有価証券報告書-第56期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/29 9:30
【資料】
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【項目】
121項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、ユニバーサルジョイント・ウォーターポンプ等の自動車部品製造・販売事業の独立系メーカーとして、いち早く海外に目を向け事業展開を進めてまいりました。
創業以来の社訓「和」によりグループ内の協調を高めることを基礎とし、グローバルな市場における自動車部品メーカーとして目指すべきグループ企業理念として
「技術革新と新製品開発を通じ、自動車部品産業のオンリーワン企業として国際社会に貢献する」
を掲げております。
この企業理念のもと、「顧客の多様なニーズに迅速に、グロ-バルに対応できる企業として成長する」ことを経営の基本方針として、技術力向上・人材育成・製品開発面で一層の強化を図り、業容拡大と収益力の向上を遂げ、ステークホルダーへの還元を重視する方針であります。
(2)会社の対処すべき課題
当社グループは新車用部品供給と補修用部品供給を両輪とした営業基盤を構築しておりますが、近年の自動車業界におけるグローバルな生産・流通体制、新興国需要の高まり、環境対応製品の広がりなどの外部環境に対して、当社グループとして対処すべき重点課題は、次のとおりであります。
・ 需要変動・環境変化に柔軟に対応できる生産・調達体制
・ 海外拠点の品質・生産性向上と安定的な調達先の確保によるコスト競争力強化
・ 新車用部品市場における新規顧客の開拓
・ 環境対応などの製品需要に対応した研究開発力と加工技術力の強化
・ 高付加価値製品分野への取組強化
・ グローバルに活躍できる人材の育成
なお、当連結会計年度におきまして、当社国内工場において製造した一部の製品において、当社内で製造した部品を組み付けるべきところ、販売先の事前承認を得ることなく、中国メーカーから購入した部品を組み付けた上、販売・出荷していたことが社内の内部調査において判明いたしました。また、一部において出荷関連データの書き換えを行い、当社製造による部品を組み付けたとして出荷していたことも判明いたしました(以下、当該行為を「本件不適切行為」とします。)。
当社としましては、本件不適切行為の重要性に鑑み、その内容および原因の調査、再発防止策の提言等を行うため、外部専門家を交えた特別調査委員会を設置し、調査を継続しております。
今回の件を深く反省するとともに、かかる事態を二度と引き起こさぬよう、再発防止のための具体的な改善策を講じ実施推進してまいります。また、その有効性の確認と進捗のフォローを着実に実行し、一刻も早い信頼回復に努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
「既存基盤(生産拠点・技術)を活かした成長と収益確保」と「今後の成長アイテムの開発と新たな加工技術の確立」を、引き続き中期的な経営の方向性とし、韓国や欧米の自動車・自動車部品メーカーをはじめとするグローバルな顧客・海外補修用市場で培ったブランド力・海外拠点・加工技術などの既存の事業基盤を活かして新市場・新規顧客・新製品の開拓を進めながら、将来の更なる成長へつながる布石を打つことで、世界の新車用・補修用部品市場において着実な事業の拡大を目指します。
(4)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、米国の貿易政策の影響や朝鮮半島情勢など世界経済は不透明な状況が続くなか、世界の自動車需要は、中国や東南アジア等の新興国を中心に緩やかな拡大基調を維持するものと予想しております。
このような環境のなか、新車用部品市場においては、引き続き新規顧客の開拓を進め、品質の維持と改善に努めると共に生産体制を強化してまいります。補修用部品市場においては、引き続き収益性の改善に取り組みつつ、品質保証体制の強化にも取り組んでまいります。また、次世代に繋がる新製品や新技術の研究開発を推し進め、事業の拡大と事業環境の変化に柔軟に対応できる体制の強化に努めてまいります。