8%増)となりました。
欧州地域は、安定した需要を背景として、売上高は6,645百万円(同9.7%増)、セグメント利益は942百万円(同6.3%増)となりました。
アジア地域は、成長鈍化は見られたものの、売上高は73,772百万円(同3.4%増)、セグメント利益は7,725百万円(同9.6%増)となりました。
南米地域は、経済の失速及び通貨安の影響が大きく、売上高は9,336百万円(同28.4%減)、セグメント損失は1,132百万円(前連結会計年度は9百万円の利益)となりました。なお、南米地域の連結子会社において、固定資産の減損損失1,455百万円を計上しております。
連結経常利益は11,449百万円(前連結会計年度比3.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6,809百万円(同6.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,127百万円増加し、当連結会計年度末には14,253百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変化要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、22,968百万円(前連結会計年度比30.7%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益と減価償却費によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、10,211百万円(同49.7%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、7,585百万円(前連結会計年度337百万円の獲得)となりました。これは主に借入金返済によるものです。